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『プレデターズ』はイージーな詰め将棋だよ。

プレデターズ

 映画の感想が7つも溜まっているのでさくさく更新したいのですが、どうも筆が進まず。申し訳ございません。
 今回感想書く『プレデターズ』はいいんだけれどね、次回感想書く『恐怖』って映画が非常に困った映画で…。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。平日の夜で大して混んでいませんでした。カップルが多いこの映画館にしては一人客が多め。外国人が多め。


概要:監督は『アーマード 武装地帯』などのニムロッド・アーントル、製作は『デスペラード』『シン・シティ』『グラインド・ハウス/プラネット・テラー』などのロバート・ロドリゲス。『エイリアンVSプレデター』などの番外編を抜かすと、『プレデター』シリーズの20年ぶりの新作になる。
 落下中に意識を取り戻し、墜落死を免れた傭兵のロイス(エイドリアン・ブロディ)。そこは鬱蒼としたジャングルの中。そして同じように状況も分からぬまま見知らぬ土地に放り出された数人の男女。彼らはCIAの凄腕スナイパーやロシア特殊部隊の隊員、あるいはヤクザや死刑囚といったいずれ劣らぬ戦闘と殺しのエキスパートたち。やがて一同は、自分たちが謎の地球外生命体によって彼らの惑星に拉致されたことを悟る。そしてその目的が、その地球外生命体が狩猟を楽しむためだと。ロイスは渋々ながらもリーダーとなり、人類最強の殺し屋集団を率いて、恐るべき未知の敵へと立ち向かっていくが…。
"allcinema online"より抜粋)


 「まるで映画を見ているよう」なんて言ってテレビゲームがもてはやされる時代があったけれど、最近は映画を「まるでゲームのよう」なんてほめることも多く、世の中のゲーム文化に対する期待値が上がったのか、映画文化への期待値が下がったのか、映画がゲームに対して高尚なツラしてデンと構えていられるのも時間の問題になってきたのかもしれない。

 ここでいう「ゲーム的映画」というのは、一つの困難な状況に放りこまれた複数の人間が時にいがみ合い、時に結託して、困難な状況を打破していくという、登場人物の過去や物語の設定などの描写を極力避けて出来る限り戦闘シーンの部分だけを描いた詰め将棋的な映画のことである。

 今作『プレデターズ』もまさにそんな作品。「宇宙人のハンティングの獲物として地球から拉致された殺人のプロフェッショナルが、戦いながら宇宙人から逃げる話」と言えば簡単に説明が済む。
 そんな「詰め将棋的映画」について考えたいと思います。


 「詰め将棋映画」のその他の例として、たとえば与えられた問題をワケも分からず黙々と解いていくことを強いられる『CUBE』『レベル・サーティーン』『バトルロワイヤル』など、また事件などは全て終了していて、判決を決めるだけの『十二人の怒れる男たち』などがあげられるか。この映画の冒頭で「似ている」と感じた人も多いであろう、漫画『GANTZ』なんかが、意味も分からずただひたすら与えられた任務を次々とこなさなければならない、そのゲーム的な展開の無機質な気味の悪さを描いていて、この手の『詰め将棋的』な作品としてはけっこう最高峰かなと思う。

 こういう「詰め将棋的映画」の利点は、シンプルな物語構造にキャラクターを置くことで、よりそのキャラクターの人間味のあるアクションや心理が描けることではないかと考える。異様な状況下にあって人は本性を現し、エゴをむき出しにする。そういうシンプルな設定でエグい人間ドラマをイージーに(そして多くの場合低予算で)描けるので観客の理解も得られやすく、こういう映画は年々多くなっている傾向があると思う。
 で、こういう作品の醍醐味って、動機などなくとも問答無用でゲームに参加でき、「ゲーム」ならではのルールにエゴむき出しで強制参加させられるところだと思う。
 今作はそのゲームのルールが「どっちが強いか」であり、「殺人のプロフェッショナル」とプレデターは「どちらが強いか」が描かれる。そいつは男子ならワクワクする事請け合い。そもそも第一作『プレデター』にしてもアーノルド・シュワルツネッガーと凶悪宇宙人が戦ったらどっちが強いかってな話だったし、「どっちが強いか」は問答無用でワクワクします。
 そんなわけでロシアの特殊軍人、傭兵、CIAのスパイ、ヤクザ、メキシコのマフィア、殺人鬼など個性的な殺人者がそれぞれのらしい銃器を構えて次々と登場する序盤はとにかくワクワクします。こいつらどんな戦いをするんだろう、どいつが生き残るんだろうって。ただなぜ、プレデターがその獲物として、主人公達とは別に拉致していた、虫が這っている宇宙人を仲間として活躍させなかったのか激しく疑問に残る。ゲーム的映画というならば、こういう戦闘集団にクリーチャーの仲間は必須だろうて。

 まぁそれはそうと序盤はそれでワクワクしたんです。ですが、描かれる人物がそれこそ記号化されたひと昔前のゲームキャラクターのようで、いまいちうまく描かれていない。人間がリアリティあって、個性的であればあるほど、彼らが戦い、残酷に殺されていく様が楽しいのに、例えば殺人鬼スタンズ(ウォルトン・ゴギンズ)の終盤の心情の変化の理由は唐突すぎるし、主人公ロイスの心情は最後までよく理解できないまま終わるし、戦い方に関してもまぁヤクザのハンゾー(ルイス・オザワ・チャンチェン)は、そのかけ声がヒョロくて気が抜けてしまったのはおいといて、個性的には描かれていたが、ロシア軍人のニコライ(オレッグ・タクタロフ)とか、メキシコのマフィアクッチーロ(ダニー・トレホ)あたりはもっと個性的な戦い方をさせてくれたら良かったのに…。

 で、クライマックスのプレデターとの対決でも、いまいち盛り上がりに欠けてしまう。それはプレデターというモンスターを描く難しさにも原因があったと思う。最強の戦士として描かれていて、一方でその装備品や雰囲気から『パート2』のようなトリッキーなアクションを期待されるが、その存在が最強故に、堂々と表れ堂々と戦う演出を与えられる。デューク東郷やダーティ・ハリーがそのキャラ故にちょろちょろ動き回って戦う事ができないように、そのため観客が期待するトリッキーでスピーディーな忍者のような行動はさせにくい。なので今作はステルス迷彩で姿を消えてクールにキャノン砲を撃つだけの活躍が多い。
 最後のロイスが仕掛けたトラップを駆使した戦いも、プレデターがあまりに堂々と罠に引っかかるために、なんだかすごく淡白に見えてしまいあんまり面白くない。
 せめて終盤のプレデター対プレデターの戦いくらいもっとスピーディーなアクションを見せてくれても良かったのに。

 そもそもプレデターという存在自体が、当時大スターであったアーノルド・シュワルツネッガーに対する添え物的モンスターであったはず。単体で主役を張るという事自体、プレデターは、実はそもそも難しいキャラクターなのではないだろうか。一方で、主役エイリアン・ブロディは『ダージリン急行』のころとは同一人物だとは一切思えないようにマッチョに変貌して頑張ってはいたのだが、シュワちゃんの存在感にはかなわない。

 あと、不満点として、パート1でシュワちゃんとプレデターが戦った事がある事は本作で言及されていたけれど、パート2のことはまるで言及されていなかったのが不自然に感じました。むしろパート2の方が世間一般に知られた事件であったはずなのに。


 以上、ワクワクさせるゲーム的な設定にはワクワクするし、そういうゲーム的な映画に抵抗は別に感じないけれど、そういった手法で物語を描くならばもうちょい映画らしい面白い見せ方を加味する余白が十分にあり、それをみすみす描かないのはあまりに惜しい作品であったなと感じました。まぁ無難に楽しめる映画ではあるんだけれども…。
 エイドリアン・ブロディさんは、続編を作りたいらしいので、あるのならば続編に期待ですね。
 小林麻央レベル

 てなわけで次回は先にも書いた通り、高橋洋監督のジャパニーズホラー最前線映画『恐怖』の感想を書くぼーん。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/29(木) 13:27:10|
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