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『ミレニアム2 火と戯れる女』はパート3に続くよ。

ミレニアム2

 8月のようにたまって取り返しがつかない事になる前に感想書いて行きますよ。
 今回は当ブログでも取り扱った『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の続編『ミレニアム2 火と戯れる女』の感想でございます。

 観に行った映画館は渋谷シネマライズ。火曜1000円の日でわりと混んでいました。会社帰りっぽい一人客が多め。オバサン率が高かったけど、原作ファンも多いのかな?
 パート3『眠れる女と狂卓の騎士』も同時上映で、僕も含め、続けて2本見るお客さんが多かったです。


概要:スティーグ・ラーソン原作の『ミレニアム』の続編。監督は前作と違いダニエル・アルフレッドソンという人。出演者は前作と変わらず。
 鼻ピアスに全身タトゥーの華奢な天才ハッカー、リスベット(ノオミ・ラパス)の協力でヴァンゲル家事件を解決し、晴れて月刊誌『ミレニアム』への復帰を果たした社会派ジャーナリスト、ミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)。事件以来、リスベットとは連絡の取れないまま1年が経とうとしていた。そんな時、少女売春組織の実態に迫る特集記事の準備を進めていた記者2人が殺害される事件が発生、現場にリスベットの指紋が付いた銃が残されていたことから、彼女は殺人犯として指名手配に。過去のトラウマから誰も信じることのできないリスベットは、警察の追跡をかわしながら、たった一人で犯人と対決する道を選ぶ。一方、いくつもの状況証拠にもかかわらずリスベットの無実を信じるミカエルは、真犯人を突き止めるべく独自に調査を開始する。やがて事件の背後に浮かび上がる“ザラ”というキーワード。そんな中、痛みを感じない謎の金髪の巨人がリスベットへ迫っていくが…。
("allcinema online"より抜粋)


 前作は一話で完結していた本格ミステリーだったけれど、このパート2と3は続きモノであり、今作は「社会派サスペンス」とでも言うべきか、いささか趣きの異なるものとなっている。
 趣きは異なるものの、依然としてテーマ性は変わらず、人と人とのねじ曲がってしまったコミュニケーションの物語である。そこらへんを解説していきたい。

 リスベットがコミュニケーションの代替物としてのとげとげしい暴力で謎を究明していくのに対し、ミカエルはたくみな話術で謎を究明していく。パート1の「ドラゴン・タトゥーの女」でもあったこの対比が、本作においてはより差別化して表現されている。
 前作はそれでもリスベットがコミュニケーションを取らなくてはならない相手は面識すらない他人だった。しかし今作では否応なくコミュニケーションをとらざるを得ない「家族」という他者が彼女の前に立ちはだかる。
 そして語られるのはリスベットが幼いころ受けたひどい家庭内暴力や、性的いやがらせ。あまりに幼くして彼女は、人は人とコミュニケーションをとる時、否応なく痛みが伴うということを、最も残酷な形で知ってしまう。全身ピアスに背中に巨大な龍のタトゥー、黒づくめのパンクファッションで、すぐに手が出るうえやたら強く、同性愛者、傷つけ傷つけられるのを恐れて、近寄るもの全てを威嚇しながら孤独に生きる彼女はこのようにして誕生したということを観客が理解するに十分な理由である。

 きちんと他者とコミュニケーションをとれていると思われるミカエルですら、記事で他者を傷つけているし、あまつさえ「ミレニアム」の編集長エリカ(レナ・エンドレ)と不倫をしていたりする。十分人を傷つけている。
 「痛みを一切感じない男」金髪の巨人、ロナルド・ニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)とミカエルの違いは「他者の痛みを知っているか否か」にあると思う。リスベットはその間を揺れ動く。パート1の最後、彼女は少女を暴行し続けた男に残虐な仕置をしたが、彼女がやがて人の痛みを理解できるような余裕を持ち、他者と真っ当なコミュニケーションをとれる日はくるのであろうか?
 気になる所で、リスベットが大変な事になってしまって、パート3『眠れる女と狂卓の騎士』へと物語は続く。
 
 『ロード・オブ・ザ・リング』でも新旧『スターウォーズ』でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも3部作もののパート2は、暗雲立ちこめるなか終わる事が多いが、本作もまた暗雲立ちこめる中物語は集結する。その禍々しい暗雲を象徴するかのように、本作で描かれる「炎」の描写がまるで地獄のようで恐ろしい。山小屋の火事とかリスベットの少女時代の回想に出てくる燃え盛る車とか。本作のタイトル『火と戯れる女』「火」とはリスベットが12歳の時に実の父親を殺そうとガソリンとマッチを投げつけた事件に発するが、「火」とは、『エアベンダー』などの他作品でもよくその象徴とされるように、コミュニケーションの代替としての「暴力」を象徴するようなものなのであろうか。


 以上、本作はパート1と趣向は異なるものの、パート1同様に人と人とのねじ曲がったコミュニケーションを、よりはっきりと描いた作品であると思う。


 不満点は、前作や『ぼくのエリ 200歳の少女』などに見られた北欧映画独特の陰鬱な雰囲気が失せてしまったこと。
 終盤、『バットマン』のトゥーフェイスがごとく顔半分が焼きただれせむし男のように腰が曲がった老人と、痛みを感じない金髪の巨人が表れてから、ようやく映画に怪奇性が出てどんより暗くなってきて嬉しかったです。
 あと暴力描写が前作に比べ痛くなかったのは寂しかったです。
 あと痛み感じなくてもスタンガン喰らったら神経おかしくなって失神するよねとか。

 パート1ほどのエネルギーはありませんし、これ一作で完結する気はさらさらないっぽいので、過度な期待は禁物ですが、それでもきちんと緊張感を持たせながらとスピーディーな展開で語られていくストーリー捌きはなかなか見事でございます。

 桐谷美玲レベル

 そんなわけで次回はパート3『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』の感想をかきます。さらば!

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  1. 2010/09/30(木) 18:50:42|
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