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「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

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『完全なる報復』は中年A(中学生っぽい大人)の凶行だよ。

完全なる報復

 映画がどんどんたまってきているのでスパスパ更新していきます。
 今回は『完全なる報復』の感想。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。公開3日目でしたが、客数はそこそこ。ここは休日とレディースデイ以外は大体空いてますね。男性の一人客が多め。

 
概要:監督は『交渉人』やリメイク版『ミニミニ大作戦』のF・ゲイリー・グレイ。脚本は『リベリオン』のカート・ウィマー。音楽はブライアン・タイラー。
 ペンシルヴェニア州フィラデルフィア。クライド(ジェラルド・バトラー)は妻と幼いひとり娘に囲まれた温かい家庭を築き、幸せな人生を送っていた。だがある日、突然自宅に押し入った2人組の暴漢に重傷を負わされ、家族を惨殺されてしまう。やがて、犯人のダービーとエイムスは逮捕されるが、決定的な証拠に乏しく、裁判での負けを恐れた担当検事のニック(ジェイミー・フォックス)は、独断で主犯格のダービーと司法取引を行い、エイムスに不利な証言を引き出す見返りにダービーの罪を軽減してしまう。結果、エイムスの死刑が確定する一方、ダービーはわずか数年の禁固刑に。到底納得のいかないクライドだったが、彼にはどうすることも出来なかった。それから10年後、エイムスの死刑執行日。無痛の薬物で安楽死となるはずの彼は、もがき苦しみ壮絶な断末魔とともに息絶えた。さらに間もなく、とうに出所済みのダービーがバラバラ死体となって発見される。すぐさま容疑者に挙がったクライドは何の抵抗もなく拘束された。だがそれは、ニックをはじめ当時の関係者全てに対するクライドの壮大な復讐計画の始まりに過ぎなかった…。
"allcinema online"より抜粋)


 「正義」とは昨今よく語られるテーマだが、それをまじめに語ると中学生っぽいと小馬鹿にされがちだ。911テロやイラク戦争に出会う前から我々はその言葉の危うさを知っていて、ちょっと前まではいい大人が語りにくい、語るのを逃げられがちなものだった気がする。
 そんな中ベストセラーになったある本は大人としての「正義」のあり方を説いていた。それに留まらず21世紀の「正義」はもっと語りあっていかれるべきなのであろう。
 もちろん、依然として中学生が考えそうな独りよがりの「正義」っていうのは確実にあるはずで、本作は21世紀に語るにはいささか語られ尽くされた感はあるが、そのような中学生的な正義の危うさをスリル満点に描いた佳作だと思う。


 本作で主に描かれるのは、個人の正義と法の関係。すなわち「法」は誰かの、あるいは国民大多数の「正義」であるべきなんだろうけれど、その正義の感覚にあぶれちゃう人は必ずいる。
 最大公約数的正義にあぶれてしまった者が、正義感にあふれる者で、行動的だった場合、世の中的には彼はどう映るのだろうか。

 検事ニックはその定められた最大公約数的な「正義」の中で、適度な折り合いどころを見つけ、一般的な日常生活をおくることができたが、家族を目の前で惨殺されたにも関わらず、司法取引によってその犯人は軽い罪ですみ、そのような最大公約数的正義の司法と自分との間に絶望的な壁を感じた主人公クライドは、法に対して徹底的な抗戦態勢をとる。

 そしてクライブは行動に出る。彼がとった行動は、「この間違った司法に関わったやつら全員殺してやる」っていう『告白』の少年Aもびっくりの中ニマインド溢れたものであった。そんなもの彼にとっては「正義」だが、最大公約数的正義に当てはめればもちろん悪。
 で、そこんところ、「あり得ない」とツッコミを入れて、受け付けない人も少なくないとは思いますが、他の登場人物が、例えばニックたちが最初は彼の犯行に不謹慎ながら賛同していたところにも現れているし、終盤、彼に感化され検事も市長も「俺の正義の前に、法なんて知ったことか」って態度になった(最大公約数的正義の否定)ように、嫌な気持ちになる反面スカッとする。この点、僕は割と映画的なハッタリが効いていていいと思う。面白いし笑えるし。
 実際見ていて飽きることはなく、二時間ハラハラしっぱなしでした。


 しかしクライドが中盤、実は「かつて政府に雇われていた殺しのプロだった」てな設定が表れてきちゃうのがとても興ざめ。そこら辺の発明好きなオッサンが理不尽な社会にキレて、あまりに無謀で幼い犯行を犯すってのなら、共感もできるし、どこかで応援もできるが、殺しの手口を知り尽くしたプロがそういう犯行を犯すのはあまりにショボいし、なんだかフェアじゃない気がする。
 まあそこら辺のオジサンが実はかつて凄腕の殺し屋だったってな展開も、中学生っぽいからその点では、筋が一本通っていて悪くはないんだけど…。

 そこら辺から主人公に共感がしにくくなり、同じ房の囚人殺すのは「彼の正義に反するものを殺す」ってルールに反してないか? とか、彼の「正義」すら疑わしくなり、「法と正義」という本作のテーマも考えづらくなってしまう。で、中2くささも暴走を始める。

 この物語が最終的に提示したメッセージは、価値観があやふやで千差万別なこの世界において、何より大切なのは、クライドのように自身の「正義」を貫くということではなく、他者との折り合い地点を見つけるのが必要ということなのではないだろうか。折り合いを見つけられない者はどんなに立派な「正義」を持っていようが悪と観なされてしまう。
 ニックは、物語の最後、行くと言い続けて、自身の「正義」の職務を優先するあまり行けてなかった娘のピアノの発表会にきちんと行った。

 まぁそんなのどうでもよくて、この映画に関しては、『96時間』みたいな『BLEACH』みたいな中2ストーリーを楽しめばいいんだと思います。


 不満点というか突っ込みどころはたくさんあります。
 例えば13時までにケータリング用意しろみたいな要求で、クライドに行方不明の弁護士の居場所教えてもらって…ってまではいいのですが、なんでニックがその場所自分で行くの? っていうツッコミ。もっと近場にいる警察官にでも頼めば弁護士死なずにすんだんはないの? とか、終盤の爆弾を処理に行く時もなんでニックがわざわざ行くの? って、お前検事だろ?
 あと、いくらなんでも刑務所の下に全ての房に繋がる巨大な穴を掘っていたとか無理がありすぎだろっていうか、クライドその穴からどうどうと抜け出して犯罪外で散々人殺していたけれど、自他ともに認めて世間がビビりまくってる超凶悪犯ぐらいきちんと24時間監視してろよ!
 というかこの手の映画で定番なのですが、この監視の問題を含め警察が無能過ぎ。そもそも事件の発端である強盗殺人の犯人達が、クライブの目の前で家族殺しておいて、なのに警察がしくじって“証拠の不採用”で起訴できないってそんなんありますか?
 あと最後、ちゃっかり爆弾を移動しちゃっているところとか。ああいうのって動かせないからヤバいんじゃないの? あの爆弾処理班の人がなんとかしたのかな?

 まぁそういううっかりも含め、計算ではなく天然でいく『告白』みたいな映画でした。そういえば少年Aもクライドもどちらも発明好きなところも似ている。

 まあそこら辺のツッコミポイントは別に不満というほどではなく、むしろ本作においては可愛いらしくて愛ですらあるのだけど、いちばんの不満点は「正義」の恐ろしさだけではなく、正義の素晴らしさを語ってくれなかったことかな。「正義」の魅力、素晴らしさを、危険性と並べてチラつかせて、観客を「自分もこんな狂気じみた正義を振り回すことがあるかもしれない」と感情を揺さぶって欲しかった。


 などなど、基本面白くハラハラドキドキしっぱなしでしたが、「正義」というある種暴力的な概念をバタフライナイフのように振り回してしまうという、その無邪気さに可愛らしさすらあるあぶなっかしい中2映画でした。ちなみにこの映画中学生はR-15なので観れません。

 板野友美レベル

 てなわけで次回はこのブログ的に扱わざるを得ないのではないだろうか。『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』の感想。このタイトル、バカにしてるのだろうか?
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/01/30(日) 22:57:57|
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