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『孫文の義士団』は日常的な大事件だよ。

孫文
 たまには更新するよ。
 更新しないで申し訳ありません。本日は『孫文の義士団』の感想でございます。

 観に行った映画館はシネマスクエアとうきゅう。客層は年配の方が多め。この映画館は作品に限らず年配が多め。そんなに混んでませんでした。


概要:2010年の香港映画。監督は『アクシデンタル・スパイ』などのテディ・チャン。
 清朝末期の香港。そこに、腐敗した王朝の打倒を掲げて立ち上がった男、孫文が日本からやって来るとの極秘情報がもたらされる。目的は、中国各地の同士たちと武装蜂起へ向けた協議を行うため。孫文を亡き者にしたい西太后はこのチャンスを逃すまいと500人もの暗殺団を送り込む。そこで、孫文を守るための義士団が結成される。集められたのはスパイとして働く警官や車夫、ワケありの物乞いなど市井の民たち。彼らに課された使命は、孫文の影武者と共に囮となり、会談が終わるまでの1時間を500人の暗殺団相手に戦い抜くというものだった。
("allcinema online"より抜粋)


 我々が生活をする"日常"とはどのように成り立っているのだろうか。
 例えばいち個人である明智光秀や坂本龍馬が血を流さなかったらこの時代は到来していただろうか。全然変わらないかもしれないが、もしかしたらまるで違うかもしれない。ヒットラーがいなかったら世界はまるで変質していたかもしれない。時に個の力は多くの人の日常に非常に深く関与する。
 この前の震災にて身の回りの世界が変わろうとしている中、今までの日常は多くの人の苦労の上に成り立っていたのかと感じる。食べ物、電気、娯楽などなど様々なものがストップしちょっとしたことで簡単に日常は崩れてしまった。多分僕だって日常の歯車の一部を担っていたのであろう。ちっぽけな個人ひとり欠けただけで人々の日常は変わってしまう。
 しかしその行為を「国を安定させるため」だとか「みんなの幸せを守るため」といった大それた志にて殉じている人は皆無であろう。みなそれぞれの生活のために歯車となっているだけなのだ。
 "個々の生活を守る行い"がそのまま社会を成立させる。

 本作の邦題は「義士団」なんて大それているが、洋題は"BODYGUARDS AND ASSASSINS"すなわち「ボディガードと殺し屋」であり、それはイデオロギーなど一切匂わせない単なる"職業名"にすぎない。それもそのはず、本作の「義士団」たちは今世界がどうなっているのか、自分たちが守るべき孫文とはどのような人物なのかなどまるで知らない者がほとんどなのだ。
 ほとんどのキャラクターが、生活のため、プライドのため、恩に報いるため、復讐のために孫文のボディーガードになるのだ。
 暗殺者側もそうだ。最後、ただ孫文を殺害するだけのためだけに『ターミネーター』のごとく殺人マシーン化するヤン・シュオグオ(フー・ジュン)。彼には理念も何もない。ただ与えられた目先の使命をまっとうするだけの仕事人である。

 そして一見歴史の授業とは無関係で、イデオロギーなど決して持ち合わせない彼らが血を流したことで今日の経済大国である中華人民共和国ないし我々の生活は成立しているのだ。


 本作の見どころは素晴らしいカンフーアクションにある。我らがマスター『イップマン』のドニー・イェンが、『イップマン』とはまた違う三枚目の演技とアクションを披露していたり、車夫アスーを演じるニコラス・ツェーのへなちょこだけど肝が座っている殺陣、世捨て人リウを演じるレオン・ライの美しい舞のような殺陣、ただただ破壊を求めるかのような暗殺者ヤンやドニー・イェンと凄まじい追撃戦を展開するチェンシャン(カン・リー)の鋭く重く触れるものをすべて破壊する殺陣など見応えたっぷり。
 ところで本作のもつある種の歴史ロマンないし社会科的な視点はフィクションとはいえ史実に近い形となっており、しかもリアリティを求められる近代史である。このリアリティと香港映画お得意の物理法則完全無視カンフーアクションの取り合わせは一見不釣り合いな気もするが、上記の「個々の生活の上に成り立つ雄大な歴史」という観点で考えてみると、個々の生活を成り立たせる個々の力を表現するにカンフーは不自然ではない。
 むしろ歴史の政治的な動きには、一見それと無関係に見える個々人の生活が深く関与していることを描写するには、本作の孫文の政治革命とカンフーの関係はとても適していると思う。

 このように、『孫文の義士団』は、今我々が立っている日常というものは、様々な政治と様々な殺し合い、様々な犠牲と様々な生活、様々な思想と様々な想いの上に成り立っているものであるのではないかと、本作を見て感じた。


 不満点は、人間臭くアクションが爽快なドニー・イェン演じるシェンか車夫アスーをメインに添えてもっと観客が共感できる箇所を増やして欲しかったかなと。志が高すぎるリー親子ではちょっと共感しづらく映画に感情移入しにくい。

 そんなわけで、ドラマも良し、アクションも良し、軽くも深くも楽しめるとても楽しい映画でした。おすすめ。

 二階堂ふみレベル

 次回は三浦しをん原作、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣監督作品『まほろ駅前多田便軒』の感想でござい。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/04/30(土) 18:26:26|
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