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『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』は精巧なミニチュアだよ。

名探偵コナン

 そんなわけで今回はサイコロ転がして観に行くことになった『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』の感想。

 観に行った映画館は吉祥寺プラザ。数年ぶりにこの映画館に行ったのですが、相変わらず昭和!!ピンクの電話おいてあるし、事務局のドアが開いていたので覗いてみたら大昔のテレビが!!昭和!!アイス売りのオバさんが来たり煙草を吸い出すおじさんが出てきそうな雰囲気。今調べたら公式ホームページが存在しないとか!!是非是非このままずーっと残っていて欲しいです。お客さんは僕と僕の連れの人と、ギャル二人、おじさん一人。公開して一ヶ月以上経っているしこんなもんですね。
 ギャル二人はゲスト声優の戦場カメラマン渡辺陽一さんの登場で異常なほどゲラゲラ笑っていましたが、彼女たちは渡辺陽一さんのファンでしょうか?


概要:2011年の日本映画。青山剛昌原作人気TVアニメの劇場版シリーズ第15弾。総監督は山本泰一郎、監督は静野孔文、脚本は古内一成、音楽はザ・スパイダーズの大野克夫。
 ある日、朝倉都知事宛の脅迫状が届き、翌日、都知事が開通した新地下鉄トンネルが爆破される。コナン(声:高山みなみ)の活躍でけが人は出さずに済んだが、都知事を狙ったテロ事件への懸念が高まる。コナンは、都知事が国土交通大臣時代に関わった新潟県のダム建設を巡って怨みを持つ者がいないか調査に乗り出す。やがてダム建設の村で8年前に起こった交通死亡事故と、同じ日に崖から転落して以来意識を失ったままの少年・立原冬馬の存在が事件の重要なカギとして浮上してくるが…。
("allcinema online"より抜粋)


 最初に言っておくと『コナン・ザ・グレート』『未来少年コナン』の知識はございますが、『名探偵コナン』の知識はまるでございません。
 本作のオープニングクレジットで、コナンが如何にして「身体は子供、頭脳は大人」になったかとか、そのほか諸々のことが「そんなの言わなくても知ってるよね」みたいな風に語られていますが、あれがあって助かったくらい僕の中で今まで触れてこなかったシリーズです。
 てなわけで今回は「いまさらそんな語られ尽くされた感想言われても…」みたいに思われるかもしれないです。ご了承を。
(※)総じて本作に対して好印象なのですが、その理由の一つとして、他のテレビドラマやテレビアニメの映画化によくある原作に通じてないとよくわからない作りになっていなく、この映画のみで一見さんでも充分楽しめる作りになっている点があげられます。


 当ブログで何度か書いているけれどオモチャが好きである。オモチャと言うより"ミニチュア"が好きで、あまりアニメキャラのフィギュアは興味なく実写作品のフィギュアが好きなのだ。
  で、本作の面白さの基本は「ミニチュアの楽しさ」にあると思う。そこを解説したいと思います。


(1)本作のそもそもの醍醐味というのは、本格派ミステリーを子供の視点で楽しめるという点にあると思う。
 横溝正史や江戸川乱歩が陰惨に描きそうな殺人事件をちびっ子向けに描き、天才探偵が小学一年生にまでミニチュアライズされたという設定の主人公が、サッカーボールやスケボーなど身近なアイテムを駆使し解決する、そういう「等身サイズの本格派ミステリー」、それがミニチュア的なのだ。

 そしてその映画版である本作もまた「ミニチュア」のルールから外れず「ハリウッド映画的なアクションミステリー」のミニチュアを見事に展開している。


(2)「ハリウッド映画的なアクションミステリー」とは、例えば『アンストッパブル』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のように、主人公の絶え間ないアクションと、理にかなった物語展開、ショッキングなシーンの連続で飽きさせずに物語展開する点などに代表される。
 本作もまず最初にスリル満点の新幹線爆破エピソードから始まりそれをきちんと小学生のコナンの活躍で解決する。「小学生がこんな活躍出来るか?」と、多少無理もあるがまぁそこら辺はこのアニメのリアルの線引き的に許される範疇かと。
 で、舞台を映画らしいロケーションの雪山にうつし、そこで殺人事件の関係者とそれぞれのドロドロとした関係性を簡潔に説明。
 ちょっと説明くさくなってきたところで第2の殺人事件で観客にショックを与え、続いてテンポよく事件解決へ。
 さらに殺人事件の内情を知ってどんよりとした劇場内のもやもやを晴らすように最後にど派手なアクションを投入してカタルシスを与える。

 以上のような実に理にかなった、最大公約数の観客を最大限に楽しませる手法で映画が進む。これがハリウッド映画的な楽しさを、ミニチュアライズして描くということである。


(3)「ミニチュアライズ」の意味をもう少し拡大すると、例えば「余分なものを省いてシェイプアップすることで分かりやすくする」という例があげられる。

 ホテルのロビーでの事件関係者紹介シーンで、彼らは「かつてこいつがこいつの妹を轢き殺したんだ」だの「こいつはいつまでもダム建設に反対していたんだ」だのを初対面でしかも小学生のコナンたちの前でいきなり語る。
 いくら理にかなったハリウッド映画的なストーリーテリングとはいえ、最低限不自然にならないよう物語を進行させる必要があり、そんな一つのシーンで全てをの人間関係を初対面の小学生を前に語ってしまうというような描写は普通の実写映画なら決して行ってはいけない描写だ。
 しかし観客が本作に期待するのは"ミニチュア的な本格ミステリー"、詰め将棋的な謎の提示とその解決、ジェットコースターのような一時的なスリルを与えるアクションを見られればいいわけで、この映画に限ってはそういった暴力的な省略も許されてしまうのだ。

 また、初対面の小学生を前にどろどろした過去をべらべら語る事に関しては、キャラクターデザインを上手く利用することでそこまで不自然になっていないと思う。すなわち、どちらかと言えばリアル寄りのキャラクターデザインと性格を持つ事件関係者たちに対して、コナンやその仲間たちの「名探偵サイド」はすごく漫画っぽいデザインと性格で区別されているため、「名探偵サイド」がいささか不自然な状況に置かれても、彼らをリアルとアンリアルの境界を行き来できるトリックスター(※)として見ることが出来るためそこまで不自然に思えないのだ。
 これもコナンたちの持つミニチュア的デザインによる視覚効果と言えるだろう。

(※)二つの世界を行き来できる者のこと。シャーロック・ホームズ、明智小五郎、金田一耕助、名探偵ポワロなど、名探偵は血みどろの殺人事件に対して距離を保ち客観視して、事件が終了してから介入していく必要があるため、この世の者ではない異世界の住人のような現実性のない性格づけが多い。


(4)ではミニチュア的なものに我々が得る楽しみとはなんだろうか。
 ミニチュアとは模型、「模」した「型」である。神でも車でもバイクでもロボットでも怪獣でも、そして名探偵でも、自分より大きな力に触れたとき人はそれを手元におき安心したい欲にかられることが多い。
 それが偶像崇拝になり「模型」につながるのだ。
 かつての名探偵たちは目を覆いたくなるような陰惨な殺人事件や、巻き込まれたら99パーセント死ぬような大事故に面したときそれを解決できるような天才的な頭脳を持っていた。それに触れた我々はなんとかお手頃サイズで「名探偵」や「事件」を欲したくなる。
 その結果が『名探偵コナン』でありその映画版なのではないだろうか。


 以上、『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』はミニチュア的な意匠が散りばめられており、お手頃サイズでハリウッド映画的なサスペンスアクションが楽しめる作品だったと思われる。


(5)不満点としてはキャラクタービジネスとしてのテレビアニメの映画化の宿命なのだろうけれど、頑張ってシェイプアップした物語の中であきらかに活躍していない、出ているだけの登場人物が多いこと。ヒロインの友達とか。
 それと子供にも分かりやすくする配慮かもしれないけど、パッと見ただけでなにが面白いのかわかるギャグを、「おいおいすでにメタボじゃねーか」とか「おいおいここに新一はいるんだけどな」とかいちいちコナンがモノローグでツッコミ入れて説明するところ。
 あとあまりにダサすぎるエンドクレジットとか。実写映像になってB'zの歌を背景にスキーヤーが晴天の雪山を滑走している。まあこれはむしろ潔いからアリっちゃアリなんですが。
 こんなしょぼい計画のためにダム崩壊とか新幹線爆破による都知事暗殺とか大掛かりすぎるだろうといった無理のあるストーリーは敢えてツッコミ入れるのは無粋かなーと。


 以上。完全にナメてかかったらきちんと面白かったので、なにやら儲けた感じです。一緒に見に行ったシリーズファンの人から言わせれば昔はもっと面白かったそうなのでビデオで復習してみます。
 過度な期待は禁物ですが、及第点越えもできてない映画が腐るほどあるなか、きちんと誰でも楽しめるよう丁寧に作ってある本作はオススメできます。

 吉澤ひとみレベル。

 次回はそんな本格ハリウッド製アクション大作。大人気シリーズの第4弾『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』の感想です。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/05/30(月) 11:01:51|
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