かろうじてインターネット

「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『マイティ・ソー』は実におおらかでいらっしゃるよ。

thor

 公開から少し経ってしまいましたが、今回は日本ではあまり人気ないマーヴルヒーローの映画『マイティ・ソー』の感想です。3Dで見て参りました。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。夜遅くの回だったので僕の他に3人ほどしかいませんでした。20~40代の男性の一人客が3人。


概要:2011年のアメリカ映画。監督は『ヘンリー五世』『魔笛』のケネス・ブラナー。アメリカの人気コミック『雷神ソー』を映画化。音楽はパトリック・ドイル。
 神の世界“アスガルド”で最強の戦士ソー(クリス・ヘムズワース)。しかし、強すぎるあまり、その傲慢さゆえに無用な争いを引き起こし、ついには神々の王である父オーディン(アンソニー・ホプキンス)の怒りを買ってしまう。そして、王位継承権を剥奪されたうえ、最強の武器“ムジョルニア”も奪われ、地球に追放されてしまう。しかし、そこで出会った天文学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)によって少しずつ分別と他者への思いやりを身につけていくソー。一方アスガルドでは、ソーの弟ロキ(トム・ヒドルストン)によって恐るべき陰謀が企てられ、父オーディンの身に危機が迫る。さらにロキは、力を失ったソーにも最強の刺客を送り込もうとしていた。
("allcinema online"より抜粋)


 以前『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の感想で"アメリカには神話がない云々"といったどこぞで聞きかじったことを書いたけれど、神話がないわけではない。彼らの先祖がそもそもいたヨーロッパなりアフリカなりメキシコなりにはきちんと神話があったわけだし、ネイティヴアメリカンもきちんと神話はあった。そもそもアメリカは国民の三割が福音派というガチのキリスト教国家だ。
 ただ非科学的なものをとりあえず否定する近代化の中で誕生したアメリカという国に、国家の成立にまつわる神話が存在することは許されなかった。
 で、その代替としてヒーローの活躍する映画や漫画や小説がある、と。


 『雷神ソー』は北欧神話をベースにしたアメコミヒーローだ。ただしそこには実にアメリカらしい味付けが加わっている。
 この場合の「アメリカらしい味付け」とは、もちろんコカ・コーラであり、こんがり焼いた安っぽいステーキであり、噂に聞くパイ生地にスニッカーズを入れて揚げるという殺人的カロリーを持つお菓子であり――要は『アンストッパブル』同様の"キング・オブ・ハンバーガー"バーガーキング様の"大らか"(「雑」ともいう)な味なのだ。今回はそんな論旨。


(1)本作は実に"おおらか"であられる。
 何せソーはゼウス神の息子でありながら、その容姿といいワイルドな性格といい、バドワイザー片手にファイヤーエンブレムが印刷されたブルーメタリックのオープンカーを運転している"アメリカの雑なお兄さん"なのだ。
 そんな彼が持つ武器は巨大なハンマー。これで「バッコーン!!」と堅そうな敵を豪快にぶっ叩いて粉砕する。そんな大らかさ。

 物語にしたって実に"おおらか"だ。北欧神話の神々は実は最強の宇宙人であり、その中でも最強のゼウス神の息子がより最強のソー。敵は悪巧みがうまくいくとついつい口元がほころんでしまう憎たらしいインテリの弟ロキ、すなわちハンマーでぶっ叩かれるのを待っているような性格だ。
 暴れん坊がすぎて追放されたソーがたどり着いたのはもちろんニューメキシコ!道を歩けばナタを持ったダニー・トレホや、心に2つの金玉をドーンと構えたミシェル・ロドリゲス姐さんがいる町だ(そこで出会う美女が知的美女ナタリー・ポートマンなのはいただけない、そこは『トランスフォーマー』に出てくる無駄にエロいあの女の子みたいなギャルであって欲しかった)。


(2)以上のような"おおらかさ"で本作は北欧神話世界やキャラクターを"雑"に描いた作品であるとだけ語ってしまうのは簡単なのだが、よく考えてみたら、北欧神話はそのストーリー性だけ見ればもっと雑である。どこの宗教も同じように様々な民族や歴史が組み合わさった結果、整合性を合わせていったら実に難しくいい加減な物語になってしまっているのだ。
 『マイティ・ソー』はそんな複雑に絡み合って雑になってしまった神話をハンマーでぶっ叩いてシンプルに再構築している。(そう言えば彼らの先祖は大工だという。このモデルとなったトール神といいキリストといい聖徳太子といい、大工と神の関係ってなんか興味深い)
 すなわち「シンプル」という新しい形の雑さ"再構築"しているのだ。

  地球での人間との関わりを経て北欧の神トールには新しい感情が芽生えてくる。正しいと思ったことを貫き、間違ったものとは正面からぶつかり合う感情、それはヒーローに欠かせない"俺たちが自慢されたいアメリカ人の合い言葉「正義」"だ。
 正義を持つことで雷神トールの神話は一度打ち崩され、アメリカンヒーローの物語"マイティ・ソー"という新たな神話として再構築されていくのだ。


 以上、『マイティ・ソー』はでっかいハンマーでばっこんばっこん殴ることで「これが俺たちのパワフルでシンプルな新しい神話だぜ!」とでも言っているアメリカらしい神話の再構築の物語であると思う。


(3)不満点はそれでもやっぱり演出が雑なとこ。ナタリー・ポートマンとか『メタルヘッド』『ブラック・スワン』とは違う役者なんじゃないかと、むしろ『スターウォーズ』のお姫様役の人なんじゃないかと疑ってしまうほど大雑把な演出が施されている。
 あと終盤までソーたちの敵である巨人たちヨトゥンヘイムのフロスト・ジャイアント、ナタリー・ポートマンたちが一時的に対立することとなる"S.H.I.E.L.D."、それにロキと、ヒーロー映画で敵が定まりにくいため物語の推進力が弱いこと。
 あとキーアイテムであるはずの"箱"があまり活かされなかったなーとか。


 まあ正直『アベンジャーズ』撮らなきゃならないし、『マイティ・ソー』の映画化は欠かせないよなって具合で仕方なしに撮ったんじゃないかという疑いが拭えませんでした。『キャプテンアメリカ』は年内に公開するけど、他の『アントマン』とかの連中も映画化するのかな。
 あと『アイアンマン2』の時も思ったけれど『アベンジャーズ』関連はエンドクレジットが終わってからがキモなのに、なんでみんなエンドクレジットの途中で立っちゃうかな?


 まあそのアメリカらしい雑さ(褒め言葉)といい、日本人と北欧神話との関係の希薄さといいあまり流行らないだろうなあ…。

 篠崎愛レベル。

 次回は青山真治の新作です。また今更の映画なのですが『東京公園』の感想です。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/07/31(日) 04:23:06|
  2. 映画マ行
  3. | トラックバック:9
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

FC2カウンター

プロフィール

かろうじてアメリゴ・ベスプッチ

Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
 映画のこととか長々と書くブログです。
 たまに映画以外のことも書くよ。
 コメントくれたら嬉しいです。
 更新あんまりできないけれど。
 あと現代人なのでtwitterを始めました。
 chikiuso2800って名前。
 ご意見、ご感想、取り上げてほしい映画のリクエストなどございましたら、コメント欄か上記twitterIDにてお知らせください。

 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

Twitter on FC2

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

映画ア行 (36)
映画カ行 (51)
映画サ行 (35)
映画タ行 (28)
映画ナ行 (8)
映画ハ行 (40)
映画マ行 (17)
映画ヤ行 (4)
映画ラ行 (14)
映画ワ行 (1)
2010年度映画ランキング (3)
少年ジャンプ (47)
特集 (3)
謝罪 (2)
未分類 (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。