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『(500)日のサマー』はトリッキーな恋愛映画(ではない)

334208_02_01_02.jpg ゲームはなるべくやらないことにしているんです。それはなぜかというとそれしかやらなくなり、生活のペース崩すから。でもゲームも一種の映像表現であり、そこら辺映像を研究していきたい身としてはちゃんとチェックしなくちゃなーとか云々とかほざいたことぬかしてNintendoDSの『ゼルダの伝説』シリーズの最新作『大地の汽笛』をね、ずっとやっていてね、生活けっこう荒れてきましたよ。お風呂入らないで夜3時までゲームしてそのままちょっと寝てシャワー浴びてお仕事行って、通勤電車でゲームして、帰ってきてまたゲームして。そんなダメ人間が好きな恋愛映画はダメ恋愛映画ということで話題のラブコメ『(500)日のサマー』の感想を、ゲームもクリアしたことだし書こうと思いますよ。
 あとどうでもいいけど、カギカッコの使い分けはしっかりとということで、今回から作品のタイトルは『』(二重カギカッコ)で閉じます。

 映画館は渋谷シネクイント。渋谷パルコのうえ。観客は平日昼間なのにわりといました。一人で来てる人が割と多かったかな。層としては若い人が多い感じ。
 作品の概要を簡単に説明すると、運命的な恋愛を信じる青年トムが、彼のファム・ファタールであるところの、真実の愛を否定する女性サマーに翻弄されながら、その出会いから失恋までの500日間を綴る物語。監督曰く「ラブストーリーではない」。

 もう各所で語られ、「今、映画を語るのであらばこの映画!」といった風潮すらあるオシャレ恋愛映画でございます。よくいわれていますが非常にウディ・アレンの『アニーホール』風味。例えば「失恋」を前提に進行する物語、突然アニメーションが出てきたり映画パロディが出てきたりといった観客を食ったようなコメディタッチの心情描写。私、ウディ・アレンは5本の指に入るお気に入りの映画監督なのですが、どうしても何度観てもグッと来ない作品が彼の代表作でありアカデミー賞すら受賞した『アニーホール』なのです。頭の中では共感も出来るし感情移入も出来る、でもどうしてもなんていうか「グッ」と来ない。それはおそらく僕が大人の恋愛をしたことがないから。恋愛経験が豊富とはいえないから。だからアレンの恋愛観にグッと来ないのが理由かと。最後に観たのがもう5年くらい前だから今観たらまた変わって見えるかもしんないけど。
 で、『(500)日のサマー』。この作品に僕は共感も出来るし感情移入も出来る。とてもよく出来た映画だと思います。主人公の二人も30歳くらいで似た世代。人並みよりは少し少ないかもしれないけれどでもまあ色々恋愛もしてきました。でも『アニーホール』と同様グッと来ない。なんでだろう? 今回はそこら辺に焦点をあてて感想を書きたいと思います。

 まず「共感」とか「感情移入」といった点において、本作は、恋人に翻弄されたあげくフラれ、それに猛烈に(他人から観たらぐだぐだと)悩みつづける男性の心情を非常に「共感」抱きやすいように描いております。例えば本作は500日の物語を「295日目」のエピソードの次に「14日目」のエピソードを持ってきたりと、時系列をごちゃまぜにして描いている。これって例えば失恋のあと、その女の子との良かった思い出とフラれて落ち込んでいる現状とを交互に思い出しより悲観的な気持ちになるような構造に似ていて、トムの失恋に感情移入出来るギミックとしてかなり優秀。ちなみに普通、時系列をバラバラにするのは、むしろ感情移入を拒むギミックとして使われるはずで、この作品もコメディ的要素を強くしたい時などは(喜劇には客観的視点が重要なため)そのためのギミックとして使用されるけれど、一方でこの作品は「500日間の過去を振り返るトム」の「視点」が基本的に感じられるようになっている。解りやすい例では終盤、画面分割でトムの「理想のパーティ」と「現実のパーティ」を同時に流したり、サマーとの初ベッドインの後にマジックリアリズム的に街がミュージカル調にトムをたたえるシーン。これらの「視点」のため、感情移入の拒絶と同時に感情移入するためのギミックとしても使用できているのと思われます。
 あとはいわゆるあるあるネタによる感情移入。ロックバンドスミスが好きという共通項で、すげえ!それって運命!って舞い上がって、でも趣味があってもそれが役立つのは最初のうちだけだよねー、とか。
 そして何よりサマーのキャラクター造形。女性の悪魔的狂気的美少女的醜女的母親的娼婦的デキる女的バカ女的な側面をすべて持ち合わせている「男性視点の女性」のアイコンとしてのキャラクターである彼女は、男性なら誰しもがあの頃好きだったあのコをかぶせてみること請け合い。(逆に女性から見て彼女はどう映るんだろ?)
 というわけでこの作品に「共感・感情移入」するのはその巧みなテクニックなどで非常に簡単なんだと思います。別に美人ではないサマーに恋する男性客が多いのも、他の恋愛映画以上にサマーに「ビッチ!」ってむかついている男性客が多いのも、感情移入が他の映画に比べ強いからなんだろうと。

 他にも技術面で面白いところはたくさんあって、例えばちょっと粋な会話とか、随所に散らばるマジックリアリズム、キュートでレトロなファッション、サマーの時折見せる似合わないエロス(ドキッとする)、これが劇映画監督デビューとは思えないクオリティ。特に派手といった感じではないストーリーもこれらの活躍でまるで退屈はしません。
 で、グッと来なかった理由の一つに、僕がそういう技術大好きで、それにばかり目がいってあぁ面白い面白いってそっちばかり気になってしまったのはあるかなぁと思います。あと、途中で挿入されるフランス映画風パロディ(あれ元ネタあるの?)とかアニメの青い鳥があんまり出来が良くなくて、技術ばかり目が行ってしまった結果そんなことばかり気にしている始末。凝りすぎた技術が裏目に出ちゃったかなぁって。ええわかっております、オタクのダメなところですよね、ごめんなさい。それでもまぁ、似た童貞向けオシャレラブコメタイプの映画だと『恋愛睡眠のすすめ』とか、さっきから例に出してるアレンだと『カイロの紫のバラ』とか、技術もすげえけど作品が発するエネルギーがすごいってのが僕の思う名作の条件であって、やっぱり技術ばかりに目がいっちゃうってのは、単純に僕には合わなかったのか、この監督の技量の問題か。
 あとネタバレになるから書かないけれど「これはラブストーリーではない」の理由が判明するこの物語の落語的なオチの一連のエピソードに、またウディ・アレン的な都会的センスのきらめきを感じました。

 まぁビデオが出たらもう一度ちゃんと技術以外の点をしっかり観て感想書きたいと思います。あぁ前回の『かいじゅうたちのいるところ』に関しても。色々言ったけれど観て損はない面白い映画なのでオススメですよ。


 そんなわけでまたもや長くなっちまったよ。次回こそは短くまとめたいと思いますが、次回はピーター・ジャクソンの異色サスペンス(?)映画『ラブリーボーン』の感想を書くぼーん。
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  1. 2010/02/07(日) 02:08:44|
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