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『シュアリー・サムデイ』はクール(納涼)な映画だよ。

シュアリーサムデイ


 とにかく、この溜まりに溜まった映画感想をなんとか消化していかないとならないわけで、夏は楽しそうな映画が多くて困るのに、何故サイコロなど振ったのだろうと後悔しておりますが、今回も前回の『パラレルライフ』に引き続きサイコロで当てた『シュアリー・サムデイ』の感想です。

 最初に警告ですが、小栗君ファンはあんまり読まない方がいいかと…例え読んでしまっても、バカみたいなガキが、それこそ本作で勝地涼君が演じたようなガキがぎゃーぎゃーわめいていると思って、それこそ本作で小出恵介君が演じたような大人な態度をとってください


 観に行った映画館は新宿ピカデリー。土曜日だったこともありほぼ満席。観客のほぼ全員が小栗君ないし小出君などのファン、もしくはそんな彼女に連れてこられた彼氏といった具合。笑いのタイミングが完全にファンのタイミングであり、完全にアウェイな中、男友達とぐふぐふ笑いながら観てきて参りました。
 

概要:監督は小栗旬。脚本はTVドラマ等で活躍する武藤将吾。プロデューサーが、「プロデューサー」「アソシエイトプロデューサー」「ラインプロデューサー」「共同プロデューサー」と4種類もあるのに、なんだかこの作品の政治的な何かと、現在の日本映画界が抱えている癌細胞を垣間みることができます。音楽は菅野よう子。
 中止になった文化祭を復活させようと教室を占拠したものの、ハッタリのつもりだったニセの爆弾がなぜか爆発し、学校を退学処分になり、以来良いことナシのタクミ(小出恵介)、キョウヘイ(勝地涼)、カズオ(鈴木亮平)、ユウキ(ムロツヨシ)、シュウト(綾野剛)の悪友5人組。それから3年、ヤクザ家業に身を落としたカズオがボスから預かった3億円を謎の女(小西真奈美)に盗まれてしまい、5人は明日までに3億円を取り戻さないと命を頂くとボス(吉田鋼太郎)から脅される絶体絶命のピンチを迎えてしまうのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 こういう映画の感想を書くときちょっとビビるんだけど、まあ『誰かが私にキスをした』は誰がどうみてもアレな作品だったし、『矢島美容室 THE MOVIE』はハナからやる気ない作品で文句を言いやすい作品だったし、ただこの作品はさ、小栗くん一生懸命作ったんだろうしさ、隣にいたギャルぽい女の子とか、僕がクスクス笑いをもらしちゃっている隣で、泣いてたし、それどころか「人生マイベストかも!」とか恐ろしいこと言ってたし…。

 誰しも自主制作映画を撮ろうと思った人は、大体高校生とか大学生とかくらいだと、思い出すのも恥ずかしい、中身空っぽのカッコばかりつけちゃっている映画を構想しちゃうと思うんです。で、それでいいんだと思います、そもそも映画は外面だけの芸術、そうやって外面から固めていき、撮りつづけることで最終的に本質をつかんでいければいいんだと思います。自主制作映画レベルの話ですよ?
 それをね、なんの恥ずかしげもなく、豪華なスタッフとキャストと予算を用意して全国公開しちゃうってのはさ、例えばそれがUPLINK新宿K'sシネマでの公開とかなら、ここまでの騒ぎにならなかったんだと思うけれど、テレビコマーシャルうちまくった大規模な全国公開ですよ。これ配給がどうかしていると思うんです。むしろ小栗君が可哀想に思えてきてしまう。


 まぁそんな制作の裏事情はさておき、映画本編の感想なんですが、小栗君が思いつく限りの「かっこよさげなこと」をあれもこれも取り入れましたといった感じの映画でした。

 「バンドカッコよくね?」「バカな学校占拠カッコよくね?」「ダチを大切にすんのカッコよくね?」「バー店員カッコよくね?」「えげつない下ネタ言ってカッコよくね?」あげくの果ては「珍妙なマスク被った銀行強盗カッコよくね?」ってな感じで、どこかで観た「これってカッコよくない?」的なことを羅列した内容。そんなもんだから全部どこかで観たような展開だしどこかで観たようなキャラクターしか出てこない。でもってそのキャラクターたちが「そのキャラクターらしい行動」しかとらない(あのヤクザの亀頭、リンチをする前に「レディース&ジェントルメン、イッツァショータイム!」って絶対言うと思いました。劇場で身震いがしました)。そこに意外性は一切ない。だから既視感しか湧かない。で、既視感しかわかないキャラクターやシーンを羅列して「バカでサイキョー」の「ノリノリ」なノリで作られたのがこの映画。

 ストーリー展開はノリノリでかっこよさげなノリで誤魔化す感じ。学校占拠する際に仕込んだ爆弾はノリで本当に火薬入れちゃうし、命の危険がある挑戦もノリで「ま、やりますか!」だし、そんな命の危険がある事なのにノリで親友を誘うし、誘いを受ける方も「ま、退屈だし」ってな理由でOKして案の定殺されかけるし、常に音楽が鳴り続けているのも、あっち行ったりこっち行ったりでどこに行きたいのか分かりづらいストーリーをノリで誤魔化すかのような暴力的なテクニックが感じられる。

 そうやって紡がれていくストーリーは「こんな僕を見てください」といった小栗監督のメッセージ。「僕、こんな会話をいつもしています!」「僕、こんな音楽を聞いてます!」みたいな。小栗君ほとんど出ていないのに、そういうナルシスティックな自己顕示欲がすごくスクリーンから匂ってしまう。もちろんカッコイイ小栗君が好きな彼のファンは楽しめると思いますけど…。


 でもそもそもカッコつけたいがためにバンドを始めたことが発端のこの物語ですから、映画自体の目的が「カッコつけたい」でも一貫性があっていいんじゃないかと、終盤はそう思うことにしてました。


 で、かなり救われているのが中盤、ヤクザ亀頭にリンチをされてノリノリであることの薄っぺらさに少し反省するシーン。勝地涼演じるキョウヘイが土下座して靴をなめて、あげく尺八まで強要される(そこで、警察がやってきて尺八はせずにすむんだけど、そこはしなくちゃダメだろ、させない意味がまったく分からない)。それによってノリノリ暴走機関車であることに少し水を刺され、些かの客観性がこの映画にも生まれる。
 これがなければ本当にただのかっこつけたいがための低能な映画になってしまっていたと思う。
 ただまああの土下座したり靴舐めたりさせられるのがキョウヘイだと、一番そういうことやりそうなキャラだし、そこは一番やらなそうなキャラのシュウト(女の子を5秒見つめただけで落とせます!!)にさせた方がショッキングでテーマも強くうちだされて良かったんじゃないかとか、もちろん尺八ありで。

 でも、反省した後にくる終盤の路上演奏するシーンがまたやたらめったら恥ずかしくなるほどカッコつけているだけのもので、そのせっかくの反省も台無しにしちゃっている。学園祭でやるはずだったライブを誰も観てくれないでもいいから、どんなにかっこ悪くてもいいから、もう一度やろうぜってな感じで路上ライブするんですけれど、そこに女の子が大量にキャーって押し寄せてきて、大騒ぎ、小出恵介とか初ライブなのにポーズなんか決めてすげーカッコつけちゃってる。
 あそこは観客が誰もいなかったり、観客がいたとしても『リンダリンダリンダ』のように後方でシラケていたりでないとリアリティが湧かないし、調子づいた事を反省し「カッコ悪くても生きることが大切」とか唐突に散々語っていたことが無駄になってしまっている。

 ついでに突っ込ませてもらうと、路上ライブの後銀行強盗をするシーンで、ある重要人物に出くわして煙幕使って逃げ出すんだけど、かつて少年時代、その重要人物を、自分たちが絡んだことで逃してしまい、この映画で語られる人死にが出るほどの悲劇が起こったのに、煙幕なんか張って、もしその重要人物をまた逃がしちゃったらどうするんだよって。そもそもすぐ後ろの正面出入口から普通に逃げるなら、煙幕張る意味ないし。まあ煙幕も「カッコよくね?」なんだろうな。その後、逃亡するショットで、3年間引きこもりだったユウキはともかく、脚に銃弾撃ち込まれたカズオも平然とダッシュしているし。
 そもそもあのヤクザ組織は巨大で手に負えないものじゃなかったのかしら。親分が逮捕されたからってそれで解決じゃあなくないか? ヤクザの面子潰した彼らは今後相当危険じゃないかしら。それでいてラストの取ってつけたようなラブシーンで、旅立とうとする小西真奈美によく「待て」などと言えたもんだ。小西真奈美も相当命が危ないよ。

 でもって最後、エンドクレジット、絶対にやると思ったんだ、NG集…。あとエンドクレジットのあとのちょっとしたおまけコントね。絶対やると思った。「お前らの素顔なんて興味ねえよ!」って思ったんだけど、まぁ観客のほとんどは興味ある人ばかりでむしろNGシーンは「待ってました!」てな感じなのか。これに喜ぶファンの気持ちはよくわかるけれど、ただ映画の中にそういう映画以外の異物(ノンフィクション要素)を入れてしまうのってあんまり好きなセンスじゃない。こういうのを始めたジャッキー・チェン映画を含めて。前回の『パラレルライフ』の感想で書いた、作り手が「映画が映画であることを認めてしまっている」ということによるガッカリ感がすごい。

 結局「ファック・ユー!!」から始まるオープニングからNG集で終わるエンディングまで「かっこよさげ」の連続で、中盤の反省シーンも結局「かっこよさげ」なポーズだったんじゃないのかなんて邪推してしまいます。もうちょい映画に対する後ろめたさ、恥じらいみたいなものがあれば大人に撮れたんじゃないかと思います。
 まぁ小栗君がでない小栗君のカッコつけアイドル映画みたいな珍奇な映画になってしまったのもどこかでプロデューサーの要請が働いているんだろうなーとは思いますが。


 他にも色々あるんですよ、岡村ムカつくとか、最近の若者に理解がある風の笹野高史がムカつくとか、勝地涼の役ムカつくとか、勝地涼って演技力あるなとか、シュウトの人『仮面ライダー555』の蜘蛛男の人ですよね?とかカーチェイスのシーン安全運転すぎないか?とか、公衆の面前でリンチってどうなの?とか。でもまあ突っ込んでいくだけでかなり長くなっちゃうし、ファンも怖いのでこの程度にしますが、まあフォローを入れれば学生映画レベルの安易な発想と脚本でこの程度のケガで済んだのは、ベテランスタッフをきちんと揃えたのと、上手な役者も多かったからではないかと。
 あとスピード感がずっと保たれているのは良かったと思います。
 更にフォロー入れると、若干27歳で、色んな苦労やプレッシャーもあったろうに、大人数の大人たちをまとめて、例えそれがオナニーにしかなってなかったにせよ、一本の商業映画を撮り上げたのはそれだけで立派なことだとは思います。

 てなわけで、最低最悪の映画ではございまぜんでしたが、まぁさして知るべき。小栗君や出演者のファンは観に行ってもいいと思います。
 評価はキシリア・ザビレベル(ドズル・ザビよりカワイイ!)


 次回は結局観に行きました『カンフー君3D』a.k.a.『エアベンダー』の感想。おれたちのシャマラン監督の新境地なるか。
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