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『エアベンダー』はその暴発も愛せばいいよ。

エアベンダー
 休日を利用して怒濤の勢いで更新しておりますよ。本日3回目の更新です。実は大体文章は完成しているので、簡単に更新できたりするのです。

 今回は『カンフー君3D』こと『エアベンダー』の感想。3Dの日本語吹き替え(「超日本語吹き替え」らしいです)で観て参りました。

 観に行った映画館は吉祥寺バウスシアター。客層は夏休みなのもあって若い子が多め。中学生とか、小学生とか。そんなに混んでいませんでした。


概要:監督・脚本はM・ナイト・シャマラン。初の原作付きの脚本で監督する。原作はアメリカの人気TVアニメ『アバター 伝説の少年アン』。『アバター』ってタイトルを使えなくて可愛そう…。
 氣・水・土・火の4つの王国によって均衡が保たれていた世界。各王国には、それぞれ国の要素“エレメント”を操る使い手“ベンダー”がいた。その中でも4つ全てのエレメントを操ることができる者は“アバター”と呼ばれ、世界に調和をもたらす唯一の存在といわれていた。アバターは輪廻転生により各国順番に現われ、今世そのアバターとして生まれたのは、氣の国の民で“エアベンダー”の少年アン(ノア・リンガー)だった。しかし、アバターの重責に堪えきれず逃げ出したアンは氷の中に閉じ込められてしまう。ちょうどその時、火の国が反乱を起こし、氣の国は全滅、世界の秩序は崩壊する。100年後、水の国の兄妹カタラ(ニコラ・ペルツ)とサカ( ジャクソン・ラスボーン)によって発見され、救い出されたアンは、アバターとしての宿命と向き合い、世界に平安を取り戻すべく、彼を捕まえようとする火の国のズーコ王子(デヴ・パテル)らの手から逃れつつ、さまざまな試練に立ち向かっていくのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 M・ナイト・シャマランという監督はなんだか妙に映画ファンに好かれる監督である。レンタルビデオ屋なんかでは「ミステリー」の棚に置かれることが多く、映画の宣伝もそっち方面で押されることが多いが、何を撮っても、自身のオカルト的なSFやファンタジーに対する偏愛が隠しきれず、結局オカルト的な要素が滲み出てきてしまう。
 で、そんなオカルト的なモノに対する隠しきれない愛情で描くものは、例えば日常に無理矢理顔を出してくるファンタジーを描いた『アンブレイカブル』や『レディ・イン・ザ・ウォーター』など変にワクワクさせてくれたり、その不器用さとオカルト愛が変に可愛らしかったりして、一般的な映画の評判はそこまででも(僕は全部好きですけど)、映画ファンにカルト的に新作を楽しみにされている監督なのである。

 そんなシャマランが撮った新作はなんとコテコテのファンタジー世界で描かれる『ナルニア国物語』や『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジーの物語。
 日常性に潜むファンタジーがウリなのに「そんな直球なげて大丈夫?」とシャマランウォッチャーは戦々恐々としておりましたが、イヤな予感は的中。今まで抑えに抑えて、それでも滲み出てしまっていたことが逆に味になっていたシャマランのオタクっぽさが暴発してしまい、なんとも空回り気味な作品になってしまっていました。今回はそこらへんを考えていきたいと思います。

 問題点としては、まず第一に(オタクにありがちな失敗ですが)設定に懲りすぎて、その説明に夢中になってしまっていること、第ニに、シリーズ第一作である今作はその設定の説明だけに落ち着いて、あからさまに続編を意識した作品であり物語を今作のみで語る気が更々ないこと

 『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の第一作が名作とされているのは続編を意識した作品でありながらも、きちんと第一作だけでも物語が完結していて、それ単体で楽しめたことですが、今作においては世界観の説明、設定の細かい解説、登場人物の紹介や登場人物同士の関係性の説明に留まっていて、「そんなオモシロ世界で繰り広げるこんな奴らの活躍が次回から見れるよ!」てな調子。
 そのため物語は特に大きく展開を見せず、無難に出会い無難に出発し無難に戦い無難に勝利をおさめておしまい。そこに登場人物の大きな葛藤もなければ、作品が我々に何かを問いかけることもない。観客は設定だけイヤに凝った無難な物語を漫然と見せられることになる。そこには何の感動や怒りすらもおきない。ただ始終説明される色々な設定を飲み込んでいく漫然とした作業である。まるで「まるわかり『エアベンダー』の世界ガイドブック」みたいな調子。

 で、そんなオタクのシャマランなら必ずやってくれると思っていたのに…って残念だった点として、その物語のアイコンやマスコットとなる印象的なクリーチャーや乗り物が登場しなかったこと。あの水牛みたいなのあんまり活躍しないし。『ダーククリスタル』や『ラビリンス』『OZ』、もしくは『ウィロー』などは印象的なクリーチャーちゃんといたし、『ライラの冒険』とか決して誉められた映画じゃなかったけどあの金の鎧を着た巨大なシロクマがいたおかげでかなり救われているもの。漫画だとアメコミの『スポーン』なんてキャラクターデザインだけでウケていたし。

 良かった点としては始終解説される設定に世界観の広がりを感じ、少しワクワクすること。スピンオフとか大量に作れそうだ。
 またもう一人の主役である火の国のズーコ王子(『スラムドッグ・ミリオネア』のあの子です)とアイロ叔父( ショーン・トーブ)のキャラクターが良かったです。一番人間味があり葛藤もきちんと描かれていた。出来の悪い息子と言われ父親に追放された王子と、戦争で息子を失い甥である彼を息子のように可愛がる叔父。こいつらが主役だったら面白かったんじゃないんだろうか?(エンドクレジットの扱い的にもう一人の主役として位置づけされていそうではありますが)

 他の不満点としては皆が太極拳のようなポーズをとって技を決めるのは楽しいんだけれど、スピード感が封印されて、切羽詰まったシーンも冗長になってしまう。
 あと今作シャマラン出ていないですよね? マーベル原作映画でスタン・リーが出ていない程度の寂しさがある。
 あと、もう分かっていたことですが、3Dで観る意味はまるでありませんので、2Dで観れる方はそちらで観た方がディティールも色彩も美しくていいと思います。

 以上、凝った設定やキャラクターは悪くないんだけれども、オタクっぽさ暴発で、あれもこれもと入れすぎて、浅く広くでやや退屈な印象になってしまった作品でした。まぁそういう「暴発」もシャマランらしいっちゃらしい。それもまたシャマラン萌えではある。シャマランのストーリーテリングの手腕が活かされるのはパート2以降になりそうですが、本国の評判はイマイチだったそうで、それこそ『ライラの冒険』や『スポーン』みたいにパート2がお蔵入りになる不安もあって…。まぁ1億ドル突破したし大丈夫か。

 例によって三部作構成らしいですが、三作目の最後でどんでん返しがあったら、僕はシャマランに一生ついていきます。

 以上シャマランのフィルモグラフィーのターニングポイントとなり今後の監督人生を左右しがちな今作で、あまり順調な出だしとは言い難いですが、まあ次回作も見ようと思わせた点で無難なパスは出せたのではないでしょうか? 期待しております。
 篠田麻里子レベル


 次回は大ヒット公開中『トイ・ストーリー3』の感想です、ようやくノルマに追いついてきました。
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  1. 2010/08/06(金) 13:54:46|
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  1. 2010/08/06(金) 16:55:03 |
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  1. 2010/08/06(金) 20:42:28 |
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