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『ルンバ!』は自動掃除機よりよく動くよ。

ルンバ!

 てなわけで、引き続きもう一本、ドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン監督・主演による長編映画二作目の『ルンバ!』の感想。前回の『アイスバーグ!』と同時上映でした。同時上映ってのは1本の映画として扱うべきか、バラバラの映画として扱うべきか。
 この作品なんかはバラバラの作品として扱った方がいいんだろうけれど、例えば『新・七つの大罪』とか『愛すべき女々たち』みたいなオムニバスは1本の映画として扱うべきだろうし、『グラインド・ハウス』は難しいですね。あと今度感想書くんだけれど毎年好例の『仮面ライダー』と『スーパー戦隊』の同時上映映画とか。


 観に行った映画館などなどは、前回と同じところでの同時上映だし書く必要ございませんね。お手数ですが、こちらにて


概要:ベルギー出身の道化師カップル、ドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン監督・主演による長編二作目。監督・脚本はこの二人の他にブルーノ・ロミ。
 ブリュッセルの近郊の小学校に務める体育教師ドム(ドミニク・アベル)と英語教師フィオナ(フィオナ・ゴードン)は、近県のダンス大会で優勝するほどダンスが好きな幸福な夫婦であったが、ある日、ダンス大会の帰り道、自殺志願者のジェラール(フィリップ・マルツ)を車で避けようとして大事故を起こしてしまい、フィオナは左足を失い、ドムは記憶を失ってしまう。退院するもののまともな授業ができなくなった両者は校長にクビを宣告されてしまい、さらには不注意からフィオナの義足に火がついて、家はまるごと焼けてしまう。
 翌朝、全てを失い、パンを買いに出かけたドムは家への帰り道がわからなくなり、バスで乗り合わせたパン好きな暴漢に襲われるが、あの自殺願望の男ジェラールに救われる。ドムを探すフィオナは、一匹の犬(やがてルンバと名づけられる)がみつけたドムの靴から、彼が崖から落ちて死んだと勘違いしてしまい…。



 『アイスバーグ』では「言葉の不安定さと尊厳」を描いていたが、今回は「身体表現の力強さ」を描く。それを絶妙な笑いとほろ苦いラブストーリーでつづる秀作だと思う。

 まず、ストーリーにおいて如何に「身体表現の力強さ」を表現しているかについて。
 『ルンバ!』というタイトルが表すように、「ダンス」という身体表現がテーマである本作は、脚を失い、記憶を失い、職を失い、家を失い、思い出も全ての日常も失った二人の人間が、それでも最後まで持ち得ていたものが捨てたくとも捨てられない身体とその身体が覚えていた記憶だと語る。

 事故によって英語教師の妻は「脚」を失い、体育教師の夫は「知」を失う。
 記憶を失った体育教師の夫はそれでも運動の日課を続けることができるが、妻は片足を失ったという肉体の傷と、たとえそれを気にしなくなっても、付き合い続けなければならない。日常が大きく変わったのは妻の方である。
 そもそも二人が健常者だった時から二人の間に会話はなく、情熱的なダンスとダンスのようなリズミカルな日常で愛を確かめあっていた。
 事故で妻がダンスが不可能となり、使えなくなった電話機をうち壊すシーンが象徴するように、言葉でその関係を補うことすら不可能となった夫婦。その夫婦愛は崩れ去っていく一方なのかと思われたが、二人が失っていなかったものは身体の持つ「クセ(記憶)」だった。ネタバレになるから書きませんが、とても気の効いたオチに笑いと涙とがこぼれ落ちた。


 続いて、「身体表現の力強さ」を表したパントマイム風の笑いについて。
 そもそも映画とは、そのはじまりが無声映画であったように「動き」の芸術といってよく、言葉や音楽は補足にすぎない。『アイスバーグ!』もそうだったが、言葉によるギャグはほとんどといっていいほど無く、監督はとにかく身体の動きで起こす笑いを徹底して描く。
 『ハング・オーバー!』の感想でも書いたが、いくら面白い事を言ってもニヤニヤしながら喋っちゃつまんないし、逆につまらない事でも動きが面白ければ笑えてしまうように、「動き」は映画の基本であると同時に、「笑い」の基本でもある。
 だから動きの笑いを追求することは映画そのものの追求にもつながるといっても過言ではなく、何かと言葉で説明しがちな昨今の映画ばかり見て毒されてしまいがちな感覚を癒してくれます。

 とにかくその一つ一つの動きのギャグを見るだけでもとても楽しめ勉強になります。頑張って探せば色々彼らのパフォーマンスが観れるので、それで身体性の強いギャグの力強さを観て確認するが吉。オープニングの珍妙なダンスシーンだけで、もう傑作の域にあるのではないかと。


 以上、本作はストーリーの面でも、ギャグの面でも身体性の力強さを主張し、とてもまとまりよく面白く描いていたと思います。

 あとは大体前回の感想と似たり寄ったりなのですが、やはり1シーン1カットで、引きのアングルで撮影されたキレイに構築された画面構成、色彩感覚がとてもキッチュでカワイイ。
 あと学校が終わって生徒と一緒におおはしゃぎする教員とか、パン好きの暴漢とかヘンテコなキャラクターが多いのも楽しい。
 あとエンドクレジットでラテン音楽が鳴る中、踊れないためじっと、荒れそうな海を見つめている二人の絵、そして優しく微笑みあうショットにちょっと泣きそうになった。

 ベルギーのアキ・カウリスマキの二つ名は過言ではない!オススメでございます。
 チャットモンチーのボーカルレベル

 次回はちょっと変わり種かしら、ローリング・ストーンズの名盤の制作の裏側を記録した中編ドキュメンタリー映画『ストーンズ・イン・エグザイル ~「メイン・ストリートのならず者」の真実』の感想を書きます。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/12(木) 21:23:55|
  2. 映画ラ行
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  4. | コメント:0
<<『ストーンズ・イン・エグザイル ~「メイン・ストリートのならず者」の真実』は超豪華映像特典みたいだよ。 | ホーム | 『アイスバーグ!』はほぼサイレントなのに台詞が重要だよ。>>

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