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『仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』はよい商品だよ。

ゴセイジャー2

 てなわけで、夏の東映特撮まつり第二弾、今回は『仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』の感想。

 映画館などについては前回の『天装戦隊ゴセイジャー エピックON THE ムービー』と同時上映でしたので、そちらの方で参照してください。
 『ゴセイジャー』に比べドラマパートが多めでしたので、よりぎゃーぎゃー騒ぐちびっ子が多め。


概要:平成仮面ライダーシリーズ11作目『仮面ライダーW』の劇場版。平成ライダーシリーズの映画としては15作目だそうな。監督はアメリカで『パワーレンジャー』を撮って、当ブログでも初期に扱った『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』も撮った坂本浩一。脚本は『W』のテレビシリーズや漫画原作アニメ脚本など多く手がける三条陸。アクション監督は宮崎剛。
 風都タワー完成30周年の夏、AからZまでの26個の次世代ガイアメモリ「T2ガイアメモリ」を輸送する財団Xのヘリコプターが、世界各地でその名を馳せる不死身の傭兵集団「NEVER」(ネバー)による強襲の末に自爆、風都全土にT2メモリが飛散し、市民が次々とドーパントに変身していく事件が発生する。「仮面ライダーW」に変身する左翔太郎(桐山漣)とフィリップ(菅田将暉)、さらに「仮面ライダーアクセル」に変身する照井竜(木ノ本嶺浩)は事態を収拾する中、国際特務調査機関から訪れたマリア・S・クランベリー(杉本彩)から事の顛末を聞く。そして「NEVER」隊長・大道克己(松岡充)が強奪したT2メモリにより変身した「仮面ライダーエターナル」率いる、「NEVER」の構成員達もまたT2メモリを回収しドーパントに変身、風都に侵攻を開始する。占拠された風都タワーにて、「NEVER」を相手にしたWの戦いが始まる。
("wikipedia"より抜粋)


 今回はこの映画の(『仮面ライダー』の映画にしてはの)優等生っぽさ、職人っぽさについて。

 『仮面ライダーシリーズ』は、常に斬新なものを求める石ノ森章太郎先生の意思を次いでか、昭和も平成も含めかなり破天荒でクセが強く、心から直球で面白いって作品はほぼなくて基本変化球、でも個人的にはその破天荒さが魅力だったりもして、なんだかとってもひねくれた見方だとは思うけれど、変な子ほど愛があったりもする。

 で、『平成仮面ライダー』シリーズとしては11作目、『仮面ライダー』テレビシリーズとしては20作目にあたる『仮面ライダーW』なんですが、とりあえず前作の『仮面ライダーディケイド』で一度シリーズの総括をして、心機一転新たなスタッフとスタイルで『仮面ライダー』を描こうってなワケで、今まで培ってきた成功も失敗もきちんと学んでそれを活かそうって姿勢がとても強く見えるんです。その意気や良しでございますが、問題点が一つあって、優等生なんです、いい子なんです、この子。

 東映ってのはさ、ヤクザな会社であって、作られる作品もヤクザなんですね、悪く出るとこの前の『超・電王トリロジー』や東映暗黒三部作(『デビルマン』『千年の恋 ひかる源氏物語』『北京原人 Who are you?』)のように金の匂いしかしないけれど、良い方に転ぶと『現代やくざ 人斬り与太』『トラック野郎』シリーズ『仮面ライダークウガ』などのようにロックな意欲作が出来る。『仮面ライダー』シリーズってのはその狭間を常に行ったり来たりしていますが、そこにおいて『W』は不良じゃないんです。お金の匂いもそんなにしなければ、ロックな気概もない。『仮面ライダーW』のテレビシリーズはすごく丁寧で面白いし、おそらく今までのライダー作品で最も抜け目なくバランスのいい作品なんですが、わがままなことにそれが物足りないのである。


 で、本題なんですが、この劇場版もやはり抜け目のない無難に面白い映画になっている。

 例えば、劇場版らしくオープニングでヘリコプターを使った空中撮影で始まることで、この映画がいつもよりちょっとだけ豪華な劇場版であることを観客にアピール、でもってテレビシリーズを見てない観客のためにこの作品の基本ルール(フィリップと翔太郎のキャラクター解説、その二人で一人の仮面ライダーになること、この仮面ライダーは風都という街を守るヒーローだということ)を説明。そこら辺も抜かりなく気が効いている。

 悪役"NEVER"の設定に関しても気が利いている。もとは財団X(仮面ライダーWの敵組織の元締め)の構成員でありながら、そこから独立してテロ行為を行っているという、テレビ本編の悪役であるミュージアムと関係がありながらバランスのいい距離感をもった悪役の設定。テレビ本編とは深く関係していないんだけれど必ずしも無関係ではない感じがとても上手で、観客をうまくしらけさせない。

 『仮面ライダー』の劇場版のお約束である新フォーム(新たな変身形態)も、今回二形態登場するんですが、その登場のさせ方のタイミングもバッチリ。
 例えばその新フォームの一つ、翔太郎が一人で変身した「仮面ライダージョーカー」の活躍。かなりぐっとくるものがある。あんまり強くないし、ただ翔太郎の根性と優しさだけで戦う格好つけのライダーなのだ。ライダーマンや仮面ライダーG3の哀愁と、ストロンガーや電王、ディケイドの小気味良さがある。そんな大して強くないのに巨大な敵組織に単身、親友のためにやせ我慢で気取った台詞を吐きながら、ボコボコ殴られて向かっていく。君も男の子ならグッと来るだろ。しかも技名がシンプルに「ライダーキック」「ライダーパンチ」とな。
 で、もう一つの新フォーム「仮面ライダーWサイクロンジョーカーゴールドエクストリーム」というどこかの落語に出てきそうな名前を持つ最強フォームの登場の仕方も、仮面ライダーW絶対絶命のピンチに今まで助けてきた風都のみんなが応援することでパワーアップ。そこでオープニングに流れなかった主題歌『W-B-X ~W-Boiled Extreme~』が流れるという、まぁ特撮ヒーローモノらしい涙腺を刺激してくる気の利いたパワーアップ。
 しかも「風のパワーを受けて変身」という、『W』らしくもある一方で、初代『仮面ライダー』の仮面ライダー旧一号の変身システムも踏襲し、昭和ファンにもアピール。気が利いている。

 また、あっと驚くゲストライダー、秋から放送が始まる仮面ライダー000(オーズ)の登場にも興奮する。昨年の『オールライダー対大ショッカー』の、仮面ライダーWのセンスのない登場のさせかたとは違い、ある程度の必然性を持ち、強すぎず弱すぎずある程度の強さを持ちダブルの前に表れる。


 以上のように本作は実に「気の効いた映画」なのだ。色んな要素が不自然なくバランスよく配列され、あんまりストレスなく鑑賞が可能。こう書いているとすごく名作っぽく聞こえると思う。確かに『平成ライダー』シリーズの劇場版では最高傑作の呼び名が高い、(平成ライダーシリーズにしては)かなり良く出来た映画ではあるのだ。


 でもどうしても僕はそこまでグッと来なかった。
 気が利いていて、良く出来ているけれど、魂がこもっていないというか、商品としては良く出来ているけれど、作品に昇華されていないというか。
 島本和彦の『吠えろペン』で、主人公の熱血漫画家の炎尾燃が手を怪我して漫画が描けなくなったときアシスタントに頼もうって話になる。で、炎が「アシスタントはダメだ、あいつらは上手すぎる。魂のこもった作品というのはもっといびつでなくちゃ」と言うが、今作にはいびつさがないのだ。製作陣の「すげーの作ってやろう」っていう気概は感じず、「上手いの作ってやろう」って意識を感じてしまうのだ。
 だから「職人的な上手さ」を今作に感じても、映画が商品である一方で芸術品であることを感じさせてくれないのだ。『恐怖』の感想で書いたけれど、この映画を観たことで、映画館を出たあとの2~3分でいいから世界がちょっと変わったように見えるマジックがかかることはないのだ。結局「作品」ではなく「見せ物」の域を脱してはいない。
 そこが不満。無い物ねだりみたいだけれど、そこがどうしても気になってしまった。

 
 他に不満点として、作品のテーマがちぐはぐになってしまっていること。テレビシリーズの流れの中で今作を観れば、相棒や家族、隣人との「協力」というテーマが浮き彫りになってくるのであるが、今作だけ観れば何を言いたいのかわかりづらい。フィリップとマリア・S・クランベリーのメロドラマ、母親への憧憬云々のエピソード、正直余計だった気がします。あれが、作品のテンポを緩くしてしまっているし、そういうフィリップの家族への憧れ話はテレビシリーズでさんざんやったし、もういいんじゃないの?って。
 この手の劇場版はさ、どんぱちどんぱちお祭り騒ぎで戦い合って、最後にどかんと泣かし入れればいいんじゃね?って思うんですけれどね。

 あと3Dがだめすぎる。例によってただでさえやたら暗い東映の特撮映画の色調が、XpanDの3Dメガネをかけてさらに色調を落とすことにより、色が市川崑版の『おとうと』『セブン』でみられた「銀残し」というザラついたセピアっぽい色調みたいになっていましたよ。そんでもってライティングがへぼすぎるから、本当に安っぽい映像になってしまっている。


 他に良かった点は、須藤元気演ずるオカマファイターや『片腕マシンガール』の八代みなせをはじめとするNEVER戦闘員の怪演が良かったです。
 あとさすが、坂本監督でアクションがとても楽しかったです。最初のカーチェイスとか仮面ライダージョーカー対ヒートドーパント戦とか。


 以上、今回はいつにも増して難癖をつけてしまいましたが、『平成ライダー』シリーズ最高傑作の呼び名は、一理も二理もあるとは思います。たしかに(くどいようだけど『平成ライダー』にしては)よくできた作品だとは思います。かゆいところに手が届くし、きちんと安心して楽しめる。ファンサービスも品良く提供。『セブラーマン2』とか日本映画もヒーローモノを扱っていますが、その中でもけっこう高レベルだと思います。
 あと仮面ライダージョーカーがカッコ良すぎたので、そのためだけでも特撮ファンの方ならオススメでございます。

 評価は大政絢レベル

 次回は、ついに映画感想の溜まりに溜まったノルマが達成だ!頑張ったよ!
 話題作『インセプション』の感想です。正直ちょっとめんどくさそうです、


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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/22(日) 00:46:41|
  2. 映画カ行
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:0
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仮面ライダーW 変身ベルト DXダブルドライバー仮面ライダーWの変身ベルト登場 ...
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