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『インセプション』は上映終了後がキモだよ。

インセプション

 今週の『ゴセイジャー』は珍しくアグリが主役。人魚の怪人に何を言っても陰口に聞こえて被害妄想がどんどん高まる恐ろしい呪いをかけられる話。かわいそうすぎる。そして怖すぎる。こういう精神攻撃を仕掛けてくる怪人の話って楽しいのが多いですね。
 「おれにしか無いモノって一体なんなんだ!?」っていう自分のキャラの無さを激白するアグリが良かったです。自分でもわかっていたのか!
 モネの「お兄ちゃんのグズ、頼りにならないんだから!」「バイバイお兄ちゃん…じゃなくて、もとお兄ちゃん!」って(アグリに聞こえた)陰口が良かったです。
 ラストの力自慢のアグリらしい、ビッグフットの筋グゴンとのパワーファイトが楽しかったです。
 筋グゴンを裏で操って膜インと仲間割れさせていた武レドランは実は幽魔獣でもないの?


 そんなわけで今回は大ヒット上映中の話題作『インセプション』の感想。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。一番大きなスクリーン7番でした。前目が好きで調子に乗って前から5番目に座ったらさすがにスクリーンが大きすぎてちょっと疲れました。
 客層はカップルが多めで、エンドクレジット中に感想を言いながら立つ人が多め。うわぁ…。
 平日でしたが、お盆休みということで、けっこう混み合っておりました。


概要:『ダークナイト』『プレステージ』などのクリストファー・ノーランが監督および脚本。印象的な音楽はハリウッドを代表する作曲家ハンス・ジマー。
 他人の夢の中に潜入してカタチになる前のアイデアを盗み出す企業スパイが活躍する時代。コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、この危険な犯罪分野で世界屈指の才能を持つ男。しかし、今や国際指名手配犯として、またこの世を去った妻モル(マリオン・コティヤール)の殺害容疑者として逃亡の身となってしまい、大切なものすべてを失うこととなっていた。そんなコブに、サイトー(渡辺謙)と名乗る男からある依頼が舞い込む。成功すれば、再び幸せな人生を取り戻すことができる。しかしその依頼とは、これまでのように盗み出すのではなく、ターゲットの潜在意識にあるアイデアを植え付ける“インセプション”というものだった。かつてない危険なミッションと自覚しながらも、これが最後の仕事と引き受けたコブは最高のスペシャリスト集団で立ち向かうべく、すぐさまメンバー探しを開始。やがて、相棒のアーサー(ジョセフ・ゴードン・リベット)、“設計士”のアリアドネ(エレン・ペイジ)、“偽造士”のイームス(トム・ハーディ)、“調合師”のユスフ(ディリープ・ラオ)、そしてサイトーを加えたメンバー6人でターゲット、ロバート(キリアン・マーフィ)の夢の中に潜入するコブだったが…。
"allcinema online"より抜粋)


 今回の論旨はこの映画の持つ「嘘」について
 クリストファー・ノーランは「嘘」ばかりつく映画監督である。『メメント』にせよ『プレステージ』にせよ
、その「嘘」があまりに巧妙なため観客はいつも騙されて戦慄する。

 この映画のキモは今語られているものが「夢」か「現実」かわからなくさせるところである。本編中何度も、現実だと思っていたものが実は夢だったと観客を騙してくるように、観客は次第にそのシーンが夢なのか現実なのかわからなくなり困惑する。

 夢の中で亡くなった妻と逢世を重ねるディカプリオ扮するコブはやがて現実より夢の方にリアリティを感じていくし、コブの妻モルはその現実が本当に夢ではないのかわからなくなる。

 で、色々観客を騙していった結果、観客を疑心暗鬼にさせて、「これって現実なの?夢の中なの?」っていうあの意味深なオチに繋がるわけだけど、そもそもこれは「映画」なのである。「映画」とはハナから現実の物語ではないのだ。他の映画と同様にそれをあたかも現実のように受け取って観客はこの作品を見ているのだ。(現実のパーツを使用し、現実そっくりの世界を作り出す今作の夢はとても映画制作に似ている)

 エンドクレジットでエディット・ピアフが流れ、映画が終わり、映画という虚構から我々の普段生活している現実に戻されたとき、もしかしたらこの現実世界にもエディット・ピアフがどこからともなく大音響で流れてくるかも知れないと思い、電車の中で居眠りするとき近くに目をギラギラさせた怪しい集団がいないか注意してしまうマジックにかかる。そこに映画表現がつける「嘘」の奥深さを感じた。映画はこんなにも盛大な「嘘」をつけるのかと。


 そんなこの作品の「嘘」表現の真骨頂といえばやはり「夢」の世界の描写である。

 別段夢の中に侵入して潜在意識に偽造の記憶を植え込むってアイデア自体は目を見開くような革新的なアイデアではない。『ジョジョの奇妙な冒険』なんかであったようなネタだ(6部では『メメント』から拝借したような話があったし、『プレステージ』の日本版の広告には荒木飛呂彦先生の絵が使われたりと何かとジョジョっぽいノーラン作品)。

 で、何が面白かったかと言うと、夢の中に忍び込む際のディテールがリアリティあって良い。
 例えば「設計士」や「調合士」などRPGのように夢世界での役割が振られ(設計士をテストするのに迷路を作れっていうのがいかにもそれらしくて良い)、準備をしっかりし、対策を練り、『スパイ大作戦』のようにミスなく無駄なく夢の中での作戦を遂行していくプロっぽさ。

 で、夢の中でのちょっとだけ複雑なルール設定(そのまどろっこしさが心地よいバランス)。夢は現実よりも脳の回転がはやくなるため現実の数分で何時間にも感じられ、夢の中の夢は更に長く、夢の中の夢の中の夢はもっと長く…という設定も物語に優雅でアクティブな独特のリズム感とサスペンス性をうみだしていてとても面白い。

 また夢の中に侵入出来ることが実は要人の間では知られていて、そのガードの訓練をしている者もいるってのも面白い。大統領や首相なんかは訓練必須なんだろうなーって想像しちゃう。

 また夢の世界の描写。作中でも「無限階段」を映像化していたが、まるでエッシャーやダリの絵画の中に飛び込んだような、現実みたいだけれども、どこか現実だと理に合わないような映像の中を体験させてくれる。即物的なライティングや奇妙な音楽、極力CGを使わない画面作りも不自然な感覚を演出していて良かったと思います。『アバター』を見た時にも感じたけれど、こういう圧倒的な映像技術でヘンテコな世界を大画面大音響で見させられている時ほど「映画を見ている!」って思える時はない。だから、そういう映画なだけでとてもいい映画だとは思います。


 上手に嘘をつくテクニックは、リアリティがあることと、オリジナリティがあることだと思うけれど、今作のこれら「夢」に対するディティールがリアリティとオリジナリティにあふれ妙にそれっぽくて、観客は「もしかしたらこんなこと本当にあるかも」と思ってしまい、エンドクレジットの最後エディット・ピアフが流れたあと(それは映画館を出たあとの数分かもしれないけれど)それが現実なのかどうか疑わしくなったり、「今思いついたことはもしかしたら本当は自分のアイディアではないのではないだろうか」なんて考えてしまう。夢の中に友人が出たら「お前、昨日、俺の夢にインセプションしただろ?」とか言ってしまう。つまり、観客はこの映画にそのような妙なアイディアをインセプションされてしまったのだ。
 言い換えれば、あまりにこの映画の「嘘」が巧妙すぎて、我々は何が嘘か何が現実かわからなくなってしまったのだ。


 以上、今作は「夢の中に侵入してアイディアを植え込む」という描写にオリジナリティとリアリティを盛り込み、その「嘘」をそれっぽく見せることで、観客に劇中の何が本当で何が嘘かを分からなくさせ、最終的にはもしかしたら「夢への侵入とアイディアのインセプション」は現実にあるかもしれないって気にちょっとだけさせる。
 受け手の現実生活に少しでも考えの方向性を加えるのが創作物の目的の一つだとしたら、この作品の行なったことはおそらく成功だろう。


 で、不満点なんですが、良くも悪くも設定がありきの映画だなと感じました。凝りに凝った設定が出しゃばりすぎて、肝心の人間ドラマがいやにあっさり気味になってしまって、感情移入がしにくい。
 エレン・ペイジ扮するアリアドネはなんでそんなにコブに興味を抱くのかとかよくわからないし、モルの怨念を鎮める方法ってなんかアッサリしすぎてないか? とか、まあ「あっさり気味」というだけで別に『シュアリー・サムデイ』『ゴセイジャー』みたいにいい加減というわけではないんだけれど、ただ必要最小限の人間ドラマしかない。
 例えばマイケル・ケイン演じるマイルズとコブの関係は描写は、やっぱりあっさりだけど両者の巧みな演技で色々想像できたりと、あっさり故に良いシーンもあるわけで。

 まぁただでさえ複雑な設定なのに、人間ドラマすら複雑にしたらなんだかやらよくわからなくなるから、これくらいのあっさりっぷりがバランス良いのかなとは思いますが、淡白になりすぎな気も。

 例えば最後にコブたちのチームに虚無の夢から救出されるのが渡辺健扮するサイトーなんですが、それならばもうちょいサイトーとコブとの関係を丁寧に深く描いてくれないと救出のカタルシスが感じられない。本作の唯一と言っていいほどのヒロイックな描写なのに…。助けられるのをエレン・ペイジにしたら良かったのに。

 今作にそういう描写不足ってのは少なからずあって、そういうのが「設定だけの映画」であるように見せてしまっている感はある。


 そんなわけで、他に良かった点は俳優とか。『(500)日のサマー』のトムを演じていたジョゼフ・ゴードン=レヴィットさんとか。あと『ローラーガールズ・ダイアリーズ』を孤軍奮闘することで作品を救ったエレン・ペイジちゃんが相変わらずカワイイ。寝顔超カワイイ!!マリアン・コティヤールちゃんコワい!!なんかホラーみたいで超コワい!!


 以上、ちょっと味気ないところはございましたが、マニアックにも楽しめることができ、実に映画らしいワクワクもあり、大ヒットの理由も「今年度ナンバー1かも」っておっしゃる方の気持ちも分かります。僕ももう一度観に行こうかな。

 評価は杏レベル

 次回は『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』の感想を書こうかと思っております。ひーはー!
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

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コメント

杏レベル?渡辺謙だけに??
>こういう圧倒的な映像技術でヘンテコな世界を大画面大音響で見させられている時ほど「映画を見ている!」って思える時はない。
正にその通りだと思います。
  1. 2010/08/23(月) 11:15:54 |
  2. URL |
  3. かみやま #-
  4. [ 編集 ]

ああああ!しまった!
なるべく映画とは関係のないアイドルを選んできたつもりだったのに!!
杏は杏でも杏さゆりということにしてはいただけないだろうか?
杏さゆり最近観ないですね、可愛いのに。
  1. 2010/08/24(火) 10:46:53 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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