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『ペルシャ猫を誰も知らない』は無意識なる革命戦士だよ。

ペルシャ猫

 夏らしく六本木ヒルズの森美術館でやっている「地球最古の恐竜展」に行ってまいりました。
 恐竜展とは名ばかりで、メインは三畳紀の哺乳類という珍しい展示会でございました。ポスターでエクサエレトドンを踏みつけているティラノサウルスは骨格も再現模型もない詐欺っぷり。
 そんな我々の遠い祖先、大昔の哺乳類エクサエレトドンさんの模型が…
 哺乳類

 …うわぁ、ぶっさいく~。
 すだれハゲのようなさらさらのたてがみが衝撃的なくらい不細工な我々の遠いおじいちゃんたちでした。
 ちょっともの足りませんでしたが、三畳紀の哺乳類特集など珍しいので、まぁオススメでございますよ。


 そんなわけで当ブログもようやく10000ヒット達成いたしました。うわーい。これからもよろしくお願いします。


 暇なときに更新していかないと、また溜まって大変なことになりそうですので、さくさく更新していきますよ。
 今回は『ペルシャ猫を誰も知らない』の感想。

 観に行った映画館は渋谷のユーロスペース。比較的どの席でもみやすく、シートもゆったり。やる映画もセンス良いのが多く、とても好きな映画館です。客層は一人客がほぼ全員で、老若男女様々。まぁ中年層が多めかな。まぁまぁ混雑しておりました。


概要:監督・脚本は『酔っぱらった馬の時間』『亀も空を飛ぶ」』のバフマン・ゴバディ。出演者はほとんど現地のミュージシャン。
 インディ・ロックを愛するミュージシャンのカップル、べガル(ベガル・シャガギ)とアシュカン(アシュカン・クーシャンネジャード)。しかしアシュカンは、無許可で演奏したとの理由で逮捕され、ようやく釈放されたばかり。2人はテヘランでの活動を諦め、海外への出国を決意する。そこで、違法なパスポートやビザを手配してもらうため、音楽のためなら何でも協力するという便利屋ナデル(ハメッド・ベーダード)のもとを訪ねる。ところが、2人の才能に惚れ込んだナデルは、出国前に当局の許可を取り付け、彼らの念願だったアルバム制作とコンサートを実現させてやると約束する。そしてバンドメンバーを探すべく、様々な場所でアンダーグラウンドに活動を続けているミュージシャンたちを訪ねて廻るのだったが…。
"allcinema online"より抜粋)


 今回の論旨はこの映画が「ロック」な映画であることについて。

 反イスラーム的ということで様々な規制が厳しいイランだが、例えば、劇中で犬や猫を外に連れ出すのを禁じていたりする。理由は「汚い」から。車の中に犬を乗っけているだけで規制対象になるそうだ。で、西洋文化も厳しい規制にあっている。特に音楽。CDを発売したりコンサートを開催したり、出来なくはないっぽいのだが、かなり厳しい審査があるそうで、やれ女性の単独ボーカルは認めないとか、なんかわずらわしい条件がたくさんある。

 で、以前、当ブログでもあつかった『ストーンズ・イン・エグザイル』は反骨する意味を失ったロックバンドが如何にしてロックを産み出していくかを描いていたが、この映画はもう少しわかりやすい。ロックが否応なく反体制にされてしまう物語だ。


 この映画に登場するミュージシャンたちはただ音楽を演奏したいだけで、それ以上のことは望んでいない。
 ただイスラーム国家であるイランはコーランの教えに従って、ロックの演奏や発売の許可をほとんど認めない。本作は警察の目を盗みながらゲリラ的に現地のミュージシャンに演奏をさせたそうだが、実際に抑圧された状況の中で産み出されるロックは、その本分を発揮し、たまらなく生き生きと魅力的に聞こえる。(で、ゲリラ演奏を決行した監督および主演の二人は現在海外での生活を余儀なくさせられているそうだ)

 ロックに限らず「文化」というものは本来的に望むと望まぬに関わらず、その時代や人を代弁するような形で、どんな状況でもにじみ出てきてしまうもので、雑草のように萌えてきたそれは、時に驚くほどのエネルギーで世界を変質させていく力を持つ。

 登場人物のミュージシャンたちはイデオロギーを持って音楽活動をしているのではない。ただ黙々とロックを愛し、それに命をかけているだけであり、その点で彼らは「無意識的な革命戦士」なのであろう。戦士故に傷つき倒れ泣き叫ぶ。

 『仮面ライダーW Forever AtoZ 運命のガイアメモリ』の感想でも似たことを書いたけれど、作品は魂を削ったようなものであるのが好ましく、その点彼らの音楽は事実命を削っている。だから曲にいちいちスゴ味がある。あのペルシャ語ラップとか。


 彼らの奮闘むなしく、イランの街は変化せず、結局ひたすら日常を繰り返す。しかしながら『ライブテープ』で前野健太の歌が吉祥寺の街を劇的なものにしたように、ほんのわずかだがイランの街に異物的な傷跡を残していく。いつの日にか彼らの無意識なる革命も達成される日が来るのかもしれない。

 そして忘れてはならないのが、この映画自体が、やはり革命の一手を担っているということ。文化が世界を変えるとはよく言うけれど、音楽や映画にどの程度変える力があるのだろうか。それでもやはり大きな力に立ちむかっていくところに、僕は「ロック」な精神を感じるのだ。


 それと、オープニングとラスト、劇中で恋人らしい振る舞いや行ないを決してしていなかったベガルとアシュカンのちょっとしたキスシーンの回想が挿入される。色々な複雑な問題を抱えてそうな本作であるが、彼らが演奏する音楽は、芸術論云々なんて複雑なものではけっしてなく、すごくシンプルで真っ当でありふれた恋愛に基づくものであり、世界を変質させる素質があるのはそういったありふれた日常性の持つ、ありふれている故に普遍的でたくましい力なのかもしれないと思った。


 不満点は、規制に反抗するミュージシャンたちの姿だけではなく、保守的な意見、規制する側の意見も描いて欲しかったところ。そちらの言い分を聞かせてもらわないとフェアではなく、あまり主人公たちを応援しづらい(まぁ彼らは革命したいのではなく、演奏をしたいだけなので、「規制vsミュージシャン」という対立構造はこちらが勝手に考えていることであり、「応援」も何もないのであるが)。
 あと、演奏シーンでミュージッククリップぽい映像でテヘランの街を映すのは正攻法ではないかなと。演奏者をまじまじと映し、そこにテヘランの、イランに住む人々とはどういう人々なのか、イランとはどういう国なのかを浮かび上がらせられたら、それが最高だったと思う。


 以上、玉にキズなところはございましたが、とてもエネルギッシュで、美しい音楽映画でございました。サントラを買ってみようかなと思うくらい、厳しい状況下で生み出された文化はやっぱり圧倒的に強いなと感じました。

 高橋愛レベル。


 次回はまたサイコロを振ってきました。今回はイージーな映画特集です。

1枠.『きな子~見習い警察犬の物語~』…夏帆ちゃんが好きで、あと犬が出ている映画が好きなので、えこひいきできそうです。

2枠.『ちょんまげぷりん』…なんだかドラマなどを観ていると、異様に気になる子役鈴木福さん(『ゲゲゲの女房』『大魔神カノン』『MOTHER』あとサンゲツのカーテンのCMなどに出ていらっしゃいます)が主演と聴きまして、それは是非注目しておきたいと思い。鈴木さん、NEWSの錦戸君のことを「錦戸」と呼び捨てにされるそうです。

3枠.『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』…しゃべる動物映画ってけっこう好きで、特に前作はけっこう楽しかったと記憶しております。今回唯一の洋画です。

4枠.『劇場版 怪談レストラン』…アニメ枠がないと思い、一番興味がないこの映画を。実写とアニメのパートがあるんですね。アイドル好きとしては国民的美少女の工藤綾乃さんにも期待です。

5枠.『NECK ネック』…うるさ型にも好かれる舞城王太郎の原作なんですが、主演が相武紗季、スタッフが『ハンサム★スーツ』や『ラブ★コン』。不安要素がぎっしりです。

6枠.『ハナミズキ』…まだこの手の映画作るんだ!無難につまらなそうで、今日本でやっている映画で一番興味がないんですが、だからこそ入れてみました。


 てなわけで、レッツサイコロタイム!

 『ハナミズキ』はイヤだなぁ…

 って思っていたら。

 ころころころん…


 「6枠」!!

 『ハナミズキ』!!!!


 そんなわけで、当てたからには観に行かざるを得ない。次回は一番興味のなかった『ハナミズキ』を観て参ります。君と好きな人が百年続きますように(別れの挨拶)。


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(2010/04/13)
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/28(土) 12:41:48|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:2
<<『ハナミズキ』はナメていたよ。ごめんなさい。 | ホーム | 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』は意外に皮肉屋だよ。>>

コメント

ロック

TBありがとうございます。
『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』でも反体制の象徴はロックでしたね。
映画にあてられて、サントラを買ってしまいました。多数のバンドのオムニバスなので、全曲お気に入りとはいきませんが、主役二人の曲は気に入ってます。

ところで、

>主演の二人は現在海外での生活を余儀なくさせられているそうだ

海外に脱出するつもりの二人を主演に据えたのではないでしょうか(同じこと?)。
  1. 2010/08/28(土) 18:41:07 |
  2. URL |
  3. ナドレック #-
  4. [ 編集 ]

>ナドレックさま。
 はじめまして。いつもHPたいへん楽しく拝見させていただいております。
 いつかコメントさせていただこうと思ってましたが、なかなか上手いことが書けず、躊躇しておりました。今度、コメントさせてもらいます。
 
>海外に脱出するつもりの二人を主演に据えたのではないでしょうか
 あまり下調べをしていませんでした、確かに撮影終了後の4時間後にイランを離れたことからも計画的なものだったのだと思います。


 『フェアウェル』のロックに関しては、僕は、「反体制」の象徴に加えて、「ポップなもの」に対する憧れの象徴かと感じました。旧ソ連のきなくさいものを覆い隠す「ポップ」。だが「ポップ」の発信地アメリカも旧ソ連に増してきなくさいものがあった…みたいな。
  1. 2010/08/29(日) 12:36:54 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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『ペルシャ猫を誰も知らない』(2009)/イラン

原題:NOONEKNOWSABOUTPERSIANCATS監督・脚本:バフマン・ゴバディ出演:ネガル・シャガギ、アシュカン・クーシャンネジャード、ハメッド・ベーダード鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイ...
  1. 2010/08/28(土) 13:40:53 |
  2. NiceOne!!

『ペルシャ猫を誰も知らない』 何が相克しているのか?

 驚いたことに、イランでは犬も猫も外に連れ出すことはできないそうだ。家の中だけで可愛がらねばならない。  『ペルシャ猫を誰も知らない...
  1. 2010/08/28(土) 18:01:29 |
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 更新あんまりできないけれど。
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