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『ハナミズキ』はナメていたよ。ごめんなさい。

ハナミズキ

 今週の『ゴセイジャー』は、遮光器土偶(しゃこうきどぐう)のピカリ眼なる幽魔獣が、望くんをはじめ町の人々を操り自殺に向かわせる話。悪事なのはもちろん分かるけれどそれがどうしたら地球壊滅につながるんだ!?
 山田ルイ13世が崖にむかって黙々と進む望くんを追いかけるシーンでなかなか追いつかないのが面白かったです。山田ルイ13世は走り続けているのに何故だか望の元には届かない。ようやく望の近くによるとなんか不自然にゆっくりになる。

 『仮面ライダーW』が終わっちゃいましたね。『シンケンジャー』の時のように「特集」を組もうかとも思ってますが、『W』に関してはこの前の『AtoZ』の感想でほとんど書いちゃったからなぁ…。


 そんなわけで、今回は前回サイコロで当てた『ハナミズキ』の感想です。

 観に行った映画館は新宿ピカデリー。国内興行収入1位だそうで、平日夜九時からの回なのに、前方を残してほぼ満席でした。えー。客層は若い女性がほとんど、彼女に連れてこられている男性が数人、男性一人もちらほら。


概要:一青窈のヒットソング『ハナミズキ』をモチーフに描くラブストーリー。監督は『涙そうそう』や『いま、会いにゆきます』他TVドラマの演出を多く手がける土井裕泰。脚本はTVドラマを多く手がける吉田紀子。
 父を幼くして亡くし、北海道で母と2人暮らしの高校生、紗枝(新垣結衣)。ある日、彼女は漁師の父を手伝う高校生の康平(生田斗真)と出会い、恋に落ちる。やがて目指していた東京の大学に合格した紗枝と、北海道に残り、漁師を続ける康平の遠距離恋愛が始まる。離れていても気持ちは変わらないと信じていた2人。しかし、アカ抜けていく紗枝に康平の心は揺れ動き、一方、紗枝の前には同じ夢を持つ大学の先輩、北見(向井理)が現われ…。
"allcinema online"より抜粋)


 まずはね、サイコロでこの映画当てた時、本当にイヤだったんですよ。
 『シュアリー・サムデイ』みたいな爆弾臭しないし、多分面白くもなければつまんなくもない果てしなく無難な映画なんだろうなーって。
 『誰かが私にキスをした』みたいにあまりにアレならばそれはそれで楽しめるんだろうけれど、無難な映画すぎるのはなーって。

 …ごめんなさい、ナメきってました。

 膝を叩いて「面白い!」ってほどではありませんでしたが、普通に楽しんで見ることができました。不満もかなり大きなものがあるんですが、それは後々でまず良かったところを並べていきたいと思います。

 (我々男性の観客としては)生田斗真演じる康平の目線で語られる本作は、とりあえず開始100分目くらいまでは、ガッキに見とれたり、焼き餅をやいたり、怒ったりと、総じてガッキに恋できる、純然たる恋愛映画として成功していたと思うんです。そこをまず解説。


 まず良かったのが俳優たちの演技。
 生田斗真くんがそこそこ演技うまいのは知っていたけれど別にファンになるほどじゃあないし、ガッキなど大根役者と思っておりましたら、かなり頑張っておりました。

 まずガッキなんですが、きちんと女子高生(ウブで自分に自信がなくワガママでテンパり気味な感じがとてもリアル)、女子大生(華やかで一通り遊んでいて、それでいて知的教養も身につけている感じ)、アメリカで働くアラサーOL(自信にあふれ、仕草までもがアメリカンに)と、それぞれの世代をきちんと演じ分けているんです。それでいてなかなかリアル、女の子特有の現実的でちょっと嫌な感じとかもきちんと出している。
 終盤、今後このガッキ演じる紗枝がどのように歳をとっていくかが想像できるくらい生々しく、彼女に恋したり怒ったりする康平にすごく感情移入できるようになっている。だから彼女が後半、康平の知っている彼女ではなくなっていく様がとても切ない。
 更に生田斗真なんですが、良かったのがクリスマス・イブにガッキを追って北海道から東京の大学に行くところから始まる一連のシーン。恰好がどんくさい田舎の漁師なんですが、東京の華やかな女子大生になって、向井理演じる北見先輩とキャッキャやっている姿に気落ちしちゃって、せっかくはるばる北海道から会いに来たのに声をかけれない。その田舎者という劣等感がとてもよく出ていました。
 で、その後のデートでせっかく紗枝にオシャレなレストランに連れて行ってもらえたのに、それがより劣等感を煽ってより不機嫌になってしまう感じとか(「ねえ怒ってる?」「怒ってねえよ!」の会話のリアリティ)、その後の仲直りの無駄に長いキスの生々しさとか(序盤の不満は若い二人が性欲をまるで感じさせないところだったのですが、このキスシーンの無駄なエロスがそれを帳消ししてくれました、もうちょいエロくても良かったけど)と、生田斗真の「田舎コンプレックス」っぷりの好演が、ありがちな恋人の様子をとてもリアルに面白く描いていると思う。
 あと細かいところだと終盤の結婚式シーンでの、手持ちぶさたで気まずくて、ビールを注いだグラスを口にもっていくペースがやたら速い感じとかも上手いなと思いました。

 他にもイケメンで善人で自由人で大物の「かっこいい先輩」を演じていた向井理も、決して巧くはないんだけれど、紗枝が次第に彼になびいていくのを納得させるカッコ良さで、「ガッキそっち行っちゃダメだー!」ってやたらハラハラさせるし、ガッキの母親役にしてはちょっと若くないか不安だった薬師丸ひろ子も、愛嬌があり明るいけどどこか暗い影を背負っているオバサンをきちんとこなしていてとても雰囲気が出ていたと思います。


 あと他に良かった点として編集。一つのシーンで何が起きたか最後までは語らず、次のシーンで暗示的に何が起きたのか語ることで観客の興味を持続させるテクニックが効果的に使われていて見ていて飽きない。
 例えばさっき例に出したクリスマス・イブのデートのシーンでは大学のキャンパス内で紗枝を待っている康平が彼女に声をかけようとしたら北見先輩とじゃれあっていて声がかけれない、アワビが入っているクーラーボックスがカッコ悪いといったショットのあと、レストランのシーンに飛んでやたら不機嫌な康平が映される。その飛ばされたシーンの中にどんなドラマがあったかワクワク想像できる。

 あと脚本、これは1995年から2005年の間の物語なのだが、例えば長電話が公衆電話から携帯電話になっていくタイミングとか、ガッキが先輩である向井理に敬語からタメ口になっていくタイミングなどでうまく時間が経過していったことや登場人物同士の関係性の変化を見せている。

 他にも説明くさくないセリフとか、説明くさくない音楽の使い方とか、まあ実はストーリーもテクニックもプロが作る映画としては当たり前の条件である程度のものなのですが、きちんと基本をしっかりと押さえて役者に上手い演技をさせるだけで、ちゃんと楽しめる映画は作れるんだなという好例のような作品で、そのおかげで登場人物に感情移入できて、紗英に恋することもできたし、泣きのシーンではきちんと泣けました。


 ここまでは良かった点です。
 ここまでは素直に楽しめたんです。先入観だけで、この映画をバカにしていた自分が恥ずかしくすら思えました

 が、この映画なんかやたらと長く感じるんです。それもそのはずとってつけたような終盤30分がモーレツにクオリティ下がりまくりで、ストーリーも蛇足すぎる展開があるんです。以下そこを解説。


 以下、重大なネタバレがございます。要注意。


 まずこの映画のそもそもの目的として一青窈の歌『ハナミズキ』を劇映画にしてみようってのがあるワケで、やはりストーリーもある程度この曲の精神に準じなきゃならないと思うんです。
 歌詞の内容を要約すれば、かつて恋人同士だった二人がそれぞれ別の人生を歩むことになって、それでもどこかで思っていますから、それぞれお互いの新しいパートナーと幸せになりますようにってな歌だと思うんです。

 で、終盤の友人の結婚式のシーン、出席した紗枝と康平はすでに破局していて、それぞれお互いの新しいパートナーを見つけ別々の人生を歩んでいるんですが、どこかで気持ちは残っている。愛し合いながら不本意に別れてしまったため、気持ちの整理がついておらず、忘れたくても忘れられない。
 そして二人は互いの気持ちを整理するため密会する。思い出話など語って、ノスタルジーに浸りながら、暗くなったので「もう会うこともないでしょう」と別れる。

 で、ここで何もせずに別れて、帰り際、紗枝は自宅の高校生まで過ごしていた自分の部屋で、康平は車の中でぐっと抑えていた気持ちがこらえきれずに崩壊して、泣いてしまう。ここで『ハナミズキ』が流れる!……だったら良かったと思うんです。曲のテーマにも沿っているし、映画としてもそれぞれにそれぞれの人生があるという如何ともしがたい力によって裂かれた儚く美しいラブストーリーとしてまとまりが良かったと思うんです。

 この映画、別れ際抱き合っちゃうんです。ここからこの映画が狂い始める。やたら「偶然」が作用しまくる。
 康平は紗枝と密会していたことが妻のリツ子(蓮佛美沙子)にバレて、それが原因で逃げられてしまう。紗枝の方は、北見先輩にプロポーズされて有頂天になるもイラク戦争勃発。カメラマンとしての使命に燃えた北見先輩の手紙には「仕事ができたらしい。(イラクから)帰ったら結婚しよう」と…。気づけ!ガッキ、気づけよ!!大ヒントだって!!今日日こんな大ヒントないって!!!!

 てなわけで、お互いフリーに。
 紗枝はそれでも北見先輩のことを思い続け、彼の撮った写真を集めて個展を開いたりする。で、自分探しの旅としてカナダへ。すると、そこにはマグロ漁船で働いている康平が立ち寄った痕跡が。紗枝はそのマグロ漁船を追って海に向かって「康平君!康平君!!」と泣き叫ぶ。えええ? 北見先輩のことを愛しつづけるんじゃないの?

 でもって、アメリカで働くのはつらいと、北海道に帰る紗枝。そこで康平と再会して、物語は冒頭のハナミズキの木の前で語る女の子とお父さんらしい男性の会話のシーンへと繋がるんですが、その男性、冒頭では誰だか分からずに、紗枝の少女時代とそのお父さんかなって思わせるミスリードがあるんですが、実は康平だったというオチ。えぇぇぇ!?この二人くっついちゃってんじゃん!!全然『ハナミズキ』の曲にあってないじゃん!!

 それで、忘れていました。『ハナミズキ』流れるんです、エンドクレジットに。まるで効果的じゃない使われ方…。もう一つの一青窈が歌う挿入歌『影踏み』はとてもいいタイミングで使われていたのに…。

 てなわけで、友人の結婚式のところで物語を締めておけば、とてもまとまりもよく、歌にも準じていて、上映時間も適当で万事問題なかったと思うんです。どうしてこんな蛇足も蛇足の展開を付け加えちゃったのか、本当に理解に苦しむのですが、どうも生田斗真と新垣結衣をくっつけなければならないという、色んな大人の力が働いたのではないかと邪推してしまうのであります。

 以上、比較的良く出来ていたはずのこの映画を台無しにしてしまっている後半30分の不満点でした。


 他にも細かい不満点はちょこちょこございます。冬の北海道なのに軽装すぎとか、先述のデートシーンで新宿から渋谷へ突然ジャンプしたり、康平の妹が10年近くまるで成長しなかったり、印象的な告白シーンがなかったり、アメリカのシーンがしょぼかったり…。

 でも、この手のテレビ曲主体のテレビ屋映画の中ではけっこう面白い部類だと思うし、なによりガッキカワイイし、過度な期待すらしなければ観て損ではない作品だと思います。とにかく終盤30分の脱力加減が悔やまれてしょうがない作品でした。
 ハナからバカにしくさっていた映画が案外楽しかったり、これだからサイコロ転がすのはやめられませんね。

 パフュームのあーちゃんレベル。

 次回は結局観に行きました『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球戦争』の感想を書きたいと思いますにゃん。わん!
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/30(月) 03:02:50|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:3
  4. | コメント:3
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コメント

歌詞の意

初めまして。映画ハナミズキの感想としてたまたま拝見した通りすがりの者です。
サイコロで決めた作品を嫌でも見るって面白いですね。
感想が興味深く大変共感しながら拝見させていただきました。
初めの100分近くがとても楽しく見れる事にも同感です。
ハナミズキの歌詞に関しては
あれは主人公が1人ではなく、いろんな立場の人から愛する人への思いが綴られていると解釈しています。
特に親から子への愛がメインに感じます。
映画は庭のハナミズキが早くに亡くなった父親として家族を見守っている事が
この歌詞と深く関わっていると思います。
前半に出てくるハナミズキの木の下の父娘は紗枝と紗枝の父親で
ラストは次の世代の父娘の姿で間違いないです。
  1. 2010/08/30(月) 07:56:57 |
  2. URL |
  3. みか #-
  4. [ 編集 ]

>みか様

 はじめまして。コメントありがとうございます。
 サイコロで観に行くってのは『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』っていうラジオでやっているコーナーをそのままやっているだけなのですが、普段まず観に行くことがないような映画を観に行ける経験が得られ、やっていてとても面白いです。

 そしてご指摘ありがとうございます。
 『ハナミズキ』の歌詞の解釈、悩むところもあったのですが、みか様のご指摘で、もやもやしていた所が納得できました。
 冒頭の『花言葉「返礼」』っていうのが作品のどこにかかっているかわからなかったのですが、そこら辺がヒントになっているのかもしれませんね。

 また是非遊びにきてください。
  1. 2010/08/31(火) 00:56:28 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
  1. 2013/05/19(日) 15:55:49 |
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  3. #
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