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『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』はアニメでもよかったよ。

キャッツ&ドッグス

 今回は『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』の感想でございます。すぱすぱいきますよ。

 観に行った映画館は吉祥寺バススシアター。金曜日のカップル割引の日で、あまりにやることがなかったので、女の子だまくらかして観に行って参りました。2D日本語吹き替え版でした。最近3Dに飽き飽きしていたから、別にいいやと思っていたけれど、併映作品の『ルーニー・テューンズ ロード・ランナーとワイリー・コヨーテ “Coyote Falls”』って2分の短編が3Dをあからさまに意識したCGアニメで、やっぱり3Dで見たかったと後悔いたしました。ちなみにこちらはまぁいつものアレなんですが、アニメらしい動き、リズム感などさすがというか、職人芸というか、とても面白い出来でした。
 客層というか観客が僕と僕の連れと、明らかに寝にきていたホストっぽいお兄ちゃんと、老夫婦とその孫二人だけでした。


概要:01年のヒット作品『キャッツ&ドッグス』の続編。監督はブラッド・ペイトンという新人の人。
 人類の愛でる可愛いペットを演じる一方、人間の知らないところで最新ハイテク技術を駆使しながら戦い続けているネコとイヌ。そんな中、ネコのスパイ組織で活躍していた極悪非道なキティ・ガロア(声:ベッド・ミドラー)が、イヌと人間の絆を断ち切るうえに仲間であるネコまでも陥れ、世界を我がものにしようという恐るべき陰謀を画策し始める。前代未聞の緊急事態に見舞われたネコとイヌ両陣営は一時休戦、共同戦線を張り、対抗手段へ出ることに。そして、ネコ界からスーパー・エージェントのキャサリン(声:クリスティナ・アップルゲイト)、イヌ界から元警察犬のディッグス(声:ジェームズ・マースデン)、さらにはハトのシェイマス(声:カット・ウィリアムズ)も加わったドリーム・チームが結成され、陰謀を食い止める急先鋒としてキティ・ガロアに立ち向かうのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 本作が「しゃべる動物映画」である意味を考えてみたい。

 ドタバタコメディと共に日本では人気がないアメリカ映画のジャンルとして、実写の「しゃべる動物モノ」がある。『ベイブ』とか『シャーロットのおくりもの』とか。日本だと未公開だったりよくてもビデオスルーなんていうのが多く、今作のように全国上映なんてマレですが、アメリカでは確固たるチビッコ人気を博しているそうです。
 日本だと『子猫物語』なんてのもあったけれど、あれはあくまでナレーターによる犬猫の感情の補足説明のためのセリフであって、犬や猫の口から直接発せられた言葉ではない。一方で、例えば『奇跡の旅』や今作のパート1にあたる『キャッツ&ドッグス』などは実際の犬や猫を使い、まるで彼らが実際にしゃべっているかのようにアテレコする。

 本作が始まる前にやっていた、本物かと見間違うようなフクロウたちの冒険を描いた、CGアニメ『ガフールの伝説』の予告編などを見ていて思うんだけれど、あの手のリアル志向のCGアニメが向かう先にはこのような「しゃべる動物映画」の究極の形(全てが制作者の作為のままに動くリアルな動物)があるのかなと思うのですが、そういった「しゃべる動物映画」の向かおうとしている先にこの映画の最大の不満点があるのです。すなわち技術の発展。

 「しゃべる動物映画」で、犬や猫をしゃべらすことの何が面白いかと言えば、演じる動物たちが何をやらされているか分かっていないことである。動物たちを上手く動かして、それに人間が勝手に声を当ててドラマを作り上げていくのですが、他の「しゃべる動物映画」では動物たちは、人間がそんなわけわからない思惑で自分達にわけのわからない行動をさせていることなど更々知らないわけで、例えば怒るシーンも笑うシーンも目はアニマル丸出しのあの虚無的な瞳なわけで、その目が面白いのに、この映画ときたら面白いシーンにCGや人形を使って動物たちに面白い顔をさせるんです。
 以前から言っているように、面白いシーンで面白い顔をされたら台無しで、面白いシーンこそ生真面目な顔が必要とされるわけで(その点「動物」というのは基本表情が乏しいので、優秀なコメディアンと言えるだろう)わざわざCGまで使って動物たちに面白い顔をさせたおかげで、とてもしらけるものとなってしまっている。


 で、さらに「しゃべる動物映画」である意義を疑ってしまう点は、前作で描かれていた、動物好きならうなずいてしまう犬と猫のディテールが描かれていない点。
 例えば前作のお気に入りのギャグで、犬たちが映画でよくあるような爆弾のトラップを外すシーン、「赤のコードを切れ!」って言われるんだけれど、犬だから色の識別がつかなくてどのコードを切ったらいいかよくわからないってのがあるんだけれど、今作は「赤いスイッチを押せ!」なんて平然と言ってたりする。
 また、犬小屋の中にある超ハイテクで猛スピードの輸送車に犬たちが乗るシーン、前作だと乗っていてしばらくすると「顔出しオーケー」と機械音が喋り、犬が車の窓から顔を出す(犬は車の窓から顔を出すのが好きなんです)ってギャグも、今作ではなく、犬たちはただ車のなかで前述の「おもしろいCG顔」をしているだけである。
 他にも前作では「猫たちが犬アレルギーの特効薬の開発を阻止する」という、どこかしょぼい理由が闘争の発端であったのが、今回はキティ・ガロアが「犬たちの頭を狂わし、世界を我がものとしようと狙う」という本格的に危ない話になってしまっているし、犬も猫も人前ではしゃべれないバカな動物のフリをしているって設定だったのに、今回は平気で人前で喋っているし、さらにイヤだったのは飼い犬としてすごすのか、エージェントとしてすごすのかっていう葛藤が前作では物語のテーマの一つとされていたのに、今作は飼い犬としてすごしながらエージェントとしてすごしているし(彼らがエージェントとして出かけている間、飼い主の人間たちはどう思っているんだ?)

 などなど、この映画内で守られるべきリアリティ、実際の動物たちが主演であるゆえに実際のリアルな動物らしい行動をとるということが杜撰にされてしまっているため、「我々の目の外ではものすごいハイテクなことをしているのではないか、ひょっとしたら本当にこいつら俺の見てないところでもしかしたら…?」っていうSF的なワクワクがない。よってせっかく実在の動物を使った意味がここでも疑わしくなってしまうのだ。


 以上のように、本作はせっかくの「しゃべる動物映画」なのに、リアリティもなければ、可愛くもない、なんだかもったいない作品だと思いました。

 他にも、前作と設定がまるで違うのが許しがたく、ミスター・ティンクルズは太ったお手伝いのオバサンの家で文字通り猫可愛がりされているはずなのに、何故か刑務所にいるし、苦渋の決断でエージェントになる夢を諦め、ブロディー教授の飼い犬になることを選んだルーが、何故かエージェントのトップとしているし、そういうのもしらけさせる。

 あとあと人間視点がほとんど介在しないので動物たちに共感しにくいのも問題か。クリス・オドネル(久々に見た!)あんま登場しないし。

 オープニングの『007』のパロディは良かったです。『007』風の曲にあわせて、いつもなら裸の女性のシルエットがくねくね踊るところを、犬や猫が歩いたりぐでぐでしたりするだけ。ブロフェルド風のキティ・ガロアがまるでブロフェルドのように、白いネズミを可愛がっていたり。3代目ボンドロジャー・ムーアが猫組織のボスの声でカメオ出演しておりますが、僕は吹き替えで見たので、なんにも感動はございません。
 パロディと言えばミスター・ティンクルズは前作の内容思いっきり無視で、『羊たちの沈黙』風に登場するけれど、レクター博士のパロディとか今更やって笑う人いるのかな?

 他に良かった点は戦場で襲ってくる猫2匹の殺し屋のアクションとか、マタタビでとろーんとしてしまってる猫たちとか。


 まぁ前作も名作ってほどではなかったにせよ、そのばかばかしさや可愛らしさが好きだった身としては、前作の設定や語られたことをほぼ無視したような作風や、動物がまるで可愛くなかったことなどが、総じて不満に思えた作品でございました。

 上原美優レベル。

 次回は今回とうって変わってむしろ喋れないよ、若松孝二監督の話題作『キャタピラー』の感想を書きます。


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  1. 2010/09/03(金) 01:20:24|
  2. 映画カ行
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  4. | コメント:0
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キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争

大ヒットした動物映画の続編の本作は、共通の敵に対してライバル同士の犬と猫が手を組む展開が笑いを誘う。猫のスパイ組織の元エージェント、キティ・ガロアが、犬や猫、人間までも自らの支配下に置くという恐ろしい策略を企てていた。かつてない危機にさられたネコたちは...
  1. 2010/09/03(金) 23:49:44 |
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