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『怪談新耳袋 怪奇(『ノゾミ』編)』にも二分の魂はあるよ。

ツキモノ

 てなわけで、今回は前回の『怪談新耳袋 怪奇』前編『ツキモノ編』に続きまして後半『ノゾミ編』の感想でございます。

 観に行った映画館や客層等は前回と同じなので、割愛。

概要:BS-TBSのTVドラマ「怪談新耳袋」シリーズの劇場版第4弾で二本立てオムニバスの後編。監督は『おかえり』『東京島』の監督篠崎誠。脚本は『タマフル』リスナーにはおなじみ三宅隆太。
 藤沢めぐみ(真野恵里菜)は17歳の高校生。11歳の誕生日に、妹ののぞみが死んだのを自分のせいにしてしまい、苦しむ毎日を送っていた。そのため、唯一の家族である母(秋本奈緒美)との関係もうまくいっていない。そして、自分の誕生日が近づくにつれ、精神不安定になるめぐみは恐ろしい幻覚を見るように…。
"goo映画"より抜粋)


 今作は結論から言うとはっきりいってあまり大した作品ではありません

 先に不満を並べると、一番の不満は主人公が自分からアクションを取ることでストーリーが進むワケではなく常に受け身の状態で、ほぼ向こうから勝手にドラマが舞い込んでくるだけなので、それになすがまま一喜一憂するあの恵里菜ちゃんもマグロ状態で退屈なこと。アイドル映画はさ、もっとアイドルがキャッキャしてないと。

 また恐いシーンも過剰な効果音で盛り上げながら「出るか出るか出るか…あれ、出ないのか…やっぱり出たー!」っていう「驚かせ系」で、前回の『ツキモノ』編の「お化け屋敷的」なホラーならそれもまだバカ騒ぎできて良かったけど、こういうしっとり目のドラマ性を重視したいような作品でそういう恐怖演出は映画全体をとても安っぽくしてしまっている。
 で、そのホラー要素もあんまり怖くなかったのが追い打ちをかけてしまい、ホラーとして致命的。

 あと結局妹の死って怪異には関係なかったの?っていう、ドラマの弱さとか。
 さらにとても重要なシーンのはずの妹が湖で溺死する箇所でも、めぐみも母親もあんまり助ける風に見えないのが残念。なんか妹の名前呼びながら手元にある水をぱしゃぱしゃしているだけなんだもの。でもって母親が娘の死体を見た時のリアクションって「(姉に)なんでちゃんと見てなかったの!」とかあんなんじゃないよね、多分。『告白』の松たか子のただ黙々とプールに浮いている娘の死体に向かっていくシーンはリアリティありましたね。
 襲ってくる怪人にただ対処するだけであった『ツキモノ』は、『プレデターズ』の感想で書いたような詰め将棋風ゲーム的な展開だったからいささか人間描写が雑でもそれもまた味になっていましたが、こうやってきちんと人間ドラマを見せていこうという作品で、そういう人間描写の演出の拙さが出てしまうのは、けっこう重大な欠点。

 以上、思いついた順に不満点を羅列してみましたが、恐いけれどいい映画風な作品を撮りたいんだろうなーって気持ちは伝わりましたが、なんだか「奇跡体験!アンビリーバボー」「恐い話特集」で最後に組まれるちょっといい話系の再現ビデオ程度の出来でした。


 が、それでもこの作品をとことんバカにすることがあまりできないのは「気にすると見てしまう」という、「幽霊を見てしまうこと」が「気のせい」であるかもしれないことを加味した上で、それを立脚点として、やはり幽霊が実存する可能性を語っていることである。
 主人公の母の友人(伊沢磨紀)は、霊を見るのは「想像力があるか否か」だと語る。
 人を思いやる想像力がある人は死者も思いやることができる、だから死者に好かれるのだ。あのセリフは「死者を思いやるほどの想像力があるから、幽霊を想像できる。」とも解釈可能であり、裏を返せば「見る人が見ることで、はじめて幽霊は実在するのだ」という証明をしているようである。
 で、本作の「恐怖シーン」は、図書館のシーンも、お風呂場のシーンも、どれもめぐみの妄想か思い込みが呼び起こしているものなのである。また肝心の数年前に死んだ妹が実は彼女の身の回りで怒った怪異とはまったく関係がないのに、めぐみは「関係ある」と思い込み、「妄想や思い込み」で幽霊を見てしまっているのである。逆に幽霊なんていると思っていない母親は、決して最後まで幽霊を見る事がない。

 このように、本作は基本アレな映画ですが、意外に面白い事を言っていたりして、捨てたもんじゃないなと。あとコミュニケーションが絶望的に不可能な怪異を描いた『ツキモノ』と、コミュニケーションをとろうとする幽霊を描いている本作と、対になっている構造が面白いですね。できたら、真野恵里菜のキャラクターもそれにあわせて対にして欲しかったけれど(前回書いたけど『ツキモノ』で真野恵里菜がブルース・キャンベル化すればよかったんだと思う)…。

 辻希美レベル。


 次回はホラー映画三昧して参りましたダリオ・アルジェントのオジキの新作『ジャーロ』の感想です。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/09/23(木) 12:47:38|
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