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『彼女が消えた浜辺』はデタラメ嘘つき映画だよ。

彼女が消えた浜辺

 今週の『天装戦隊ゴセイジャー』は護とゴセイナイトの友情エピソード。護の画力が小学生のレベルを軽く凌駕していて、まるで手塚治虫先生の幼少期のころのようでした。
 以前膜インが言っていた、地球を進んで破壊している人間たちをゴセイジャーたちが護る意味ってあるの? ってな疑問に「人を信じたいから」って理由で応えていましたね。

 『仮面ライダーOOO』は「ガタキリバ」の歌が、「タトバ」ほどインパクトなくて残念。


 今回は前回サイコロで当てた『彼女の消えた浜辺』の感想です。観に行った映画館はお初です、ヒューマントラストシネマ有楽町。日曜の昼間だったので、空席を除いてほぼ満席。中高年が多めでした。さすがに日曜日は一人客が少ないですね。


概要:09年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)に輝いたイラン作品。監督・脚本はアスガー・ファルハディという日本ではあんまり知られていない方。
 テヘランからほど近いカスピ海沿岸のリゾート地に週末旅行へとやって来たセピデー(ゴルシフテ・ファラハニ)たち3組の家族。そこに、セピデーに誘われ、たった一人で参加した若い女性、エリ(タラネ・アリシュスティ)がいた。セピデーには、エリに離婚したばかりの友人アーマド(シャハブ・ホセイニ)を紹介するという思惑があったのだ。しかし翌日、エリは海岸で忽然と姿を消してしまう。事故か、それとも何も言わず帰ってしまったのか。必死の捜索が進む中、唯一彼女と面識のあったセピデーさえ彼女の本名を知らず、誰もエリのことを何一つ知らなかったことが明らかとなってくるのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 本作のテーマは「嘘」。我々は嘘で塗り固められた、真実無き『マトリックス』のような世界に生き、そこで真実を見ない事により毎日を楽しく暮らしている。
 冒頭に「神に誓って」という、真実を述べる際にも使用される旨の文句が表示されるが、あれはイスラーム系の国家の映画にはよくあるものなのでしょうか? とにかくその文句がとんでもない皮肉となっている映画であった。


 ポストの中からの視点という「外部の更に外部」から覗いた視点から始まる本作は、物語の表層(上っ面)をなぜるように始まり次第に中心部へと向かっていく構成である。

 前半、エリが行方不明になるまで本作は掴みどころがない。例えば、食事シーンにて食べ物を撮さず食べている人だけを撮す。更には凧をあげるシーンでも凧そのものは撮さず、凧をあげるエリばかり撮す。パッと見なにをしているかよくわからないのだ。
 そもそも主人公たちが何故旅をしているのかもよく分からない。
 また観客は主人公たちが何を楽しんでいるのかよく分からないまま彼らがレジャーを楽しんだり、車で大声で叫んだりダンスを踊ったりする様を見る。
 このようにこの映画は前半物語を上辺でしか描かないのだ。だから捉えどころが見つからない。

 中版にて子供の一人が海に溺れ、エリが行方不明になってから物語は周縁のみをなぞるような展開をやめ、次第に中心部へ動きだす素振りを見せる
 人(エリ)の生死が関わる問題に触れ、冒頭の和気あいあいとした様子とは一変して登場人物一行の責任のなすりつけあいや自己嫌悪などが始まり、今まで見ないようにしていた「嘘をついている」という事が露になることで、彼らの生々しい人間性(上っ面ではないもの)が出始める。
 しかしながら一方で「エリに婚約者がいるのを知っていた」などの、場合によっては責任の比重がぐっとのしかかってしまうような肝心な嘘は皆つき続ける。なぜなら「嘘」とは人が人として社会で生きるために必要な面子や尊厳を守る効果のあるコミュニケーションツールであるからだ。だが、彼らは嘘を嘘で上塗りし、それによってなんとか最悪の状態は避けようとすればするけれども、結果話はどんどんこんがらがってくる。ここら辺、三谷幸喜が喜びそうな、とってつけた嘘スパイラルのような、かなりコメディみたいな展開なんだけれどもユーモラスかつギリギリシリアスに展開していく人間ドラマがかなり見応えありました。

 で、いくら中心部に物語が向かおうとしても、そこには必ず「嘘」が立ちはだかる。皆、散々嘘に懲りたはずなのに結局最後の最後まで嘘をつこうとする。社会の中でしか生きていけない人にとって嘘は必要不可欠なのだ。
 名義だけの関係になった夫婦、愛の存在に疑いを抱きだした婚約者、生きているかいないのかわからなくなったエリ…皆、真実を追求し続けたが、結果辿りついたのはこれらの新しい「嘘(虚構)」でしかなかった。物語は新しい「嘘」にまみれた事により、また冒頭のような「上っ面」に戻ってしまう。一度「上っ面」を引きはがされてしまった彼らは以前のような和気あいあいの関係には戻れないだろうけれども、でもまた「嘘」を積み重ねて行く事で、真実より目を背け、社会生活を円滑に過ごせるように自らを適応させて行くのであろう。それを暗喩するかのように、砂浜にタイヤが深く食い込んでいた車は、そこから脱し、冒頭のシーンのように円滑に動こうとする。

 最後に一つだけ「ある真実」が描かれるが、たしかに「それ」だけは嘘にできない。うまいですね。

 以上のように、本作は「表層(=上っ面、嘘で塗り固められた世界)」から中心部に向かって行くベクトルを見せる物語であるが、そのベクトルの先は新たな「表層(嘘)」でしかなかったという、人間社会における「嘘」の重要性と危険性を描いた作品ではないかと思う。コンパクトに静かにセンスよくまとめた名作だと思います。あと出てくる女優さんがみな美女。

 長澤奈央レベル。

 次回はようやく観てきました。遅ればせながら『悪人』の感想を書いてみたいと思います。乞うご期待。


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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/10/12(火) 01:35:52|
  2. 映画カ行
  3. | トラックバック:4
  4. | コメント:2
<<『悪人』は悪い映画だよ。 | ホーム | 「週刊少年ジャンプ」2010年45号の一言感想>>

コメント

最終的に思った事

みんな閻魔大王様に舌を抜かれてしまえ!
  1. 2011/03/27(日) 01:00:36 |
  2. URL |
  3. ふじき78 #rOBHfPzg
  4. [ 編集 ]

>ふじきさま

 そろそろ4月1日ですね。
 人はどんなに少なくとも一日一回は嘘ついているんだから、一年に一回くらい嘘つかない日でもつくればいいのに。まぁそんなことしたら、世の中は簡単に破綻しそうですが。
  1. 2011/03/27(日) 02:12:46 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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彼女が消えた浜辺

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五つ星評価で【☆☆☆うまく作ってあるけどそんなにズバンと来ない感じ】 ほんのちょっとしたボタンのかけ違いがひどい事に発展していく様子を観客が登場人物と一緒にハラハラド ...
  1. 2011/03/27(日) 01:23:44 |
  2. ふじき78の死屍累々映画日記

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