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『エクスペンダブルズ』は男同士のコミュニケーションマニュアルだよ。

エクスペンダブルス

 そんなわけでまた映画感想がたまってきていますからさくさく更新していきたいと思います。
 今回はようやく公開だよ『エクスペンダブルズ』の感想。個人的に今年の注目度ナンバー1の映画でございました。

 観に行った映画館は、これ試写会で観に行ったので映画館ではないのですが、ヤクルトホールという新橋にあるホール。試写会なので満席かと思えばそんなんでもありませんでした。けっこうサボる人も多かったのかな? まぁ夜とはいえ平日だったし。客層は「映画秘宝」みたいなひとたち、ていうか「映画秘宝」読んでいる人を少なくとも2人みかけた。


概要:監督・脚本・主演はシルヴェスター・スタローン。80~90年代を賑わせたアクションスターがたくさん出ていますよ。州知事とか世界一ついてない男とかロートルレスラーとか。
 軍用銃のエキスパートであるバーニー・ロス(シルヴェスター・スタローン)率いる少数精鋭の凄腕傭兵軍団“エクスペンダブルズ”。ソマリアでの人質救出作戦を鮮やかに成功させた彼らに対し、さっそく新たな依頼が舞い込む。それは、南米の島国ヴィレーナを牛耳る独裁者ガルザ将軍(デヴィッド・ザヤス)の抹殺というかつてない困難な大仕事だった。すぐさま現地へ視察に向かったバーニーは、ガルザの実の娘でありながら民衆の苦境を見かねて反政府活動に乗り出したサンドラ(ジゼル・イティエ)と出会う。その後アメリカに戻ったバーニーは、次第に見えてきたCIAの薄汚い思惑に嫌気がさして仕事から降りてしまう。その一方で、気丈に戦い続けるサンドラのことが放っておけず、単身でヴィレーナへ乗り込もうとするバーニーだったが…。
("allcinema online"より抜粋)


 スタローンってその見た目とは裏腹に案外センシティブな人だから、「エクスペンダブルズ(消耗品)」と自虐的センスで銘打たれた今作は80年代的アクション映画を踏襲しつつ、『ランボー 最後の戦場』『ロッキー・ザ・ファイナル』(どちらも名作だと思います)のようなスタローンお得意のウェットな映画なのかなとちょっと期待していたわけですが、いい意味で裏切られました。例えば『ランボー』シリーズなんかは簡単に殺されていくモブキャラの一般兵士の命が重かったりするが、今作は一般兵たちにカブトムシほどの命の重みも与えられていないように、あの当時映画ファンたちが妄想していた筋肉系スターたちの夢の共演をやるのなら、あの頃の筋肉系映画のノリでやらいでか! こむつかしいことなど一切ない、素晴らしくド派手でバカで男くさい筋肉ムキムキ映画となっていました。

 だってジェット・リー対ドルフ・ラングレンのカンフー対極真空手バトルだよ!? スタローンとシュワちゃんとブルース・ウィリスが同じフレームに収まっているんだよ、ニヤつかざるを得ないと思うんだ。

 そんなお祭り騒ぎで描かれるのは、女子禁制の、男たちが筋肉ムキムキにしてキャッキャやるホモソーシャル映画である。当ブログで取り扱ったホモソーシャル感が強い映画は『シャーロック・ホームズ』『冷たい雨に撃て、哀しみの銃弾を』などがあったが、本作はあれと同等かそれ以上にイチャつきっぷりが度を超えている。
 で、そのホモソーシャル感こそが、この映画が2010年に蘇らせた80年代アクション映画イズムのキモなのではないだろうかと、そこらへんを考えてみたい。

 例えば中盤ドルフ・ラングレンがスタローンに反抗するのだが、その理由が「仲間外れにされたから」。そんな理由で奴等はガチの殺し合いをいたしますが、スタローンはそんな規格外の駄々っ子をあやすかのように、ガチで彼を殺そうとする。「あやすように殺す」とは変な言い方だけれど、結局彼らはジャレているだけなのだ。そのドルフ・ラングレンが退場の際にコソコソ話をスタローンにするが、その耳打ちの内容に意味はない、男同士がコソコソ話をしている行為が重要なのだ。
 また、本作はヒロインらしいキャラクターはいるにはいるのだが(将軍の娘サンドラ)、まるで可愛く描かれていない。さらには終盤スタローンは「彼女は別にタイプではない」とかいって、恋愛感情をさらりと否定する始末。むしろドルフ・ラングレンの方が可愛く見えたりする不思議。
 スケコマシのミッキー・ロークも女と遊ぶより男と遊ぶ方が楽しいみたいな雰囲気を出している。

 このように、他にもドルフ・ラングレンとカンフーで戦う(ガチで戯れる)ジェット・リーや、スタローンと不敵に牽制しあって仲が良いんだか悪いんだか分からないシュワちゃんなど、本作には様々な男同士のキャッキャ感が描かれているが、結局彼らは筋肉ムキムキでキャッキャしながら、その仲良しホモソーシャル関係が行き着く先の、「殺し合いというコミュニケーション(というかコミュニケーションの代替)」をとっているだけなのだ

 で、そこに本作の意義がある。『ランボー』にせよ『コマンドー』にせよ『コブラ』にせよ80年代にブームを起こした筋肉映画は、会話不能で、殺し合いこそが唯一のコミュニケーション手段(の代替)であった。
 そこに会話は必要なく、拳と拳、銃と銃のぶつけあいこそが男の会話なのだと言わんばかりに、殺し合う事で「男のコミュニケーションスキル」を高め合っていた。
 例えば、『ランボー』第一作で殺し合いの末に警察とランボーの間に芽生えた奇妙な共感や、『ダイハード』でマクレーン刑事とテロリストの間に芽生えた同族意識、そして本作で殺し合いの末に憑物が落ちたかのようにいやに素直になって皆と仲良くなっている実は生きていた例のアイツ。皆、殺し合いの末に産まれた奇妙な人間関係である。


 このように、『エクスペンダブルズ』が2010年の世に蘇らせた80年代アクション風らしさとは、男同士の「殺し合い」という名のじゃれあいが描き出すホモソーシャル感あふれるコミュニケーション法(の代替)なのであろう。


 男性がAKB48やモーニング娘。等の集団アイドルに熱くなるように、巷では「チーム男子萌え」といって、集団の男子に熱くなる女性も多いそうだが、魅力的な方々が集団でいるとそれぞれの関係性が生み出すドラマをもやもやと想像してしまうものであり、その点、この映画は筋肉ムキムキチーム男子アイドル映画ではないかと思うのであるが、そこらへんの考察はまた機会があったら。

 不満点は俳優が足りないよ! せめてジャン・クロード・ヴァンダムスティーヴン・セガールと、あとできたらカート・ラッセルメル・ギブソンが出て欲しいよ!!出て欲しいよ、ママン!!
 あとシュワちゃんは仕方ないとしても、ミッキー・ロークブルース・ウィリスはちょっとでいいからアクションして欲しかったよ、ママン!!
 
 あと、ストーリー展開で、一度敵地にいって、一回戻っちゃうのですが、なんだかテンションが下がるよ。アクション映画は片道切符が基本じゃね?

 あと不満点ってほどではないんですが、似たようなハゲ方している俳優が多すぎ。

 パート2があるそうなので、次回はより豪華に、よりバカに、より派手にお願いします。
 荒井萌レベル

 次回は観てきましたよ、長かったよ、こんにゃろめ『ヘブンズストーリー』の感想でございます。


 *文章が読み辛かったので訂正いたしました。内容は変わりませんが。ごめんなさい。(2010/10/18)
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

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