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『REDLINE』は90年代サブカル博物館だよ。

redline

 今回は、このブログで取り扱う映画も100本目。うわーい。話題のアニメーション作品『REDLINE』の感想です。

 観に行った映画館は吉祥寺バウスシアター。客層は若い男性、中学生くらいもいたかな、ちらほら。月曜日のメンズデーでしたがまるで混んでいませんでした。


概要:監督は『PARTY7』のアニメパートや『アニマトリックス』に参加した小池健。原作・脚本・キャラクターデザインを石井克人が行なっているため石井克人色が強い作風に。アニメーション制作はマッドハウス。
 はるか未来。抜群のドライビング・テクニックで草レースではほとんど負けなしのレーサー、JP(声:木村拓哉)。しかし、武器使用も認められている勝負の世界で、あくまで速さだけで戦い続けるJPのバカ正直な姿は、ともすれば揶揄の対象ともなっていた。そんな彼の憧れは、天才女性ドライバーのソノシー(声:蒼井優)。いつか彼女を振り向かせたいと願いながらも、見た目に似合わぬシャイな純情ぶりで、ただ走りのみで己をアピールすることしかできずにいた。そんな中、宇宙最速を決める5年に一度の祭典<REDLINE>の予選に出場したJPだったが、相棒のメカニックフリスビー(浅野忠信)の裏切りもあり本戦出場を逃してしまう。ところが、今回の開催地が悪名高い“ロボワールド”に決まったことから、出場を辞退する者が現われ、代わりにファン投票で選ばれたJPに千載一遇のチャンスが巡ってくるのだが…。
("allcinema online"より抜粋)


 60年代、70年代、80年代と10年おきに時代を区切りその時代の文化の特色を語る議論にどれだけ意味があるかは分からないけれど、文化史を整理し客観視するのにとても便利だったりするから、個人的にはこの考え方は大好きだったりする。
 で、今作の主演を果たすキムタクも浅野忠信も90年代の人だと思う。もちろん今もそして今後も大活躍していくのであろうが、さらに時代が過ぎて彼らを思い出すとき、やはり90年代を思い出すことが多いだろう。石井克人って映画監督(本作では監督ではないけれど)もそうだ。

 本作のノリは90年代にもてはやされたイケイケのノリであり、予告編を見て「ああ、まだこんなことやっていたんだ…」って懐かしくなったりもした。石井克人が意図的なのか不本意なのかは知らないけれど、この映画を見ていてちょっと懐かしくなったのはこの映画がまだ「90年代」をやっていたから(もしくは意図的に復活させたから)だ。

 90年代が終わって10年以上経ち、あの時代が少しづつであるが、ようやく客観化されつつある気がする。80年代がそうであったように、過去として客観化されることではじめて再評価される。最近は小沢健二やスチャダラパーなどシブヤ系音楽の再ブームがあったり、よく知らないけれど当時のファッション(アウトドアやアメカジの復権)もリバイバルしているそうな。
 そんな昨今において、こういう90年代を彷彿させるような映画が作られるのも、ノスタルジイを求める働きなのかもしれない。

 では90年代とはどのような時代で何故客観化しづらいのか
 80年代以前の文化に比べて客観化しにくいのは、90年代(そしてそれ以降)は過去の文化のサンプリングがその大きな持ち味になっているからであり、例えばタランティーノ映画やヒップホップ音楽がその代表だ。
 また戦後50年経ち、文化の流れが多少緩やかになったってのもあると思う。文化の流れが緩やかだった江戸時代において、1750年代と1760年代って当時の人たちにとって文化の違いってそこまでなかったんじゃないかなって思う。まあ当時の人は違ったのかもしれないけれど。
 まあそれらの理由で90年代は客観化しづらく、なかなか古びないのだろうけれど、95年くらいのファッションや映画を見ると想像するよりえらく古くて驚いたりもする。

 で、本作『REDLINE』が如何に「90年代」しているかの話。
 本作の「90年代」は主に90年代後半のいわゆる「サブカル文化」が強く表れている。
 主演声優がキムタクと浅野忠信なのは前述の通り、アンダーワールドを彷彿とさせるポジティブなんだけどどこか虚無的なBGM、『カウボーイ・ビバップ』のような「クール」で「ホット」で「クレイジー」なアメリカンノリ、和製アニメが「ジャパニメーション」ともてはやされていた時代の緑茶や日本刀、漢字などの外人から見たニッポンイメージ、永井豪作品『ルパン三世』『巨人の星』などのレトロアニメへのリスペクト。あとアメコミ風デザインも『SPAWN』などのアメコミが流行した90年代風と言えば90年代風(これはこじつけくさいか)。このように本作には90年代スタイルがしっかりとある。

 で、ぼくが本作に感銘を受けたところはそこであり、いまいち客観化しづらかった「90年代」(の、特にサブカル文化)を、意図的にせよそうでないにせよ、整理しノスタルジイ文化として演出に組み込んだところである。
 『新世紀エヴァンゲリオン』以降、暗かったりきなくさかったりした雰囲気をぶち壊す、例えば同じガイナックス作品の『フリクリ』(石井克人監督のベストアニメらしい、これは00年の作品なので厳密には90年代ではない)などが持っていた、疾走感のアンチ90年代アニメ的なスタイルもまた90年代アニメ風であり、その疾走感が今作を盛り上げている。


 以上、本作は90年代のサブカル文化を客観化・整理し「90年代サブカル博物館」として成立しているのではないだろうか。90年代版『ALWAYS -三丁目の夕日-』的な楽しみ方を出来る方にオススメ。


 不満点は、わざわざロボワールドでREDLINEレースやる意味なくね? あまりに危なすぎね? 「やらないでくれ」と訴えているのに勝手に乗り込まれてお祭り騒ぎされるロボワールドも悪とはいえ可哀想すぎね?
 あとジャンク屋のもぐらオヤジ(声:青野武)が言っていた、怪物エンジンを載せると車体がもたないって話はどこに行ったの?
 軽く見れて楽しいけれどあまりに軽すぎて印象に残りづらいのも残念。雰囲気だけでなくストーリーにもテーマ性に一つ貫いたものが欲しかったかな。結局石井克人って、自分の考えたキャラクターを見せたいだけで、ストーリーは二の次なんだろうなぁ…。ストーリーはあってもなくてもどうでもいいレベル。カッコだけって感じ。
 あとJPとソノシーの恋愛話はあまりに突飛すぎて、ついていけませんでした。

 他に良かった点として、良くも悪くも色気があまりない容姿のせいで僕も気がつかなかったけれども、蒼井優の低く大人っぽい声が、セクシーキャラクターのソノシーにきちんとあっていて、にわかファンとして彼女の新たな一面が見れて嬉しかったです。言い過ぎかもしれないけれど、峰不二子の声を彼女にやって欲しいとか思ってしまった。
 ただ90年代イズムを描くのであれば、やはりキムタク、浅野忠信に並ぶ90年代サブカルアイドルがヒロインの声を当てて欲しかった。90年代最大のサブカルアイドルは綾波レイだと思うので林原めぐみとか。

 真木よう子レベル

 次回はリクエストをいただいたので見て参りました『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』の感想を狙い撃つぜ!!


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