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『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』はシリーズに「変革」を及ぼすかもよ。

ガンダム00

 更新しなくてごめんなさい。色々忙しくてやっとお休みもらえました。
 本日は『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』の感想でございます。
 先日リクエストをいただきまして、もともと見る気はなかったのですが見てまいりました。リクエストいただければ、なるべく観に行きますよ。

 観に行った映画館は新宿ピカデリー。観客層は若い男女がたくさん。予告編で『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』の予告編をやっていたのですが、「豪華声優出演決定」みたいな広告で宮野真守、神谷浩史、緑川光、関智一の名前が登場した時に、劇場全体から苦笑が漏れた点で、まぁアニメに精通している方が多い模様。公開から1ヶ月ほど経ちましたが、まだけっこう混雑しておりました。


概要:07年と08年に放送されたTVアニメ『機動戦士ガンダム00』の続編であり最終章。監督は同作品のTVシリーズや『鋼の錬金術師』の前TVシリーズを監督した水島精二。脚本はやはり同TVシリーズや『おおきくふりかぶって』の黒田洋介。キャラクターデザインは高河ゆん。制作はサンライズ。
 24世紀初頭、ガンダムによる武力介入で戦争の根絶を目指す私設武装組織“ソレスタルビーイング”が活動を開始するが、地球連邦誕生の過程で一度は壊滅の危機を迎える。その後、刹那・F・セイエイ(宮野真守)を中心に復活したソレスタルビーイングは、独立治安維持部隊アロウズの専横とイノベイドの欺瞞を打ち砕くべく武力介入へと立ち上がり、純粋種のイノベイターへ進化した刹那の活躍で、地球連邦の政治は正常化し真の平和を手にする。そして、それから2年後の西暦2314年。130年前に廃船となっていた生体反応の無い木星探査船が地球圏に接近、ついに人類の存亡をかけた戦いが始まろうとしていた。
"allcinema online"より抜粋)


 今回、かーなーりーネタバレしておりますので、未見の方はご注意

 まず言い訳から。
 『ガンダム』シリーズはテレビでやってれば見たりしますが、とりわけ思いれが強いわけでもなく、見てないシリーズもたくさん。傑作と名高い『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』をまだ見てないし、どちらかというと『スーパーロボット大戦』での活躍のほうが詳しかったり、好きなシリーズは異色作の『ターンAガンダム』『機動武闘伝Gガンダム』『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』であったり。要は嫌いじゃないけど大して好きでもないんです。
 で、この『00』のTVシリーズも見てはいたのですが、あんまり真面目には見ていなかったというか「マリナ・イスマイールはテレビばっか見てるな」とか「どうして『ガンダム』は可愛い女の子出ないんだろう」とか。『00』は特に女の子弱かったですね。まあ映画見る前に総集編で復習してから馳せ参じましたが、けっこう間違った認識があると思うのでその際はご了承ください。ご指摘していただけたら幸いです。


 本作にて、そのテレビシリーズから引き続きテーマとして描かれるのは「非武装の対話の可能性」
 TVシリーズは「全ての紛争を根絶する」という無邪気な理想をかかげ、全ての紛争に武力介入するといった矛盾を抱く私設軍隊ソレスタル・ビーイングの物語であり、この「矛盾」を如何に消化するかという点に物語のキモはあったわけだけど、07年の第一期の結末は、対ソレスタル・ビーイングのために地球の各国が手を組み国家間の紛争が沈静化したという、その矛盾の解決の方法がなかなかトリッキーで面白かったと思うんです。
 08年の第二期は、血を血で洗う殺し合いの結果、皆が戦争の悲惨さを反省し、平和の実現に本腰をいれたみたいなオチ。これにリボンズという共通悪の出現や、「脳量子波を使うことにより言葉ではなく思念をかわすことでコミュニケーションが可能」云々で心と心が通じ合えるという、要するに『機動戦士ガンダム』における「ニュータイプ」みたいな思想によって敵との和解を試みるといった展開が加わり、あまりシンプルな結末を迎えなかったような気がします。対話をはかることで解り合えるみたいな結論だったような。

 で、今回は『ガンダム』史上初の宇宙生物、金属生命体ELS(エルス/Extraterrestrial Livingmetal Shapeshifter)が登場し、知能すらあると思えない彼らとの「対話」へと挑戦する物語。これがテレビシリーズから延々と語られていた「来るべき対話」であり、彼らとの「対話」のために、やれソレスタル・ビーイングを結成させ、やれ人をイノベイダーという存在に変革させと、色々計画を積みかさねていたというワケ。
 元祖『機動戦士ガンダム』の頃から『ガンダム』シリーズの共通のテーマとして「人と人が解り合う」がある。で、今回は「金属生命体」という、会話が通じる云々どころではなく、生き物かどうかすら疑わしい、地球の常識では決して理解できないような生命体と解り合おうではないかという物語の欲求は、本シリーズが持つテーマ性をより明確化していたと思われる。

 で、お膳立てはそれで良かったと思うんです。物語における葛藤や障害っていうのはハードルが高いほど盛り上がるし。「言葉が通じないどころか生物としての存在すら疑わしい相手に如何に平和的な対話をするか」という問題提起に対し、如何に解決を見い出すか、それはとても興味を引いたのですが、肝心の「対話」シーンが、主人公刹那・F・セイエイが粒子化してELSの親玉みたいな巨大な球体と一体化することで、『2001年宇宙の旅』の悪影響みたいな妙なCG映像(iTunesのビジュアライザみたいな)で、これが「対話」だという、で話し合いの結論が宇宙空間に咲く巨大な花。それにみんな感動して戦いをやめる。そんな観客の想像力に丸投げするようでいいの?
 そんなんだったらまだ刹那が突然アイドルポップを歌いだして、地球連邦軍もELSも「デカルチャー!」って叫んで戦いをやめたほうがまだ説得力あると思うんですよ。

 そもそも刹那が全人類の代表としてELSと対話する必然性もよくわからないし、イノベイダーだから代表になる権利があるってんならそれって完全に差別思想に繋がっていくし(差別思想の危険性は本作でも語られながら、結局「この手の話として一応触れといただけ」って感じで、その問題点の解決は触れられない)、この手の「他者と一つの思念体として同化することで人類はより解り合える」ってニュータイプ思想は本家の『機動戦士ガンダム』のあと富野由悠季監督自らが否定しているし、更にその後97年の『劇場版新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを君に』で完全に否定されているわけで、そんなん今さら語ってどうすんの?っていう。


 で、今作が面白くなる可能性ってのは、『シュアリー・サムデイ』でおなじみ勝地涼くん演じるデカルト・シャーマンという新キャラにかかっていたと思うんです。
 彼は「対話」ができないが、戦闘マシンのイノベイターという点で、刹那とは合わせ鏡的な存在だったわけで、「刹那だってマリナ・イスマイールと出会わなければああなっていたかもしれない」、しかもイノベイターに変革していない人類をバカにしている差別主義者。そういう刹那のライバルにふさわしいキャラクターだったわけだけど、彼は刹那とは一度も顔を会わすことなく、早々に戦死してしまう。
 例えば彼がELSに取り込まれて鋼鉄人間として地球人たちの前に立ちはだかり、「戦闘」による現実的な解決法を語るって展開か、もしくは刹那とは相容れなくも、地球のために共闘し、彼は彼の「戦闘」という生き方を貫き通して散っていったのならば、別の視点が加わり、刹那がかかげる「対話」という考えの持つ「今さら感」や「甘さ」が客観視されて緩和され、いくら現実的ではない、甘っちょろいと言われようと、「対話」を貫き通す刹那の覚悟が強調され、もうちょいマシになっていたかもしれないと思うのですが、なんであそこで殺しちゃうかな…?
 今作ではTVシリーズを通してのライバルキャラのグラハム・エーカー(声:中村悠一)が特攻することで名誉の戦死をとげるわけですが、あの特攻はデカルト・シャーマンにさせるべきだったと思うんですよ。「戦闘」という思想を貫きながら、刹那の「対話」の可能性にかける。したらば、イノベイターと非イノベイターももしかしたら分かりあえるかも知れないという、差別問題の解決の可能性も描けたわけで。…まぁ妄想ですが。

 まぁなんにせよ、「でっかい花」に対する観客おいてけぼり感はぬぐえないとは思いますが。TVアニメや週刊連載のマンガで作者本人でも収集できないようなでっかい風呂敷を広げてワクワクさせるってのは嫌いでもないのですが、結末を見据えて作るはずの映画で、こういう無謀な事をどうしてやるかな?
 もしこの「でっかい花」を結末に見据えて映画を作っていったのであれば、それは作劇があまりに下手だし。


 文句ついでに、各所で文句轟々の、今回の主役機ガンダム00クアンタがほとんど戦わないという点。「戦わないガンダム」はテーマに即しているからアリかと思うのですが、それで盛り上がりにかけるのはやはり見せ方の問題かと。「戦わない」ことをドラマチックに見せることだっていくらでも出来たと思う。それっていままで「戦闘」でしかモビルスーツの魅力を見せていなかったことが原因と思われ、それは「非武装」という本作の物語の欲求を裏切っているような。


 他にも色々文句はあるんですが、ロックオン(声:三木眞一郎)やらアレルヤ(声:吉野裕行)やらマリー(声:小笠原亜里沙)やらが単なる戦闘員みたいになっていやしないかとか、第一期でジム、第二期でガンキャノンとRX-78を出したのであれば、この映画版でもなんか出るだろうと思ってたのにそういうお楽しみなかった事とか。でもまぁ、良い点をあげます。
 TVシリーズでいまいち描写不足だったアンドレイ・スミルノフ(声:白鳥哲)がきちんと本懐を遂げた点とか、「本当に刹那がガンダムになっちゃった!」でおなじみの結末もアリかな。TVシリーズでしつこく描いていた恋愛では決してない刹那とマリナ・イスマイールの信頼関係がより具体性を持って描かれていたのは、本作で描くべき一つの結末ではあったと思う。マリナ姫TV見れなくなっちゃっていて気の毒でしたが。
 あと、しょっぱなにプロパガンダ映画『ソレスタルビーイング』という、『マジンガーZ』ばりのやたらヒロイックな映画が流れるのですが、そのセルフパロディが面白かった事とか。もっと過激にやって欲しかったけど。ていうかそういう気取らない割り切った面白さが作品全体に欲しかったです。
 あと、ミレイナがあんまり出なかったので、TV版ほどウザくなかった点が今作の最大の評価ポイントですぅ。


 それとなんといっても『ガンダム』シリーズを新たなステージへと上げようという試みはとてもいいと思います。今作で「宇宙生命体」という新たな概念を勇気を持って登場させた事、あとは現実と地続きの西暦を採用したこととかで、変化球が好かれないこのシリーズの振り幅が広がったのは、この映画版の意義の一つであるかと。すなわちこの作品が好きな「変革」の種を『機動戦士ガンダム』という30年以上の歴史を持つシリーズに与えたのではないかと。

 以上。はやりのTVシリーズの映画化でしたが、テレビシリーズみたいな長尺で描ききれなかった事の結論をたった2時間の映画で描くって無理がない?っていつも思うのですが、今作などは普通に第3シーズンとしてTVで2クール放送したほうが楽しかったのではないかと思える話でした。
 広末涼子レベル。


 次回は、みんなー!おっぱいが見えるよ!石井隆監督『ヌードの夜』の続編『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』の感想を書くのである。
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