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『アバター〈特別編〉』(IMAX3D)はもっと「あなたが見える」よ。

アバター

 今回は『アバター<特別編>』(IMAX3D)の感想でございます。
 恥ずかしながら巷で噂の「3Dを観るならこれ!」ってな「IMAX3D」方式で映画を観たことがなかったので、したらば現状3D映画で最高峰の一つであると言われる今作を、そのIMAXとやらでいっちょ見てみようじゃないかってな具合で東京近郊で唯一IMAX方式で上映している109シネマズ川崎へとわざわざ行って参りました。まったくもって新宿高島屋やメルシャン品川はタイミング逃しましたよね。まぁ観客置いてけぼりの3Dブームがいつまで続くかわからないので長期的に観たらどうかわかりませんが。

 客数は、まぁブームが去った映画の(ほぼ)再上映ということ、公開開始から少し時間が経っているということ、夜遅くの上映だったということもあり、ほとんどいませんでした。カップルが5組ほど。3D効果を楽しむべく、思い切って前から5列目で観たのですが、3D効果はさすがでしたが3時間首を上げていたせいでずいぶん肩がこってしまいました。


概要:映画史の動員数を塗り替えた超絶ヒット作品『アバター』に8分の追加映像を加えた特別編。監督・脚本は『ターミネーター』『エイリアン2』『トゥルーライズ』『タイタニック』のジェームズ・キャメロン。音楽は80年代から多くのハリウッドのビッグバジェット作品を手がけるジェームズ・ホーナー。
 戦争で負傷し下半身不随となり車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)。ある時、彼は“アバター・プロジェクト”にスカウトされる。それは、地球から遥か彼方の衛星パンドラで、莫大な利益をもたらす希少な鉱物を採掘するための事業。そのために、人間に有害なパンドラの環境で活動できるよう先住民ナヴィと人間のDNAを掛け合わせた肉体“アバター”が造られていた。そしてジェイクに課せられた任務は、そのアバターに意識をリンクさせ、遠隔操縦によりパンドラで生活し、ナヴィ族との交流を図ること。アバターを介してついに身体の自由を得たジェイクは、さっそく神秘的なパンドラの森へと足を踏み入れ、やがてナヴィ族の美しい女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と運命的な出会いを果たすのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 (1)早速、不満を述べさせていただきたいのですが、本編が始まる前に本作『アバター』の「エクステンデッド・エディション」なるブルーレイディスクの広告が流れていたのですが、16分の追加映像があるそうです。え…じゃあそっち公開しろよって。たった8分の映像を追加して「特別編」って…。で、更に映像を追加する予定の3D版のブルーレイの発売も控えていて、そちらにも追加映像があるそうです。一体何枚買わせる気なんだろうか?


 (2)そんな不満はさておき、みなさん一番興味があるであろう通常版と「何が変わったか」なのですが、総じてオリジナル版に比べ、描写不足から感じていた、いくつかの不満点が緩和されたのでないかと思います。以下でそれを説明。

 例えばかつてナヴィたちに地球人が開いていた廃れた学校のシーンなんかが追加されています。地球人とうまくやろうとして、ナヴィ達も最初は従っていたが、結局文化の違いでうまくいかず廃校になってしまったという、ジェイクが訪れる以前のナヴィと地球人の関係が描かれています。
 『アバター』に対する不満でけっこうあるのが、「ナヴィたちを見つめる視点が上から目線」「多少エスニックな文化が好きな人が描いた『外国人』みたいな、言い換えれば『ラストサムライ』のような、いい加減なエイリアン描写」など、そこらへんの不満が、この廃校の描写で多少は緩和されたのではないでしょうか。まぁ個人的にはこのシーン、観客に、ナヴィ達に対する嫌悪感くらい与えても良かったと思うんだけれど。

 またナヴィ達とジェイクの交流のシーンが多く追加されていて、「異文化コミュニケーションそんな簡単じゃねーよ!」って不満も多少緩和されていたのではないでしょうか?
 例えば、ナヴィの若者達による狩猟シーンの追加。本作は、テーマである「見える、触れる」に強く関連して、「命を食べて生きる」という描写が多いと思うのですが、ここにおいて食べ物を一緒に狩りにいき、獲物からその命をもらうという行為を共にすることで、ジェイクがナヴィに認められていくことに説得力がでたかなって。
 それと部族の若き長ツーテイ(ラズ・アロンソ)との今生の別れのシーンが終盤に追加されているのですが、これが物語においてけっこう重要だと思うんです。確かに、ジェイクがトルーク・マクトを連れてきて他部族も統一したことにより、彼が部族に認められていくことはオリジナル版の描写だけでも読めるのですが、この描写がその決定打となっていて、さらにジェイクがツーテイの介錯をすることで、ツーテイの命に触れることができるという、今作のテーマにおいてとても重要なシーンなわけで、なんでここカットしたのだか、よくわかりません。ツーテイのキャラクターもこのことでかなり掘り下げられているし。

 あと念願の、髪の毛の先の触覚(?)と触覚を合わせての、ジェイクとネイティリの「脳と脳」のセックスシーンが追加されたのは嬉しかったです。そこらへんのSF考証に関してはオタクのキャメロンのこと、忘れるはずはないとは思っていたんですが、きちんと撮っていたのね。

 以上、これらの点でオリジナル版での不満点がある程度緩和されていたのではないかと思います。

 ただ、決して162分もかける必要がなかった単純明快な物語(あくまで物語だけを語るに必要な時間としては)が、より長くなってしまったのは、まぁしょうがないのですが、本作の弱点を強調させてしまってもいるかなって。


 ついでに欲しかった描写として、ジェイクがトルーク・マクトと契約を結んだあと、彼がそれまで乗っていたバンシーの描写が無くなりますよね。あれ、絶対先代バンシーを生け贄としてトルーク・マクトに喰わせていたと思うんですよ、そうやって命をつないで行く、それが彼らの宗教であり、あの星の掟でしょ?
 そのシーンは追加されると思っていたのに、今回もいつの間にか先代バンシーは出なくなって終わってしまいました。

 あとエンディングの歌を無くして欲しかった。あの『アポカリプト』的な民族音楽風スコアでテンション上がらせて終わったほうが良かったのに。(主題歌変わっていた?)

 あと、クオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)がもっと物語のテーマ性に絡んでくるかと思った。あのキャラ、嫌いじゃないけれど、いまいち物語の本筋に組み込まれていないような気がする。パワードスーツに乗って戦うって所に、「触れて戦うことはない」という、今作のテーマ性を否定する役割があるのかなって考えられるけれど、最後の敵ならそこんところもっと深く描くべきで。
 最終決戦でそんなパワードスーツ(AMPスーツ「アイアン・レディ」)に乗り込んで戦うシーン、コクピットの防護ガラスが割られて顔が露出してしまい、酸素マスクを口にするんだけれど、あそこさ、大佐のキャラなら「ええい、しゃらくさい!!」とマスクをぶち抜き捨てて、AMPスーツからも降りて両腕だけAMPスーツ装着してさ…あれ、なんか妄想になってきたからやめておきますね。

 
 (3)つづいてIMAX3D『アバター』を観た事についての感想です。
 前回はTOHOシネマズ六本木ヒルズで見たので、3D方式が、当ブログで毎度ぼくが文句をブーたれている、XpanD方式だったのですが、確かにXpanDと比較して、映像の色彩とディテールが潰されていないのが何よりの評価ポイント。これだけで映画の面白さがかなり変わります。3D効果もわりと良かったと思いますが、もっと劇的な変化を望んでいたので、なんだか思ったほどではありませんでした。
 ただたまに映画の中に普通に入りこんでいる錯覚に襲われるほどでしたから、「見える、触れる」という今作のテーマ性をより「体感」できるのは素晴らしいと思います。


 (4)映画の中に参加していると見間違うほどの3D映像でもって、本作が表現したかったものは何なのか。最後に、今年(厳密に言うと2009年末)の最大の問題作である『アバター』という映画について、いつものような感想を書きたいとおもいます。

 「見える、触れる」がテーマである今作は、その3D効果によって、作品がスクリーンの垣根を飛び越えて我々の目の前に広がることで、「物理的」にそのテーマを表現している、とても珍しい映画表現であり、そこが評価される点でもある。

 で、そのテーマ性は3D以外にも様々な箇所で表れる。例えば「足が動かない」ということで「生」を実感できなかった主人公ジェイクが、アバターに入り込むことで足を動かせて「生」に触れることができることとか、「命」をじかに奪い合う事で「生」を観て触れることが可能になる宗教描写とか。
 ラスト近く、ジェイクの真の肉体である人間体にネイティリが寄り添うことで、本物の彼の肉体を「見て」「触れる」。このシーンによって、どこかジェイクが偽物の身体であるという点で、TVゲーム感覚であった二人の恋愛が、きちんと成就されたのではないかと思う。

 そしてジェイクにおいて「非現実」だったTVゲーム的なもの(パンドラ)は、人間の肉体や現実社会の暮らしでは感じられなかった「生」を彼に与えることで、彼に「見え、触れる」ことのできる「現実」を感じさせる。

 「映画」をはじめとする創作物は、少なからずフィクションであり、非現実的なものであるが、創作物はときおり我々に、現実よりも「リアル」あるいは「生」を感じさせることがある。作り物の方が生き生きと動いていて感情移入させてしまうのは、創作物には現実のように感情移入を拒むような不純物がないからである。
 その感動に我々はちょっと後ろめたさを感じさせるのだが、キャメロン監督は映画の中に観客を没入させ「見て、触れさせ」、それが映画であることを忘れさせることで、そのうしろめたさを解消させていく、映画の持つ根本的な弱点を打ち壊す革命を起こそうとしているのではないだろうか。

 しかしその「非現実」が非現実にしかなれていない(先述した、ナヴィ達の生態や文化がリアルではない、エキゾチックな文化に興味がある人視点、上から目線)ところが今作の最大の弱点。思考がそこでストップしてしまい、結局単なる現実逃避の物語に終わってしまう。
 『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』『第9地区』みたいに、ナヴィ達の生態や文化が、もっと人間とかけ離れていて、それでいてネイティリが可愛く思えてくるようであったらば(観客に「リアル」を感じさせることに成功したのならば)、『2001年宇宙の旅』や『ブレードランナー』『エイリアン』と並ぶような傑作SFとなれたのに…。

 まぁそういった不満点も今回の『特別編』で多少は軽減されたので、『アバター』はより名作に近づいたかなーって。あとはジェイクや大佐の生活性とか感じさせてくれたら嬉しかったですが、それはより長尺になっているという「スペシャルエクステンデッド版」やら、先日発表された2012年公開のパート2、続くパート3に期待しましょう。
 「映像はいいんだけれど、ストーリーが…」って不満を寄せていた人にはオススメです。個人的には通常版よりもいいと思います。

 ゴーオンシルバー杉本有美レベル

 次回は、なんだかエロいよ、『乱暴と待機』の感想を書きます。


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