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『ドアーズ/まぼろしの世界』で青春のイタさと暗さに浸ろうよ。

ドアーズ

 今週の『天装戦隊ゴセイジャー』は、望のお母さんが帰ってくるので浮かれているところを、敵幹部のメタルAが、例によってそれが人類絶滅にどの程度貢献するかは分かりませんが、せめて電車を襲えばいいのに、変電所を襲って電車を止めて、人間達のパニックを眺めていて、望のお母さんの乗る電車も遅延。で、メタルAはようやく電車に時限爆弾を取り付けて…だからなんで「時限」爆弾なんだよ。どんだけ悠長なんだろうか。
 そんなこんなで最近望と仲良しのゴセイナイトがメタルAと戦ってみごと撃破。でも復活しちゃいましたが。
 来週はやっぱり復活した!!ブレドランさんが登場だよ!!!


 それはそうと、今回は『ドアーズ/まぼろしの世界』の感想でございます。

 観に行った映画館はシアターN渋谷。水曜日の安い日でしたが、そこまで混んではいませんでした。おじさんの一人客が多め。『ストーンズ・イン・エグザイル ~「メイン・ストリートのならず者」の真実』の時と客層が似ていますが、オジサンロックファンって多いのね。


概要:1967年にロック・シーンに登場するや次々と傑作アルバムを発表し、音楽の世界に止まらない幅広い分野に影響を与える存在となりながらも、1971年、ジム・モリソンの突然の死によってそのあまりにも短すぎる活動期間に終止符を打った伝説のバンド、ドアーズ。本作は時代と切り離すことのできない彼らの音楽活動の核心に迫るべく、ジム・モリソンが監督・脚本・主演した幻の映画「WHY(ハイウェイ)」のフッテージをはじめ、当時撮影された映像素材のみを基に、彼らの創作の過程を追体験するような臨場感あふれる構成で描き出したドキュメンタリー映画。監督は『ジョニー・スエード』のトム・ディチロ。また、俳優のジョニー・デップがナレーションを担当。"allcinema online"より抜粋)


 今作の舞台となる60~70年代という時代に対する、その時代を知らない我々の憧れは、例えば『オースティン・パワーズ』『クレヨンしんちゃん モーレツ大人帝国の逆襲』ピチカート・ファイヴなどの懐古モノ、もしくは当時の映画や音楽やアートやファッションといった副産物で与えられ、なんとかその雰囲気を知ることで消費されている。
 それはただ華やかでクールでオシャレで知的で下品で。実はあの時代の実態を我々は知らないし、知る事もできない。
 そんな中『ドアーズ/まぼろしの世界』は、アメリカにおけるその時代をある程度生々しく感じられるドキュメンタリー映画であった。

 1970年前後のアメリカはあまり明るい時代ではなかった。泥沼化するベトナム戦争、核や冷戦の恐怖、最悪の結果を生んでしまった黒人解放運動、次第に増長していく保守派。若者たちはそれに対抗すべく、無意味にも思える反抗をできる限り行なった。それがカウンターカルチャーの誕生へと繋がる。
 例えば同じ音楽ドキュメンタリー映画『JANIS』などを見れば分かるけれど、あの映画でジャニス・ジョプリンはただひたすら無性に体制に反抗する。その非力ながらもエネルギッシュな若さがやたらと美しい。
 ジャニス・ジョプリンもジミ・ヘンドリックスも、そしてジム・モリスンも、反抗期が終わり、やんわり大人の世界に組み込まれていく青年のように、時代が大人に向かっていく最中、その使命をまっとうさせた(というよりも反抗心を燃やしつくした)が如く、大人にならずにあまりに若くして死んでいった。

 青春は麗しく美しい時代というイメージがあるが、一方で自意識過剰で不自由で不細工でどんより暗い時期である。よく言われることだが、60~70年代、アメリカにおいて、若者たちが暗い世相にワケも分からず反抗しまくったあの時期は、国としての「青春期」だったのであろう。だから美しく、どんより暗い。
 で、この映画。1970年前後という時代を生々しく感じさせる映像が、当時を臨場感たっぷりに感じさせ、ドアーズないしはジム・モリスンというロックスターは、時代の終焉と共にその人生を終えたジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリックスと同様に、そういった青春期を象徴するような人物であったことがとてもよく分かる。

 1970年前後という時代が、生々しく感じられる理由として、本作のデジタル加工され古びた印象を与えない映像や、また、各所で言われているが、当時の関係者インタビューなどの現在の映像を一切交えない、当時の映像だけを繋げてまるで当時のニュース番組のように感じられる演出などがあげられるだろう。

 そして、ジム・モリスンが魂を消耗していく様子、『ハートに火をつけて』の頃はポップだった音楽がどんどん重く暗くなっていく様子が生々しく伝わってくる。
 正直、ドアーズにそこまで思いれのないぼくは、ドアーズ結成の頃のジム・モリスンに対して、知性をひけらかしたような態度で「わざと難解で意味深なことを語ってカッコつけてんじゃねーの?」みたいな印象すら抱いましたが(実際、ロックスターとして神秘的な印象を与えるべくかなり自分の見せ方を演出していた事が語られる)映画が進むに連れ、反抗をしつづける事で、彼が如何に苦しみながら音楽を作り続けたかがとてもよくわかりました。終盤、髭だらけで太った彼の姿は醜いけれども、『ペルシャ猫を誰も知らない』とも通じる、「無意識なる戦士」にも見えました。
 そういったジム・モリスンの「ハイ」で楽しそうだけれども、一方で暗くイタい行動が、とても青春っぽく感じる。

 早すぎる才能などを指して「彼は生まれる時代を間違えた」とかよくいう文句があるけれども、ジム・モリソンほど時代と才能がマッチしてしまうのもまた悲劇なんでしょうね。彼がもし80年代うまれだったら刺激的ではなかったにせよもっと長生きできただろうに。


 この映画で1970年前後という「青春期」の楽しさだけではなく、暗さや痛さを少しはリアルに感じたことで、邦題にある『まぼろしの楽園』とは、当時ドアーズたちが反抗の末に見い出そうとしていた、あのラリった短編映画『WHY(ハイウェイ)』のような楽園世界を指しているのかもしれないが、我々がポップカルチャーとして消費していた、きなくささを漂白された60~70年代のことを指している気もしてきた。

 音楽映画としても楽しく、記録映画としても刺激的で、飽きない編集も巧み。工夫や新しさなどがないのがネックですが、よくまとまった映画だったと思います。

 森カンナレベル。

 次回は観に行かないはずがないよ、『マチェーテ』の感想だ!


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  1. 2010/11/11(木) 02:52:43|
  2. 映画タ行
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
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  1. 2010/11/11(木) 23:40:23 |
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