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『黒く濁る村』は怪しく匂うよ。

黒く濁る村

 更新が遅れていてごめんなさい。理由としては酒に溺れていました。大丈夫です、海老蔵を殴ったり殴られたりはしていません。

 今週の『天装戦隊ゴセイジャー』は、よくある怪人との友情もの。コロと名付けられたマトロイドとエリが友情を結ぶ話。
 エリは誰とでも仲良くするキャラクターだし、怪人と友達になっちゃうなら、ゴセイナイトあたりにさせれば意外性があって楽しかったのに。
 コロのデザインが、『ジョジョ』のスタンドっぽいデザインで好きです。『ジョジョ』のスタンド自体が石ノ森章太郎のデザインセンスに影響受けていて、『スーパー戦隊』シリーズも石ノ森章太郎の血が通っているから、親戚みたいなものなのか。
 「G線上のアリア」とか、「コローっ!」と泣き叫ぶエリとか、3万回くらい見たようなベタな演出になんだかなぁって冷めてみてしまいました。
 メタルAさまの中に少しずつ芽生えるハートが気になります。


 今回は『黒く濁る村』の感想です。

 観に行った映画館はシネマスクエアとうきゅう。客層は中高年が多め。一人客が多かったかな。平日昼間でそんなに混んではいませんでした。


概要:監督は『シルミド/SILMIDO』のカン・ウソク。ユン・テホによる人気WEB漫画を原作に映画化。
 20年間も音信不通だった父の訃報を受けて、人里離れた山奥の小さな集落へとやってきた青年、ユ・ヘグク(パク・ヘイル)。彼の父ユ・モクヒョン(ホ・ジュノ)は、30年前にこの村に移り住んだ一人で、一緒に移住した刑事のチョン・ヨンドク(チョン・ジェヨン)が今では村長となり、ヘグクを迎える。しかし、村人たちの態度に不審なものを感じたヘグクは、葬儀を終えても村に留まり、父の死因を探り始めるのだったが…。
"allcinema online"より抜粋)


 「人を心酔させる」という点において、キリスト教における「神」と「悪魔」に大差はない。だから苦しんでいる者にとってみれば、救ってくれるのであれば神でも悪魔でも構わないものであり、本作でも語られているように、もし苦しんでいる者が、例えば犯罪者だったりして、人間以下と見なされているような者であれば、高尚な神の教えよりも、欲望にまみれた悪魔の囁きの方が、人間くさくて(より人間に近づけるという点で)、ありがたかったりするのかもしれない。
 だがそんな偉大な神や悪魔の誘いすら超越し、人が何よりも優先して付き従うのは、神や悪魔の強大な力を借りても尽きる事を知らない人間の「欲望」なのであろう。「欲望」とは生きるためのエネルギーであり、それがなくなれば人類は簡単に絶滅してしまう。だから決して否定できたものではなく、キリスト教で禁欲を美徳とするのはいささかナンセンスだったりする。

 本作で描かれる、「悪魔」のささやきに思うがままに従い、「欲望」を制するはずの神の教えを利用して、己の絶えることない「欲望」を叶えていく村民たちの物語は、さしづめ神と人との戦いの物語なのであろう。


 暗く重い話になりがちな本作のそのようなテーマの物語が、サスペンスコメディともとれるようなユーモアに包まれているのも、本作が「欲望なくては生きていけない」という「人間の業」とも呼べるものを「人間性=ユーモア」と捉え、肯定すらしているからであろう。そのユーモアを表すかのように、悪役であるはずの村長やその取り巻きたちの容姿や演技がとてもユニークで楽しく、また怪しい。
 この作品においての「怪しさ」とは、人の「欲望」が表出したことで漂ってくる「匂い(「体臭」と言った方が的を得ているかもしれない)」のようなものだろう。そりゃ主人公も証拠もなく疑うよってな「怪しさ」を匂わせている(だって主人公のヘグクは証拠も何にも無しに、ただ「怪しい」というだけでハナから村全体を疑っている、そして怪しいだけで結局彼らが何を隠したかったのかよくわからない)。
 村長役のチョン・ジェヨンは、実際まだ40歳なのに、髭をはやして特殊メイクをほどこして、70代の役をやっている。そのため、目や肌が70代にはあり得ないほどの「欲望」でギラギラしている。おそらくこれは、この村を象徴するような欲望の権化「ヨンドク村長」を描くため、演出上わざと若い役者に演じさせていると思われる。

 村長だけではなく、村民達がやたらとよく食べているシーンや、セックスに励むシーンが目立つ。彼らは「欲望」に忠実に生き、生々しく人間くさい「生」を実感しているのである。

 逆に主人公のヘグクはお酒も断るし、美女イ・ヨンジ(ユソン)の誘惑も遠慮する。それによく食事の邪魔をする。彼は「欲望」を否定するユ神父の息子であり、彼の意志を知らず知らずのうちに行動で表してしまっている存在であるため、人間くさい「欲望」にまみれた行動がとれないのだ。

 あと人間臭いと言えば悪役ではないけど検事役のユ・ジュンサン。かっこよすぎる。本作の影の主役。出世第一のエリート意識が強い検事が向こう見ずな主人公に巻き込まれていく事で正義に目覚めていくパターン。『クレヨンしんちゃん』における風間くんポジション。彼の存在が、ヘグクを「欲望の否定の代弁者」という立場ながら、ユ神父のような鋼鉄の心を持っているとは思わせない、共感が出来るキャラクターへと変化させていると思われる。


 とにかくそういった悪役たちのユーモラスな雰囲気もあって、「神の意思」「欲望にまみれた人」との戦いが相対化され、決して「神」が善なるもの、正しいものであるとはなっていないのだ。むしろ神の教えを代弁するユ神父の、韓国映画お得意のエログロを活かしたサディスティックなまでの「裁き」の精神は恐怖すら感じる。

 「神の意思」を利用してぐんぐんと増長していった「欲望の村」が、主人公の到着によってやがて崩壊していくのは、「神の意思」をいくら伝えようとも、欲望にあふれていったこの村に対する神の裁きにも見える。しかしながら全てが終わったあと、結末にて観客は衝撃的な結末に戦慄する。人の「欲望」とはいかに恐ろしいものか。恐ろしく、巨大で、逞しく、したたか。

 以上、人間にとって「欲望」とは神の意思より悪魔の意思より無限であること、小さな村が舞台の2時間40分に、まるで『ロード・オブ・ザ・リング』ばりのスケールの巨大さを感じた。


 不満点は色々ストーリーに詰め込みすぎで一つ一つの要素が掘り下げ不足に感じたことかな。ある程度うまくまとまってはいたけれど、もうちょい長くても我慢できたから、ユ神父やヨンジについて深く描いて欲しかったかな。特に神父とヘグクの関係をあまり深く描いてくれないから、ヘグクが何故あそこまで必死になっているかよくわからない。
 あと村長の悪事の証拠を探そうとヘグクと検事が立ち上がったところで急に村長の腰巾着のドクチョン(ユ・へジン)が罪の告白しにくるところとかご都合主義じゃないかなって。その後の告白シーンは迫力もあって素晴らしかったけども。

 評価は峯岸みなみレベル。


 次回は久しぶりにサイコロを転がしてきました。
 今回は女性映画特集だよ。女性主人公ばかり。

1枠.『死刑台のエレベーター(2010.日)』…これは企画的に外してはならないだろう、怖いもの知らずのリメイク版。オリジナル版はわりとマイベスト映画です。

2枠.『遠距離恋愛 彼女の決断』…もう上映終了しているんだけれど、サイコロを振った時にはまだやっていました。ドリュー・バリモアは好きです。

3枠.『ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力母 大暴走!』…3枠が出れば女性アニメーション映画豪華二本立てです。『プリキュア』に関しては以前、前作に散々文句言ったので、是非ともリベンジしたいところ。『あたしんち』はそのアイディアが好きです。

4枠.『ビッチ・スラップ 危険な天使たち』…これも、サイコロ振ったときにはまだやっていました。今回のシアターN渋谷枠。

5枠.『隠された日記 -母たち、娘たち-』…こういうの入れておかないと、ほんと単なる当たり屋企画になりそうなので。真面目枠。

6枠.『マリア様がみてる』…特撮に出ていたアイドルどもがわんさと出ております。


 てなわけでレッツサイコロタイム。
 
 コロコロコロン、タッカラプト、ポッポルンガ、プピリット、パロン。

 「1」!!

 『死刑台のエレベーター(2010.日)』!!

 やったー!
 てなわけで次回は『死刑台のエレベーター(2010.日)』の感想を書きますね。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/12/02(木) 01:54:12|
  2. 映画カ行
  3. | トラックバック:5
  4. | コメント:2
<<『死刑台のエレベーター(2010/日)』はおもしろ日本語カバーだよ。 | ホーム | 『パラノーマル・アクティビティ 第2章/TOKYO NIGHT』はおうちで作れるかんたんホラーだよ。>>

コメント

そうだったのか

欲望の映画だったんですね。
ちょっとスッキリしました。
だからなんとなく『動物農場』っぽいな、とか直感で思ったんだな。
同じく欲望を扱ってる「仮面ライダー・オーズ」はここが舞台だと・・・オーズが村人にやられるな、絶対。なんか生命力が全然違う。
  1. 2010/12/13(月) 00:30:56 |
  2. URL |
  3. ふじき78 #rOBHfPzg
  4. [ 編集 ]

>ふじき78さま
 確かに強烈なヤミーがでてきそうですね。メダルたくさん手に入りそう。
  1. 2010/12/14(火) 01:10:05 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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  1. 2011/07/17(日) 20:53:56 |
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