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『デスカッパ』はヘタウマとは言えないよ。

デスカッパ

 今回は『デスカッパ』の感想です。前回の『玄牝』見たあと、その足でこれを見に行きまして、我ながら色んな映画見ているなぁと思いました。

 観に行った映画館は俺たちのネバーランドシアターN渋谷。水曜日の安い日だったのと、レイトショーで一回のみの上映なので、満席でした。この手の映画観に行っていつも思うんだけれど、『ジャーロ』の時も思ったのですが、キャラが濃いの多すぎです。僕の隣に座っていた女性の方は『ギララ』のソフビを抱いて映画を一緒に観ていました。そのまた隣は「人間待合所」って書いたチラシを身体中に貼っていました。あとなんか人口密度高すぎて、太っている人が多いのもあり、暑かった…。まぁこういうスキものに囲まれてぐふぐふ笑うのがこの映画館の醍醐味でもありますね。


概要:『片腕マシンガール』『東京残酷警察』に続く“TOKYO SHOCK”シリーズ第3弾としてアメリカ資本で製作された特撮怪獣映画。監督は特殊メイクアーティストの原口智生。
 東京でアイドル歌手になる夢に破れて故郷の尻子玉村に帰って来た加奈子(平田弥里)。実家では代々、村の守り神である“河童様”を敬い、村の河童地蔵を大切に守ってきた。ところが帰郷した加奈子の目の前で、祖母(桜井浩子)が暴走する車にひき殺されてしまう。祖母の遺志を継ぎ、河童様を守る決意をした加奈子。やがて彼女の前に河童様が現われ、2人は心を通わせていくのだったが…。
(”allcinema online”より抜粋)


 ヘタウマ漫画ってありますよね、和田ラジヲ先生とか長尾謙一郎先生とか、わざとちょっと稚拙な絵によって、得てしてシュールなギャグを描く漫画。得体の知れない理解不能な世界観や空気観を演出する際にとても有効なのではないかと。
 で、この映画は「ヘタウマ映画」ともいうべき作品であり、例えば『片腕マシンガール』『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』『きょーれつ! もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり! スペシャル・ ムービー・エディション』の井口昇監督や、『魁!クロマティ高校』や『地獄甲子園』の山口雄大監督なども含めて良いのだろうか、日本独特の低予算コメディ映画である。
 で「ヘタウマ」であると同時に今作は「怪獣映画」である。『ドグちゃん』『戦闘少女』が「ヘタウマ」であると同時にヒーローアクション映画であったように。で、その二作品は「ヘタウマ」にせよ「見せるべきところ」はきちんと気合いをいれて見せた上で、たまにズッコケを入れてハズすから面白かったと思う。観客がその映画に求めていたアイドルの可愛さやアクションなりゴア描写なりはきちんとしていた分、ドラマパートのめんどくさい部分は、きちんと計算された上の「手抜き」で息抜きをさせ笑いをとっていたのだ。その緩急こそが笑えた。だけれども、今作は「ヘタウマ」を手抜きの免罪符と思っているような雰囲気で、全てのシーンをユルくしてしまっている。それがすごく不満でした。

 「ヘタウマ」がうまくいっている部分もある。例えば冒頭の、社が海に落ちていくシーンをメダカのいる水槽の中で撮影したり、庵野秀明の突然の登場とその下手すぎる芝居などは「ヘタウマ」としてグダグダで良かった。まぁ前半の誕生秘話は総じてデタラメで、いい感じに「ヘタウマ」していて笑えたかな。

 で、もちろん観客は、最近めっきり見なくなった「怪獣映画のパロディ」を期待してこの映画を見るだろう。そこだけは一生懸命クオリティ高くやってくれないといけないハズなのに、本作はこともあろうにその特撮シーンすらいい加減にグダグダと描く。
 例えば前半部は原爆で巨大化する前の、等身大サイズのカッパ様のアクションが山場にあるが、等身大アクションと言えば、着ぐるみによる動きの制限をうけにくいスピーディーで快活なアクションを期待するところだが、これがまるで動かない。人形のように構えて動かない敵に対して、カッパ様がじたばた暴れるだけ。まるで燃えない。
 更には山場のカッパ様が巨大化してからもひどい。怪獣映画の見所って、怪獣の「破壊」にあると思うのだけれど、ミニチュアセットを全然壊してくれない。なんかへたくそな炎のCGで模型を覆うだけ。しかもデスカッパはその場でじたばたと地団駄を踏み、腕を振り回すだけのシーンばかり。怪獣映画をナメきってませんか?

 あと編集のテンポが悪すぎる。ハンギョラスが上陸したとき、国会の怪獣対策本部の状況がちょくちょくカットインされるんだけれど、そのカットインがいちいち長くて、つまらない、せっかく仮面ライダーストロンガー出ているのに…。同様に戦闘機がハンギョラスに向かっていく時も、パイロットが変な顔をするアップのカットインがいちいち入って、笑えないどころかすごく萎えてしまう。
 笑えないギャグと言えば、途中で登場するマッドサイエンティストの女性(深華)の妙な喋り方のギャグとか、妙な喋り方すればギャグだと思っているのか、キャラ立ちだと思っているのか定かではありませんが、そんなん笑えるわけがなく、場内がいたたまれない感じでした。


 逆にデスカッパとハンギョラスの戦いが始まったとたん、プロレスの司会者が出てきて『ウルトラファイト』ばりに解説しだすのは良かったです。そのときばかりは怪獣達のアクションも冴えていたし、ここぞとばかりにきちんと模型も壊していた。あとやっぱり他の部分のように手抜きではなく、司会者の方がプロとしてきちんと真面目に解説してくれているのが面白いのだと思う。

 あと、ちょっとネタバレですが、最後、主人公の加奈子も原爆の影響で巨大化するのですが、平田弥里さんって『ウルトラマンメビウス』なんかにレギュラーで出ていていた方で、そこはレオタードに着替えて、ウルトラマンにならって、デスカッパとプロレスとらなきゃダメだろ! って。


 などなどと、「こんなん好きなんでしょ?」的な感じで、それっぽいものを提供はされていて、まぁ食べられはするんだけど、特撮ファンの見たいモノをまるで抑えてくれないところに、この監督の特撮愛の無さを感じました。カメオで出演の庵野さんも樋口さんもそんなところいないで裏方まわってこの映画を面白くしてくれよ! 庵野監督がいにしえに戯れで勝手に作った『帰ってきたウルトラマン』の方が100倍怪獣映画としてカッコ良くて楽しいよ。

 あとせめて映画としての最低限の見てくれを良くするレベルの基本文法は抑えて欲しかったです。たった85分の映画に何度も回想シーンとして映像の使い回ししているし、途中で流れる加奈子が歌うアイドルソングのクリップを長々とフルコーラスで入れるし、しつこく劇中で何度も流すし。

 色々文句は並べましたが、怪獣映画が日本映画界から絶滅してしまいそうな昨今において、我々は怪獣映画を求めていることをこうやってアピールする機会をもうけているところが最大の評価ポイントである。興行的にも制作費的にも難しいのかな? 海外資本で3Dの新作『ゴジラ』をやるって噂は聞きましたが。
 なんにせよ一日もはやい怪獣映画の復活を!

 misonoレベル。

 次回は皆さんお待ちかね『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の感想でございます。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/12/07(火) 00:20:06|
  2. 映画タ行
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
<<『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』はいろいろ暗く重いよ。 | ホーム | 『玄牝 -げんぴん-』で人類補完計画に加わろうよ。>>

コメント

同意です

すげえ同意です。

「これぐらいやっとけばいいだろ」的な妥協が見えるようで嫌ですね。客を舐めるんじゃないよ。別にmisonoが好きな訳でも何でもないけど「misonoレベル」はmisonoに悪い気がする。
  1. 2010/12/07(火) 22:12:48 |
  2. URL |
  3. ふじき78 #rOBHfPzg
  4. [ 編集 ]

>ふじき78さま

 こんばんは。コメントありがとうございます。
 確かに“TOKYO SHOCK”シリーズは、国内ではやれないような過激なことをやろうって目的だったはずなのに、前2作品に対して生ぬるすぎましたね。
 まぁ悪い所だけではない気がするんですけれどね。やはり怪獣映画という絶滅しかけているジャンルを、どんな形であれ劇場で流すという意義は大きいと思います。
 映像技術が発展してまだまだこれから発展しそうなジャンルなのだから、頑張って欲しい所です。
  1. 2010/12/08(水) 01:18:15 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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【デスカッパ】はい、かっぱです。それだけの85分。

か、感想? 電気代を返してよ・・・。 ↑アマゾンにものすごく的確なアドバイスを書いておられる方いますので  参考にしてください。 半分趣味みたいな感じで作られたこの作品を【片腕マシンガール】...
  1. 2012/02/24(金) 20:24:38 |
  2. シネマ★コロポックル

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 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

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