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『インビクタス -負けざる者たち-』はそりゃ面白いよ。

インビクタス  なんと今、世界のヘソこと韓国にいます!韓国の原宿こと明洞のネットカフェにてブログを更新しております。あんにょんゆみかー!!韓国は今、キム・ヨナフィーバーですごいことになっています。

 嘘です。そもそも韓国に世界のヘソなんてあだ名はございません。本当は札幌の実家にいます。おばあちゃんの馬肉うめー!!
 あ、言っておくとそれも嘘です。僕、実家東京でした。おばあちゃんは僕が生まれる頃に亡くなっています。あとこれも真っ赤な嘘なんですが、おっぱいがおぼろ豆腐のようにぼいんぼいん。
 今度はあんまり嘘になっていませんね。
 あのね、なんとなくね。書くことなくてね。


 というわけで、様々な茶番を乗り越えて、ようやく『インビクタス -負けざる者たち-』の感想です。
 なんか映画の感想書くのちょっと久しぶり。最後に書いた映画も『シンケンジャーvsゴーオンジャー』だったし。

 映画館は吉祥寺の東亜会館。幼い頃から最も通っている映画館なんだけど、経営がきびしいそうな。シネコンに立て替えることもあるのかな?さみしいけれど。
 木曜の夜にしてはすいてました。てか混んでいることあんまりないけど…観客層は中高年が多め。

 作品の簡単な解説。最近、飛ぶ鳥を落とす勢いを取り戻しているクリント・イーストウッドの監督最新作。19歳の映画好きって娘が「えー、クリント・イーストウッドってアクション俳優もやってたんですかー」って言うほど最近の監督業の勢いは凄まじいものがありますね。監督作品としては『恐怖のメロディ』から数えて31作目。日本未公開もけっこうあるんですね。
 南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対し27年間も監獄に閉じ込められていたネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は出所後、南アフリカ大統領に就任。アパルトヘイトを即刻撤廃する。全国民に寛容の気持ちで共生することを主張するマンデラだが、いまだ白人と黒人の間には人種差別や経済格差の壁があり、彼らは互いに敵視しあっていた。
 一方そのころ南アフリカが開催国となっているラグビーのワールドカップの南アフリカ代表チームであり、ほぼ全メンバーが白人で構成されているスプリングボクスは芳しい成績を残せず、優勝どころか初戦突破すら危ぶまれていた。しかしマンデラはそんなラグビーのワールドカップにて優勝することを通じて、いまだ強く残る差別や敵視の壁を崩そうと、そして全世界に寛容と共生のメッセージを伝えようと、スプリングボクスのキャプテンであるフランソワ(マット・ディモン)を官邸に招き、彼を激昂する。
 マンデラの情熱と不屈の信念に感化されたフランソワはスプリングボクスを優勝に導こうと努力するが…みたいなお話。
 
 この映画なんですが、文句のつけようがないんです、個人的に。パーフェクト。笑い、スリル、興奮、涙など映画的な面白さがほとんどが二時間の中でうまく詰まっていて、それらがキレイにハーモニーを奏でている。そして見終わったあと日常が少し違って見えるっていう、これぞ映画体験みたいな。思えばつっこみどころ満載の『釣りバカ』は感想書くの楽でしたね。ケチばかりつけるのが定めみたいなこのブログでケチつけられないなんて、うわぁもっとひねくれて見ないと、なんて思うのですが、ケチつけらんない。えー!このブログのアイデンティティーはどーすんのー!?みたいな、困っちゃうほど。

 で、論旨としてはイーストウッドのすばらしきストーリーテリングの能力について。
 
 ケチが付けられないなんて言いましたが、世の中的には、この映画、賛否両論なんて言います。確かに重箱の角をつつくように見ると、例えばキレイごとすぎるとか、現実味がないとかいう美談に対しての不満、または例えばマンデラのうまく行っていない奥さんの話は?とか、スプリングボクスメンバーたちが気持ちを改めたタイミングがわからないとか描写の物足りなさについての不満がひねり出せなくもない。
 でも「綺麗事だ、現実味がない」なんて美談に対しての不満をもらしても、これ実話なんですよね(って弁護は逃げだろうか?)。確かに表面上は、イーストウッドお得意の心をえぐられるような、ダークさが見えない作品でもあって、そういう面でイーストウッドファンは不満なのかも。(でもマンデラが抱えている過去を想像するとそのダークさは『許されざるもの』レベルでゾッとするダークさがある)
 でもそれでも下手したら単なる感涙大作になりそうなところを、必要以上の感涙路線のヒューマニズムに走らず、淡々とクールに必要最低限の描写とユーモアを繋いでいくだけで伝えたいことをきちんと伝えているように感じます。前述のようにもうちょっと掘り下げてもいいんじゃないの?みたいな物足りない描写もなくはないのですが、それをやっていたらそれこそ3部作くらいにしないと語りきれない。だからこそ観客が理解できるギリギリの描写の少なさでこの映画にとって大切なことだけを語っていく。それできちんとストーリーやメッセージを伝えられるって脚本はものすごいテクだと思う。
 例えば冒頭のシーン、貧乏な黒人たちがぼろぼろの服を着てサッカーで遊び、そのフェンスを隔てた向こう側では、キレイなユニフォームを着た白人がラグビーの練習をする。その間をマンデラを乗せた車が通ると、黒人たちは熱狂し、白人たちは睨みつける。この数分のシーンだけで白人と黒人の格差があること、サッカーとラグビーが対立項になっていること、マンデラはその間を取り持つ存在であることが明示され、それ以上は語られない、というか語る必要がない。

 とにかく扱わなければならない要素がかなり多いこの作品。そのなかで必要最低限の重要な描写にのみ絞りこんで淡々と語るからこそ、それらのシンプル化された描写群が共通して持つ同一の力強いメッセージが何度も繰り返し語られることでより強固なものへとなっているのが、観客に伝わりやすくなっている。その「力強いメッセージ」とは岩のような固い固い「意思」であり、パワーみなぎる「意志」。それを必要最低限の描写で伝えている、そんな超絶要約テクニックのストーリーテリングだけでも傑作映画クラス。(そもそも話題を変えながら同一メッセージを繰り返していくというのは文章作成、ストーリー作成の基本事項ではないか。その単純なストーリー作成テクニックを使えていない映画監督がいかに多いことか)

 ではここで語られる「意志」とは何なのだろうか? それはタイトルにあるように「負けざる信念」である。強い負けざる固い「信念」は次第にゆっくり全てを飲み込みながら、作中で何度も語られ、螺旋状に大きく広まっていく。たった一室の牢獄に閉じ込められたマンデラからはじまった信念はやがて大統領官邸へと波及し、それはスプリングボクスへ、さらに南アフリカ中に広まり、やがて世界をまき込む。物語の進行順に読んでいくと、マンデラが自身のSPを黒人と白人混在させる冒頭から始まり、終盤の国民総出の応援シーンにつながっていく。(マンデラの信念の波及の様子は、このマンデラのSPたちの意気投合具合がパラメーターとなって実に解りやすく伝えられます)。

 ラグビーの世界には「ノーボーダー」という精神があります。ゲーム終了後は敵味方身分の隔てなく皆でユニフォームを交換し合う風習。マンデラから発信した「信念=意思」が向かう先ははまさに「ノーボーダー精神」。ラグビーの持つ「紳士のスポーツ」って肩書き、この映画を見ちゃうと簡単には言えないですよね。
 ワールドカップ決勝戦、最強中の最強チームニュージーランドのオールブラックスとのゲームのシーンにて、その後半、マンデラが、フランソワが、スプリングボクスが目指した「ノーボーダー精神」が実現したような、南アフリカ国民が手に手をとりあってスプリングボクスを応援するシーンで、ゲーム途中なのにまるでエンディングのように映像がスローモーションになるが、彼らが目指したものがここにあるという点で、試合途中だけれどもあれでエンディングなのだと感じられました。
 最後、散歩をするにも、深夜とも言えるほどの早朝にこそこそSPに守られながらちょっとだけしか許されなかったようなマンデラが、光が強く差し込む車のなかで心から満足した顔で、優勝に震える街にごった返す人波の中を、ゆっくりゆっくり進むシーンに感動を通り過ぎて失禁気味。
 
 あ、蛇足ですが邦題にある副題の『負けざるものたち』は同監督作品の『許されざるもの』にかけているのかと邪推すると、『負けざるもの』ではなく『負けざるもの「たち」』と複数系になっているところにこの作品のテーマ性を感じる。つまり目指すはマンデラ一人の信念ではない、南アフリカ国民全員の信念なのだと。(むしろタイトルを「負けざるものたち」だけにした方が僕は好みです、地味だけど)

 以上、イーストウッドの、シンプルで基本をしっかりと押さえている何よりも力強くそれでいて繊細なストーリーテリングの手腕に早くも個人的に今年ベスト1クラスの映画か?といった感じでして、夏帆レベル(←わかりやすい!)。

 
 なんか書くたびに長くなっていくような映画感想ですが、次回は結局いまさら観に行った『牛の鈴音』の感想を書いてみるよ、がんばるよ!
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