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『トロン:レガシー』をそんなにいじめないでほしいよ。

トロンレガシー

 来年は東映創立60周年記念でかつ仮面ライダー40周年だそうで、しょうこりもなくこんな映画があるそうです。
 全員集合企画はもう飽きたよといいながら、しかししょうこりもなく喜んでいるぼくがいて、しょうこりもなくがっかりするのだろうか。
 また『電王』メインっぽいし、もちろん『オーズ』も中心になるだろうから、小林靖子脚本だろうか。
 『ディケイド』はこういうお祭り企画のための仮面ライダーなのに主役にはなれないのね。20周年記念ライダーの『真・仮面ライダー』もいらっしゃいますね、良かった。
 
 今回は第2の『アバター』なるか!? ともっぱらの評判の『トロン:レガシー』の感想です。

 観に行った映画館は吉祥寺東亜興行チェーン。無難にIMAXで観に行こうかと思っていたのですが、新機軸の3Dシステム"マスター・イメージ3D"がいかなるものか確認したくてとりあえずここにいたしました。
 ただここの映画館は、上映中をうすぼんやりと明かりを付けたままだったり、スクリーンは小さめだったりとして、3D鑑賞には適さない劇場なので、何とも言えません。まぁRealDみたいなやつと思っていただければ。色が暗くならないというだけでX-panDよりはずっといいですが、眼鏡が軽いので眼鏡on眼鏡はやりにくいです。あと3Dらしい奥行きはX-panDより出にくかったり、まぁ素直にIMAX3Dで見るのが無難かと。わざわざ初日に行ったのに、映画好きっぽい男性が数人と、カップルが数組とからっきしでした。吉祥寺だからかと思ったら全国的にパッとしない売れ行きらしい。


概要:世界で初めてCGを本格導入した革新的映像で話題となった1982年のジェフ・ブリッジス主演作『トロン』の続編となるSFアクション。監督はこれが初監督のジョセフ・コシンスキー、音楽はダフト・パンク。
 デジタル業界のカリスマとして名を馳せたエンコム社CEOケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が忽然と姿を消してから20年。ある日、27歳となった息子サム(ギャレット・ヘドラント)のもとに、ケヴィンから謎のメッセージが届く。その導きで父の営んでいたゲームセンターへとやって来たサムは、地下で見つけた秘密の部屋からコンピュータ・システムの世界に迷い込んでしまう。息つく間もなく命をかけた危険なゲームを強制されるサム。やがて窮地に陥った彼は謎の女性クオラ(オリヴィア・ワイルド)に助けられ、彼女の手引きによって父との再会を果たすのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 1982年の『トロン』は、この映画を見るにあたり10年ぶりくらいに見返したのですが、テンポなどがちょっとグダついていて退屈なものの、その映像のカッコ良さは30年経ったいまなお廃れることはなく、素晴らしい輝きを放っていました。
 で、その素敵なデザインは「『トロン』的な美術」という一つのジャンルを築いてしまっている。

 そして、28年ぶりの続編である本作『トロン:レガシー』そのようなエポックメイキングな前作からどのような「遺産(legacy)」を受け継いだのだろうか。そこについて考えたいと思います。


 まず前作とのストーリーの類似が挙げられる。親子二代に渡る物語になることで多少の奥行きは増したが、自分の産み出した世界に飛び込み苦しめられたり仲間を見つけ世界から脱出しようとする点など基本は前作の展開をなぞっている。
 少し嫌味をつけ加えるならば、ストーリーが地味で少々退屈だったり、よく考えたらツッコミポイントが多かったりする点も似ている。

 しかしながら、それよりなによりも前作より大きく受け継いだのは、圧倒的にカッコいいデザインや音楽だろう。
 『ヒックとドラゴン』の時にも書いたが、映画とは表面だけのものであり、ストーリーの破綻なんていう些細な問題などは、圧倒的な魅力のある表層の前ではボヤけてしまう。
 ある種のレトロフューチャーになりつつある前作の意匠を、サイバーにエレクトロニックに書き換えた『トロン:レガシー』のデザインは、ひたすらカッコよく、前作がそうであったように真似やパロディが横行するであろうか、バイクやジェットのメカニックのカッコ良さはもちろんのこと、特に人間デザインがとても好き。
 ヒロイン・クオラやデヴィッド・ボウイみたいなマイケル・シーンの無機質なメカっぽい怪しさとその中に垣間見えるチャーミングな人間くささ。衣装やメイクなどのプロダクトデザインだけでなく、仕草や表情までデザインされた完璧主義的なキャラクターデザインの美しさ。例えば中盤の主人公や父親三人との食事シーン、長椅子に座るヒロインがちらっと横を向くだけのショット(彼女は2010年度ベストヒロイン賞に『(500)日のサマー』のサマーや、『ローラーガールズ・ダイアリー』のエレン・ペイジ、『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』の佐藤寛子と共に並べたい)や全身白ずくめのサイレン・ジェム(ボー・ギャレット)の両手を後ろにまわした変な歩き方と機械的な笑顔。

 そして本人たちもカメオ出演を果たしてくれたダフトパンクによるイカしたスコアも素敵。前作も『時計じかけのオレンジ』のウェンディ・カルロスが描いたスコアがイカしていましたが、それに劣らない良さ。

 さらに本作は『アバター』以来最も3Dを効果的に活かした作品なんて評判だが、確かにとても楽しい3D映像を見せてくれる。このことにより、そのイマジネーションが溢れ出そうな世界を臨場感もって味わえる。

 そしてこれらのすばらしい映像が観客に伝えるものは「創造の素晴らしさ」であろう。そしてそれこそがパート1から今回の『レガシー』に、父ケヴィンから子サムへと受け継がれた最も巨大な「遺産」ではないだろうか

 ケヴィン・フリンは前作同様に自分の作り出した世界に迫害されてしまう。彼は人間である故に絶対的な神にはなれないからだ。しかし「ISO」という人類を変革させるようなプログラムをはじめとする素晴らしい仮想現実空間を作りだした。そしてそのすばらしい世界は、前作がそうであったように、また映画のデザイン史に強い変革(とは言わずまでも強い影響)を及ぼすであろう。
 人は「創造主」にはなれるけれど「神」にはなれない。しかし「ISO」のような「神」をも「創造」することができる。人は世界を構築し、変化させることが可能な動物である。
 サムは父親と出会ったことで最後に世界を変化させることができるという「創造の素晴らしさ」に気がつく。そしてクオラが欲した太陽の美しさを身体で感じ、この世界に新たなる「創造」を広げていこうとする。

 そしてそのすばらしい想像力と3D効果によって綴られた世界に触れたぼくも「創造って素晴らしい!」といった感銘を受けた。それこそパート1から引き継がれた「遺産」であろう。


 先述したように、細かい不満は多くあります。
 サムがライト・サイクルに乗るシーンで急ブレーキをかけたとき、無機的な世界なのに砂ぼこりが舞い上がったりするのだけれど、前作の完璧な無機的世界観が好きだったぼくとしてはどうも有機的な効果が多いのが気になりました。
 あとサムが主人公なのに結局何もしてなくね? 何も出来てなくね?とか、サムが最初からなんであんなに強いのか説明があんまりなくね?とか、ISOのどこがすごいのかよくわからなかったり。
 なんでトロンが味方になったのかよくわからなかったり。
 伊集院光がラジオで言ってたけどアメリカ映画の「お父さん仕事人間でごめんなー」パターンはもう飽きたよとか。
 あの勘違いされた薄っぺらな「禅」はなんか好きです。ああいうアメリカ映画の東洋に対する偏見とか胡散臭さとかむしろ好き。
 最終的にサムがつかむ「世界を変えられる」という考えを表すために、このグリッドの世界に具体的で大きな変化をカタルシス的に見せて欲しかったです。
 そもそも全体的にストーリーが何を言いたいのかぼんやりしていてよくわからない。


 などなど、伊集院光をはじめ多くの映画好きが酷評していたように、いびつな作品であるのは認めますが、そういうのも含めてぼくは好きになってしまう映画でした。上っ面がすばらしいだけで、映画はとても面白い事を認識させてくれる映画だと思います。

 佐藤寛子レベル

 次回は、そんな伊集院光が絶賛していたっていうか、なんかやたら絶賛されまくっている『キック・アス』の感想をかくのよ。

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  1. 2010/12/25(土) 22:31:15|
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