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『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』はウルトラマンの人間宣言だよ。

ウルトラマンゼロ

 そんなわけで2010年に見た映画も今回で最後。そんな134本目の映画は、当ブログらしく特撮ヒーローモノ『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』です。

 観に行った映画館は新宿ピカデリー。年の瀬だったので人は多かったです、満席かな。家族連れが多かったですが、大きなお友達もたくさん、人気声優の起用を大々的にアピールしていましたが、声優ファンっぽい人もたくさんいました。となりのおじさんが携帯電話を上映中見ていたり、強烈な臭いの肉まんを食べていたり…さすがに注意しました。


概要:ウルトラマンシリーズ45周年記念作品として製作されたSFアクション。前作『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の続編。監督・脚本は『ウルトラマンネクサス』などで監督経験を持つアベユーイチ。
 邪悪なウルトラマンベリアル(声:宮迫博之)は復活し、強大な“銀河帝国”を築き、自ら“銀河皇帝カイザーベリアル”となり君臨、宇宙征服の野望実現を目論んでいた。そんな中、ウルトラマン(声:黒部進)たちの故郷・M78星雲“光の国”では、突如、謎の敵から攻撃を受ける。その際、自らの未熟さを痛感した若き戦士ウルトラマンゼロ(声:宮野真守)は、敵の正体を探る任務に自ら志願、単身で広大な宇宙空間へと旅立つのだった。やがて、とある惑星で人間の兄弟と出会い、瀕死の兄ラン(小柳友)を助けるため、人間体としてランの姿を借り、一体化することで彼を救うゼロ。その後、惑星エスメラルダの王女“エメラナ姫”(土屋太鳳)と出会ったゼロは、ついに敵の正体がカイザーベリアルと知るのだが…。
("allcinema online"より抜粋)


 今年45周年となる『ウルトラマン』シリーズは、その始まりから今まであまり変化をしてこなかったシリーズである。一見さんは見分けがつかないこと請け合いのデザインもキャラクターに関しても変化が少なかった。珍しく変化をしようとしてもすぐに叩かれ、打ち切りの目にあったり。
 ただその変化のなさが美学でもある反面、足かせとなり、例えばバンダイナムコの2009年のキャラクター別売上を見てみると、『仮面ライダー』が160億円、『機動戦士ガンダム』が155億円、『プリキュア』が110億円、『スーパー戦隊』が105億円、『アンパンマン』が80億円を儲けているのに対し、『ウルトラマン』は30億円とかなり遅れを取っている。まぁ、現役テレビシリーズをやっている他の5作品に対し、『ウルトラマン』は映画と『大怪獣バトル』だけだったから、厳正な比較にはけっしてならないけれど、目安として、やはり現代においていかれてしまっているのは分かる結果である。

 で、本作はそんな『ウルトラマン』シリーズの起死回生をかけ、新たなステージに彼らを立たせようとしている風に見える。


 "光の巨人"ウルトラマンは「カミサマ」をモチーフの一つとしている。だから従来のシリーズにおいてその性格は総じて清廉潔白で、アクションは神々しくのっそりとしている。そしてなにより巨大で生死を超越している。
 そこら辺が、ライバルである『仮面ライダー』シリーズと圧倒的に異なるところであろう。仮面ライダーたちは善悪の感情を併せ持ち葛藤を繰り返す「人間」であり、アクションも人間くさい、活動範囲も身の丈に則した地域しか守らないし、サイズ的にもキャラクター的にも「等身大」である。

 前作『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』はアメリカで『パワーレンジャー』を撮影したり、『仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』を監督した坂本浩一を迎えたことにより、アクションはキビキビと『スーパー戦隊』風になっていたし、そもそも舞台が「光の国」ということで、通行人も悪人もみんなウルトラマンの世界であったから、神々しさもへったくれもない「等身大のウルトラマン」の物語であった。

 で、本作はその路線(軽妙なアクション、キャラクター)を踏襲しつつ、もっと本格的に「ウルトラマンの人間宣言」を行っている。そこを考えたい。


 本作は、登場人物のほぼ全員がウルトラマンであった『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』とは違い、その舞台が別次元の宇宙ではあるものの、主人公ウルトラマンゼロはきちんとウルトラマンらしく「光の巨人」として人間達の前に立つ。
 しかしこの世界はどうもウルトラマンや怪獣サイズの「人間」と、地球人サイズの人間が共存をしている世界であり、ウルトラマンゼロも単なる「大きな人」程度の扱いなのである。で、ウルトラマンゼロは、本作の目玉であるミラーナイト(声:緑川光)、グレンファイヤー(声:関智一)、ジャンボット(声:神谷浩史)という懐かしの円谷巨大ヒーロー達を模した、巨人サイズの人間と肩を並べて戦う。

 さらにウルトラマンゼロのキャラクターが従来の清廉潔白なウルトラマンとは違い、口調が乱暴だったり、仲間とどつきあって友情を深めたりする、ちょっと不良っぽい兄ちゃんなのだ。

 ついでに悪役は前回も登場のウルトラマンベリアル。人間くさい悪意を持ったウルトラマンなのだ。

 これらの点で本作におけるウルトラマンはもったくもって人間くさいキャラクターなのだ。そしてこの「ウルトラマンの人間宣言」が、本作が『ウルトラマン』シリーズである意義を問いかけ、『ウルトラマン』の定義に揺らぎをかける。言い換えれば『ウルトラマン』ワールドの持つ可能性に「ウルトラマンはカミサマでなくてもいい」という現代的な視点の広がりを加えたのだ。


 思えば『ULTRAMAN』はカミサマというより巨大生物的な扱いだったし、『ウルトラマンメビウス』は中盤で仲間に正体を告白することで隊員と対等の目線に立ったウルトラマンだったし、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』のウルトラマンは自分がウルトラマンだと知らない市井の人々が実は自分は子供のころ憧れたウルトラマンだったことを知る物語だった。前回の映画と本作が決定打ではあったものの、少しづつではあったがウルトラマンはカミサマではなくなっていったのだ。

 例えば尖閣諸島問題のYouTubeでの映像流出、Twitterやブログによる市井の意見のパワーの巨大化、2010年は人々の「個」の力がITと絡むことで急激に盛り上がった時代でもある。そこにおいてかつてのような「巨大なパワー」に現実味はない。地道で等身大なパワーこそが現代においてヒーロー性を得るのだ。自分の身の丈にあった活躍しかしない『仮面ライダーW』『キック・アス』が流行るのはそういうことなのではないだろうか。そこにおいて共感しにくい「神の力」を持つウルトラマンは現代的ではないと思われるのではないかと。

 このようにして「等身大のヒーロー性」を求める現代の要請で、ウルトラマンゼロは人間くさくなったのではないだろうか。

 そして、いつもとは違うウルトラマンゼロとその新たな仲間達の活躍が素直にかっこよかった。かつての神々しいウルトラマンも好きだけれど、人間くさいウルトラマンの活躍をもう少し見ていきたいと思った。年末に上映予定の新作映画はウルティメイトフォースゼロの活躍でしょうか? でしたらワクワクします。


 他に良かった点はジャンボットに、平凡な少年ナオ(濱田龍臣)が乗る時のワクワク感、隅っこで自暴自棄になりながら体育座りしていたミラーナイトのトリッキーな活躍、グレンファイアーの待ってましたの再登場。というかとにかく、ゲストの3人のヒーローがかっこいいんです。それだけでも必見。
 あとヒロインの土屋太鳳さんがカワイイとか、まさかのあの不人気ウルトラマンの登場(彼の登場が本作にはない「ウルトラマンの神性」を担っていたのかなと思います)とか。


 不満点もございます。
 最近の映画でありがちな最後まで何も失わない展開。何かを得るためには何かを失うってのが物語の道理じゃないか? おいしいところだけもらって自分には何も損はありませんでしたって、アンフェアな気がします。まぁあの人はあそこで亡くなっていた方が良かったような。
 あと印象的な怪獣が登場しなかったこととか、そもそもベリアルに前作ほどのインパクトがない。
 あとあとゼロの最終形態かっこよくない!とか。
 あとあとあとGirls Next Doorの歌うエンディングの曲が安っぽいなとか。『ウルトラマン』はやっぱり勇猛果敢なマーチがいいです。


 決して満点になれる映画ではありませんが、今後の『ウルトラマン』が目指す方向性だけではなく、いま日本映画界が目指す等身大のスペースオペラの可能性として(あの映画のことを言ってるんじゃないよ)、この映画が見せてくれた指針はなかなか打倒で、かつなによりも面白かったと思います。

 戸松遥レベル。

 てなわけで、次回は2010年に当ブログで取り扱った映画、ベスト134を発表したいと思います。乞うご期待。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/01/04(火) 12:11:00|
  2. 映画ア行
  3. | トラックバック:4
  4. | コメント:6
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コメント

TBありがとうございます

こんにちは。いつも楽しく拝見しております。
ところで、文中にバンダイナムコのキャラクター別売上を記載してらっしゃいますが、出典はどちらでしょうか?
実は私もキャラクター別売上を調べていたのですが、私の見たものとちょっと数字が違うようなので気になりました。
差し支えなければご教示ください。
  1. 2011/01/09(日) 12:30:39 |
  2. URL |
  3. ナドレック #cxq3sgh.
  4. [ 編集 ]

ナドレックさま

こんにちは。コメントありがとうございます。
こちらこそいつも更新を楽しみにしております。

出典…すいません、2ちゃんねるかなんかに貼られていたけっこういい加減なやつだったのであまり気にしないでください。
無責任な引用をして、惑わせてしまい、申し訳ないです。仮にも公に発表している文章なのだから、めんどうくさがらず出典のリンクをきちんと貼らないといけませんね。
  1. 2011/01/09(日) 16:42:29 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

お返事ありがとうございます。
とどのつまり、ウルトラマンはかなり遅れを取っているということですからね。
残念ながらここは明白なんだと思います。

  1. 2011/01/09(日) 21:10:44 |
  2. URL |
  3. ナドレック #cxq3sgh.
  4. [ 編集 ]

>ナドレック様
 そうなんですよね。作品としては十分面白いのですが、やはり現代性に欠けている。
 『ウルトラマン』って現代のヒロイックな物語に不可欠な「萌え」の要素を取り入れられなかったのが、他のヒーローに対して遅れをとってしまった要員の一つであると思うのですが(そこらへんざっくばらんになんでもかんでも取り入れてきた東映は強かった)、今回、ウルトラマンゼロのハデなキャラクター性を前面に押し出し、さらに他のヒーロー達にも人気声優をあてがい、ついにウルトラマンも「萌え」を意識し出したのではないかと推測しています。
 まぁ円谷に「萌え」は正直あんまり似合わない気もしますが、年末の次回作では、さてどう転ぶことやら。楽しみですね。
 
  1. 2011/01/10(月) 00:10:30 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

次回作はウルティメットフォースと見せかけて

ウルトラマン、0も1も∞も使ったから、次はマイナスかルートだ。
  1. 2011/01/23(日) 09:17:03 |
  2. URL |
  3. ふじき78 #rOBHfPzg
  4. [ 編集 ]

ふじき様
いつもコメントありがとうございます。
そこら辺は確かに問題意識があって、仮面ライダー、ウルトラマン、ガンダム、スーパーロボット大戦あたりは、タイトルにつくかっこいいアルファベットが無くなってきているのではないかという。
まぁまだちょっと残っているからそれを消費しているうちに27番目のアルファベットを開発すればいいと思う。
  1. 2011/01/24(月) 01:34:36 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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