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『アンストッパブル』とかじゃなくバーガーキングがサイコーだよ。

アンストッパブル


 今回は『アンストッパブル』の感想。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。公開して間もなかったので割と混んでいました。4割くらい埋まっていたかな。会社帰りのサラリーマンっぽい人たちでにぎわっていた感じ。


概要:監督は『トップガン』『ビバリーヒルズコップ2』『トゥルー・ロマンス』などのトニー・スコット。音楽はハリー・グレッグソン=ウィリアムズ。
 ペンシルヴェニア州ブリュースターのミンゴ操車場。この日、初めてコンビを組むことになった勤続28年のベテラン機関士フランク(デンゼル・ワシントン)と、職務経験4ヶ月の新米車掌ウィル(クリス・パイン)。始めからソリが合わず、それぞれ私生活でも問題を抱える2人は、険悪な雰囲気で旧式機関車1206号に乗り込むことに。その頃、同州のフラー操車場では、運転士によるブレーキ操作のミスが原因で、最新鋭の貨物列車777号が無人のまま走り出してしまう。39両の大編成で全長約800メートルを誇るそれは、極めて危険性の高い化学物質とディーゼル燃料を大量に積んでいるため、その先に待ち受ける急カーブで転覆すれば大惨事に発展することは必至だった。思わぬ事態に騒然となる現場を尻目に、みるみるスピードを上げていく777号。あらゆる手立てを講じるも敢えなく失敗に終わる中、全ての命運を託されたフランクとウィルは1206号の機関車両を777号の最後尾に連結させ、ブレーキでその暴走を停止させるという無謀な手段に出るのだが…。
("allcinema online"より抜粋)


 突然だが、ジャンクフードが大好きである。カップラーメンも肉まんもコロッケそばも宅配ピザも。そんななかでも僕が並々ならぬ愛を示すのが我らがキング・オブ・キングでお馴染みバーガーキング御大である。

 そのアメリカンサイズのボリューム、アラサーの身には食べたあとズッシリくる肉汁、大雑把な味付けのソースやマヨネーズ、ブッシュ大統領や『マチェーテ』の悪役や『悪魔のいけにえ』のレザーフェイス一家が好みそうな炭の臭いがたっぷりでコンガリ焼けたウェルダンのハンバーグ、それらのハーモニーが食後に奏でるチープな重低音の素晴らしさよ!

 もしこの世のレストランがすべてバーガーキングだったら世の中全員単細胞になって、カブト虫でもノーベル賞が取れるようになること請け合い、まさに「キング」の名にふさわしいジャンクフード、それが「バーガーキング」なのである。


 しかしながら今は残念ながらバーガーキングの素晴らしさについて語る時ではない、何故ならば今回は『アンストッパブル』の感想を書くと前回の最後に記してしまったからだ。

 本作はアメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための映画である。ここでいう「アメリカ人」とは我々外国人の偏見に満ち満ちた「バーガーキング的アメリカ人」のことである。蛇口をひねればコカコーラが出て、座布団みたいなステーキをこんがり焼いていて、カウボーイハットを被ってショットガンを担いでいて、言葉の節々に4文字言葉を挿入する、あの伝説の「バーガーキング的アメリカ人」である。

 誤解を恐れずに言うと本作はなんてったって「チープな映画」なのである。でもそこが素晴らしいのだ。

 何が「チープ」って、マイケル・ベイやローランド・エミリッヒまでは行かない程度ではあるものの人間描写の薄っぺらさ(というよりハナから人間描写など、さわり程度のこと以上はする気がないように見える)や、深刻そうに見える主人公二人の抱える背景の解決が彼らが列車を止めてヒーローになることに直結している単純構造や、クライマックスで事件を見つめる群衆たちが(主人公たちの家族を含め)深刻な顔をするどころか、ビールとホットドッグを抱えてポーツ観戦でもしているかのように、一つ一つの関門をクリアするごとにやたらと盛り上がるところだったり(フランクの娘の黒人姉妹は終始笑顔でしたね)、ものすごいタイミングのいいところで挿入されるちょっとしたジョークと安っぽい電子音楽だったり。

 しかし、これらの要素を別に「チープ」といってけなしているわけでは決してない。例えば同じトニー・スコット監督作品『トゥルー・ロマンス』がそうであったように、センスよくチープな要素をバランスを保って組み立てていくことによって、一つの「我々が自慢されたいバーガーキング的アメリカ世界観」を築きあげているのだ。

 如何にしてセンスよくバランスよく組み立てていっているのかというと、例えばちびっこがたくさん乗っている列車と衝突しそうになるあのシーンや、カーブを曲がれるか否かのクライマックス直前のシーンなど、大味でオーソドックスはあるが確実に迫力のあるカメラワーク。
 観客が最も見たいもの、例えば「怪獣のような列車の暴走」を、もったいぶらずにスピーディーに見せてくれる無駄の無いストーリー運び。
 また、ドラマをめぐる様々な視点(観客、主人公達の関係者、鉄道会社の上層部、報道カメラなど)を、まるでVJのようにテンポよく挿入。そうやって天性的な勘で繋ぎあわされた編集は、一歩間違えたら『グリーン・ゾーン』のように見にくくなっていたであろうに、とてもポップでスムースに脳に消化されていくリズム。そして決して忘れてはならない、『キック・アス』が知性とペーソスを用いて描いたことを真っ正面から描いてくれた、「ヒーローの誕生」によってむかえることができる大団円。
 以上のようなオーソドックスでスキのない職人芸のごとき映画造りの見事さによって、「チープ」な要素がバランスよく組み立てられていっている。


 このように、実はきちんとしている演出力で、きちんと「チープ」な世界観を丁寧に面白可笑しく描くから、結果観客はこのアメリカ的なジャンク臭のする映画に夢中になる。そして観たあとにも、チープな重低音の余韻を楽しむことができるのだ。

 以上、本作はまさに映画版バーガーキングなのである。
 さすがトニー・スコット、『エクスペンダブルス』『キック・アス』が計算のうえで描きあげた、能天気で無邪気な西部的マッチョニズムを天性の勘で描いていて、それでいてきちんと抑えるところはある程度抑えていて、誰もが過不足なく楽しめるエンターテイメントを作りあげている。


 不満点はいくつもあるのですが、これはそういう重箱の隅をつつくような楽しみ方をしてはならない映画であり(それは「『勝手にしやがれ』の会話が不自然だ!」と、見当違いの文句を言っているようなもの)、あえて書いたりはしませんが、3つだけ。

 まず、列車内のスピードメーターはマイルで表示されているのに日本語字幕はご丁寧にキロ表示されていたので、「時速32キロまで落とせ!」って緊迫感あるシーンで、映像に映されるメーターは「20」を指していたりと、なんだか頭が混乱する点。

 あと、主人公二人の噛みあわなさをもっと描いて欲しかったことと(あれじゃそこあで仲悪く感じない)、最後の最後はその不破を踏まえてもっと劇的に二人が協力する形にして欲しかった。あの懐かしのFCゲーム『チャレンジャー』を実写化したでおなじみのクライマックスシーンのあと、デンゼル・ワシントンは応援しているだけで、本当に柵越えないんだもの。この2点がきちんと描けていたならバディものとして傑作になったろうに。

 最後に、やっぱり列車は最後にド派手に破壊されて欲しかった。大爆発とか、すげー脱線とか。

 噂に違わぬ面白さだと思います。スコット兄弟対決は個人的にはパッとしなかった『ロビンフッド』よりもこちらの方が好みでした。

 小池栄子レベル。


 次回はヴィンチェンゾ・ナタリの新作モンスター映画『スプライス』の感想です。
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  1. 2011/01/18(火) 22:50:23|
  2. 映画ア行
  3. | トラックバック:7
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<<『スプライス』は正しい保健体育の教則映画だよ。 | ホーム | 『君を想って海をゆく』は人によっては短編映画だよ。>>

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