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『悪魔を見た』は観客参加型のゲス野郎オリンピックだよ。

悪魔を見た

 今週の『海賊戦隊ゴーカイジャー』は、アレでしたね、五刀流とか、ただでさえ『ONE PIECE』っぽいと言われているのに、なんかもう。
 うさぎちゃん型に切られたリンゴをお食べになる司令官ワルズ・ギル様が良かったです。
 あとファイナルウェーブの「五刀流ブルースラッシュ」がカッコ良かったです。ゴセイブルー、シンケンブルー、マジブルー、ハリケンブルー、ギンガブルーがそれぞれ敵に斬りつけて、最後にゴーカイブルーがトドメをさす演出が、「おおっ!」てきた。
 あとあとカレーの「恐竜や」とか、スポーツメーカー「scratch」とか、「ゴールド寿司」が入っているビルとか。源ちゃん出世したね。

 したらば来週!!ジャスミンが!バンが!!地獄の番犬が!!!

 とりあえず比較的新しめなところから出ていますが、古い連中も出るのかしら。

 そんなわけで今回は『悪魔を見た』の感想でございます。
 観に行った映画館は新宿ミラノ座ミラノ1。このブログで登場するのは初めてですね。新宿歌舞伎町の映画館はここを残して全て無くなってしまったのでここだけでも頑張ってほしいですね。小学生のとき怖い思いをしながら一人で『バットマン』を観に行ったのを覚えております。今でもいちばんワクワクする映画館かもしれない。
 客層はオバサンで複数人で来ているのが多め、オジサンも多かったです。若者は少なめ。あの大きな劇場でガラガラでした。


概要:監督は『甘い人生』『グッド・バッド・ウィアード』のキム・ジウン。
 ある夜、国家情報員捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)の婚約者ジュヨン(オ・サナ)が何者かに惨殺され、バラバラ死体となって発見される。怒りに駆られたスヒョンは、ジュヨンの父で重犯罪課の刑事だったチャン(チョン・グクァン)の協力を得て、やがて犯人が残虐な殺人に快楽を見出す悪魔のような男、ギョンチョル(チェ・ミンシク)であることを突き止める。そして、ギョンチョルを見つけ出すや、徹底的に叩きのめすスヒョン。しかし、とどめを刺すことなく、追跡用のGPSカプセルを飲み込ませると、そのまま解放してしまうのだった。こうして、ギョンチョルが新たな凶行に及ぼうとするたび、先回りしてはギョンチョルに容赦のない制裁を加えていくスヒョンだったが…。
("allcinema online"より抜粋)


 本作はタイトルにある通り、人の心のうちの「悪魔」を見させてくれる作品であるが、それはべつに登場人物たちの心のうちだけではない。観客である自分自身のうちにいる「悪魔」を見させてくれる作品でもあると思う。今回はそれを解説。


 一度でも物語的なものを作った人は解ると思うけれど、登場人物に残酷な仕打ちをすることって思うよりも相当過酷なものである。やはり自分で作ったキャラクターには愛着が湧いてしまうし。
 例えばキャラクタービジネスを全面に押し出している今の少年漫画業界に至っては、キャラクターの活躍こそ命なわけで、『ドラゴンボール』『ONE PIECE』がいい例だけれど、まあ死なないったら死なない。殺されるキャラクターはあらかじめ殺されるものとして用意され、死ぬ雰囲気を初登場時から醸し出している。いまいち生き生きしていないことが多い。

 そんな中『悪魔を見た』生き生きとした登場人物にこれでもかってくらい残酷な仕打ちをする、そんな下衆野郎オリンピックに仕上がっている


 残酷でエグい下衆っぷりで定評のある韓国映画ですが、ここまで超人的に残酷性をストレートに描いた映画はなかなか無いと思われます。
 それは前々回の『アンチクライスト』のショッキング描写が霞むくらい。ピエール・パゾリーニもびっくりするくらい。(まあこれらの映画は残酷性だけに重きを置いているわけではないし比べるのもお門違いではありますが)

 で、この残酷オリンピックのルールとしては我らがミン様演じるギョンチョルのこれでもかってくらいのゲスな殺人鬼っぷりの暴走に、国家情報員捜査官スヒョンを演じる我らがビョン様もこれでもかってくらい頑張って悪魔になって食らいつき、エスカレートするギョンチョルの非道にどれだけ非道な行いで仕返し出来るかっていう寸法となっている。


 そんなわけで、先行はギョンチョル。注目の第一投目はなかなかショッキング。
 この映画の女優さんはスヒョンの新妻いや幼妻を演じるオ・サナさんをはじめ、出てくる女優がみな揃いも揃って、よく見つけたなってくらいカワイコちゃんなのですが、それらの女優をまんべんなくレイプしちゃ殺す。優しく声をかけて誘いに乗ったらレイプして殺して、もし妊婦と知ってもレイプして殺して、もし警戒されて断られても無理矢理襲ってレイプして殺して、学習塾のバスのドライバーの仕事をクビになったら仕事納めに乗客の女子学生をレイプしちゃ殺して…。

 で、バラバラにしてそこら辺に捨てる。きちんと「ボディを透明」にしないから警察に目をつけられるわけですが、スヒョンの幼妻の生首が黒髪をなびかせながらくるっと振り向いて水上に浮かんでくる韓国ホラーお得意のおどろおどろしいスプラッタ表現は素晴らしかったです


 愛妻の生首を見せつけられたスヒョンとその義父の絶望のどん底に落とされる時の写真や動画をバシバシ撮ろうとするマスコミたち。警察は「お前らそれでも人間かー!?」と憤慨する。
 確かにそのシーンで観客はとても嫌な気持ちになるのだけど、「お前らそれでも人間か」はそのあと何度となく観客の頭の中でリプレイされることとなる、それはどんどんエスカレートしながら。


 で、生首を見せつけられたスヒョンのターン。もちろんプッツンいっちゃって、「絶対復讐してやる」と愛妻の亡骸に誓う。国家情報員捜査官として鍛え上げられた自慢の身体能力をフルに駆使して、捜査線上に上がった殺人鬼候補どもを問答無用でいきなり再起不能にする。尋問するのは再起不能にしてからという非道捜査っぷり。
 そんなこんなでギョンチョルが真犯人だと知るともちろん有無を言わさずボッコボコに殴り倒し、ギョンチョルが死ぬ寸前まで殴り、金を与えて去っていく。

 そんな殺されかけたとして反省するタマではないギョンチョル。タクシーをヒッチハイクして運転手と相乗りした乗客をとりあえず殺害、街におりて医者に行き怪我を診てもらったあととりあえず殺そうとしたら、受付の女の子が可愛いかったのでレイプして殺そうとする

 続いてスヒョン。実はギョンチョルにマイク付きGPSを飲み込ませていた彼は、ギョンチョルが町医者の受付の娘を殺そうとする寸前に颯爽と登場、再度タコ殴りにしたあとアキレス腱をメスでぶちーっとやってまた放り出す。スヒョンはギョンチョルを殺す寸前まで痛めつけて、一日おいたらまた痛めつけて…を繰り返し、ギョンチョルに生きる苦しみを最大限に味あわせてから殺そうという寸法らしい。

 しかしギョンチョルもそんなんでビビるはずなく、殺人愛好家仲間の夫婦と合流しゲスな一夜を過ごそうとするが、そこにもスヒョンが乗り込んで…。

 物語はやがてギョンチョルが反撃に出ることで、その凄惨さは度を超えていく。

 例えばタバコや釘の最もイヤな使い方とか、そこまでやるかっていう被害者の人選とか、あとラストの考えられる限り最も嫌な処刑方法とか秀逸。

 で、ここがキモなのだけれど、観客はどんどんテンポよくエスカレートしていく残酷性に「もっと見たい、もっと見たい」と求め出す。なので、後述するけれど、二人の主人公の描写をもっとゲスにしていって欲しかったという不満・願望が表れる。


 タイトルにもあるようにこの物語は、誰がどう見ても悪魔みたいなゲス野郎であるギョンチョルに対して、如何にスヒョンが悪魔みたいなゲス野郎になれるかっていうのがテーマであると思う。それは二人の演技合戦としても表れる。

 ギョンチョルの悪魔っぷりは前述の非道な行いの他にも、ロバート・デ・ニーロのような堂々とした俗っぽい生活感などにもあらわれていてなかなか迫力ある。特に終盤のどんなに痛めつけられても反省など一切しない態度や「俺からは何も得るものなどないんだ」という台詞には震えあがります。
 ただどうしても『冷たい熱帯魚』の世界一俗っぽい隣人感あふれる殺人鬼村田を見たばかりなのでそれと比較してしまい、もっとインパクトを欲してしまう。

 で、対するスヒョンは、次第にあのキラキラとしたイ・ビョンホンの瞳の輝きが失われ、元来の黒目がちな瞳も手伝って獣のような漆黒の瞳になるところとか、ただただサディスティックにギョンチョルを痛めつけることだけを目的とし、それ以外の目的を一切廃した無駄のない身のこなし、それとラストの「それでも人間か」な考えられる限り最も残酷な仕打ち、そして結末の泣いているのか笑っているのかわからない悪魔の表情。イ・ビョンホンはもともとスター性高くて好きでしたがここまでできる俳優とは知りませんでした。
 ただもう一線超えて完全に人間には見えない、ギョンチョルをも超えた感情のない悪魔になったイ・ビョンホンを欲してしまう。

 このように、二人の主人公の残酷演技合戦の行き着く先には「もっと残酷であってほしい」という観客の際限なき悪魔的な願望が表れるのみなのである。

 以上、『悪魔を見た』はこれでもかってほど残酷がエスカレーションをしていく様を描くだけの映画なのではあるけれど、人の残酷な想像がどこまでたどり着くか、どんどん見たくなり、登場人物の、作り手の、観客の、そして人間の心のうちにある「悪魔」を見させてくれる作品でした。
 いくら作り物と言えども生身の人間が演じて現実を舞台につくられる現実そっくりの創作物が映画。そんな映画でもってよくここまで描けるなと。登場人物ひとり殺せない作家が多い中で、並みの精神力ではへたばってしまうだろうに、ここまで描けたのは尊敬に値する残酷描写だと思います。

 夏帆レベル。

 次回は、今年は扱います。『ドラえもん』映画の新作で1986年の『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のリメイク作品、『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』の感想。
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  1. 2011/03/08(火) 02:53:30|
  2. 映画ア行
  3. | トラックバック:9
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<<『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』の「SF」は「さよなら藤子・F・不二雄先生」の略だよ。 | ホーム | 『イップマン 序章』は小さい方のマトリューシュカ人形だよ。>>

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