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『台北の朝、僕は恋をする』は等身大フィルム・ノワールだよ。

台北の朝

 今週の『海賊戦隊ゴーカイジャー』『特捜戦隊デカレンジャー』のゲストが登場する話。
 うわーい。ジャスミンだー。木下あゆ美さんはジャスミンの衣装がいちばん輝きますね。
 ほぼドギーの主役回って感じで、ドギーの声を演じる稲田徹さんはいまだにドギーの役が大のお気に入りだそうで、twitter上では稲田さんのアカウントなのかそれともドギー・クルーガーのアカウントなのかよくわからないことになっております。twitter上ではあまたの特撮ヒーローや悪役を率いて、震災に苦しむ子供達を励ます為にエールをおくっているようで、涙が出ます。
 バンは髪を切れ。キャラが変わっていないようで安心しました。また登場してくださいね。
 あと、クライマックスの『デカレンジャー』のテーマ曲が流れたのはぶるっときました。『デカレンジャー』は作品も主題歌も全スーパー戦隊でいちばん思いれがある気がします。
 

 今回は『台北の朝、僕は恋をする』という台湾の恋愛コメディの感想。何故この映画を観に行ったかというと、ヒロインの女の子が可愛かったから。 

 観に行った映画館は新宿武蔵野館。地震から一週間経っていたのですが、やはりまだ暗い状況。映画館も空いておりました。6人ほど。まぁ映画自体地味ってのもあるのでしょうが。おじさんの一人客が多かったです。


概要:監督・脚本はアーヴィン・チェンというエドワード・ヤンの弟子やっていた人。音楽はシュ・ウェンという人。そんななか製作総指揮は大物ヴィム・ヴェンダース。第60回ベルリン国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞。
 台北に暮らす青年カイ(ジャック・ヤオ)は、恋人がパリに留学してしまい傷心の日々。パリへの旅費を稼ぐべく両親の店を手伝いながら、夜は近所の本屋で立ち読みをしてフランス語の勉強を続けていた。いつしか、本屋のかわいい女子店員スージー(アンバー・クォ)ともすっかり顔なじみに。そんなある日、パリの彼女から電話で突然の別れを告げられるカオ。驚いた彼は、すぐに会わなければと、顔見知りの不動産屋に借金を頼み込み、交換条件として、怪しげな小包の運搬を頼まれるのだが…。
("allcinema online"より抜粋)


 90年代にウォン・カーウァイの映画を見た人は皆口を揃えて、日本と似たような国の香港でこんなにロマンチックな映画が作れるのかなんて言っていた。しかしウォン・カーウァイ映画は(エリック・コットやチェン・ユーシュンでもいいが)なんだかとても野暮ったい(いい意味で)。白ブリーフとオヤジシャツの男がじめじめとした湿気のなかで屋台のソバをすするイメージ。なのにそれが何故かロマンチックだった。

 この映画もやたらと生活臭がしてまるでロマンチックとは思えない題材なのに、妙にロマンチックでキュートな出来になっている


 我が国ではロマンチックと醤油臭い生活臭は相反するものとされがちだけれども、それがどうも間違いの元らしい。地に足がついた生活をきちんと描いてこそロマンスというのは生まれるのかもしれない。今回はそこらへんを検証してみたいなと。


 主人公カイは恋人のいるフランスに憧れフランス語を勉強するが、フランス語の「ボンジュール」が奏でる"いかにも"な雰囲気は、湿気でじめじめとした大気と、油の臭いが充満する台北においてとても不格好だ。

 本作は古きよきフィルム・ノワールを意識した作りとなっており、犯罪映画の側面があるが、それがことごとく間の抜けたものとなっている。(そこらへん『リオの男』『カトマンズの男』『まぼろしの市街戦』『陽だまりの庭で』などで有名なフィリップ・ド・ブロカっぽいユーモアセンスも感じました。)
 例えばギャングたちは不動産屋の副業で間の抜けたオレンジのスーツを着させられてるし、本作の最も非日常的なツールであるところの拳銃は結局オモチャだったし、彼らが狙う"重要なブツ"は何ともズッコケる代物、せっかく重要人物を拉致誘拐しても何が何だか結局仲良く雀卓を囲んで水餃子をつつきながら恋の悩みを聞いてあげちゃう始末。
 また主人公二人を追う刑事はハンフリー・ボガードのように仕事を恋より優先できなく彼の元を去った恋人に未練たらたら。
 肝心のカイとスージー、主人公二人の逃走劇も間が抜けている。刑事に追われながらの地下鉄の駅の中に入り込んだものの、駅の中は走ったら危険だから刑事共々速歩き。逃走中ダンスしている集団に紛れ込んだはいいものの、そのダンスはなんとも素っ頓狂な盆踊り。
 またBGMはフィルム・ノワールには定番のジャズだけれども、それもなんだかヌルくて平和。

 そもそもモノクロが基本のフィルム・ノワール的なものを意識している割には、本作はビビッドな原色に彩られている。

 このように本作は映画のようにドラマチックにはいかない間の抜けた日常を強調して描いている。(*)

 (*)それゆえ、あまりに真剣味がなさすぎてツッコミどころも多い。例えばギャングに追われてるなら、撒いている間にとりあえず目的地までタクシー拾っていくか、ボスに何度も電話かけて指示を仰げば済む話だが、そんなことはしない。しかしそれは「ヌルい日常」というテーマにそったマジックリアリズム(作中でのリアリティの線引きの位置が幾分現実から離れている演出のこと)がかかっているゆえの演出のために、本作中では不自然になってはいないと感じた。


 本作のもう一つの方向性として示唆されるのが登場人物たちが見ているチープなテレビドラマだ。その中では大声で運命的な愛の告白をし、街中で銃撃戦をし、女性が身を呈して銃撃を受け恋人の腕の中で愛をつぶやき死んでいく。
 それを見て登場人物たちは「ありえねー」とグフグフ笑う。パリやニューヨークならまだしも台北の街でこれはあまりに不格好である。

 一方でこの映画は、人は一人も死なないし、麻薬も拳銃も大金も絡んでこない。逮捕された者は一人いたけどせいぜい窃盗と恐喝、たいしたものではない。徴兵に行く前にドラマチックな告白をしたかったコンビニ店員のカオ(ポール・チャン)は最後まで恋する桃子に告白できずじまいだし、肝心の主人公二人だって告白もキスもしない、というか恋しているのかどうかすらちょっと怪しい。
 劇中劇のテレビドラマと違ってあまりに身の丈にあった展開しか起きない。

 しかしだからこそ、ラストシーンの主人公二人の、ドラマチックではない地味で身の丈にあった再会と恋の芽生えが、ロマンチックに思えるのだろう。それは観客にとっても等身大の恋であるから。
 なにしろ本作の原題は”Aure Voir TAPEI"”Aure Voir"というなんとも背伸びした言葉で形容されるのは、等身大の街台北なのだ。


 以上、人は生活するそれぞれの環境の身の丈にあったドラマしか紡ぎ出せない。しかしながら背伸びしないその地味で間抜けな日常の中で、我々は地味なロマンスを感じ、しょぼいスリルを感じ、それにきちんと満足している。
 本作『台北の朝、僕は恋をする』はそのような等身大の「フィルム・ノワール」を描き、等身大で日常的な今をロマンチックに感じさせてくれる作品だと思う。


 あとまあそれ目当てというのもあったのですが、主演の女の子アンバー・クォさんが無類の可愛さでした。ビビアン・スーみたいに日本にもやってこないだろうか。

 大地震により日常を失ってしまいかけている今だからこそ、見るとより胸キュンしそうな映画です。おすすめ。

 貫地谷しほりレベル。

 次回は『シリアスマン』に続いてまたコーエン兄弟の作品でございます。話題作『トゥルー・グリット』の感想。

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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/03/25(金) 01:33:33|
  2. 映画タ行
  3. | トラックバック:6
  4. | コメント:0
<<『トゥルー・グリット』のコーエン兄弟は多分信じられるよ。 | ホーム | 『I'M HERE』はロボット向け身体論だよ。>>

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バーテンダー、モデル、芸能人が愛用、オンオフどちらも心地よく過ごす着替えが嬉しい2WAYピアス。ふたつの誕生石と想いを包みこむセミオーダージュエリー。
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