かろうじてインターネット

「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『フローズン・リバー』は一度見ただけで感想書いていいの?

フローズン・リバー なんだか前からちょくちょく言ってますので、お気づきかもしれませんが、『ジョジョの奇妙な冒険』なる少年マンガが大好きです。あの中学とか高校でクラスに一人くらいいませんでした? やたらと空気読まず『ジョジョ』ネタを出してくる人。『ジョジョ』とかまるで知らない人の前で『ジョジョ』の名セリフとか言ってくる困った人。あれの代表格が僕です。その好きっぷりといったら、全ての創作物は『ジョジョ』のパクリ説を唱えているほどです。『日本書紀』も『リア王』も『スクライド』も『聖書』も『ジョジョ』のパクリだよ。え?時が一巡したんだよ?(←こういうこと言う人がダメな『ジョジョ』ファンの典型例です)
 そんな『ジョジョ』がついに単行本100巻に到達いたしまして、子供の頃から応援している身としてはこんなに嬉しい事はございません。しかもまったくパワーダウンせずに、むしろ感性を若返らせながら、ここまで書き続けているという事実。原作者の荒木飛呂彦先生いわく、まだ描きたい事の10分の1も描いてないらしいので、次は1000巻を目指して欲しいですね。まぁ僕の寿命がつきる頃までには完結すれば嬉しいかなと思っております。

 もうちょっとで『ジョジョ』第7部『STEEL BALL RUN』が完結するっぽいので、そうしたらこのブログで特集組みたいなと思っております。

STEEL BALL RUN vol.20―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (20) (ジャンプコミックス)STEEL BALL RUN vol.20―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (20) (ジャンプコミックス)
(2010/03/04)
荒木 飛呂彦

商品詳細を見る



 で、まったくそんなマクラとは関係ないんですが、今回は2008年のサンダンス国際映画祭でグランプリを受賞した『フローズン・リバー』の感想です。前回『ドグちゃん』の感想で今回これだし、なんかテンションどう持っていったらいいかわからないや。


ストーリー:クリスマス間近のカナダ国境近くのアメリカ北部の寒村。トレーラーハウスで二人の息子と貧しく生活する白人女性レイ(メリッサ・リオ)は、生活費を旦那に持ち逃げされ、住む家すら失いかけていた。彼女は旦那を追いながら、彼女の車を盗んだモホーク族の女性ライラ(ミスティ・アッパム)と出会う。彼女も旦那に先立たれ、満足いく生活が送れずに、息子の養育権を義母に奪われて孤独に生活していた。貧しさに喘ぐ二人の女性はふとしたきっかけで、日当1200ドルでカナダからの不法移民をアメリカに密入国させる犯罪に加担する。生活のため、息子たちのため、幸せのため、次第にクセになっていく、彼女たちの危険な裏の仕事。最初はいがみ合っていた彼女たちも、お互いの状況を知っていくうち、次第に心を許していく。このリスキーすぎるアルバイトで彼女たちは「豊かさ」を手に入れようと、州警察に見つからないべく凍った川の上を車で走っていくが…。


 観に行った映画館は渋谷シネマライズ。火曜日で1000円の日で夜の回だったので、割といたかな。まぁ満員ってわけではない。男女年齢とわず一人の人が目立った感じ。座った席がね、となりの20代くらいの男性がやたらギャハハハ笑って、ことあるごとにぷーぷーオナラする人で、比較的最悪の人の隣に座ったかな。あと後ろの人がパソコンしていた。うわぁ…。(ちなみにパソコンの人はさすがに隣のおっさんに怒られてました)


 タランティーノ絶賛ってふれこみの映画、ちょっとアレな作品が紛れ込んでいることが多いので少し不安視していたのですが、今回はとてもいい作品でした。優れた作品によくあるように、色んなテーマ性を感じられる作品になっているので、観るたびに感想はブラッシュアップ出来そうなんですけれども、一度しか見ていません。で、もう一つ優れた作品の特徴として、これって真理かもって説得力を持っていること、ハッタリでも出鱈目でもいいんだけど、なんとなくそう思わせる影響力があること。それで、世界の見方が映画館を出たあと、たった5分でもいいから、ちょっと変わること。簡単な例だと、ブルース・リーの映画見たあと強くなった気がするみたいな。スーパー戦隊のショーを見たあとやたらかっこ良くオモチャの武器を構える子供がたくさんいるみたいな。

 で、個人的には今作に「倫理なき愛」ってテーマを感じました。愛のための倫理を超えた行動は、その愛のための行動か、薄っぺらいエゴかっていう。去年の僕のベスト映画『母なる証明』なんかでも、同じテーマを扱っていたと思います。そんな難解なテーマを『母なる証明』とはまた別の形でのベクトルにて、説得力をもって締めていると思います。で、こういった難しいテーマをちゃんと映画的なエンタテインメント性を忘れずに描いているから、映画を見ている最中わくわくはらはらどきどきしっぱなしで、見終わった後映画館から出ると世界がちょっと変わって見える、そんな良い映画。今回の論旨はそんな感じです。


 冒頭のシーンで、あまりに寒そうな色の空のもとにあるトレーラーハウスにて、主人公のレイが着替えているシーンで物語が始まる。たるんだ贅肉、ハデなブラジャー、安っぽいタトゥー、くたびれた肌、くたびれながらも優しく強い母親の表情。彼女の今まで歩んできた人生がいっさいのセリフなしで、なんとなく観客に伝わる、このシーンだけでなんだか泣きそうになりました。貧しく惨めで安っぽい下層の生活。その中でも、守るべき愛おしい生活がきちんとある。そういった物語の前提がこのシーンだけで語られる。

 そして物語は「地に足がついていない」ものが、たくさんあふれている。トレーラーハウスという地に足がついていない家、レイやライラの地に足がついていない生活、モホーク族というアメリカ合衆国に「保護」という名目で生殺しされている地に足がついていない民族、そして1ドルショップの店員やビンゴ会場のスタッフ、また密入国の手助けといった地に足がつかない仕事、さらにそれによってなんとか成り立たせようとしている地に足がつかない幸せ、タイトルにもなっているが、密入国のルートとなっている凍った川の上を車で走るといの地に足がついていない「行路」。やがて、主人公たちは、こういった色んな意味での「貧しさ」に慣れていく事に抵抗を感じる。「それで本当に生きているって言えるの?」と。社会に飼い殺されている感覚。

 この「抵抗」を感じるきっかけとなる展開がかなり面白い。パキスタン人の男女を密入国させる際、レイがパキスタン人であることをいぶかしみ、彼らの荷物を凍った川の上に捨てる。しかしその荷物の中は彼らの赤ん坊だったのだ。そのことを知ったレイとライラは顔面蒼白になって赤ん坊を探すが、赤ん坊はすでに凍死していた。車の中で一生懸命赤ん坊の蘇生に励む二人、なんとか息を吹き返す赤ん坊。この事件で二人は皮肉にも生命の尊さ、暖かさ、深さを知ることになる。こういった形で、深遠なテーマを語る際も常にサスペンス的なハラハラ要素を忘れない、映画作りの姿勢がとてもすばらしい。このコートニー・ハントって監督、本当に初監督作品なのって疑ってしまう。


 物語の終盤、それぞれの生活や愛のため、倫理なき選択と知りながら、これで最後とアジア系女性の密入国の手助けをしている最中、ついに警察に目を付けられてしまうレイとライラ。モホーク族の保護区に逃げ込む二人だが、州警察はレイかライラのどちらかを引き渡せと言う。レイには彼女がいなければ生活してはいけない息子たちがいる。ライラには今はいない。レイはライラに涙を呑んでもらう事を提案し、凍った川の上を通って保護区を逃げ出そうとする。彼女たちの繋がりは、物語の最初、その凍った川のように上辺だけの関係であった。やがて、凍った川がミシミシと崩壊をしていこうとする時、二人の関係もそこで崩れ去ろうとする。氷が崩れ去った川をみて、それでも残った、確かな「繋がり」を見い出したレイは…。あまりネタバレしたくないのでここら辺にしておきますが、ここでレイがとった決断がかなり感動的。

 このシーン、警察に追われるというハラハラ感、そして凍った川が崩れさっていこうとする緊迫感(劇中ながれるミシミシという音が印象的)、そしてレイがとったささやかな選択。当たり前のことなんだろうけれど、ある種の倫理観や正義感って誰しもが持っていると思うけれど、それはほんのささやかなものかもしれないけれど、それがあるってだけで尊くて、人間が人間らしく生きていく為に不可欠なものなんだということを考えさせてくれる。

 『フローズン・リバー』は、例えば『アバター』なんかに比べて、全ての要素が本当に地味で細かい映画なんだけれども、ちゃんとハラハラドキドキそして感動があって、それだけでもけっこう満足なのに、それに加えて、そんなごく普通の事だけれどもしかして真理かもしれないってことをきちんと再認識させてくれる、そういう素敵な小品でございました。

 わりと難癖つけがちなこのブログでございますが、あんまり悪いところは無かったかな。強いて言えば地味なので、わーわー楽しい映画みたい気分のときはあまりオススメできないけれど。観るならばとても音が印象的なのでたとえお家でビデオで見るときも、ぜひ大音量で見て欲しいと思います。あと映画館で見る人はあまりオナラをしない人の隣に座るのがおすすめです。
 評価はね、いきものがかりのボーカルの娘くらい。あ、分かってるんだけれど、好きなんです、あの娘。


 次回は俺たちのソン・ガンホ兄貴が主演、『オールド・ボーイ』なんかのパク・チャヌク監督の吸血鬼映画というわけでつまらないはずは無い『渇き』についての感想を書きます。
スポンサーサイト

テーマ:最近見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/03/09(火) 13:52:35|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<『渇き』こそがラブストーリーだよ | ホーム | 「週刊少年ジャンプ」2010年14号の一言感想>>

コメント

また長すぎて全部読んでないけど、
観ようかなー、どうしようかなーなんて思ってましたが
「これは是非観ておきたい!」と思いました。顧客一名獲得!
デートで行こうかしら。
しかしライズでしかやってないんですよね~
そろそろバウスでやるかな~~~
  1. 2010/03/12(金) 00:50:26 |
  2. URL |
  3. かみやま #-
  4. [ 編集 ]

コメントありがとうございま。
バウスでやりそうですね。下高井戸とか。
今はバウスでは『ミレニアム』やってる。あれおもろい?
ちなみに今更新した『渇き』も爆裂オススメです。観てなかったらぜひ観てください。
  1. 2010/03/12(金) 03:40:30 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://karoujite.blog104.fc2.com/tb.php/25-8a8b3b98
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2カウンター

プロフィール

かろうじてアメリゴ・ベスプッチ

Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
 映画のこととか長々と書くブログです。
 たまに映画以外のことも書くよ。
 コメントくれたら嬉しいです。
 更新あんまりできないけれど。
 あと現代人なのでtwitterを始めました。
 chikiuso2800って名前。
 ご意見、ご感想、取り上げてほしい映画のリクエストなどございましたら、コメント欄か上記twitterIDにてお知らせください。

 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

Twitter on FC2

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

映画ア行 (36)
映画カ行 (51)
映画サ行 (35)
映画タ行 (28)
映画ナ行 (8)
映画ハ行 (40)
映画マ行 (17)
映画ヤ行 (4)
映画ラ行 (14)
映画ワ行 (1)
2010年度映画ランキング (3)
少年ジャンプ (47)
特集 (3)
謝罪 (2)
未分類 (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。