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『渇き』こそがラブストーリーだよ

渇き 『仮面ライダー響鬼』や『仮面ライダークウガ』、『激走戦隊カーレンジャー』のお騒がせプロデューサー高寺重徳(旧・高寺成紀)さんが、何やなんやら『響鬼』の途中でどこかいっちゃってたと思ったら、角川で新たな特撮番組を作っていたそうで、去年の10月に放送予定が、延期に延期を重ねて、4月よりついに放送開始いたします。
 なんと『仮面ライダー』を二度も新生させた男が、今度新生させるのは『大魔神』
 その名も『大魔神カノン』。あぁ、まぁ『響鬼』ほどデザインにびっくりはいたしませんね。
 個人的には大好きな作風を持つプロデューサーなんですが、まぁかなり癖が強くてアンチも多いわけで、色んなところで色々荒れそうだなぁって。それもまた楽しそうではあるけれど。
 そんなわけで4月2日より放送開始ですので、皆さん、要チェックですよ。『響鬼』の悲劇は繰り返さない為に、応援できることはしておかないとって思い、一応宣伝しておきましたよ。
 このブログでも特集していきたいと思っております。


 それはそうと、今回はパク・チャヌク監督、ソン・ガンホ主演と最強のタッグで撮られた期待の吸血鬼映画『渇き』の感想を書きたいと思います。

 観た映画館は新宿武蔵野館。あそこはお菓子がたくさん売店に売っているけれど、サッポロポテトを袋のまんま売るのはいかがなものかしら。以前、上映中がしゃがしゃうるさくて食べれたもんじゃありませんでした。せめて紙コップにいれてくれればいいのに。
 木曜の夜観に行って、まあまあ入ってました。観客層は一人客が多くて、中でも中年男性が多め映画マニアはまぁ観に行く人多いだろうし、官能要素もあるからオジサン人気高いのかしら。ソン・ガンホって韓国好きの女性人気どうなんだろって思ってたけど、あんまり入っていないところを見るに、そこまでなのかしら? みんなこれからガン様って呼ぼうぜ?


ストーリー:カトリックの敬虔な神父サンヒョン(ソン・ガンホガン様)は重病患者を看取るうちに、自分の無力さ、宗教の持つ欺瞞性に嫌気がさし、ある確実に死に至る謎のウィルスの対抗ワクチンの実験台に志願する。実験のなかたった一人生還したサンヒョン神父は、人々によって「奇跡の人」と聖人扱いされることになる。しかし、一方でワクチンの副作用により彼の身体には異常が起きていた。筋肉や聴覚、嗅覚の異常な発達、強い生理的欲求、太陽光にあたると生じる謎の火傷、そして人の血液に対する渇望など、彼はいわゆる吸血鬼と化してしまったのである。
 ある日、サンヒョン神父はひとしたことで幼なじみのガンウ(シン・ハギョン)に再会する。ガンウの母ラ夫人(キム・ヘスク)に誘われ、彼らの家に訪れたサンヒョン神父は、ガンウの妻テジュ(キム・オクビン)と出会う。ガンウ親子に虐げられながら生活するテジュと、世の中の持つ欺瞞に隔たりを感じてしまっているサンヒョン神父は、いけないと知りながら次第に引かれ合い、やがて一線を超えてしまう。そしてサンヒョンの血に対する渇望は、彼女との情事を繰り返す事でなんとか解消されるのだが…。



 結論から言いますと、すごいよ、この映画は。皆さん、趣味とか偏見とか色々おありなのは存じ上げますし、けっこうグロいシーン、ブラックジョーク、生々しくエロいシーンなどたくさんあって、かなりアクが強い作品となっていますが、日本映画界が『ハンサムスーツ』を撮っている間に、韓国の映画業界はこんなすごいことになっているのかっていう、そりゃ真央ちゃんもキム・ヨナに負けるよっていう。あんまり傑作にごたくを並べるのもいかがなものかとは思いますが、このブログの存在意義が無くなってしまうので、御託並べます。今回はこの映画が本気で「愛」を描いた「無類のラブストーリー」であるってことを論旨にして感想を書いていきたいと思います。

 本作のテーマは「愛と欺瞞」ではないかと考える。「愛」って言っても色々で、恋愛、性愛、親子愛、そして神の愛、様々な形の「愛」が持つ「欺瞞」を本作は描いている。世の中は様々な「欺瞞の愛」で満ち満ちている。上辺だけのおべっか、気休めなだけの救い、性欲だけのセックス。そこに疑問を感じることは生活していればしょっちゅうだ。ただそこにいちいち突っ込んでいたら社会生活なんて出来やしない。むしろ社会は「欺瞞の愛」があればこそ、成立出来ていると言っても過言ではない。ただ、欺瞞を見破らず、本質を一切見ないでいることほど恐ろしいこともない。それこそ『マトリックス』みたいである。そこで全ての「欺瞞」を剥いだあと、そこに「愛」は残るのだろうか? 本作は、普段生活していて、あまり触れられたくない、目を向けたくない、そういった真実に、絶妙のロマンスと恐怖と笑いをおりませながら、冷徹に我々の目を向けさせようとする。


 本作の冒頭のショット。病室の真っ白な壁にうつる木々の薄気味悪い影が、サンヒョン神父の、気休め程度の言葉で、死にいく重病人を騙している、自身と宗教に対する不信感をうまく表していると思う。韓国はキリスト教人口が国民の28%もいるのに、こんな挑発的でいいんだろうか?

 そんなわけで宗教に欺瞞を感じていたサンヒョン神父は、それでも真の「愛」から来る「善行」はあると信じる。やがて吸血鬼という、欲望だけの存在になったあとでも、彼はそういった「愛」の存在を信じつづける。

 そこに現れる欲望の権化たる女性テジュ。吸血鬼の身体が欲する血液への食欲と、彼女に感じる性欲は、サンヒョン神父の持つ薄っぺらい欺瞞をどんどん剥いで行ってしまう。いままで禁欲的に生活してきたサンヒョン神父が、その緊縛からついに解放され、テジュと一緒に跳躍するシーンに流れるタンゴ調の音楽の、えも言えぬ背徳的でロマンチックなカタルシスがすばらしいです。それと役者の瞳。物語の冒頭で死んだようだったサンヒョン神父とテジュの瞳が、物語中盤頃からしだいにギラギラしてくる。特にテギュの瞳はなんていうか、肉欲的。エネルギッシュにエロい。生命に対する執着がものすごい。彼女を演じるキム・オクビンさん、ありえないくらい美しいです。物語が進めば進むほど美しくなっていく。TVドラマとかで活躍していた人らしいけれど、すげー女優が出てきました。
 「瞳」と言えば、物語終盤のラ夫人の持つ恐怖と笑いを併せ持つ「ある瞳」もものすごいんだけど、ネタバレになりますので…。というか、全体的にこの映画、役者がすばらしいです。

 性欲に溺れるだけの関係を、「愛」と思い、そういった「欺瞞」によってなんとか現実より目を背けていたサンヒョン神父とテジュは、中盤、ある恐ろしい犯罪を犯し、その罪悪感に苛まされることで、現実に直面し彼らの関係を保っていた最後の欺瞞すら剥がされてしまう。しかし、それでもそれでも真実の「愛」を求めるサンヒョン神父。ここで、とある衝撃的なベッドシーンがあるのですが、そのパク・チャヌク監督の悪趣味ブラックコメディここに極まれりといったショットは映画史に残していい濡れ場。

 サンヒョン神父に残された最後の「愛」の希望であるテジュ。だが、彼の気持ちとは裏腹に、テジュは次第に欲望だけの怪物になっていく。
 冒頭のショットと正反対にまったく影がなくなった部屋、そして物語の最後に彼らが向かう場所が表すように、全ての「欺瞞」が取り払われたまっさらな状態になった時、そこに残ったものは、あまりにむき出しで、可笑しくて、憎しみがどろどろしていて、エゴの固まりで、まったくもってロマンチックではない醜い「本質」。それを「愛」と呼べるのか否か。いままで星の数ほど語られてきたラブストーリーで、ここまで「愛」の本質に迫った映画も珍しい。あぁ最近『愛のむきだし』って傑作日本映画がありましたが、あれと同レベルで、本作のラストシーンは本質的な「愛」を描いていると感じた。

 以上のような理由で『渇き』はすげえラブストーリーではないかと考えます。

 てな感じで、今回もベタ褒めしてみました。いい映画の感想を書くのは疲れるし、難しいです。言葉で表現出来ないことを映像で表現するのが映画だなっていう感想を書いた感想。なんだかよくわからない人は観たらいいんじゃないかと思います。
 評価はね、仲里依紗レベル。『時かけ』も観に行かなくちゃね。

 次回はやたらと評判の高いモデルアニメーション映画『コララインとボタンの魔女』の感想を書くよ。
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  1. 2010/03/12(金) 03:37:31|
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