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『昼間から呑む』で頭ハイサワーだよ。

昼間

 今回は『昼間から呑む』という韓国のインディーズ映画です。

 観に行った映画館はシネマート新宿。ここは作品の規模に対して映画館が大きいから好きです。1日1回の上映ということで少し混んでました。一人客の中年男性が多めでした。


概要:2009年の韓国映画。監督・脚本・撮影・編集・音楽はノ・ヨンソク。これがデビュー作。
 酒の席で彼女にフラれたヒョクチン(ソン・サムドン)を慰める3人の友人たち。彼らはその場の勢いで、明日みんなで傷心旅行に繰り出そうと盛り上がる。翌日、待ち合わせの場所にヒョクチンが来てみると、残りの3人は全員ドタキャン。仕方なく見知らぬ雪景色の田舎町を彷徨い、主人が友人の知り合いだというペンションへと向かうヒョクチンだったが…。
("allcinema online"より抜粋)


 僕自身は、嫌なことがあったときあまりお酒に頼る人ではないのですが、まあお酒に走りたい人の気持ちはよくわかる。感覚を麻痺させてくれるし、実際二十歳のとき、当時相当入れ込んでいた女の子にこっぴどくフられ、慣れないお酒で頭をバカにしようとしていたこともある。

 『昼間から呑む』はそんな"人とアルコールの関係"を「旅」に置き換えて描いたロードムービーだ。


(1)ところで『神々と男たち』は生活と宗教の密接な関わりについてを描いた映画であった。人はあまり真面目に現実と向き合っていると気がふれてしまう。そのため現実をファジーに見せるフィルターの役割を与えられているのが宗教であった。
 また『エンジェル・ウォーズ』の空想世界も目を背けたくなるような厳しすぎる現実を誤魔化すための装置であった。
 そう言えば冒頭の話に戻るが、失恋に苦しんでいた僕は、現実から逃げるためアメリカに留学するとか言っていた。

 そう考えたら"宗教"や"空想"や"傷心旅行"は"酒"のようなものである。あまりにシビアでつらい現実をぼやかしてくれるお手軽アイテムだ。
 そして酒がそうであるように、もちろん現実逃避は必ずしもいいことばかりではない。リスクも多い。


(2)少し話は飛ぶが『昼間から呑む』はまるでよくある呑み会の席のような映画である。
 付き合いで参加せざるを得なくなりいざ行ってみたら浮いていて、場に溶け込むこともできず、かといってひと足先に帰ることもできず、「まあカワイコちゃんもいるし」ってな具合にずるずると二次会、三次会と参加していくうちに、記憶は曖昧になり、散々失態をこなして「もう二度と酒なんか」なんて思うけど、どこかでまた思考を麻痺させたい願望があって結局同じことを繰り返してしまう。
 本作はそのような「呑み会あるある」を、同様に現実逃避ツールである「旅」に置き換えている。

 本作の主人公ヒョクチンも彼女にこっぴどくフられ、ヤケになって思考を放棄してしまっている。冒頭の居酒屋のシーンでも友人たちとの会話にまるで参加していない。友人たちはヒョクチンのことを語っているのに、まるで他人事である。自分の殻に閉じこもるのに夢中でコミュニケーションなどする暇はない。
 (※)一方で友人たちもいい。主人公のことを心配しているようで、彼の失恋を肴にバカ騒ぎしたいだけの無責任さ。観客のこの映画に対する信頼感をガシッと掴む。

 そんなわけで、友人たちが勝手に盛り上がり、行きたくもない傷心旅行に行くことになるヒョクチン。行きたくなければそう言えばいいのだが、彼は今思考を放棄中で、流されるように従ってしまう。そして思考を放棄したい者にとって"旅(=酒)"はうってつけだ。

 思考を放棄して昼間から酒をかっくらい現実を見ない主人公は道中散々な目にあいまくる。
 泊まるペンションを間違えてこわい管理人にど突かれたり、いざ帰ろうと思ったらカワイコちゃんに誘われバス停で呑んでいたら一日一本のバスを乗り過ごしたり、突然芸術を語り出す変なオバサンにペースをかき乱された挙げ句突然キレられたり、先ほどのカワイコちゃんと彼女に同行するチンピラに再会したら散々呑まされた挙げ句財布盗まれたり、助けてくれたオジサンには犯されそうになったり…昼間から酒を呑んで自分で思考などしないものだから、周囲に散々いいように食い物にされてしまう。
 それなのに「次こそは次こそはもしかしたらなんかいいこと起きるかも」といった具合に二次会、三次会とズルズル参加してしまう。

 2時間の上映時間のあいだずーっと呑んでいるものだから、観客もいささか酔いが回ってきて映画に対する思考を放棄してしまう。主人公とともにだらだらと流されるままズルズルと旅を続けて、主人公とともに酷い目に会う。

 これだけだと「酒など金輪際一滴も呑むものか」って気になるけれど、そうやって酒(=旅)を続けていくうちに主人公と、彼と一緒に酔っ払った気分になってしまった観客は、"失恋"のことをすっかり忘れてしまっていた。
 その時はまるで世界が崩壊したかに見えた大失恋は、ひどい酒(旅)のあとだとそこまで大した問題ではなくなっていた。


(3)酒も旅もまあロクなものじゃない。金はかかるが手元には何も残らず、毎年毎年何人もの人がそれが原因で亡くなっている。ロクなもんじゃない。
 それでも我々がそれらとの付き合いをやめられないのは、思い込めば思い込むほど酷いものに見えてくる現実を、「そんなに酷いものではないよ、考えすぎだよ」と教えてくれるからだ。
 そしてそれは多分本作をはじめとする「映画」にもそのまま当てはまることなのだろう。
 本文で多様した「思考放棄・現実逃避」なんていうと言葉が悪いけれど、酒と旅と映画が手を添えることで世界はしらふの時より少しだけ楽しく見えるかもしれない。だから人はそれらと縁を切れないのだ。

 本作の寒々しくまるで楽しそうに見えない映像は、酒の演出を経てラストになるにつれ、多少は楽しく感じてくる。

 そしてラストシーンの演出がニクい。酒と旅にはもうこりごりのはずのヒョクチンのはずだが、まだまだ旅は終わらなさそうだ。


(4)初日はマッコリを配っていたそうですが、鑑賞中焼酎片手に見たら主人公とのシンクロ率がハンパなく、面白さも数倍増しになるそうです。
 呑み会いくならそのお金で映画を5本見て、旅行にいくお金があるならば映画を10本見たいあなたにオススメ。

 優木まおみレベル。

 次回なのですが、今年になって1回しかサイコロを転がしていません。そもそも『タマフル』シネマハスラーみたいなことやりたいってな調子で始めた当ブログですから、『ブラック・スワン』やら『ダンシング・チャップリン』やら『八日目の蝉』やら観に行かなければならない作品がたくさんあるなか、アイデンティティを取り戻すべく、転がさせて頂きます。せいや!!


1枠.『ジャッカス3D』…この手のアメリカ製ハチャメチャドキュメンタリーは取り扱っていなかったので。わりと論じ甲斐がありそうな気もします。

2枠.『名探偵コナン 沈黙の15分』…アニメ枠。『豆腐小僧』とどちらにするか悩んだのですが、こちらの方が見なさそうなので。『コナン』と言えば『コナン・ザ・グレート』だよね!? 「身体はシュワちゃん!頭脳は大人!」の決めセリフで有名な。

3枠.『富江 アンリミテッド』…Jホラーは一応抑えておきたいところ。『富江』シリーズ全然見ていないです。

4枠.『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』…こういう人が流行っているのも知りませんでした。見た人がどんどんハマっていくそうです。なんかおススメされました。まぁこういうのも扱ったことないし。

5枠.『これでいいのだ!!映画赤塚不二夫』…赤塚不二夫先生は大好きなので観に行こうと思っていたんですが、なんか…東映だし…君塚良一だし…男ドブス武居俊樹が堀北真希だし…。

6枠.『少女たちの羅針盤』…なんか評判いいらしいですが、暇がなくて多分観に行かないから。カワイコちゃん出ているので気になりますが。

 さ!!

 まいります!!!

 今回は手元にサイコロがなかったので、こちらのサイトでふってみます。

 ぽちっとな。

 2枠!!

 『名探偵コナン 沈黙の15分』!!
 わー、全然見る気ない映画だー。
 多分、そこまでつまらなくもないよ。
 てなわけで、次回は『コナン』を観に行きます。『コナン』、ほとんど知識ないんですが。時間があったら『赤塚不二夫』も見ますね。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/05/18(水) 23:37:52|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:3
  4. | コメント:0
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昼間から呑む

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