かろうじてインターネット

「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『処刑剣 14 BLADES』は多分内容をすぐ忘れるよ。

処刑剣

 そんなこんなで今回はみんな大好きドニー・イェン師匠主演の『処刑剣 14 BLADES』の感想でございます。

 観に行った映画館はシネマート六本木。ファーストデイで1000円の日だったのでそこそこ混んでいました。客層は一人客のオジさんが半分、半分が女性。女性!? この映画館は韓流にかなり力を入れているので、その流れで予告を見た女性の韓流ファンが流れてきたのだろうか? それとも水曜だったからレディースデイで多かったのか。


概要:2010年の中国映画。監督・脚本・美術は『ドラゴン・スクワッド』『三国志』のダニエル・リー。
 14世紀後半から200年以上続いた明王朝時代。それを影で支えていたのが秘密警察“錦衣衛”の存在だった。錦衣衛はいつしか、反体制派を抹殺する暗殺集団に変貌していた。そのリーダーを務める青龍(ドニー・イェン)は、チン親王(サモ・ハン)と共謀して現体制の転覆を企む朝廷最高位の宦官ジア(ロー・ガーイン)の陰謀に巻き込まれ、あろうことか無実の罪で錦衣衛に追われる身となってしまう。深手を負った青龍は、身分を隠してヨンが営む運送屋“正義護送屋”に逃げ込み、京城までの護送を依頼する。護送の旅にはヨンの娘ホア(ヴィッキー・チャオ)も同行し、やがて青龍に好意を抱き始めるが…。
("allcinema online"より抜粋)


 『イップマン』2作がたいへん素晴らしく、『孫文の義士団』もなかなかの佳作だったので、もうドニー・イェン主演ならとりあえず見ておこうと、勇んで見に行ってまいりました。

 そもそもジャンルムービーであるこういう映画はこの前の『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』同様に、細かいストーリー展開やセンスにいちいちツッコミを入れるのは無粋というもの、本作に関して言えば観客としてはアクションを楽しめればとりあえず満足なわけで、ぼくもご多分に漏れずドニー・イェンのアクションを楽しみに行ってまいりました。
 が、結論から言って不満が残る出来でした。
 今回はそんな本作のアクションについてあれこれ。


(1)まず良かった点なのですが、例えばドニー・イェンのデザイン
 奇妙な箱型の武器"大明十四刀"を担いだ、中華風な一方でどこかウェスタンヒーローのような風体はどこからどうみても「ヒーロー」のスタイルで、こいつがどんなアクションをするんだろうと想像するだけでたまらなくワクワクする。
 それでその箱型の武器から変なワイヤーが飛び出してバットマンのように宙に舞ったり、と思いきや今度はボーガンになったり、剣が飛び出たり。『007』のQもびっくりな秘密兵器っぷり。
 『エクスペンダブルズ』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』がそうであったようにアクション映画というのはまずヒーローありき。その点において本作の青龍や大明十四刀のデザインは成功していると思う。
 キャラクターデザインという点ではサイドキックのような砂漠の判事・天鷹幇(ウーズン)や悪役の美女トゥオトゥオ(ケイト・ツイ)、両義足のチン親王(サモ・ハン)もなかなかよかった。

 それともちろんドニー・イェンの一つ一つの動きは解説をする余地などないほど素晴らしい。穏和な『イップマン』とも、三枚目の『孫文の義士団』とも違うマッチョで破壊的な魅力にあふれている。
 砂漠の判事も初期『ドラゴンボール』のヤムチャのようでなかなかイカしたアクションを披露してくれてました。


(2)上記のように単純な「動作」はとてもいいのだが、その動きを"流れる格闘アクション映像"として見たとき不満が残る。
 上記ドニー・イェン主演三作品が何が良かったかって、香港アクションというけっこうガラパゴス化したジャンルムービーの基本はきちんと踏まえ、その特異なアクション描写を「格闘技と身体論」「作られる歴史」というテーマにきちんと絡めて描いた点にあると思うんです。だからアクションひとつひとつに"物語の重み"があった。パンチ一つにテーマやストーリーがあった。
 その点において本作『処刑剣 14 BLADE』はいまいちそのテーマ性とアクションを絡めていないように感じる。”使命と尊厳”といったテーマ性もきちんとしているし、アクションももちろんすごいのだけれども、ドニー・イェン演じる青龍のキャラクターや葛藤が彼のパンチやキックにフィードバックされていない。なんというか、色気が感じられないのだ。そこに本作に対する不満がある。

 例えば冒頭の冷酷な殺人マシーンとなっていた青龍のアクションも、冷酷非道にしては華麗すぎるし、彼が自らの尊敬を守るため兵団を裏切るところに明確な変化を表すアクションがないから彼の変化が観客にいまいち伝わりづらく、それ故に「正義」となった彼のアクションもなんともキャラクター性がはっきり見えづらいのだ。


(3)もう一つアクション面の不満点として、格闘アクションの見せ方もちょっと安っぽいところ。
 貧乏なマイケル・ベイ的というべきか、チープなジョン・ウー的とでもいうべきか、アップショットと細かいカット割、キメ絵にはスローモーションの連続で、何が起こっているか分かりづらく、せっかくのアクションスターたちの流麗な演舞のごときアクションがうまく見せられてはいない。

 例えば『イップマン』『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』『アイアンマン』などを見るに、オーソドックスに引きめのショットでカメラや編集はなるべくわかりやすくして、アクションのリズムや効果音でスピード感や迫力を見せるのが最近の主流だとは思うのだけれど、その点本作のアクション描写は見づらい上にいささか古臭く感じてしまう。

 このように、(2)(3)のような点において本作のアクションに不満が感じられた。


 以上、キャラクタデザインや単発的な動きは楽しく、それだけでいいっちゃいいのですが、そんなアクションを上手く活かす演出が出来ていなかったかなーといった感想でした。素材が素晴らしかっただけに、それを料理する手腕が足りなかったかなと。


 他にも、『イップマン 葉問』で健在っぷりを見せてくれたサモ・ハン・キンポー師匠がアクションしないこととか、最後の敵がトリッキーなタイプの女性キャラトゥオトゥオなのはなんか盛上がらないこともアクション映画として不満が残る。
 あとストーリー、もっと単純明解シンプルにしてもいいんじゃないかな、とか。
 
 ま、ドニー・イェン師匠を見るだけなら、そんなに悪くはないのかもしれません。

 小松彩夏レベル。

 次回はフィリップ・K・ディック原作、マット・ディモン主演のSFアクション『アジャストメント』の感想です。
スポンサーサイト

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/06/10(金) 12:36:17|
  2. 映画サ行
  3. | トラックバック:6
  4. | コメント:2
<<『アジャストメント』ヌルいニーチェだよ。 | ホーム | 『ゲンスブールと女たち』はオシャレ『まんが道』だよ。>>

コメント

こんちは。
タイトルに笑った。
でもまあ、すぐ忘れる事ができるというのはアクション映画にとって美点の一つである気もします。
  1. 2011/06/11(土) 01:17:41 |
  2. URL |
  3. ふじき78 #rOBHfPzg
  4. [ 編集 ]

>ふじきさま

こんにちは。バブル時年代のバンダムやラングレンの筋肉映画たくさん見たけど思い返したらまるで覚えていないや。そこんとこスタローンやシュワちゃんやジャッキー・チェンの映画はきちんと覚えているのを思うにちゃんと作られていたのだろうか。
  1. 2011/06/11(土) 14:02:52 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://karoujite.blog104.fc2.com/tb.php/279-eedda1ff
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

処刑剣 14 BLADES

中国は明の時代に実在した「錦衣衛」と呼ばれる秘密警察、その指揮官の主人公が宮廷の陰謀に巻き込まれて追われる身となるも、陰謀を解き明かし己の使命を達成すべく反撃を開始する。主演は『イップ・マン 葉問』のドニー・イェン。共演に『レッドクリフ』のヴィッキー・?...
  1. 2011/06/10(金) 15:08:51 |
  2. LOVE Cinemas 調布

『処刑剣』をシネマート六本木1で観て、ドニーが好きだよふじき☆☆☆

五つ星評価で【☆☆☆でもドニーが好き】 ドニー・イェンが組織に裏切られる秘密警察の冷酷な長官を演じる。 ちょっと珍しいのは、こういう映画の場合、自分の立場が変わる事で ...
  1. 2011/06/11(土) 01:18:12 |
  2. ふじき78の死屍累々映画日記

映画「処刑剣 14BLADES」ドニー・イェンの顔が怖い

「処刑剣 14BLADES」★★★☆ ドニー・イェン、ヴィッキー・チャオ、 ウーズン、ケイト・ツイ、チー・ユーウー、サモ・ハン 出演 ダニエル・リー監督、 113分、2011年5月28日, 2010,中国,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (原作:原題:14BLADES )   ?...
  1. 2011/06/13(月) 07:27:12 |
  2. soramove

処刑剣 14 BLADES

「イップ・マン 葉問」「孫文の義士団」のドニー・イェン主演で贈る歴史 アクション活劇。明時代につくられた秘密警察“錦衣衛(きんいえい)”を 題材に、その指揮官を務める主人公が、自分を陥れた卑劣な陰謀に立ち向かう 姿を、迫力のアクション満載で描く。 共演は…
  1. 2011/06/23(木) 00:39:04 |
  2. だらだら無気力ブログ

処刑剣 14 BLADES

14 BLADES 錦衣衛/10年/中国/113分/武侠アクション/劇場公開 監督:ダニエル・リー 脚本:ダニエル・リー 美術:ダニエル・リー 出演:ドニー・イェン、ヴィッキー・チャオ、ウーズン、チー・ユーウー、ケイト・ツイ、ロー・ガーイン、サモ・ハン <ストーリ...
  1. 2011/12/04(日) 02:58:21 |
  2. 銀幕大帝α

処刑剣 14BLADES

ドニーさん、ドニーさん!格好いいよドニーさん! 相変わらず無敵なドニー・イェンさん、ヴィッキー・チャオさん、サモ・ハン(友情出演?)さんなどが出演。 ドニーさん演じる主人公・青龍は特殊部隊「錦衣衛」の長官で、彼の背負うギミック箱には「大明十四刀」が納め...
  1. 2012/02/23(木) 09:14:19 |
  2. いやいやえん

FC2カウンター

プロフィール

かろうじてアメリゴ・ベスプッチ

Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
 映画のこととか長々と書くブログです。
 たまに映画以外のことも書くよ。
 コメントくれたら嬉しいです。
 更新あんまりできないけれど。
 あと現代人なのでtwitterを始めました。
 chikiuso2800って名前。
 ご意見、ご感想、取り上げてほしい映画のリクエストなどございましたら、コメント欄か上記twitterIDにてお知らせください。

 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

Twitter on FC2

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

映画ア行 (36)
映画カ行 (51)
映画サ行 (35)
映画タ行 (28)
映画ナ行 (8)
映画ハ行 (40)
映画マ行 (17)
映画ヤ行 (4)
映画ラ行 (14)
映画ワ行 (1)
2010年度映画ランキング (3)
少年ジャンプ (47)
特集 (3)
謝罪 (2)
未分類 (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。