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『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』は僕らの友達だよ。

ハングオーバー2

 こんばんは。今回も真面目に更新するよ。
 今回は『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の続編、『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』の感想です。

 観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。ここは日本で数少ないR-18バージョンでの公開でして、これはもう絶対R-18で観に行くのが得策ですよ。あとラジオで宇多丸さんがいっていましたが海外製コメディを見る時は外国人と一緒に限るので、ここは外人も多くてオススメです。どんなくだらないことでも爆笑していた。客層はオジサンオバサン外人サンが多め。割と混んでいました。


概要:製作・監督・脚本は前作と同様『デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』のトッド・フィリップス。音楽は『RED/レッド』『バーレスク』のクリストフ・ベック。
 2年前にラスベガスで散々な体験をしたフィル(ブラッドリー・クーパー)、ダグ(ジャスティン・バーサ)、ステュ(エド・ヘルムズ)の悪友3人だが、このたび歯科医のステュが晴れて結婚することに。しかも結婚式の舞台は、花嫁の両親の出身地、タイ。前回の二の舞だけは避けたいステュは、問題児アラン(ザック・ガリフィナーキス)の招待に二の足を踏むが、義兄ダグに懇願され渋々了承するハメに。こうして異国の地タイへと降り立った4人。花嫁のまじめな弟テディ(メイソン・リー)も交えて、大人しく結婚式を迎えるはずだった。ところがその夜、一行は軽くビールを口にしただけのはずが、翌朝目覚めてみると、またしてもひどい二日酔いで昨夜の記憶が飛んでしまっていた。自分たちのいる場所も分からないばかりか、アランの頭は丸坊主で花婿ステュの顔にはド派手なタトゥー、おまけにテディは行方不明。そして、なぜかベストを着たサルが。結婚式が明日に迫る中、大混乱のフィルたちは、何はともあれテディの捜索へと繰り出すのだが…。
("allcinema online"より抜粋)


 何が笑えるかって、それは上質なコメディ映画でも古典落語でも吉本新喜劇でも下世話なテレビバラエティでもなく、一番仲の良い友人たちと騒ぐことだろう。ビール片手に「あのときああだった」とか「あいつのオッパイが云々」とか内輪ネタで盛り上がることができれば、例え十代ではなくとも箸が転んでも笑える状況となる。
 『ハングオーバー!』の続編となる本作は、そんな内輪ネタの楽しさをなんとか映画で再現できないかと奮闘しているように見える。


(1)『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』などのジョニー・トー作品や、ロバート・ダウニー・Jr.の『シャーロック・ホームズ』、この前の『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』、またはあまり成功はしていなかったが『シュアリー・サムデイ』、あとは『セックス・アンド・ザ・シティ』やら女子会ブームやら、最近、異性厳禁の同性だけでキャッキャとバカ騒ぎするものが流行っている。いわゆる"ホモソーシャル"というやつだ。

 本作にはやたらとフレーム内に主要登場人物(主にアラン、ステュ、フィルの三人+α)が揃って写るショットが多い、彼らが初登場するショットもフィルのアップからぐっとカメラが引くと3人一緒だし、ラストショットも「狼軍団」全員集合ショットだ。彼らは男だらけのチーム、最近の言葉を借りれば、ホモソーシャルの最もポピュラーな形としての「チーム男子」だ。

 同性同士キャッキャすることの何が楽しいって、本作の終盤でステュが「僕には暗黒面がある」と言っているが、いいこちゃんぶらずに腹を割って暗黒面をさらけ出せるからであろう。
 人は皆、汚くてバカで浅はかでズルくてエロい、でもそんな恥ずかしいこと他人には見せられない。本作のステュのように、一生懸命隠して生活している。だから気の合う仲間と酔っぱらった時くらいは、普段欺瞞臭く隠蔽されている"暗黒面"をさらすのはとても楽しいのだ。後にどんな後悔が待っていようと。


(2)ただし、そんな「暗黒面」をさらけ出すことは既にパート1でやっている。では本作は前作と何が違うのか

 三人の友情を築くことはとりあえず前作でやっておいた。だから続編である本作は、友情の芽生えを描く必要がないぶんその友情をによってより腹を割って暗黒面を見せていく必要がある。何故ならコメディやホラーやアクションのパート2は、基本的にパート1よりずっとド派手でなくてはならないからだ。『イップマン 葉問』『アイアンマン2』などはきちんとそのルールに従っていた。
 で、本作もその「パート2の伝統」に倣っている。「暗黒面」がドス黒いのだ。

 例えば前回のラスベガスに対し、今回の舞台はタイのバンコク、あの旅行に行くとどんな堅物でもハメを外してしまうと言われる魔都だ。劇中「バンコクにとらわれるな」というセリフが何度か出てくるが、呑気で明るい反面、犯罪の温床という計り知れない"暗黒面"を持つこの街では、前回のラスベガス以上にひどいことが起きないはずはない。
 前回歯科医なのに歯をなくしていたステュは、今回顔面に巨大なタトゥーを刻んでしまうし、前回は美人ストリッパーと一晩を共にしたが、今回はニューハーフにオカマを掘られる。
 アランの社会性の無さはもはや怖さすら感じるレベルだし、気取り屋のフィルだって銃で撃たれる。
 パワーアップしたといえば彼ら3人に加えて、彼らと争ったチャイナマフィア(多分)のMr.チャウ(ケン・チョン)が仲間に加わり、「暗黒面」の悪ノリはより暴走。悪役として登場した前回はファニーすぎてあまり笑えなかったのですが、仲間として登場すると相当クレイジーで頼もしい(?)言動で彼らの珍道中をよりハードでディープで真っ黒なギャグに晒してくる。

 そのようなよりハードな展開のなか、特にひどい「暗黒面」を見せるのが今回初登場のステュの義弟テディだ。16にして天才外科医の卵であり、チェリストでもある彼は将来超有望な好青年であるが、"狼軍団"のバカ騒ぎに参加したことで暴走、ヘラヘラ笑いながら指を一本自ら切り落としニコニコ笑うことがエンドクレジットで判明する。そこだけ見たら猟奇的にも見えなくもないこのショット、観客は笑えるのか――少なくとも僕はいちばん笑ってしまった。なぜなら"暗黒面"は行き過ぎると笑えないが、それすら酔いの勢いのせいにしてしまうこのショットによって、倫理感のリミッターが外されてしまったからだ。
 このように本作は前回よりずっと悪ノリして、より「同性だらけの暗黒面」をさらけ出してくる。


(3)続いて観客をも巻き込んだ"身内感"について考えたい。

 冒頭に書いたように"同性だらけの暗黒面"="身内"だ。「こんな酷いことしているのに、俺たちだからわかる、俺たちだけにはわかる」という内輪の感覚だ。

 今回目立つのが、スラプスティックコメディの続編における定石――繰り返しの笑いだ。
 フィルの電話で始まり、何がなんだかアランが旅に参加し、酒を呑んだ瞬間時間と記憶が吹っ飛ぶ。ステュの顔は変形しており、メンバーの一人が行方不明。部屋には謎の動物など昨晩の狂乱の痕が…。そのあとも前作同様のことが繰り返され、その度にいちいち前回の騒動を思い出し震え上がるステュとフィル。

 『男はつらいよ』シリーズのオープニングの喧嘩みたいなもので、きちんとパート1も通して見ている観客は確実に笑える定石ギャグだ。ここのような繰り返しギャグにより観客との関係性の強化が行なわれる。「『パート1』を見ている俺だけにこいつらの面白さがわかる」と観客に感じさせ、より"うちわ感"を高めるのだ。
(ただまあ『ハングオーバー!』は既に敷かれたレールに従うのではなく、もっとパンキッシュな笑いを追求して欲しく、きちんと定石踏まえてきたのは少し残念っちゃ残念。定石をぶち壊してこそ『ハングオーバー!』のギャグだろうに)
 

 また登場人物たちのキャラクターデザインにも"身内感"がある。
 最近のコメディの傾向として、ベン・スティラーにせよジャック・ブラックにせよ、ひと昔前の人気コメディアン(マイク・マイヤーズやローワン・アトキンソン、エディ・マーフィなど)に比べ、より一般人っぽくなっている傾向がある。ステュ役なんて『ロスト・アイズ』の犯人くらい見た目に印象がない。
 また若者ではないのもポイント。この手の悪ノリコメディは『アニマルハウス』にせよ『ウェインズ・ワールド』にせよ『ジャッカス』にせよ主役が若いというのがお決まりだったが、本作の主人公たちはアラフォーのオジサンたち。
 面白い見た目の若者がバカやるより、普通のオジサンがバカやる方が観客にとって意外性も共感性も高い。

 このようにして『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』は観客をも巻き込んで"身内感"を高めているのだ。


 以上、『ハングオーバー!!』は様々な手法をもってして、観客に登場人物たちを仲間と思わせて盛り上げている。映画が進んでいくに連れ、観客は彼らの親友となり、悪くてハチャメチャで、でもとびきり楽しい旅に出ることが出来る。この旅はアランならずともクセになる。また一緒に行きたいものだ。


(4)不満点はいくつかあって、まず一番の不満は「パート1」に比べてミステリー要素・ストーリー性やテーマとなる友情要素が少ない。友情が崩れるピンチなど欲しかった。
 フィルの容姿をじるギャグがないのは前回に引き続き不満。せっかくのイケメンなのに、イケメンならばカッコ悪く崩れていくのがセオリーじゃね?

 あと、ステュの新しい奥さん役のジェイミー・チャンがすっげー可愛かったです。

 次回作は、あるとしたら、今回のように「パート1」の繰り返しではなく、全部をめちゃくちゃに破壊するストーリーを作りたいそうです。是非、テディとミスター・チャウを入れてお願いしたいです。
 
 Rioレベル。

 次回は何が何だかやたら流行っているそうです。『ムカデ人間』の感想。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/07/28(木) 22:41:14|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:3
  4. | コメント:4
<<『ムカデ人間』は孤独と葛藤する新たなホラーヒーローだよ。 | ホーム | 『ロスト・アイズ』でむしろよく見えるよ。>>

コメント

『僕の中には、デーモンがいる』
『ザーメンもでしょ』

さいっこーですわ~
  1. 2011/07/29(金) 03:32:24 |
  2. URL |
  3. 男爵改めJAZZ•パチーノ #-
  4. [ 編集 ]

TBありがとうございました

やっぱりR18版で観ればよかった。
そこがちょっと悔やまれます。
  1. 2011/07/30(土) 14:32:21 |
  2. URL |
  3. ナドレック #cxq3sgh.
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>男爵改めJAZZ•パチーノさま

 こんにちは。
 ステュが変な性病にかからないように願うばかりです。
  1. 2011/07/31(日) 02:46:07 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

Re: TBありがとうございました

>ナドレックさま

 こんにちは。
 やはりあの大画面にドーンと出るアレは、インパクトがすごかったです。
  1. 2011/07/31(日) 02:47:08 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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