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『ハート・ロッカー』は登場人物がみんなレザー・フェイスだよ。

ハートロッカー

 あんまり毎日のように更新していると、ここでちょっと書くマクラの文章もネタがあんまりないや。
 また東映の差し金みたいなマネしますが、『仮面ライダー龍騎』のハリウッドリメイク版『仮面ライダードラゴンナイト』の日本での地上派放送は、関東だとテレビ朝日で4月1日より毎週木曜26時40分から、関西だと朝日放送にて4月6日より毎週火曜日26時16分から全14話での放送だそうですよ。
 そもそもあんまり『仮面ライダー』シリーズの原型をとどめていなかった『仮面ライダー龍騎』の原型すらとどめていないっていう。日本語吹き替えの声優陣は平成ライダーシリーズにゆかりのある人ばかりで、そこら辺楽しみにしております。
 あ、本国アメリカではもうすでに打ち切られて放送終了しているそうな。ずこー。


 てなわけで、今回は、お前ら待たせたな、キャサリン・ビグローが元旦那の監督した『アバター』を押しのけ見事オスカーを手に入れた『ハート・ロッカー』の感想でござい。今回はさくさくいくよ。

 観た映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。アカデミー賞効果かしら、この手の映画って日本じゃあんまり流行らなそうだけど、月曜夜にしては入りはそこそこ。映画好きっぽいのからミーハーっぽいカップルまで、老若男女様々いました。そもそも話題作の割には上映館があんまりないんですよね、この映画。

 
ストーリー;2004年、イラクのバグダッド郊外、そこに駐在している米軍危険物処理班であるブラボー中隊は日々、一手間違えれば即死という恐怖と戦いながら、いたるところに仕掛けられた爆弾を処理し続けている。前任者の爆死により、そこに新たに配属された班長ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)は、そんな恐怖をものともせず、命知らずかつ無鉄砲にゲームでも攻略するかのように爆弾を処理していく。彼は現実と真っ正面から向き合わないことによって、感情があらわになることを抑え、爆弾処理の恐怖を無視していたのである。しかし、そんな彼も、顔見知りの現地の子供が、人間爆弾に改造されたのを知り、現実に対し無関心ではいられなくなって…。


 あの、私、いい歳なんですが、もう信じらんないくらい、もうあり得ないくらい、政治に興味無いんです。非実在青年保護なんたらを山本モナが支持していることや鳩山邦夫が新しい政党作ろうとして誰も集らないのは知っているけれど、それ以上のことはまるで知らないんです。『仮面ライダードラゴンナイト』の放送開始日くらいしか知らないんです。でもアメリカのイラク侵攻に「他者への意識」を感じないとか散々言われていたことは知っております。そんなわけで、『コララインとボタンの魔女』『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』とディスコミュニケーションをテーマに扱った作品の感想を立て続けに書きましたが、今回もまたディスコミュニケーションの物語。ただ、この作品のディスコミュニケーションは本当に恐ろしい。『ローズマリーの赤ちゃん』いや『悪魔のいけにえ』の常識の通じ無さくらいぞっとする。登場人物みんなレザー・フェイスみたいな。今回の論旨はそんなところ。


 「他者への意識」を感じられないという病理は現代のいたるところに見受けられます。例えば星の数ほどあるブログにはこういった他者を意識出来ていないブログがございます。もっと読みやすく短くまとめろよ、とか、すぐ脱線してんじゃねーよとか。まぁ自虐ネタはさておき、この作品本編にも様々な箇所で他者を意識出来ていないことを表現したシーンが見受けられます。

 まず印象的な冒頭のシーン。イラク郊外で日常生活を営む街の人々を満遍なく映しながら、その街の真ん中をゆっくり歩く防爆スーツの不自然さ、その空気感の違い。そして防爆スーツという「自分」と「他」を一切遮断するスーツ。そしてそれを観ている兵隊たちのいまいち噛み合ない会話。彼らは自分しかない。
 だから主人公の中隊の三人が飲み合うシーンでも、それぞれの意思疎通が出来ていない。殴り合ったと思えば笑い合い、いきなり怒鳴り合う、この飲み会のシーンは非常に気味の悪いシーンになっている。
 さらに、この作品には、はっきりと敵兵が映ることはない。映ったとしても、影で被われていたり、遠くの方だったりと、ステレオタイプのキャラクターとかそういうレベルではなく、たんなる「敵兵」という記号表現である。「闘争」や「殺し合い」という次元ですら、他者を感じ取ることができていない。『ミレニアム』の殺人鬼以上のディスコミュニケーションっぷり。ただ記号を撃ち殺すだけの戦争。これって、まるで戦争がTVゲームになってしまっているようである。

 それを象徴するキャラクターとして、他人の言うことを一切聞かないで、現実から自分を一切遮断することで、あらわな感情を殺して任務を行なうジェームズ隊長がいる。まさに戦争が現実逃避となってしまっている。
 あっけらかんとして明るいナイスガイに振る舞うジェームズ隊長は、終盤、顔見知りの子供が人間爆弾にされたことを知り、自分のなかに密かに抱えていた「正義感」というにはあまりに基礎的な「倫理感」的なものに目覚める。しかしこの映画の残酷なところは、やっと発露した感情的なその行為すらも、単なる独りよがりの、「他者を意識していない」行為として処理し、アンチカタルシス展開しか我々に与えてくれない。

 ただただ任務に忠実であることで、頭を空っぽにして恐怖から目を背けていたサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)は、やがて戦場にいることで感じる「他者から遮断された孤独」と命の儚さを痛感し、「俺が死んでも誰も気にしない」と号泣するシーンがとても印象的。戦争のため人間ではなくなった「モノ」たちを見続けた彼がこぼしてしまった、なんとか人間でありたいという悲痛だけどナチュラルな感情。

 しかしながら、この物語のさらに恐ろしいところはここなんだけれども、他者を感じないことは、孤独である一方で、敵もいない。よって自分と自分を認めてくれる自分の妄想だけで成り立つ世界である。TVゲームをやり始めると(最近のオンライン系ゲームは知らないけれど、)他者と直接的なコミュニケーションをとらずに自分だけの世界に浸れるため、その世界に没頭してしまうように、ひきこもりや現実逃避は中毒性がある。そして戦場もまた、他者と自己を遮断する現実逃避のための場所であることを強調するかのように、物語のラスト、スーパーマーケットでどのシリアルを買うか悩み、理解に乏しい妻との会話に辟易するジェームズ隊長の選択は鳥肌が立つ。


 このように、本作はディスコミュニケーションを扱うが、ほとんど救いがない。なんとか他者を意識して人間でいようと頑張ったエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)も、耐えきれなくなり中盤で退場する。そしてコミュニケーション能力を失った人間は人間性の破滅へと突っ走って行くのみである。
 さらに他者という現実を観なくてはならないという、この作品が持つメッセージは、映画という自己を埋没させられる現実逃避的なフィルターを通してでしかこういった問題に対して不安を覚えることができない我々観客を一瞥し、またゾッとさせられる。

 俳優たちの魂を削っているかのような迫真の演技、せまってくるような効果音、小難しいことを考えなくても、単純にハラハラドキドキ楽しめる「黒ひげ危機一髪」的な爆弾処理シーン。それだけでもかなりお見事、軽い気持ちでも楽しめるかな? アカデミー賞に値する映画だとは思います。評価は、最近なんだか気になる朝倉あきレベル


 次回は、これもまた話題作。何度目の映像化だよ!仲里依紗主演の『時をかける少女』の感想を書きます。賛否両論なの?


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テーマ:ハート・ロッカー - ジャンル:映画

  1. 2010/03/20(土) 13:02:20|
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