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『時をかける少女』を比較しないで見るのは無理だよ。

時をかける少女

 以前、暇をみつくろって自主制作映画みたいな人形劇みたいなアニメみたいなのを趣味で撮っているとか書きましたが、まるで進んでおりません。まったくもって進んでおりません。むしろ後退しているくらい!
 もうちょい頑張らねばならないですよね。誰かケツ叩いてくれないかしら。

 今回は何度目の映像化だよ、仲里依紗ちゃんが主演の実写版『時をかける少女』の感想。

 見に行った映画館は新宿ピカデリー。木曜日の昼間なのにほぼ満員。おそらく春休みの学生かしら、若い人が多かったよ。男女ともにいました。カップルが多かったかな? 一人客も多め。


ストーリー:卒業を間近に控えた高校三年生の芳山あかり(仲里依紗)は、科学者の母親和子(安田成美)が作り出したタイムリープ(テレポーテーションかつタイムトラベル)が可能になる薬によって、事故にあった母の代わりに1972年4月に飛んで「深町一夫」という男性に会うことを託される。しかし、彼女は間違えて1974年2月に飛んで行ってしまった。そこで出会ったのは溝呂木涼太(中尾明慶)という映画監督を目指す青年。仕方なしに涼太の家に停泊し、74年の深町一夫を探すあかり。あかりは涼太と奇妙な共同生活を続けることにより、次第に恋愛感情を抱くなるようになるが…。


 もう仕方ないんだと思うんですよ。熱烈なファンがいる大林宣彦監督・原田知世主演の84年版『時をかける少女』があって、で現代っ子にやっぱり熱烈な支持を受けている細田守監督のアニメーション作品の06年版『時をかける少女』があって、さらに映画作品がもう一本とTVドラマが4本ばかりあって、「それらと比較されて上等!」みたいな感じで、84年版の続編という立場であり、かつ06年版の主役の声優だった仲里依紗を主役にして登場したこの映画を比較無しに単体で見ることなんて無理なわけであって。で、開き直って、この作品があからさまに意識している、84年版と06年版の比較をしながらこの映画の感想を書いて行こうかなって主旨でございます。


 今作の感想を結論から言えば、作品の出来不出来は別として、84年版や06年版と比較すると『時をかける少女』である意味があんまりないなーって。
 まず84年版の『時をかける少女』は、まぁ大林節全開で、作品として独特。映画の教科書的には決して100点満点の完璧な作品ではない。でもアイドル映画として見ると素晴らしい作品なのである。理由としてはいくつかあるけれども、その一つとして、10代のアイドルの持つその刹那的な可愛らしさやイノセンスさを切り取った作品だということがあげられる。さらに主人公の芳山和子(原田知世)がタイムリープにより「いま」(当時にとっての「いま」ね)を反復することで、その刹那性はより増していくという構造になっている。
 06年版『時をかける少女』は、アイドル映画ではない。仲里依紗が声優をしていたけれど、アニメ映画だし。で、この作品のすばらしかったところは、それは一つ一つあげて行ったら大論文でも書けそうなくらいなんですが、個人的には戻ってこない「夏」を描いたことかなって思います。誰もが持っている、もしくはまだ体験したことがない、ものすごく青くてものすごく懐かしい17歳の「夏」の美しさ、恥ずかしさ、懐かしさ、そしてそれらが一度限りだという「切なさ」を思い起こさせてくれたところにあるんじゃないかなって。で、そのカラクリとして、やっぱり主人公の紺野真琴が「いま」をくるくるくるくるタイムリープすることで、その「切なさ」は増す。
 もちろん84年版にも06年版にも、移り変わるその場限りの「いま」とは逆の「時を超えても変わらぬもの」ってテーマがあってそちらを強調すべきなんだろうけれども、個人的な感想としては、どちらかといえばやはり「いま」の刹那的な切なさの美しさを描いている点が、両者のすばらしい理由かなって感じている。

 要は84年版と06年版と共に共通するのは、「いま」を繰り返すことで逆に「いま」だからこそ輝く「アイドル性」なり「夏」なりがその時一度限りのものであり、その切なさは増す構造だったということなんだけれど、しかしながら、今回の2010年版では主人公のあかりは1974年という過去に飛ぶのである。なので、84年版や06年版の持つ、かけがえのない「いま」が持つ「切なさ」みたいなものは感じることがなく、「切なさ」を感じたとしても、それは70年代の雰囲気の持つノスタルジーか、もしくは報われない恋からの切なさであって、前2作のそれとはちょっと別物である。
 しかし「なんで74年? せめて前作の舞台の84年じゃね?」なんて思うんですが、まぁ製作者としては70年代の持つノスタルジーを描きたかったのかもしれない。それにしては公害とかベトナム戦争の傷跡とか世紀末ブームとか70年代の暗い側面とか描けてなかったかなーと思うんです、そういう毒がないから、けっこう丁寧に描かれていた70年代の描写だけれど、たんなるノスタルジーの充足のための美化された懐古趣味に思えてしまう。
 で、1974年において主軸として展開されるエピソードは、あかりと涼太の奇妙な同棲生活がおりなす青春映画的かつノスタルジックなラブストーリーであって、その恋愛模様にあまりタイムリープという要素は絡んでこない。二人の恋愛の結末にはタイムリープは絡むけれども、そこにいたるまでの経緯は未来人と過去人という要素がなくても成り立つようなラブストーリーである。
 さらにここが一番この作品で不満だった点なんですけれども、うら若き二人が一緒に生活してるんですよ、一ヶ月も、同じ部屋っていうか同じ布団で。でもセックスしないんですよ、この二人。どんなにうぶでも、どんなに紳士淑女でも、そこで手を出さないのってどんな聖人なのって感じで全然リアルじゃないんですよ、二人の性意識が。そういった点にも性っていう生々しさに蓋をしてその時代を美化したいっていう渇望が見え隠れするんです。
 そんでもっていきものがかりが歌う主題歌も『ノスタルジア』ときたもんだ。
 
 以上のような理由で、2010年版『時をかける少女』は、単なるノスタルジーの物語で、84年版と06年版に比べてあんんまり『時をかける少女』的ではないなーと思うわけなのです。


 良かった点なんですが、この映画、俳優がとてもいいんです。仲里依紗のけっして上手くはないんだけれど、現代的な雰囲気、なんだかもっさりした洗練されてないけどやたら魅力的な体系、あけすけでキュートな声、そしてなんといっても豊かな表情、この映画が駄作になっていないのは彼女が主役だからなんじゃないかなと。84年版のようなアイドル映画って感じではないんだけれども、なんていうか映画映えする女優だなーって。
 それと涼太役の中尾明慶の演技もとてもすばらしいです。演技力もあるし、存在感がなんとなくはかなげ。70年代という過ぎ去った時代に確かに存在していた青年っていう雰囲気を丁寧に体現していると思います。
 この二人が主演じゃなかったら、もっとぼろくそにけなしてたかもしれないけれど、この二人が演技しているから、悪くない映画に見えたんじゃないかと思います。

 俳優といえば、安田成美じゃなくて原田知世使えよって思いました。安田成美は和子の雰囲気がなくてあんまり良くなかったです。そういや06年版も芳山和子役(と思われるキャラは)原田知世じゃなくて原沙知絵さんでしたね。

 あと、不満点として途中で入るJ-POPみたいなバラード調の挿入歌が、作風にまったく沿ってなくて、作品の雰囲気を崩しちゃってるかなって。冒頭のいきものがかりが歌う『時をかける少女』は良かったです。

 てなわけで、従来の『時かけ』に必須な「切なさ」が足りなくて残念でしたが、仲里依紗と中尾明慶君がとても良かったので、スザンヌレベル


 次回はね、まだ何も観ていないんです。こんな時は見たい映画並べてサイコロ転がして見に行きますね。
 適当に6つ選びました。

1.『息もできない』…たった一作でクリント・イーストウッドを超えたとか噂される韓国映画です。
2.『TEKKEN 鉄拳』…地雷。
3.『NINE』…話題のミュージカル。俳優が豪華すぎますし。超期待。
4.『NINJA アサシン』…B級アクションってあんまり映画館で見ないよね。
5.『悲しみよりもっと悲しい物語』…韓国映画、当ブログではおおむね好評ですが、韓流おばさんが好みそうなこういうのはどうなんだっていう。
6.『ウディ・アレンの夢と犯罪』…アレン映画はサイコロで当たらなくても確実に見に行きますけどね。

 地雷だらけのサイコロ映画企画を今後友人と2回もやる約束しているんですが、なんていうか『ハート・ロッカー』みたいですね。

 はい、サイコロ転がします。ころころころりん。


 。『NINE』。

 うわー。普通に面白そうで、面白みないなー。サイコロで当たらなくても絶対見るもの。え?安心してなんかないよ。わーい。
 てなわけで『NINE』観て参ります。
 じゃ、また!!
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

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Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
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