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『誰かが私にキスをした』はタイトル言うのが恥ずかしいよ。

誰かが

 今回は長いのでマクラの文は無しよ。
 サムネイルの画像が、地味なのは、ジャニーズの手越祐也君が主演していて、ポスターの画像が使えない例のアレだからです。

 てなわけで、今回は前回サイコロで見事当てた『誰かが私にキスをした』の感想でございます。窓口のお姉さんにタイトル言うの恥ずかしかった…。


 でもって今回はネタバレがおおいにございます。というか物語構造上ネタバレしないとうまく書けない。申し訳ないのですが、この映画を楽しみにしている人は色んな意味で今回の記事は読まない方がいいと思います。


 見に行った映画館は新宿バルト9。火曜日の夜の回で、あんまりお客さんはいませんでした。カップルが二組くらいと、女の子がちらほら。10人もいなかったんじゃないかな。


ストーリー:東京のインターナショナルスクールに通うナオミ(堀北真希)はある日、階段から落ちて頭を打ちここ4年間の記憶を失ってしまう。目覚めた彼女の前にいたのは、彼女を介抱し病院まで付き添ってくれたエキセントリックな雰囲気を放つ青年ユウジ(松山ケンイチ)、さらに親友だと称するミライ(手越祐也)、最後に彼氏だと自称するエース(アントン・イェルチン)。一切記憶がないのに親しげに接してくる彼らに戸惑うナオミ。やがて、記憶がもどらないまま影のあるユウジにひかれて行くナオミだが、ユウジやエースは難色を示し…。


 まず、ストーリー解説をご覧いただければ分かるかもしれませんが、本作に『誰かが私にキスをした』から想像されるストーリー展開はございませんし、タイトルの雰囲気が表すようなラブコメ的展開もございませんよ。まぁこればっかりはタイトルから勝手に内容を想像してしまった僕が悪いのでしょうけど。

 でね、このブログをやっていて悪口や文句を書き連ねてばかりなのは如何なものかと、悪口は他の誰かに任せて、良かった所だけ書こうかと思ったのですが、悪い点を書かないと書くことが無くなってしまうので素直な感想を書きますね。

 本作のテーマは記憶と忘却かなと思うんですが、まあ物語の軸があっちいったりこっちいったりとブレまくりで何をやりたいのかよく分からなくて、本作の持つ退屈さの原因はここにあるのではないかと、今回はそんな論旨。

 本作を要約すると、不本意にキスしてしまった手越君扮するミライとの関係やその他色々煩わしい関係(めんどくさくなってきた彼氏との関係とか)を、記憶を失ったことでリセットしてもう一度やり直そうとする自分勝手な女の子の話…てな感じなのですが、まあそこはいいとして、この「記憶を失う事でリセットボタンを押して色々面倒になってきた人間関係をもう一度イチからやり直したい」っていう「物語の欲求」が提示されるのが物語が進行して一時間ちょっとくらい経ったところなんです。なのでそれまで観客は、物語がどこに行きたいのか分からないまま、何がなんだか記憶を失った堀北真紀が、何がなんだか外人の彼氏のエースを「付き合った記憶がないから」って理由で一方的にフって、病んでるらしい松山ケンイチとくっつこうとするドラマをずーっと見させられるわけです。これは非常に退屈です。

 で、ようやくその「欲求」が明示され、物語が何をしたいか観客も理解したところでまた何を悩んでいるのかよくわからない松山ケンイチ扮するユウジのウジウジした悩みがまた長~く続きます。物語が何をしたいかを明示された分、これが物語にどの程度関係があるのか想像もつかなくてまた輪をかけて退屈。
 松山ケンイチの悩みが何なのかもっと分かりやすくしてくれればいいんですが、それも不明瞭。思春期によくあるナルシスティックなやつでしょうか「他の人には理解できない悩みを抱えているオレかっこいい」みたいな、そんなよく分からない悩みを誇示するかのように「オレの悩みを聞いてくれ」って突然堀北真紀をロサンゼルスに呼び出します。高校生のくせに恐ろしい行動力と経済力。インターナショナルスクールは違いますね。で、ロサンゼルスでもまた結局何が言いたいのかよく分からない悩みをぐだぐだ語るだけで、ロサンゼルスに呼び出して別荘に高校生カップルが二人きりなのにセックスもしないで「眠い」とか言って松山ケンイチは寝ちゃいます。

 流石に堀北真紀もこんなサイコなやつと一緒にいるのが怖くなったのか、セックスもしないでうじうじ悩む彼にキレたのか、お家に帰りたくなったようで日本にトンボ返り。ナルシスティックなサイコ野郎よりナルシスティックな知的メガネの方がいいやと日本に帰ってきた途端、空港の公衆電話で手越くん扮するミライに電話、しかし冷たくあしらわれる堀北。

 で、ようやく松山ケンイチの話題が終わったかと思えば、松山ケンイチ、日本に帰ってきた途端おかしくなって精神病院に入院します。堀北はここでもビッチっぷりを発揮、せっかく堀北のことは諦めて違う新しい彼女を作った手越くんを特に深い意味もなく無理矢理誘って(受付で怪しまれずに松山ケンイチを呼び出してもらうためだそうです…)精神病院にお見舞い。サイコとメガネどっちがいいか並べて物色したいとしか思えない。でもって、後日突然松山ケンイチから、何故か英語の手紙が来て一方的にフラれる堀北。やたら落ち込む彼女ですが、それさっき外人の彼氏相手にもっと残酷にやった気が…。
 でも大丈夫!だって堀北にはまだ手越くんがいるものってワケで、物語は手越くんとのラブストーリーに。あれ?手越君は外人の彼女いなかったっけ? と思いましたが、手越君、タイムリーにその娘にはフラれたそうです。

 余談ですが本作のエンディングテーマは、堀北に「私の彼氏に手を出すんじゃねえよ」と至極真っ当な宣戦布告を叩きつけておいてあっさり手越君をフっていた女の子を演じるカイリーちゃんが永遠の愛をテーマに歌った『キミがいるから』でございます。えええ、こんな役でいいの!?

 と本当に本当に長々と色々すったもんだがあった挙句、ようやくエンディング、冒頭ですっころんで都合良く記憶を失う事でリセットした手越くんとの関係をもう一歩前に進めようと決意する成長した堀北。一方的にフラレた元彼のエースは再登場もほとんどないままリセットされたまま。正直めんどくさい人になっていた松山ケンイチはアメリカに。手越君は彼女にフラレた挙句、堀北に乗り換えようとしている最中。わあ万事都合良く解決でめでたしめでたし。ちなみにエース役のアントン・イェルチン君『ターミネーター4』や『スター・トレック』『アトランティスのこころ』なんかに出演しているそこそこ売れっ子のハリウッドスターです。えええ、こんな役でいいの!?


 てなわけで、ネタバレしまくってストーリーを追ってみたけれど、何しろ物語の軸がぶれまくって何をしたいのかよく分からないから退屈でしょうがない。
 何しろ、こんな薄っぺらいストーリー展開で124分ですよ。
 おい、誰だよ『アバター』「映像表現はいいけど、ストーリーが薄っぺらいよね」とか言ってたやつ!この映画と比べたら『アバター』のストーリーの重厚さは旧約聖書を超えたぜ?
 おい誰だよ、『アバター』を「いくらなんでも長過ぎない?」とか言ってたやつ!!この映画の124分の持つ体感時間の長さを感じてみろよ!!『アバター』なんて面白すぎて4分くらいに感じるぜ?


 せめてアイドル映画として見せてくれれば良かったんだけど、堀北さんも疲れているのか、なんかやたら肌荒れてるのにアップショットばかりだし、性格は『(500)日のサマー』のサマーや『NINE』のペネロペ・クルスなんて軽く凌駕するほどのビッチっぷりだしでまるで可愛く思えない。
 手越くん目当てで行ったファンの方はどう思っているんでしょうか?


 ていうか物語云々を考える以前に、なんとか観客が見やすいように体裁が整った映画を作ろうっていう程度の意思すらまるで感じられない。映画として格好悪すぎ。

 例えば物語中盤の雪のシーン。堀北真希と松山ケンイチがデートしていると、あら雪が降ってきたてな具合にロマンチックに雪がはらはらと。したらばいきなり学校の階段でソリが滑れるほどにすげー積もる。降ってきた途端に階段の段差が無くなるほどの豪雪ですよ? あれ、この映画の舞台って新潟か山形だっけ? と思ったら自由ヶ丘付近だという。しかも12月。
 で、まぁ学校の階段にてソリで遊んだ後の帰り道、雪、全然積もってないんですよ。学校の階段は超豪雪だったのに、道端は普通にコンクリートしか見えてないんですよ。あれ、幻覚? 確かに松山ケンイチ扮するユウジはクスリをやってるって設定でしたが、まさかあの清純そうな堀北真希まで…最近の高校生おそるべし!!
 
 また、例えば下手で説明的なセリフ回し。先ほど散々説明した通り、基本的にそのキャラクターの行動がいい加減すぎて何を考えているのかよく理解できないんですけれどもね、とりあえずその時何を思っているか、いま物語がどういう構造になっているかを全部セリフで説明してくれるというなんて親切な設定!!
 でもって監督、ハンス・カノーザって、外国人の方なんですが、英語のセリフを日本語訳しましたよみたいな直訳っぷりがものすごくて、それを適当な演出と編集で俳優に語らせるものだから、松山ケンイチやお父さん役の渡部篤郎はさすがっていうか、慣れてるっているか、まだなんとかこなしてはいるんですが、堀北真希や手越君がひどい。いちおう彼らのために弁護しておきますが、普段はここまでひどくないですよ、この二人。「おやまあ」とか「あらあら」とか「~だわ」とか、そういう漫画っぽいセリフ、どう頑張れば自然に発することが出来るというんだ。

 さらに例えば終盤近くのロサンゼルスのシーン。堀北真希と松山ケンイチ、ブルーバックの合成での撮影なんです。アメリカ行って撮影してないんです。そんな低い志で凝った演出をするはずもなく、二人のアップショットの連続だけでなんとかごまかそうとしている上に、たまに合成ではない二人の後ろ姿が出るんですが、この吹き替えをやっている俳優さんが、堀北真希にしてはいやにオバサン体系で、どちらかというと『ONEPIECE』のルフィの声を当てている田中真弓さんの後ろ姿に見えました。ストーリー上、特にアメリカである意味なんてないんだから、無理してかっこつけてアメリカなんて出すなよっていう。アメリカと言えば物語の舞台がインターナショナルスクールである意味も最後までまったく分かりませんでした。


 まあ一つ良かったところをあげれば堀北真紀と松山ケンイチのキスシーンが妙に生々しく安っぽくて変にエロかったことです。まるで色気のない彼女に生々しいエロスを感じさせたのは偉いと思いました。まあその分ロサンゼルスでセックスしなかったのは本当に納得いかないんだけど。


 よくいるじゃないですか、高校生くらいで男をとっかえひっかえしながら、刹那的な恋愛感情に一々やたら深刻に悩む女の子、大人の目から見れば下らなくても本人たちにとっては真剣なんですよね。誰しもそういう時期はありますよね。この作品は、そういうリアルな高校生の不安定な恋愛感情を、リアル高校生が部活で撮ったような映画テクニックを敢えて使うことでこの映画全体で表現しているのかもしれません。

 てなわけで本作は、ストーリーの軸ブレまくり、映画としての体裁もガタガタにすることで、リアルな高校生の、不安定で刹那的な恋愛感情や、あとクスリでラリッちゃってる幻覚を描いた作品なのではないかと読めないこともかないかもしれないです。そういう目で見て諦め楽しみましょう!!

 評価はね、誰の名前を出しても反感買いそうなので、天井なめ(妖怪)レベル。おい、そこ!「逃げた」って言うんじゃない!!


 えーと、ライムスター宇多丸さんのラジオ番組『ウィークエンド・シャッフル』の真似事で、こういう当たり屋みたいなマネを面白がってしてみましたが、予想以上にダメージは大きく、これを毎週やっている宇多丸さんの心労が思いやられます。

 次回は、韓国の話題のインディペンデント映画『息もできない』の感想を書きますね。


キミがいるからキミがいるから
(2010/03/24)
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