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「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

『息もできない』は『対話篇』だよ。

いきもできない

 なんだか手越君の名前を書いたとたん、露骨に来場者数が増えたよ、前回の『誰かが私にキスをした』の感想。あー…手越君の悪口とか書かないで良かったー…。
 じゃあジャニーズの名前を羅列すれば、とりあえず来場者数は増えるんですかね。山下智久(山P/NEWSのメンバー)くらいの人気者になれるんですかね?
 そういえば、体力をつけたかったり、痩せたかったり、ストレス解消したかったりで、ジョギングを始めましたよ。そう、例えば亀梨和也くん(KATTUNのメンバー)のように!
 今日もちゃんと走ってきたよ。なるべく毎日走るよ。継続は力なりだよ。年内は頑張るよ。だから山田涼介くんのように、そうHEY! SAY! JUMP(平成ジャンプ )の薮宏太君(やぶ こうた、1990年1月31日 - A型)や、靍木雄也君(たかき ゆうや、1990年3月26日 - O型)や伊野尾慧君(いのお けい、1990年6月22日 - A型)や八乙女光君(やおとめ ひかる、1990年12月2日 - O型)や有岡大貴君(ありおか だいき、1991年4月15日 - A型)や岡本圭人君(おかもと けいと、1993年4月1日 - O型)や山田涼介君(やまだ りょうすけ、1993年5月9日 - B型)や中島裕翔君(なかじま ゆうと、1993年8月10日 - A型)や知念侑李君(ちねん ゆうり、1993年11月30日 - AB型)や森本龍太郎君(もりもと りゅうたろう、1995年4月6日 - A型)のように継続は力!!
 
 そうやってファンの神経を逆なでするようなことをすると、本当に怒られかねないので、ここらへんにしておきます。あ、間違えてここに来ちゃった人、ごめんなさい…。
 更新さぼり気味でごめんなさい。


 そんなわけで、今回は『息もできない』の感想。さっくりと行きたいと思います。
 見に行った映画館はシネマライズ。金曜の夕方の回で、割と混んでいました。一人客で男性が多め。話題作の割にはいまのところシネマライズしかやってないそうです。えーとね、後ろのお客さんがオナラをぷっぷする人で…あれ、前にシネマライズに『フローズン・リバー』見に行ったときも隣にオナラ男いなかったか?
 きをつけろ!シネマライズにはオナラおとこがたくさんいるぞ!!


概要:監督はこれが長編デビューとなるヤン・イクチュン、製作、脚本、編集、主演もヤン・イクチュン。インディーズ映画で活躍していた韓国の俳優みたい。映画を完成させるために全財産を売り払ったそうな。背水の陣みたいな。
 借金の取り立てをしているチンピラのサンフン(ヤン・イクチュン)は、少年時代に父親の家庭内暴力で母親と妹を亡くした経験から心を閉ざし、誰に対しても、えも言わさずに暴力を振るい、他人とろくなコミュニケーションをとろうとしなかったが、ふとしたきっかけで出会った強気な女子高生ヨニ(キム・コッピ)と関係性を持つことで、次第に人とコミュニケーションをとることを覚えてくる。しかしヨニもまた、ベトナム戦争の後遺症によって精神を病んでいる父親や、チンピラで口をきかなくなった弟とのディスコミュニケーションに苦しめられていた。一方、サンフンは最愛の義姉や甥、幼なじみのマンシク(チョン・マンシク)との関係性を徐々に回復していくが、彼が最も憎む父親が出所して…。



 今回から「ストーリー」を「概要」にしてみたよ。
 たとえば『ハート・ロッカー』は絶望的なディスコミュニケーションの物語と、また『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』は暴力でしか他者とふれ合えない人々の物語と僕は読んだけれども、今作『息もできない』は言葉によって意思伝達や感情表現をすることが苦手な人々の物語と読めました。今回はそんな論旨。

 今作で語られるのは「会話の重要さ」。プラトンも『対話篇』にて対話をすれば思想は発展するとか言っていたけれども、人は得てして孤独な生き物だから、言葉の交換によって相互を尊重しあい関係性を発展させていこうよとこの映画は語る。会話を交えない暴力によるコミュニケーション(というか一方的な意思伝達)からは結局暴力や無様な復讐心しかうまれない。

 主人公サンフンは過去に、一言も発する余地を与えられないほどの暴力によって大切な家族を失い、コミュニケーションツールとしての「会話」の無力さを感じている。
 例えば冒頭のシーン。サンフンは、殴られるばかりで殴り返さない女性にビンタして「なぜ殴り返さない」と言う。また他者と接する時も乏しい言葉で他者と接し、怒った時はもちろん褒める時や照れた時ですらも、対話の余地をはさまずに小突くような暴力で感情表現する。最愛の甥に対してすら言葉ではなくプロレスごっこでコミュニケーションをとろうとする。

 彼を象徴するアイテムがポケベル。ただ受信するだけでこちらから発信することはできないポケベルは、一方的なコミュニケーション手段に成り兼ねないアイテムである。余談だけれど、韓国の事情ってよく知らないけどポケベルってまだ需要あんのかしら?サンフンもヨニに原始人呼ばわりされていたけど。

 そうやってサンフンは職場でも煙たがれ、甥にもあまり好かれず、自分を孤独に追いやって行く。

 そんな彼の果てしない孤独を救済し、ポケベルから携帯電話に代えさせるのがヒロインであるヨニ。
 サンフン同様に、過去に暴力により母親を失い、今も家族とのコミュニケーション不全に苦しめられている彼女は、それでも、例えばサンスンの理不尽な暴力にですら、あくまで「会話」で(それは下手で不器用な会話かもしれないが)皆と接しようとする。そうやってヨニは、少しづつサンフンの孤独を解きほぐしていく。チンピラが携帯電話を買いにいくシーンがこんなにハートウォーミングだなんて!! ダメ男がクッキーを買いに行くだけでハートウォーミングだった『バッファロー'66』よりハートウォーミング。

 そもそも映画はサイレント、映像によって語られるべきであり言葉によって語られるべきではない。映画において「会話」の重要性を語ることは案外難しい。しかしこの作品の制作者は、そういった映画が持つハンデキャップを十二分に理解した上で、逆に利用するような形で、少ないが故に、効果的なセリフでドラマを展開させる。
 どこかでサンフンと惹かれてあっていたヨニは、照れながら「あなたはいつも一方的に電話をかけて私からの電話はとろうとしない、そんな人生じゃダメよ」と諭す。
 サンフンに怯え、いつも目を伏せがちな甥も、出所した父親を殴ることを止めないサンスンに「おじいちゃんを殴らないで」と涙を流しながら、絞り出すようにつぶやく。
 少なく、だから効果的なこのようなセリフの数々は、たとえ下手で、不器用で、回りくどくても、どこかで人の心を動かす力があるということを、サンフンや観客にきちんと伝える。


 不満点はもうちょい突き放したようなクールな視点が欲しかったこと。それこそ韓国映画界の超人ども、ポン・ジュノやパク・チャヌクみたいに。少し感傷的になっているところがある気がします。物語が感傷的になるってことは、観客に、作品が伝えたいことの、「ヒント」ではなく「答え」をそのまま伝えてしまっていることになり、そこに自由な解釈の余地が生まれない恐れがある。自由な解釈がうまれないってことは、観客は、映画に対して能動的に参加せず、ただ一方的な受け手と化してしまう。てことは、映画の伝えたいことは観客にとって印象的なものになりにくい。せっかく数をしぼって効果的にしたセリフのパワーがちょっと弱くなってしまう。
 僕の尊敬する市川崑監督が「若者は映画で叫びすぎるきらいがある。伝えたいことは控えめな演出くらいがちょうどいい」的なことを言っていたけれど、これ最近の邦画のほとんどが抱えている病気であって、この『息もできない』の持つ症状なんて、そういった邦画のそれに比べれば、エボラ出血熱と指のささくれくらいの差があるんだけれど、せっかく上手くできた作品に、玉にキズって感じで目立っちゃったので、難癖つけてみました。
 あ、例をあげると、中盤のサンフンが孤独に耐えかね、ヨニに泣きつくシーンとかのことね。きつく重いシーンほど客観化できるようなクールなユーモアが欲しかったなって。

 あ、あと難癖と言えば、借金取りのボスでサンフンの幼なじみのマンシクが、いい人すぎたこと。ヤクザでしょ、この人。あとサンフンの幼なじみにしては老け過ぎじゃね? 前田吟さんみたいでしたよ


 てなわけで、難癖つけようと思えばかろうじてつけられるけれども、これがほとんど監督デビュー作と考えると、すげー作品だなって思います。まぁ見て損はまずないと思いますよ。
 評価はね、新垣結衣レベル。ガッキ。


 次回はね、前回散々な目にあったのにまたサイコロふってきましたよ。
 作品は以下の通り。今回は同行者に映画をあんまり見ない方がいたので、もちろん地雷多めでセレクトしました。

1枠『ドラえもん のび太の人魚大海戦』…あまりいい印象をもたれていない方が多いそうですが、僕は水田わさびさんの声、けっこう好きです。

2枠『猿ロック THE MOVIE』…原作も知らないし、TVドラマも見ていない。市原隼人君が出て、眉間にしわを寄せていることしか知りません。

3枠『フィリップ、君を愛してる』…今回、一番の安全牌かな。普通に面白いんじゃないかと思っております。

4枠『プリキュアオールスターズDX 2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』…『プリキュア』も実はほとんど知りません。オールスター映画ってことで、オールスター好きとしては少し気になりますが。

5枠『TEKKEN』…ゲームの『鉄拳』は昔好きでしたが、まぁ日本のゲームの映画化であまりいい思い出はない。『スーパーマリオ』の映画はなんか好きでした。

6枠『ダーリンは外国人』…なぜか映画化!こういう映画を見に行くためのコーナーですからね。もちろん枠には入れておかないと。


 そんなわけで、レッツサイコロタイム。
 ちんちろりん。

 『4』!!

 いぇーい。『プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』に決定いたしました。もうなんにもこわくないぜ!!
 てなわけで、次回は『プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』の感想を書いてまいります。乞うご期待、ちゃお!!
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/10(土) 02:20:34|
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