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『プリンセスと魔法のキス』をジャズナンバーとして読んでみるよ。

プリンセス

 最近TVアニメあんまり見なくなっちゃったんだけど、『けいおん!』二期は一応話題のアニメということで、第一期からなんとなくチェックしております。
 登場人物がモブキャラ含めてほぼ全員美少女で、全員善人。ストーリーに起伏や変化やエロや葛藤、他者性すらほとんどなくて、まぁ言ってしまえば「ぬるま湯」。なにかしながら、例えばこんなブログ書いたりしながら見るのにはちょうどいいかもしれないけれど、真剣に見ると、まぁ楽しいんですが「これでいいのか!?これ喜んでいていいのか!?」と、ちょっと焦りみたいなものを感じなくもないです。
 そんな感じで、昨今のぬるま湯的な流行には抵抗感があるのですが、そういう考えも古くさいんだろうなー。そんなぼやき。


 うって変わって、今回は、まだやっているところあるのかしら? 同じ女性が主役の映画ながら、『けいおん!』や前回とりあつかった『プリキュアオールスターズ DX2』と比べるとちょっと挑発的なディズニーのアニメ映画『プリンセスと魔法のキス』についての感想。はじめてマクラの文と本題が有機的に繋がりましたね。

 見に行った映画館は吉祥寺バウスシアター。女の子をだまして、金曜日のペア割引を利用して1000円で鑑賞して参りました。いえーい。観客はね、僕らと、あと女子高生が二人の4人だけでした。もう公開からけっこう時間経ってますからね。ちなみに見に行ったのは字幕版。


概要:ディズニーの5年ぶりの2Dアニメーション作品。ディズニー・クラシックスとしては49作目。監督は『リトル・マーメイド』や『アラジン』のジョン・マスカーとロン・クレメンツ。主題歌はニーヨ。グリム童話『かえるの王様』をベースに描かれたE.D.ベイカーのジュブナイル小説『かえるになったお姫様』を基に作られている。ヒロインが黒人少女となっている。
 ニューオリンズ州のフレンチ・クォーターに住むティアナ(声:アニカ・ニナ・ローズ)は、亡き父の夢でもあったレストランを持つという目的にむかい、日々頑張ってウェイトレスの仕事を続けている労働者階級の黒人少女である。一方、マルドニアという国よりニューオリンズにやってきたナヴィーン王子(声:ブルーノ・カンポス)は、ジャズを愛する浪費家の青年。彼は、街の支配を狙う悪のブードゥーの魔術師ドクター・ファリシエ(声:ケイス・デイヴィッド)の野望によってカエルの姿へと変化させられてしまう。人間の姿に戻るためにお姫様とキスを望む彼は、お姫様の扮装をしたティアナとキスをするが、ティアナも逆にカエルの姿に変えられてしまう。カエルとなった彼らはふとしたことから同行することになったトランぺッターでワニのルイス(マイケル・レオン・ウーリー)や世話焼き屋でホタルのレイ(ジム・カミングス)らと共に、魔術師ママ・オーディ(ジェニファー・ルイス)に元の姿に戻してもらおうと旅立つが…。



 そもそも、このブログの映画感想自体、何度かここで話題にしている『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』というラジオ番組の『シネマハスラー』という企画のパクリなわけで、その番組でもう何週か前にこの映画の批評はなされていて、できたらこちらを聴いていただけたら…みたいな、なんか感想が後追いになってかぶるのも嫌だなぁって。
 てなわけで今回は、ジャズの映画として読むことでこの映画にある視点を加えてみようと思います。そんな試み。


 最初にこの作品の不満点を二つあげたいと思う。
 まずエンドクレジット。ニューオリンズが舞台のため、今作ひゃ全編ニューオリンズジャズ調のBGMが流れるんだけれど、エンドクレジットでニーヨが歌う主題歌が、普通に最近のディズニー映画っぽいバラード調のポップスで、全体をジャズで構築したのに、それを台無しになってしまっている。

 続いて悪役であるドクター・ファリシエの存在。最初と最後を除いて、彼は主人公たちの冒険の直接の障害にはあんまりならない。つまりストーリー全体に有機的に絡んでこない。だからなんだか存在感がない。

 で、こんな不満が挙がってしまうのも、この映画がジャズミュージックを体現(しようと)しているからゆえになのではないかと。

 そもそもジャズと映画というのはことさら相性が良い。『ベニー・グッドマン物語』、『バード』、『ジャズ大名』、『真夏の夜のジャズ』みたいな直接ジャズをテーマに扱った映画もあれば、『死刑台のエレベーター』や『水の中のナイフ』、『雪之丞変化』、たくさんのウディ・アレン映画、同じディズニーアニメだと『おしゃれキャット』などなどなど、今までにジャズを効果的に扱った映画は星の数ほど。
 この相性にはいろんな理由があるんだろうけれども、ジャズにはなんでもかんでも隅から隅までしっちゃかめっちゃかに取り込んで、ある種の色に染め上げ、でもそのなんでもかんでもの要素もそれぞれちゃんと際立たせることもできるという力があるからではないかと考える。

 てなわけですがこの映画も、なんでもかんでもとりこんで一つのジャズナンバーを完成させようとしている。それこそ作中で登場するガンボスープのように。
 
 本作はディズニーぽいプリンセスストーリーの世界をバカにしながらどこかで憧れる女の子の物語というメタフィクション的な構造になっている。だから従来のディズニーのプリンセスストーリーのように、「王子様と結婚」が最終的なハッピーエンドにはならない。
 作中で主人公ティアナが何度も語るのは「夢は願ってばかりではダメ、自分から行動しないと」。彼女は、夢半ばで倒れていった父親のこともあり、レストラン経営という夢に縛られ、自分自身の幸福をはき違えてしまっている。いささかワンマン気味に努力するもののその夢は果てしなく、彼女は大金持ちの親友に協力を扇ごうともせず単身頑張る。年頃の女の子が憧れるロマンスなんて、どこがで願っていても、もってのほか。

 彼女はカエル化という非現実的な装置をもってしてようやく自分の気持ちを見つめる。夢という縛りからようやく自らを解放する。
 彼女が選んだ希望は、レストラン経営もお姫様願望も全部ひっくるめて、みんなで幸せになること。そしてそれは皆の希望となる。それこそまさにジャズセッションではないだろうか。
 そして、彼女の希望が叶うことで、同時に、「自分らしく生きたい」というぐうたら王子のナヴィーン、「エヴェンジェリスタと名付けた夜空に浮かぶ大きな光と結婚したい」と願うホタルのレイ、「人間とジャズのセッションをしたい」と願うワニのルイスたちの、バラバラだった希望が叶うことになる。

 それぞれ一人一人の力でもそこそこ成り立つ、しかし彼らが目的を共有することで素晴らしいセッションが誕生する。ひとつの目的を共有しながら皆がそれぞれの魅力を披露しあう場、それがジャズセッションだとすると、この物語はバラバラだった演奏者たちが、それぞれの個性を披露しあいながら、一つのジャズセッションを完成させていく物語にも読める。
 すると、冒頭で書いたように、やはりジャズセッションにおいて、本編に有機的に絡んでこない今回のような悪役の扱いは邪魔である。どうせなら最終的に悪役すらもなんらかの形でセッションに加われば良かったんだけど…。

 以上のようにこの作品はジャズを体現してはいるので、観ていてとても気持ち良いのだけれども、いかんせんやはり冒頭にあげた二つの問題点がセッションの一体感や爽快感を妨げているようでどうも気になってしまうのが惜しいと思う。

 あ、あともう一つ不満点として、ラブストーリーとしてうまくいっていないかなって思いました。ティアナとナヴィーンが惹かれ合う理由がなんだかよくわからない。テンポ重視なのは分かるけれど、もうちょっと恋愛面を深く描いて欲しかった。

 あと、ホタルのレイの見せる熟練プレイヤーのような渋みと不良っぽさ、ワニのルイスのジャズ青年のような純粋さとパワフルさが、作中とても輝いていて、この二人のキャラクターの存在だけで、この映画の価値は十分にあると思う。キャラクターデザインがあんまり女の子受けしそうにないからキャラクターグッズが出てないのが惜しい。得てしてディズニーアニメのこういうお助け動物キャラは、やたら魅力的なキャラが多いですよね。
 評価は、長澤まさみレベル


 おい、次回は『第9地区』の感想を書くぜ、野郎ども。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/15(木) 15:01:24|
  2. 映画ハ行
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