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「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

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『ジョニー・マッド・ドッグ』のジョニーもそこまでマッドじゃなかったよ。

ジョニー

 次回見に行く映画も決めていないので、前回に引き続きサイコロで決めようかと思います。

1枠.『月に囚われた男』…恵比寿でやっているので、『9<ナイン>』と一緒に観に行こうかなと思っていたのですが、『9』ちょっと先っぽいので。

2枠.『武士道シックスティーン』…北乃きいちゃんが出ているよ。

3枠.『劇場版銀魂 新訳紅桜篇』…一応、当ブログでも「ジャンプ」感想やっていますからね、観に行くのが筋なのではないかと。

4枠.『プレシャス』…今週の『タマフル』課題映画なので。是非みたいと思っています。

5枠.『クロッシング』…前回に引き続き。

6枠.『ファン・ボーイズ』…同上。


 今回はハズレなさそうですね。
 てなわけで、やぁ!!

 『4』!!

 『プレシャス』!!!なんだよ!!

 自分で決めといてなんですが…つまらないですね。
 というわけで、急遽二本立て、もう一回振ります。

 さぁ!!

 『3』!!
 
 『銀魂』!!そうこなくちゃ。

 そんなわけで『プレシャス』と『銀魂』を見てきます。どっちの方がブスが輝いているか勝負で。


 てなわけで、『ジョニー・マッド・ドッグ』の感想です。
 観に行った映画館はシアターN渋谷。恥ずかしながら、ユーロスペースでなくなってからはじめて行きました。最後にいったの大昔な気がするよ。最後行ったの『バーバー吉野』かな?
 水曜日の1000円の日、最初の回でしたがけっこう混んでいました。客層は見事なほどに男性の一人客だらけ。年配の方が多かったです。まぁあんまりデートでは観に行く映画じゃありませんよね。


概要:監督はジョン・ステファーヌ・ソヴェーヌなる人。少年兵役で登場する少年たちは皆もともと本物の少年兵だそうな。国連本部で上映されたり、カンヌでHOPE賞なる賞をゲットしたとか。
 今も内戦が絶えないアフリカ大陸のある国。マシンガンを片手に、正義の戦争を盾にして、殺戮、強盗、レイプを繰り返す少年兵たちで結成された反政府軍の別動部隊。彼らの隊長は15歳のジョニー・マッド・ドッグ(クリストフ・ミニー)。物心がつくかつかないかのころから戦い続けた彼は日課のように当たり前に今日も虐殺を繰り返すが、そんな彼の中にかすかな自己反芻の意識が芽生え始めたとき、彼の「当たり前」に揺らぎが生じる。一方、心優しい13歳の美しい少女ラオコレ(デジー・ヴィクトリア・ヴァンディ)は、ジョニーたちが市街に侵攻してきたため、家族を連れて逃げるが、ジョニーに出会ってしまい…。



 今回の論旨は「命の重み」

 僕の青春に大きな影響を与えた新井英樹先生の『ザ・ワールド・イズ・マイン』って漫画がありまして、まぁかいつまんで言うと、大なり小なり殺意なき殺人を描きまくることで、命の重みを考えるって漫画。この漫画に登場するヒグマドンって怪獣がいて、この怪獣はただ意味もなく超巨大な身体でもって疾走するだけ。それだけでおぞましいほどの死傷者が出る。この『ジョニー・マッド・ドッグ』という映画を見て、この漫画、ないしヒグマドンを思い出しました。この映画自体がまるで一体の怪獣であるかのように巨大で不条理で乾いた暴力を表現している。(余韻を残さない残酷で大胆な編集やいい意味でうるさい音楽が暴力的でその雰囲気をとても効果的に出していたと思います)

 怪獣が死傷者を特別深く思わないように、この作品に登場する少年兵たちも人を殺すことになんの強い感情もいだいていない。嘘をついたからとりあえず殺す。邪魔だから殺す。豚を持っていたから殺す。ジョニーは子供の頃から戦っていた。本当の名前は忘れたし、親もいないという、自我が発達する前から戦うことがカッコイイとされ、戦わされてきた彼らはそれ故に人の命の重みをまったく感じていない。「人の命の重み」は相対的なものであり、けっして絶対ではないのだ。作中でも描かれていたように、こちらがヒグマドンのような気持ちになれば、時にそれは食用ブタの命よりずっと軽くなる。
 
 彼らは子供ゆえにヒーローに憧れて戦っている。「戦うことがカッコイイ」というのは、洋の東西、貧富の差、人種の壁を越えて男の子の共通認識なワケで、彼らはそれこそアメコミヒーローみたいな格好をして、アメコミヒーローのような名前を名乗り虐殺を繰り返す。彼らにとっての戦争はどこかでごっこ遊びの延長なのだ。
 自我が十分に発達していない子供ならば、何も考えないでヒーローみたいにかっこよく殺して、それを誉められていつも仲間と一緒にいれて、そういう環境は我々の文化基準から考えたら間違いなく不幸に見えるけれども、もしかしたら彼らは少なくともそれで不幸では無かったのかもしれない。幸福の定義も相対的なのだ。実際ジョニーたちは戦う自分たちを誇りにしていた。
 しかし自我が発達してしまったら? 兵隊が人の命の重みや身体の痛みを考えだしてしまったらどうなるのだろうか。人の命の重みに無自覚でいられなくなったジョニーは自分の環境に違和感を覚える。

 そこに登場するのが、少女ラオコレの存在。彼女は両脚のない父や戦災孤児となった少女を放っておけないような、いわば我々と似たような命の重みを感じている少女である。ジョニーのいままで培ってきた考えを揺さぶる彼女との出会いのシーンの静寂はとても美しい。
 しかし、この物語のラストの展開は、我々だっていつでも少年兵たちのように他者の命を軽んじる瞬間は訪れるということを知らしめる。
 少年兵たちをたぶらかし殺人に向かわせ、敵前逃亡すると躊躇なく彼らを撃ち殺す彼らの隊長や、オレンジを奪わんがために子供を殺そうとしたノー・グッド・アドバイス(ダグベス・トゥウェ)に対し、殺意を覚えた観客も多いだろう。時と場合によっては、我々が信じている命の重みは絶対でないのはもちろん、我々だって人の命を食用ブタより軽く見ることがあるかもしれないのだ。


 以上のように、『ジョニー・マッド・ドッグ』はリアルで殺伐としたバイオレンス描写によって、人の命を軽んじている少年兵たちの心境は決して特別なものではないということを我々に知らしめさせ、この手の社会問題を我々が理解しようとする際に、根本的なところで平行線になってしまっている文化や意識の違いというものを考えさせてくれる映画だったと思います。

 ジャンル的に、諸手をあげて面白い!!って叫ぶ映画ではないけれど、文句は特にないかな。とてもいい映画だったと思います。サイコロ転がして良かったと素直に思えます。
 山下リオレベル

 てなわけで、次回は『プレシャス』の感想を書きますね。あばよ!!


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(2006/08/31)
新井 英樹

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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/29(木) 03:09:39|
  2. 映画サ行
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<『プレシャス』を見ていると頭の中で変なクラシックが流れてきたよ。 | ホーム | 「週刊少年ジャンプ」2010年21・22合併号の一言感想>>

コメント

クロッシングは5月から銀座でやります。一緒にいかがでしょう?
  1. 2010/04/29(木) 05:21:36 |
  2. URL |
  3. か #-
  4. [ 編集 ]

え!?
あ、はい…。
そういうことはさ、メールでさ…。
  1. 2010/04/29(木) 08:57:33 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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