かろうじてインターネット

「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』をなんで観に行ったのか分からないよ。

矢島美容室

 今回は長くなるので、マクラはなしよ。

 というわけで『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』の感想なのですが、まずサイコロで当ててもないのに、冷静に考えればあからさまな地雷映画を、なぜ観に行ったのか言い訳せねばなるまい。いや、言い訳にもなんないんですけれど。
 だって矢島美容室が映画化だよ。なんかニーズがまったくつかめないじゃん。どんな映画なのかすら想像しにくくて、もしかしたら新しいかもとか思ったんですよ。矢島美容室の歌も『みなさんのおかげでした』もわりと好きだし。他のTVドラマやバラエティ番組が映画化ってならまだ想像がついたんですけれど。言い訳がましいですね。
 
 てなわけで、観に行った映画館は新宿ピカデリー。客層は若いカップルが多め。金曜の夕方でそこそこいました。


概要:バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』より誕生したとんねるずとDJ OZMAからなる音楽ユニット「矢島美容室」がまさかの映画化。監督は『ウルトラマンゼアス』でもとんねるずと共演したCMディレクター中島信也。
 矢島美容室が日本に渡りレコードデビューするまでの前日譚。ある日、矢島家の母マーガレット(木梨憲武)、長女ナオミ(DJ OZMA)、次女ストロベリー(石橋貴明)が目を覚ますと、彼らの父親が失踪していた。その事により家計のやりくりに困ったマーガレットはかつてのストリッパー稼業を再開する。一方で、ストロベリーは、片思いの恋に悩まされながらも、彼女たちのソフトボールチーム「ピンクボンバーズ」を脱退し、新たにチームを作り挑戦してきたラズベリー(黒木メイサ)との試合を控え、また一方でナオミはミスコンの予選を突破し、彼女の夢であるオスカー女優への道の第一歩を踏み出したところであったが…



 まぁ見る前からわかってると思いますが、ハナから『ベン・ハー』は超えないと思うんですね。『ゴダールの映画史』にもカウントされない映画だと思うんですよ。そんなダンゴムシ程度の映画を、このブログでお手本にしている『ライムスター宇田丸のウィークエンド・シャッフル』では全力をもって叩きつぶしていらっしゃいました。てなわけで、そちらの叩きつぶし具合はポッドキャストで聴いていただけたら、僕が叩きつぶす手間も省けます。
 まぁ、僕は宇多丸さんほどこの映画に対して怒っていないのですが、まぁ作り手の志の低さが作品に露に出てしまっているのがやはり許しがたいなって。そんな論旨。


 あの面白いんだか、そうでないんだかよく分からないとんねるずのコントが最近めっきりなくなって寂しいのですが、今回はそれを長々とやるっぽくてうれしいような、ゾッとするような、見る前はそんな印象でした。
 とんねるずって不思議な存在で、今でもやっていることはよく『みなさんのおかげでした』の特番で流れている30年前の『夕焼けニャンニャン』の頃とほとんど変わらなくて、スタッフや若手芸人を蹴ったり、アイドルにセクハラしたりと、まあテレビ的な良くも悪くも下らない内輪で盛り上がっているだけのギャグで、それ単体ではどうしようもないんだけど、あの二人の怪しくて、不良っぽくて、やたら態度でかくて、いい加減そうで、どこかユーモラスな雰囲気がそれを誰しもが吹き出してしまうギャグにしてしまうのではないかと。このようなキャラクターのルックスで笑いをうながすという点では、とんねるずは喜劇映画向けであると思う。タカさんの演技、下手だけど好きだし。だからタカさんが変な顔して大袈裟なアクションしていたら、それが子供騙しであろうと、笑ってしまう。

 ただ、彼らのトークは、基本的に暴力、暴言、セクハラなどで「他者をいじる」という点に面白さのミソがあるために、それは映画では有効ではない。

 で、本作において、トークは劇映画であるが故に封印されているために、前述したとんねるずをはじめとする様々なキャラクターのルックス、雰囲気だけで、なんとか笑かそうとしている。だからそもそも疑似ドキュメンタリーとかそういう手法でなくちゃ、とんねるずの面白さは劇映画では十分に活かせそうにない。

 でも、この映画をわざわざ観に来た観客も、この映画にそこまでの高等なギャグやユーモアは求めないだろうし、で、この映画の製作陣も、そこら辺背伸びしないで立場をわきまえている感じ。ただそれが問題であって、映画の質的に『アニー・ホール』や『街の灯』を超えてやろうとはこれっぽっちも思っちゃいないのがそもそもダメなんではないかと。

 まぁ肝心のギャグを始め、ドラマなり演技なり編集なり構成なり色々手を抜いちゃっていて子供騙しなんですね。そこら辺は先ほど引用した宇多丸さんのポッドキャストで聴いていただくとして、僕としては、多少なりとも映画館で見る映画作品であることは意識して作って欲しかったなって。

 1800円払って二時間弱集中して見るんだし、こっちもアンテナビンビンに張って映画見るわけだから、説明的なセリフや、「僕たち面白いことやってますよ~」と言わんばかりの「面白い雰囲気」演出は、正直余計かなって。
 例えばオッパイを揉むとき「ムニュッ」って効果音鳴らしたり、ヘンテコな顔芸で無理矢理笑わせそうとするのとか。

 更に、志の低さはテーマ性のないがしろっぷりに及ぶ。『釣りバカ日誌20 final』の感想でも似たようなこと書いたけど、本作のテーマである「夢を掴む」ってのがあまりにないがしろに扱われていて、物語の欲求がちぐはぐであっち行ったりこっち行ったりするから、冗長で退屈に思えてくる。本編で「夢」について語るのも、オスカー女優を目指すナオミだけだし。
 この手の映画なら心理描写をリアルに描く必要性は低い分、ギャグを中心にテンポ良く話が進んでいいはずなのに、中心に据えられてなければならないテーマという柱がないため、まぁテンポが悪い悪い。
 そもそもこの手のドラマに涙要素をお約束的に入れるのにすごく嫌気がさすんですが、これって必要なの? 矢島美容室がお涙ちょうだいのドラマに参加して、一体どれだけの人が涙を流せるんだろうか?

 いつテレビを付けてもすぐに入り込めるように、また集中しないでも楽しめるように作られているバラエティ番組ならば、あっち行ったりこっち行ったりする展開の方が都合がいいんだろうけれど、二時間弱の集中を強制する映画でそれは「ビデオで十分」と言われても文句は言えない。


 あとこれは、志云々とはあまり関係ないかもしれない不満ですが、聖子ちゃん問題。これネタバレになるから読み飛ばしてもいいんだけど、松田聖子さん、『みなさんのおかげでした』でも散々存在をプッシュされて、本編でもナオミの憧れる芸能人「プリンセス・セイコ」としてちょくちょく顔を出すし、本作のテーマソングが矢島美容室と共に松田聖子さんが歌う『アイドルみたいに歌わせて』って曲なんですよ、いい歌ですよ、挙げ句の果てにはこの映画ミュージカル映画なんです。どう考えても松田聖子が最後に本当に現れて、四人で一緒に歌ってナオミの「夢」が叶うって、それ以外の選択肢は考えられないと思うんですよ。
 ええ。最後までちゃんとは出てこないんです松田聖子さん。
 なんか、曲にあわせてどうでもいいNG集を流しているだけなんです。
 それって詐欺じゃね? 曲がりなりにもミュージカル映画と自称している映画としてどうなの?


 良かった点としては、先述したように個人的にタカさんの怪演が好きなのと、デビュー曲『ネバダから来ました』が好きなのと、黒木メイサが美人だったこと。黒木さん、こんなしょうもない映画なのに、一生懸命頑張って真面目に演技している姿になんかサディスティックな刺激がございました。


 以上のように『みなさんのおかげでした』に流れている以下の笑いでもいいから、あの番組が好きで(嫌いな人は観に行かないだろうけれど)あの番組が映画化というそもそも企画の時点で無謀なギャグになっているという空気が読める人ならば、そして作り手の志の低さを容認出来る方なら、最低ランクの映画になることはないかもしれません。
 評価はね、川島なお美レベル


 次回は、マット・デイモン&ポール・グリーングラス監督の新作『グリーン・ゾーン』の感想を書くよ。
スポンサーサイト

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/21(金) 12:55:48|
  2. 映画ヤ行
  3. | トラックバック:3
  4. | コメント:0
<<『グリーン・ゾーン』はニガいアクション映画だよ。 | ホーム | 『月に囚われた男』はSF版『逆噴射家族』だよ。>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://karoujite.blog104.fc2.com/tb.php/63-9338bdc2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~

<<ストーリー>>父が営むネバダ州の矢島美容室で、平凡ながらも幸せに暮らしていた矢島家の母マーガレット(木梨憲武)、長女ナオミ(DJ ...
  1. 2010/05/21(金) 18:04:08 |
  2. ゴリラも寄り道

矢島美容室 THE MOVIE 夢をつかまネバダ

バラエティー番組から生まれた人気女性(?)ユニット「矢島美容室」がまさかの映画化。どんな悪ノリが見られるかと思ったら、ビジュアルはさておき、ストーリーは思ったよりまっとうだった。アメリカのネバダ州で、父親・徳次郎が営む矢島美容室。母マーガレット、おしゃ...
  1. 2010/05/21(金) 23:49:50 |
  2. 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP

矢島美容室 THE MOVIE 夢をつかまネバダ

フジテレビのバラエティー番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」から生まれた人気ユニット「矢島美容室」の物語が映画化。アメリカのネバダ州を舞台に、矢島美容室の知られざるデビュー秘話が明かされる。監督は『ウルトラマンゼアス』の中島信也。矢島美容室の面々...
  1. 2010/05/23(日) 10:26:40 |
  2. シネマDVD・映画情報館

FC2カウンター

プロフィール

かろうじてアメリゴ・ベスプッチ

Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
 映画のこととか長々と書くブログです。
 たまに映画以外のことも書くよ。
 コメントくれたら嬉しいです。
 更新あんまりできないけれど。
 あと現代人なのでtwitterを始めました。
 chikiuso2800って名前。
 ご意見、ご感想、取り上げてほしい映画のリクエストなどございましたら、コメント欄か上記twitterIDにてお知らせください。

 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

Twitter on FC2

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

映画ア行 (36)
映画カ行 (51)
映画サ行 (35)
映画タ行 (28)
映画ナ行 (8)
映画ハ行 (40)
映画マ行 (17)
映画ヤ行 (4)
映画ラ行 (14)
映画ワ行 (1)
2010年度映画ランキング (3)
少年ジャンプ (47)
特集 (3)
謝罪 (2)
未分類 (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。