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『クロッシング』は物欲過剰な方にオススメだよ。

クロッシング

 『エヴァ:破』と『オールライダー対大ショッカー』のディレクターズカット版のDVD(ブルーレイ)を買うべきかどうか悩んでいます。
 でもDVDって買っちゃうと安心して全然観なかったりするんですよね。『エヴァ:序』とか発売日に初回限定版買ったのに、開封したのついこの前だもの。開けただけまだマシで、古い奴だと10年くらい開けてないもの。
 あと僕の部屋にはいつか作ろうと10年くらい放置しているプラモデルがあります。『ターンエーガンダム』放送時に買ったターンエックスのプラモとか。
 なんかそんな経験を踏まえてDVDとプラモデルを買うのはひかえているんですけどね。
 いかんせん手元にある『序』が、続編が欲しいと寂しがっております。どうしよう。


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 そんな、物欲を満たす事で精神的安定を求めているような、モノと金におぼれた日本の現代人に見ていただきたい、本日感想を書く映画は『クロッシング』でございます。

 観にいった映画館は銀座シネパトス。最近、スクリーンが大きい映画館に慣れてしまって、後ろめに座ったら小さくてとまどいました。座席選びは前めがおすすめです。同じ映画をやっている渋谷ユーロスペースも方ではずいぶん盛況のようですが、僕が行った金曜の午後の回はそこまで混んでいませんでした。客層はご老体がかなり多め。一人客が多いかな。老夫婦が上映中もぶつぶつしゃべっていて怒られていたよ。


概要:監督は『彼岸島』『百万長者の初恋』 『オオカミの誘惑』『火山高』 のキム・テギュン。08年の韓国作品。
 北朝鮮に暮らす労働者キム・ヨンス(チャ・インピョ)は元サッカー選手で、妻ヨンハ(ソ・ヨンファ)と11歳の息子ジュニ(シン・ミョンチョル)と愛犬とで貧しいながらも幸せに暮らしていたが、ある日、第二児を妊娠中のヨンハが結核に罹ってしまう。しかし、北朝鮮では結核の薬すら手に入らなく、次第に衰えていく妻を見ていられなくなったヨンスは危険を冒して国境を越え、中国へと渡る。見つかれば即、強制送還され、確実に処刑される。そんな状況の中で、身を隠しながら、薬を得るために懸命に働くヨンス。しかし、その甲斐もなく故郷ではヨンハが静かに息を引き取る。やがて孤児となったジュニは、父との再会を信じ、国境を目指すが…。



 北朝鮮を取り扱っているからって別に、北朝鮮の貧しい生活をリアルに伝える社会派映画とは言い難い。北朝鮮という言葉を聞いただけでこれを社会派映画っぽく捉えてしまうところに本作が語る、価値観を通り一辺倒で考えてしまう危険性の片鱗があるように思われる。
 『ジョニー・マッド・ドッグ』の時にもちょっと書いたけれど、幸福がなんであるかはその人その人によって違うものである。北朝鮮でひもじい生活をしているからってそれが不幸であると言ってしまうのは差別に他ならない。

 この作品では幸福な状態を少し大げさかもしれないけれど「天国」と呼ぶ。
 北朝鮮は天国のような場所かと問われれば大方の日本人はノーと答えるだろうし、衣食住が安定している生活に越したことはないし、もちろん物に満たされることで得られる幸福の形というものもあるんだろう。冒頭に登場する密輸品によって豊かな生活をしているミソン(チュ・ダヨン)の一家ももちろん幸福だったはずだ。
 だがこの作品に登場する物の便利さをほとんど知らなかったジョニの一家にとって、天国とはなんだったのであるかを考えると、どんなに貧しく苦しくあろうと家族3人が揃っていた北朝鮮の生活の方が幸福であったのであろう。

 北朝鮮が舞台と聞いてそれを社会派と捉えてしまうことに関連する危険性とはそこにあって、「社会派」という言葉が内包する「イデオロギー」のニュアンス、その「イデオロギー」を通して鑑賞すると、「北朝鮮の悪政=貧困」という図式が生まれ、下手して偏った目で見るとあざといプロパガンダ映画にも見えてしまい、貧困を、悪政が生じさせた、不幸なものとしか捉えかねない。もしも幸福を数値化できれば、「貧困=不幸」って考えもあるかもしれないけれど、まぁ幸福の数値化なんてしていいはずもなく。
 で、この映画は、いくら悪政のもとで暮らしていようが、モノがあまりない生活だろうが、そこにも天国はあるかもしれなく、幸せとは通り一辺倒なものではないと伝える。

 それを表すかのようにこの映画では、幸福を予感させるモノに物理的に近づけば近づくほどに幸福から遠ざかっていくという構図がよく現れる。例えば、モノを得るため脱北したのにモノを得れば得るほど不幸を感じるヨンス。新品ピカピカのサッカーボールがあまりにも哀しく、冒頭でジョニが使っていたボロボロベコベコのボール(?)はとても愛おしい。
 逆に印象深い収容所での自転車の二人乗りのシーンはどうだろうか。状況としてはこれ以上ないほど最悪の環境と体調、だのに何故あそこまで美しいのか。それはミソンの死を悟ったジョニが現世の煩わしい全てを捨てさって彼女を慈しんたからではないかと。全てがなくても幸福になれるかもしれない。このシーンは本作において天国に最も近く、ゾッとするほどの哀しみと、天国にいる幸福を両立させているシーンと言える。


 というわけで本作は社会派映画の側面はあまりなくて、幸福の価値観の相対性を「もう勘弁してくれ」ってほど伝えてくれる作品なのだが、ここで一つ疑問なのが本作のキーセンテンスとなる「雨」の描写の意味。

 「僕、雨が大好き。天国にも雨が降ってればいいな」と、何故ジョニは雨を好むのか。雨はそれを媒介として他者と繋がることが出来るからではないだろうか?
 言い換えれば、自分が雨で濡れる時、同じ雨で離れている両親も友人もみんな濡れているはず、だから雨が降るときジョニは寂しさを忘れ幸せになれる。彼にとっての天国は雨が降る世界、すなわち皆一緒にいられる世界。
 収容所に雨が降るシーンでジョニをなぶる看守たちは雨に濡れない所にいた。それを見てジョニは安心しただろう。ジョニの天国に彼らはいない。
 そう考えると雨が一切降らないであろう最後のゴビ砂漠におけるジョニの「誰とも繋がっていない」という孤独は絶望的だっただろう。
 またラストシーンの父親の上に突然降る雨は、救いがないように見えるこの映画を単なるバッドエンドではなくしている(本作のキーワードの一つ「ごめんなさい」。今作の最後に出てくるこの言葉は、映画史上トップクラスに重く、取り返しのつかない「ごめんなさい」ですね)。

 「雨」と言えば『17歳の肖像』でも触れた、よくテレビドラマである晴天なのに大雨っていう「お天気雨問題」は本作にも現れているが、まあ本作の場合、天国を象徴する神秘的な雨なので、別にキラキラ光っていてキレイって感じでむしろ効果的でした。


 不満点は美しすぎる音楽かな。音楽で雰囲気を演出しなくてもちゃんと感動は伝わっていますよって。ちょっとオーバーアクト気味に見えてしまった。音楽無しでも良かったんじゃないかな。『息もできない』も似たような不満あったけど、まあどちらも難癖気味なんですが。

 以上、「幸福」や「天国」とは何かを定義することは出来ないけれど、いくらモノに溢れていようが孤独は不幸だっていうテーマをとことん追求して北朝鮮を舞台としながら普遍性をもって描いてくれる映画だと思います。相当ショッキングでガツンときましたが、まあもちろんオススメです。単なるお涙頂戴に留まらなく、安っぽい恋愛映画で涙を消費しまくっている方にも是非とも見ていただきたいです。
 今年に入って見た韓国映画はいずれも強者ぞろいでハズレがありませんね。まあ映画大国の韓国ですから駄作もたくさんあるんだろうけど。

 宮本笑里レベル


 そんなわけで、次回は、お待たせしました。『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超電王トリロジー/EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』の感想だよ。なんだ、このタイトル。
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