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『かいじゅうたちのいるところ』はいいところだけを見よう

かいじゅう あんまり深夜に文章を書くとなんだかよくわからない事になりますねって前回の「ウルトラ大怪獣」の感想の話でございます。読みにくいとことかちょっと修正しました。今後気をつけます。ごめんなさい。
 さて今回は本国アメリカでは大ヒットしたけれど日本ではそこまでの「かいじゅうたちのいるところ」の感想を書きますよ。

 モーリス・センダックの有名な絵本のまさかの実写化というわけですが、今度はウェス・アンダーソンも有名な絵本をモデルアニメーションで監督するとか。僕は幼い頃からそれはもうこの原作絵本が大好きなのですが、これが実写化される!しかも監督が「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」のスパイク・ジョーンズ!更にはサウンドトラックが原作の雰囲気にあった素晴らしい出来!ついでにかいじゅうたちは基本CGではなく着ぐるみを使用、しかも「セサミ」や「ラビリンス」のジム・ヘンソンプロが担当!という特撮好きのハートもくすぐりまくりといった至れり尽くせりの前情報でこれを期待せずにいられるものだろうか。

 そんなわけで公開初日の前々日に新宿ピカデリーの見やすい席を予約して気合い十分で見に行きました。観客層はカップルか親子連れが多めで、公開初日にしては金曜日の昼間ということもあってかけっこうガラガラでした。
原作を愛して映画化作品を見に行ってそれで満足できたことがかつてどれだけあっただろうか。ほとんどの場合まあ散々な感想しか持てないような。
 そもそも小説、漫画、戯曲、落語など表現形態がまるで違うものが表す感動を映画という別の表現形態で再現しようという試みがハナからハードル高いわけで、例えば「羅生門」や「ダークナイト」みたいに原作を分解再構築してそれとかけ離れた形で映画化した上で原作の持ち味を伝えるのがいちばんベターな方法なんじゃないかなって。(それは原作の持ち味をそのまま伝えずに「太平洋ひとりぼっち」のように原作のメッセージに「返答」や「否定」するという方向で映画化するという方法も含めて)
 今作の場合、絵本という、ストーリー形態がかなり特殊なジャンルの原作なため、まあそのまんま実写化するのはハリウッド映画業界的には難しいし、原作とかけ離れることは必然なのでしょうが、原作のテーマや持ち味は活かすのか否か、活かすのならばどのようなアプローチかみたいな点に留意して感想を書きたいと思います。
 以上が前置きですよ。長いですね。

 まず原作版と映画版の大きな違いとして映画版はやや大人向けに作られています。例えば「釣りバカ」感想で「物語の欲求」とか書いたけれども、原作版は主人公マックスのパワフルで子供らしい破壊衝動やいたずら心をかいじゅうというマックスの分身とも言える存在を使って発散させることが欲求だったのに対し、映画版は、原作版より少し年上に見えるマックスの抱く悩み(誰しもが子供のころ成長するに連れて感じたような複雑化する人間関係)とどう付き合っていくかを物語の欲求に据えている。言い換えれば欲求が少し年長向け。

 このように原作版は幼児~小学生低学年くらいをメインターゲットにした作風なのに対し、映画版は小学校高学年以上くらいをターゲットとしている。対象年齢が高ければ内容も大幅に変化する。例えばただ大暴れするのがカタルシスになった原作版に比べて、映画版は、マックスたちは暴れても何か虚しい気持ちに襲われる。見ていても原作のような爽快感はない。
 また、原作版において幼児のマックスの全世界は彼の小さな部屋のみであったためかいじゅう達の世界は彼の部屋の中が変化することで現れるが、映画版ではかいじゅうたちの世界は家の外にある。マックスの世界観が彼の成長に伴い、原作に比べて、大幅に広がっている。

 このようにスパイク・ジョーンズは、絵本「かいじゅうたちのいるところ」の対象年齢を少し上げて、その持ち味をより一般的なものへと変換させようとしていると思える。それは「絵本」の実写映画化なんて難しい題材に対してかなりベターな見せ方ではあると思うし、多分それは成功している。けれども、ここで問題点、果たしてただ無茶苦茶に大暴れをしないで悩んでばかりいるじれったいかいじゅうたちが登場し、マックスが部屋の外へ出てしまうことは原作の持つ魅力の本質を崩してやいないだろうか。個人的にはこの作品を観ていてそこが最もすっきりしないところでした。

 映像表現はさすがスパイク・ジョーンズといった感じで、刺激的で知的で狂気的でカワイイ。例えば冒頭のかいじゅうのように犬と遊ぶマックスのシーン、映像がぴたっと止まって落書きみたいなタイトルが出る演出なんてかっこよくて可愛くて失禁もの。
 マックス役のマックス・レコーズ君の演技もすばらしいです。少ないセリフでよくあんなに感情表現ができるものだと。あとお母さん役のキャサリン・キーナーもいい感じ。
 あと先述した通り音楽も最強にキュート。カレンO。ヤーヤーヤーズの人ですね。それにもちろんジム・ヘンソンの息がかかった連中が作ったきぐるみ!!小さい頃「ダーククリスタル」を観た感動を思い出しました。そんな感じでいいところをあげればキリがないです。僕が原作知らなければ、というか原作に拘らなければ多分もっと楽しめたんだろうなぁ…。

 あ、ラストショット、マックスがスープを飲むシーン。スープから湯気が立ってないのも気になりました。あそこはスープが温かくなければマックスの帰ってきたという安心感が表れないのじゃないか?

 そんな感じ。色々文句書いたけれど総評としてはよい映画です。何事も期待し過ぎは厳禁。あと映画の感想をブログに載せるからってあら探しして映画観るのも厳禁だと思いました!!!!映画はもっと素直に観なくちゃと思いました!!!!!ずっと楽しみにしてたのに!!!!!!!!


 そんなわけで、今回も長くなっちまいましたが、次回もまた長くなっちまいそうな話題の恋愛コメディ「(500)日のサマー」の感想を書きます。僕の大好物のオサレ童貞コメディ。なるべく短くまとめます。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/02/05(金) 02:21:50|
  2. 映画カ行
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

この映画を観る前に予習的な意味合いで絵本を読んでしまったのですが、その印象があまりにも強すぎたせいか映画を観て「???」がまるで漫画の噴出しのように頭のやや左上に浮かんでしまった冬の夕暮れです、寒い。

ついつい映画にメッセージ性を求めたりだとか「何の意味があるのコレ?」なんてただただ結論ばかり追い求めてしまううら若き華の20代を謳歌していますが、可愛ければそれで良いのかもしれません。ていうかデカいヌイグルミが圧倒的なパワーで乱舞するその光景って凄くシュール!ハイパー絵本アクションのカメラワークにお蔭様で少し酔っちゃったヨ!
  1. 2010/02/08(月) 17:50:34 |
  2. URL |
  3. かろうじてゲイボーイ #N86cNGYo
  4. [ 編集 ]

No title

>>かろうじてゲイボーイ殿
 うっほほーい!!ついに初コメントだーわーいわーい。

 映画を理屈でなく感性だけで観れていた10代のころに戻りたいです。
 本当に、理屈とかより、可愛ければどれでいいんだと思います。例えば『ゴジラ』がかっこ良ければそれだけでいいのと同様に。かいじゅうはいいアクションと表情でしたよね。
  1. 2010/02/08(月) 22:39:44 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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