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『ハロウィン2』はホラースターの新たな解釈だよ。

ハロウィン2

 てなわけで、ようやく『ハロウィン2』の感想ですよ。
 

 観に行った映画館はシアターN渋谷。シアターN渋谷は、カウンターでフリトレーのマイクポップコーンが売っていて、あれおいしいし安いし大好きなんですが、袋の音がかしゃかしゃ鳴るし、残り少なくなって袋をひっくり返して大口あけて食べるとこぼしまくっちゃうし、後ろの人に迷惑な気がするし、なんだか映画館で食べるのには適していないなと思いました。ポップコーンの容器はTOHOシネマズのバケツ型のが食べやすいです。
 この映画館はスクリーンが小さいので、なるべく前めで見たい私としては、前から2番目くらいの列で見るのが好きです。水曜の安い日、夜7時の回だったのですが、あんまり入りは良くない様子。若い男性が多め。なんか一人やたらカワイコちゃんが見にきていたけれど、ホラー映画好きの女の子はカワイコちゃんが多い法則。


概要:1978年のジョン・カーペンター監督作品『ハロウィン』のリメイクで、『マーダー・ライド・ショー』のロブ・ゾンビが監督した同タイトルの07年の作品のオリジナル続編。監督は引き続きロブ・ゾンビ。
 精神病院を脱走し、妹ローリー(スカウト・テイラー=コンプトン)が暮らす故郷ハドンフィールドに現われた、殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズ(タイラー・メイン)。次々と残忍な殺戮を繰り返した末、ついにローリーが放った凶弾に倒れたが、マイケルの遺体を運んでいた車が移送途中に事故を起こし、以来マイケルの遺体は発見されないまま、巷ではマイケル生存説がくすぶっていた。マイケルの主治医を務めていたルーミス医師
(マルコム・マクダウェル)は、そんな噂を一蹴する。一方、惨劇の夜をどうにか生き延びたものの、その時のトラウマから徐々に精神のバランスを崩してしまっていたローリーだったが…。
"allcinema ONLINE"より抜粋)


 今作において、「マイケル・マイヤーズ=ブギーマン」というホラー界のスターを、ロブ・ゾンビ監督が新たな解釈をもって描き直そうとしているということについて、2007年のリメイク版第一作『ハロウィン』を交えて考えたい

 今作について考えるにはまず前作『ハロウィン』(07)について考察する必要がある。前作の原作である、ジョン・カーペンター監督の78年の作品に登場する殺人鬼は「マイケル・マイヤーズ」という本名を持ちつつも劇中および我々の彼に対するイメージは得体の知れない不気味な怪物殺人鬼「ブギーマン」であり、その見た目はお化けのマスクを被っている以外は普通の人間であり、劇中でもとりわけ彼が不死の存在であったり超能力者であったりの説明もなく、ただし、いくら撃たれても死なず、異常な身体能力を持ち、何不自由なく育ててくれた家族を意味なく惨殺するように、一体何を考えているのか一切わからないまま意味不明の怪力を使用し殺人を繰り返す、やはり得体の知れないうすら恐ろしい化物の「ブギーマン」であった。

 一方でロブ・ゾンビ監督の『ハロウィン』(07)に登場するマイケル・マイヤーズはそもそもの殺人鬼的な素質を持ちつつ、荒んだ家庭環境で育ち(78年版はけっこうブルジョワ家庭だったりする)、学校ではひどいイジメにあい、次第に精神が荒んでいくことで、家族に対する寂しさと孤独感が倒錯していき殺人鬼として開花するといった風にその誕生における理由づけがある程度しっかりなされ、また15年間鉄格子付きの精神病院で鍛え上げたであろうヘビー級ボクサーのような強靭な肉体を持ち殺人を繰り返す。ここにおいて彼は化物ブギーマンではなく、あくまで人間としての無差別殺人者マイケル・マイヤーズなのである。

 また残酷描写を比較しても、どこかユーモラスでもある78年版の描写に比べ、07年版のそれはリアルで痛々しく生々しい。
 このマイケル・マイヤーズ像と残酷描写の変化には、より刺激を求めていった結果の現在のアメリカンホラー映画界が求める、ドラキュラや半魚人ではない、現実と地続きのリアルで過激なソリッド感のある痛みや恐怖を追求した結果ではないかと思われる。(これって、心霊写真なんかが持つ「何やらわからないうすぼんやりとしたモノへの恐怖」を映像に落とし込もうとする、ジャパニーズホラーの方向性とまるで逆で面白い)

 そんなわけで、07年版の『ハロウィン』はオカルト感を排して、リアル化傾向を強めていったリメイク作品であったワケだけれども、その続編としての今作はどうだろうか。
 結論から言うと、この続編の働きにより、前作も含めたリメイク版『ハロウィン』シリーズは、78年オリジナル版にも増したオカルト作品へと変化を遂げ、それにより、「ブギーマン」というキャラクターを、フレディやジェイソンやチャッキーに代わる現代的なオカルトキャラクターへと作り直そうとしているのではないかと考える

 今作において象徴的に描かれるのは、マイケルの目の前に表れる母親デボラ(シェリ・ムーン・ゾンビ)の幻影。こういった殺人鬼の心象風景の描写は「何を考えているかわからない」といったマイケルの神秘性を否定し、彼の恐怖性をなくしてしまう。また中盤から、マイケルのマスクが破れ、彼の瞳があらわにされる。瞳が見えそうで見えないあのマスクが生み出す不気味さが、瞳がはっきり見えることで台無しになってしまうことを、ホラーマニアのロブ・ゾンビが気づかないはずがないと思う。つまりこういった描写から推測されることは、ロブ・ゾンビはマイケル・マイヤーズの持つ神秘性を、前作に増して剥奪し、恐怖性すら奪ってしまっているのだ。 

 しかしながら、終盤に向かうに従って、主人公のマイケルの妹ローリーが、マイケルの心象風景であるはずのデボラの幻影を共有するようになる。ここから、この物語のオカルト要素が強まる。
 以下、詳しいことはネタバレになるから書きませんが、マイケルが強靭な肉体を持つちょっと頭のおかしな殺人鬼だと知りどこか観客は安心する。『エルム街の悪夢』のフレディのように人間が太刀打ちできない得体の知れないパワーを持ったお化けではないと思うからだ。しかしローリーが自分の出生を知ったあたりから、彼女の殺人衝動がぐんぐん芽生え始め、やがてマイケルの心象風景を共有する。やがてローリーは「ブギーマン」へと変貌していく。
 ここでわかるのは、マイケルもローリーも実は普通の人間であり、観客は、より得体の知れない、彼らをブギーマンへと導く何かの存在をうっすら感じとり、その気味の悪さをぼんやり味わう。

 以上、フレディやジェイソン、チャッキー、レザーフェイスなんかの派手なホラースターに比べて、いまいちキャラクター性が弱い『ハロウィン』シリーズの「ブギーマン」だったが、ロブ・ゾンビは「ブギーマン」の解釈を、さしずめ「『ハロウィンの悪意』とでも呼べるぼんやりとした空気に毒された者」として新たに描き出したのではないかと考える。
 そこにはリアルな痛みを追求する現代のアメリカ製ホラーの中で、ギャグキャラクターには陥らないホラースターを描こうとするロブ・ゾンビの試行錯誤が伺える。


 他に良かった点はローリー役のスカウト・テイラー=コンプトンさん。顔はまぁアレなんですが、悲鳴がとても良い。カワイイ悲鳴をだし、残虐プレイをする甲斐がある。

 不満はマイケル・マイヤーズが怖くないこと。前述のように、この作品の狙いとして、顔を見せたり彼の心象風景を見せたりしてしまうので、彼の不気味さがなくなってしまっている。怖くないまま物語が進み、作品がやりたかったことの「恐怖」が描かれるのはローリーが悪意に触れる物語終盤であるから、そこまでは物語がどこに向かいたいのかがよくわからず、ちょっと退屈な印象を受けてしまう。要所要所で残酷シーンを取り入れることで観客を飽きさせないように努力はしているけど、あんまり印象的な残虐っぷりは無かったしなぁ…。

 あとマルコム・マクダウェル扮するルーミス医師のキャラクターが前作と比較して変わりすぎ。前作は医師としてのプライドもマイケルに対する優しさもあったが、彼に関する本を出してそれが大ヒットを飛ばしてしまったため「子供の不幸をメシの種にして儲けている」とか不本意に叩かれてしまっているってキャラクターで最後までマイケルの担当医として、彼のことを心配していたけれど、今作ではただの金欲に溺れた医師のプライドもへったくれもない汚いジイさんになってしまっている。

 あと子役が…! 前作のアンチでも、皆口を揃えてそこだけは絶賛していたマイケル・マイヤーズの少年時代を演じていた、ダエグ・フェアークくんが降板して、違う子役が演じていました。あのにくったらしい悪意に満ちた瞳とギャグにならない程度の小太りっぷりが最高に恐ろしかったのに…なんか普通のかわいい男の子になっていた。あんな役やって、いじめられちゃったかな…。

 あとあと、ホラー映画史でも屈指の名曲であるあの有名なメインテーマがあんまり印象的な使われ方をされていないこととか…。


 そんな感じで決して傑作映画ではございませんが、ロブ・ゾンビのホラーに対しての愛は見えたし、すぐにマンネリ化しがちなホラー映画に対し何か新しいものを作っていこうという意気込みが強く感じられました。そこまで怖くはなかったけれど。ところで『グラインドハウス』で流れていた『ナチ親衛隊の狼女』はまだですか?
 パート3も予定されているそうですが、ロブ・ゾンビは監督する予定はないそうです。
 桜庭ななみレベル


 次回は大ヒット上映中のコメディ映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の感想を書きます。ちゃお!
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