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『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でアメリカ産コメディを考えてみたよ。

ハングオーバー

 まるで、映画感想が進まないのでサクサク更新して行きますよ。
 今回は話題のコメディ映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の感想ですよ。見たのもう2週間前だよ、あはは。

 観に行った映画館はシネセゾン渋谷。10年以上前に渋谷の単館がとても盛り上がっていた頃は、この映画館も意欲的に色々上映していて、旧作のレイトショーなんかも多くやっていまして、よく行っていたよ。『黒い十人の女』も『女は女である』も最初に見たのはここ。あの頃は15~16歳だったけれど、24時くらいに終わるレイトショーに普通に入っていたような。時代が変わったのか…。
 すごく思い出深い映画館なんですが、最近はメジャー系映画の上映が多くなってわざわざここで見ることもなくなっていき、ここに来たのも気づけばアニメ版『時をかける少女』以来です。
 水曜日の安い日だったのもあり、劇場はほぼ満席。会社帰りの女性客が多めでした。


概要:監督はトッド・フィリップス。スター俳優が出てなく話題性もなく、アメリカでひっそりと公開されているところ、口コミで広まり4億5000万ドルを稼ぐ大ヒット。ゴールデングローブ作品賞を受賞したドタバタコメディ。すでに続編の公開も決定している。
 結婚式を2日後に控えたダグ(ジャスティン・バーサ)は、独身最後の夜を楽しもうと悪友のフィル(ブラッドリー・クーパー)とステュ(エド・ヘルムズ)、そして義理の弟となるアラン(ザック・ガリフィナーキス)と共にラスベガスへと向かう。高級ホテルのスイートを確保して酒を浴びるように飲み、バカ騒ぎする4人。ところが翌朝目覚めると、メチャクチャになった部屋の中には何故か赤ん坊と一頭の虎が。しかも、肝心のダグが行方知れずという緊急事態に。ひどい二日酔いで昨夜の記憶が全くないために、自分たちの陥った状況が皆目理解できないフィルたち。それでも、ダグは明日には結婚式を挙げなければならない身。なんとしてでも見つけなければと、わずかな手掛かりから捜索を開始したものの、ダグの行方は杳として知れず、代わりに昨晩の取り返しのつかない失態の数々が明らかになるばかりだったが…。
("allcinema online"より抜粋)


 この手のコメディ映画ってアメリカでは一定の地位を獲得しているけれど、日本で公開されると毎度興業収入はイマイチ。愛要、ホラー、スパイ、刑事ものなどジャンル映画のコメディバージョンとして売れればある程度見にくる客も多いんだろうけれど、そういう売り方が出来ないドタバタコメディはたいていビデオスルーに。で、アメリカでは大ヒットを飛ばしたものの、日本では例によってビデオスルーになりかけたところを、熱心なファンが署名活動などしたのが効果あったのか、満を持して公開ってなわけで、きちんとそこそこのヒットを日本でも飛ばしているそうな。良かったね。

 てなわけで今回は映画らしいギャグとはなんだろうかと考えたいと思います。

 本作は、ミステリー的な謎をきちんと提示して謎の解決が新たな謎を呼び…と、トントン拍子で物語が進み、それによって男の友情を深めていってというストーリー運びで、それはなかなか見応えがあって面白いです。きちんと娯楽映画の王道ストーリーラインをなぞりながらそれに沿った形でギャグを織り混ぜてくるのは、もはやある種の伝統芸能。『矢島美容室 THE MOVIE』などが見せた、最近の日本映画に多い、テレビ番組的な単発のギャグではない、物語とキャラクターの絡み合いから必然的に生まれている(ように見える)ギャグを劇場で見て観客全員で笑うのは快感。

 ギャグに限らず、テレビ番組と映画の一番大きな違いは「観客」と「登場人物」のシンクロ率の違いだと思います。ドキュメンタリーなんかを想像していただければわかりやすいと思うけれど、映画はそのほとんどが長時間スクリーンに集中することを半ば強いられるため、観客は登場人物の一つ一つのアクションに連続性を感じることができ、登場人物と観客のシンクロ率は高い。一方でテレビ番組はいつ誰がどのような状況で飛び入り参加しても楽しめるように、登場人物のアクションに、「連続性」というか、最初から見てないとついていけないようなあまり込み入った感情移入は避けられがちである。
 で、ギャグに関してもそれは言えて、テレビドラマ的な浅いジャブのようなオフビートで妙な間の生み出す客観性を重視した言葉遊び程度のギャグを、映画で連発されても、せっかく二時間集中して見ている分、なんだか損した気分になる。やはり映画で見るからには登場人物の感情のうつろいと事件の進展に完全にリンクした途中入場者はお断りのギャグを多く見せてくれないと、1800円払って二時間集中して見る気には、僕はならない。
 だから今作のように観客全体が登場人物に感情移入し、共に「旅」をすることでその映画を見ている者でしか体験できない笑いを大人数で共有できることは、見も知らぬ隣の観客にまで仲間意識が芽生えて妙に快感なのである。

 てなわけで、どうも文化コードの違いで笑えないと言われ避けられがちなアメリカ産コメディ映画ですが、お家のテレビにて、バラエティ番組やコメディドラマ感覚で見てしまうと笑いの種類が違うぶん笑いにくいかもしれませんが、劇場で大勢で見るとなかなか面白いものですよ。


 で、肝心の『ハングオーバー!』についてなんですが、最初に言っておきます、充分面白かった映画です。これからたくさん文句連ねるけれど、ちゃんと面白い映画です。
 前述のように、「ブラックジャック必勝方」や「部屋に何故かいるトラ」などの伏線をうまく張って、謎を追ううちにその謎の解決が新たな謎を呼び、観客の興味を引きつけながらテンポよくギャグを見せていくその手腕は見事だし、てんやわんやの結果、次第に深まっていく男同士の友情ってテーマもある程度描けていると思うし、主人公3人の関係性もいい感じ。で、それが全てきちんとギャグへと繋がっている。それが前述の「ストーリーにきちんと絡み合ったギャグ」。例えば、あの謎が誰もが知っているあの人物に繋がっていたり…とか、とても興味深いし笑えます。


 でも、ギャグの見せ方に不満がございます。「そこに人間がきちんと描かれているかどうか」となると、僕は少し考えてしまう。
 往年のコメディの名作にはある、ウディ・アレンもジャック・タチもマルクス兄弟もチャップリンもきちんと押さえていた、「人間の描写」がいまいち弱いため作品のトーンが薄っぺらに感じられてしまう。
 映画などの物語における「面白い笑い」ってのは、人が必死に何かに集中している際に生まれるものだと思うんです。例えば笑いをとるためニヤニヤ笑いながら道端に落ちているウンコを探しても、バラエティ番組では笑えるかもしれないけれど、映画ではそれじゃあ面白くない。何らかの理由でウンコを踏まなきゃ殺されるという理由があって、そのために必死にウンコを探す、主観的に撮れば恐怖になるところをそれを客観的に撮ることで「笑い」に転じる。
 そういった「面白い笑い」を可能にさせるのは、丁寧な「人間」の描写である。人間を丁寧に描けば描くほど、ヘンテコなシチュエーションに真面目に対応する人間のリアリティが生まれ、そこに「笑い」が生まれる。
 で、この映画はどうもその「人間の描写」が軽いように思われる。

 例えば俳優たちの演技。ダテ男であるフィルの雰囲気、ちょっとふざけている感じがでちゃっていて、イケメンがバカを見るってだけでギャグなのに、そのルックスを活かしきれていない。なんていうか「ファニー」な雰囲気なのである。「僕たちおもしろおかしいことしてますよ~」って雰囲気を出してしまっているように見えるのだ。どんなに酷い目にあってもかっこよく見えてしまう。そこでギャグにもならないカッコ良さってあんまり期待していないよっていう。
 あと中国人マフィアの演技もファニーすぎやしないか? とか。

 また例えばヘザー・グラハム演じるストリッパーの扱い。ノリで結婚されて、「あれは酔った上での過ちでしたごめんなさい」って、その後きちんとフォローはあるものの「それでいいのか?」って。ご都合主義的なキャラクターの人間性を無視した描写は、彼女に関連するギャグを根本的に嘘くさいものにしてしまう。(どんなに嘘くさいギャグでもいかにも本当であるかのように扱うのがギャグの基本なのに)

 またこれは「人間描写」ではなく「雰囲気」の問題なのであるが、流行歌をファニーにアレンジしたBGMの数々(そういえばアメリカの最近のコメディ映画ってやたら流行歌ばかり流す傾向があるけれど、あのセンスってどうなんでしょ)、『クロッシング』『超電王トリロジー』の時にも言った不満だけど、「面白いシーンですよ~」って感じで説明過多。

 しつこいようですが、もちろん笑えないコメディ映画ではないですよ。笑えるギャグはたくさんあって、意味なくいじめたデブの子供が復讐するシーンとか、終盤の身代金と人質の交換のシーン(のオチ)などなどとても笑った。まぁ前評判良すぎて期待しすぎたってのもあるんでしょうが。

 あと、関係ないけど、ヘザー・グラハムは何歳になっても可愛いな、とか。おっぱい!とか。
 あと、「男だらけのバカな飲み会は楽しいよ」って雰囲気を描けているのがこの映画の一番重要な感想の気がしますが、今回も長くなりすぎたので、そこら辺は割愛。

 以上、楽しく見れてそれ以上の事を望むのも無い物ねだりしているようだとは思いますが、人間描写の点で詰めが甘く「笑い」がシラケちゃったなーって、不満が目立ってしまう映画でした。まあ不満並べましたが面白い映画の定石はきちんと押さえていて、軽く見る分には最適の映画だと思います。
 押切もえレベル

 次回は、すいません、まだ公開しているんでしょうか? 『超電王』に続く電車映画シリーズ、『闇の列車、光の旅』の感想でございます。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/07/20(火) 23:40:24|
  2. 映画ハ行
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:2
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コメント

とあるBARに

飲みに行ったら、これがかかってました(字幕なし)。
酒場なんかで見ちゃうと面白さ3割増しくらいになりますね。
映画館よりもそんなところで見た方が絶対に雰囲気出ますって。 笑
  1. 2010/07/21(水) 04:08:21 |
  2. URL |
  3. rose_chocolat #ZBcm6ONk
  4. [ 編集 ]

>rose_chocolat 様
こんにちは。
確かにお酒飲みながらゲラゲラ笑ってたら、楽しくなっちゃいそうですね。
そういう映画の楽しみ方もアリか。
  1. 2010/07/21(水) 21:41:55 |
  2. URL |
  3. かろプッチ #-
  4. [ 編集 ]

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原題:THEHANGOVER監督:トッド・フィリップス出演:ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ヘザー・グラハム、ジャスティン・バーサ、ジェフリー・タン...
  1. 2010/07/21(水) 04:02:43 |
  2. NiceOne!!

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

やっぱりエンドロール 【Story】 2日後に挙式を控えたダグ(ジャスティン・バーサ)は、親友のフィル(ブラッドリー・クーパー)やステュ(...
  1. 2010/07/22(木) 02:13:25 |
  2. Memoirs_of_dai

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