かろうじてインターネット

「少年ジャンプ」と水木しげると映画とおもちゃと特撮を愛します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『借りぐらしのアリエッティ』はジブリ版『死霊のえじき』だよ。

アリエッティ

 スパスパ更新して行きます。
 今回は『借りぐらしのアリエッティ』の感想。「人に見られてはならない」って言いまくってるのに、大ヒット上映中でございます。

 見に行った映画館は新宿ピカデリー。今年の夏は当たり年のようで、この手の人気映画館はどこもかしこもどの作品も混み合っております。この回も平日昼間なのに満席。子供や若い女性が多め。


概要:監督はこれがデビュー作となる米林宏昌。プロデューサーは鈴木敏夫。脚本と企画に宮崎駿が名前を載せている。原作はメアリー・ノートンの『床下の小人たち』。
 父ポッド(声:三浦友和)と母ホミリー(声:大竹しのぶ)に囲まれ3人で静かな暮らしを営む14歳の少女アリエッティ(声:志田未来)。彼らは、郊外のある広大な古い屋敷の床下に住み、一家の生活に必要なモノを床上に住むふたりの老婦人に気づかれないようにこっそり借りてきて暮らす、“借りぐらし”の小人たち。彼らの日常には危険がいっぱい。とくに人間は要注意。もし見られたなら、そこから引っ越さなければならない。それが彼らの掟。そんなある夏の日、アリエッティは、病気療養のためにやって来た12歳の少年・翔(声:神木隆之介)にその姿を見られてしまう。しかし、好奇心旺盛なアリエッティは、父親の心配をよそに、次第に翔に近づこうとするのだが…。
"allcinema online"より抜粋)


 今作をはじめとするジブリ映画における宮崎駿の呪いについて考えてみたいと思います。

 『アリス・イン・ワンダーランド』の時も似たような事を書いたけれど、あまりに宮崎駿という才能は印象強く、やっぱり天才で、ジブリと言ったら宮崎駿で、ジブリの新作と言われれば、私たちはどうしても、それが高畑勲作品でも、ましてや宮崎吾郎作品なら尚更「宮崎駿的なもの」を期待してしまう傾向がある。でもって今回は、思春期の女の子が主役で、声優に人気タレント使って、『ギブリーズ』や『となりの山田くん』とは違い絵がいつもの宮崎アニメ調と、完全に宮崎アニメの文法なのである。

 『崖の下のポニョ』など、齢70過ぎてなお自分の殻を打ち破ろうと新しいスタイルを模索し続ける宮崎駿本人とは裏腹に、スタジオジブリは観客のニーズにイージーに応えるため「宮崎的なアニメ」を作っていこうとしている。それは宮崎駿の息子を監督に雇った『ゲド戦記』が象徴的であるが、悲しいかな本作もそのような匂いを感じてしまった。

 で、「宮崎的なアニメ」は、もちろん『となりのトトロ』や『ルパン三世 カリオストロの城』といった名作と比較されてしまう運命にあり、哀しいかな、天才が最も天才であった頃の作品に勝てる見込みは少ない。比較してしまえばどうしても不満が漏れてしまう。
 決して駄作ではないこの作品に、生まれながらにしてこのようなハンデキャップを与えてしまったのは、あまりいい判断だったとは思えない。もちろん、『トトロ』や『カリオストロの城』より面白く、思いれ補正なんかもぶっ飛ばしてくれるような面白い作品が作れるのであれば、それに越したことはないんだけれども。せめて画風だけでも変えれば良かったのに。

 で、敢えて流れに身を任せて比較して観ると、宮崎駿の「生」に対する執着ってのは素晴らしいものがあって、そこが彼の作品のキャラクターをあんなに活き活きと魅力的にしている所以なのだと思うのですが、例えば、アリエッティに往年の宮崎アニメ独特の色気が足りないなとか(男性キャラのエロい視線、フェチっぽい仕草、総じて監督のムラムラしたリビドーなどが足りないような)、ご飯が美味しそうじゃないなーとか、そういう「生」に対する描写(食・性)はやっぱり劣るなって思いました。

 ですが一方で宮崎駿が『千と千尋の神隠し』や『風の谷のナウシカ』『紅の豚』などで見せた独特のファンタジー文化の描写は、負けず劣らず頑張っていたと思います。例えばアリエッティの生活空間の描写。自分の家の地下にあんな素敵空間がひっそりとあると思うとすげーワクワクします。更にアリエッティの髪の毛をまとめるクリップなどの生活用品の違った利用方法の可愛らしさとか、また翔のおばあちゃん(声:竹下景子)の家から「借りぐらし」し続けていたアリエッティ一家は、その家の文化に類似した生活空間を築き、一方でまったく違う文化の「借りぐらし」で生活していたと思われるスピラー(藤原竜也)はまるでアリエッティたちとは違う生活空間を築いているという世界観の広がりを感じさせる描写、これらの描写だけで今作の価値は十分あると思うほど、とても楽しい。
 今作のテーマは「孤独」かと思われる。もう小人の生き残りは自分たちしかいないんではないだろうかという「孤独」に怯え、一方で翔も病気で友達も出来ないままひっそりと死んでいくという「孤独」に怯えている。交わってはならない二つの「孤独」が出会ったとき、ちょっとした光が差し込む。そういったテーマを扱うにも、日常に潜む違った生活文化を持つ小人たちの日常描写はとりわけ重要であったはずだ。そこに力を注いだのは、物語に説得力も奥行きも生まれ、とても良かったと思う。

 地下に住み続け、独自の文化を作り出し、もはや生き残りは我々しかいないってな感じで孤独に怯え、地上に出て外敵に怯えながら物資を調達し、その外敵とコミュニケーションを図ろうとする、でもって最後は新たな希望の地へ…って展開、あれ? ロメロの『死霊のえじき』とまんま同じストーリーラインじゃないですか。


 不満点はちょくちょくございます。
 まず翔の台詞が唐突で芝居くさくて思わせぶりであんまり映画としてカッコ良くないこと。出会っていきなり「君は滅びゆく運命だ」とか言ったり、「君は僕の心臓だ」とか意味深なことを言ってみたり。
 あとお手伝いのハルさん(声:樹木希林)が結局なんであんなに躍起になって小人たちを捕まえようとしたのかよく分からないところ。金にしたいわけでもなく、名誉が欲しいわけでもなく。無理に悪役にしなくても良かったのに。
 あと「借りぐらし」と「盗み」の違いがよくわからない。だってこいつら盗んだもの別に返さないし、なのにハルさんが「泥棒め!」って言ったら「違う!借りぐらしだ!」はなんだかなって。
 「『借りぐらしのアリエッティ』って結局宮崎アニメの二番煎じじゃん」「二番煎じじゃない!借りぐらしだ!」みたいな使い方でオーケー?
 万引きしてGメンに見つかったときに「お客さん、お会計間違えてるよね?」「違う!借りぐらしだ!!」みたいな。日テレの番組なら文句は言えないと思いますよ。なんせ天下のジブリ作品の台詞ですから、ジブリの名言なら仕方がないかーって。
 あと翔の猫とアリエッティの交流をもっと深く描いて欲しかった。そこを丁寧に描けば「孤独」に対する一つの解答のヒントも表せたし、終盤の猫が活躍するシーンがぐっと感動的になったのに、もったいないな。
 あと、小人の小人ならではの翔のおばあちゃんの家での大冒険はとてもワクワクして素晴らしいんだけれども、
終盤翔がアリエッティの仲間になった時点で、家の中の大冒険はまったく冒険性が無くなってしまい、クライマックスなのに急に緊張感がトーンダウンしてしまう点とか。翔の協力は本当に最後の最後で良かったと思う。

 他に良かった点として志田未来ちゃんの声がすげーカワイイこととか、ケルト調の音楽が印象的で良かったです。

 以上、不満はたくさんございます。特に宮崎アニメの文法を使わなければ、別に受けなかったであろう批判や不満をみすみす誘発しているのは如何なものかと思います。でもそんな中、周囲の期待と不安を背負って頑張っていたと思います。色々不満を並べてしまったのも、それだけ惜しい作品だからであって決してつまらない映画ではございません、過度な期待さえしなければとても楽しめるとてもいい映画だと思います。

 麻生久美子レベル。

 次回は久々にサイコロをふってまいりました。
 6月は一度もサイコロ転がさなかったので、豪華二本立て。

1枠.『宇宙ショーへようこそ』…期待されているのかされていないのか、主題歌にスーザン・ボイルを使っているあたりなんか匂いますが。

2枠.『デルタ 小川国夫原作オムニバス』…アップリンク枠というのを設けようかと。本当は『にくめ、ハレルヤ!』が良かったのですが、レイトショーしかやっていないので、適当に選びました。小川国夫って人、文学部卒業なのに知らないです。

3枠.『パラレルライフ』…何かとハズレがない韓国映画ですが、思えば話題作ばかり観ているのでとりわけなんの話題にもなっていない今作を入れてみました。

4枠.『エアベンダー』…俺たちのシャマランがどうしちゃったのか、『カンフー君』をリメイク!?

5枠.『シュアリー・サムデイ』…小栗旬初監督作品。この映画の宣伝を最初に観た時からもう絶対にサイコロに入れると思っていました。予告編だけで、びんびん感じるよ、もうびんびん来てるよ!!

6枠.『シュアリー・サムデイ』…2枠も入れるなら普通に観に行けばいいのにという声が聞こえてきそうですが、サイコロで当てて観に行くからこそ意味があるんです。

 てなわけで、サイコロ振ってみます。
 一投目!!

 ころころころん…

 『3』!!
 『パラレルライフ』!!


 二投目!!

 ころんころん…

 『5』!!
 きた!!『シュアリー・サムデイ』!!
 ノリノリだぜー!!俺たちバカで最強だぜー!!

 てなわけで、次回は『パラレルライフ』、その次は『シュアリー・サムデイ』の感想をノリノリで書きます。

死霊のえじき 完全版 [DVD]死霊のえじき 完全版 [DVD]
(2004/10/22)
ロリー・カーディルテリー・アレクサンダー

商品詳細を見る

スポンサーサイト

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/08/05(木) 01:10:56|
  2. 映画カ行
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:0
<<『パラレルライフ』は映画みたいな映画だよ。 | ホーム | 「週刊少年ジャンプ」2010年35号の一言感想>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://karoujite.blog104.fc2.com/tb.php/98-8ab8e946
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

借りぐらしのアリエッティ

メアリー・ノートンの小説『床下の小人たち』を原作に、スタジオ・ジブリ の宮崎駿が脚本を書き、長らくジブリ作品に関わってきた米林宏昌を初監督に 抜擢し、舞台をイギリスから日本に設定移し、人間の少年と小人の少女・ アリエッティとのある夏の数日間の出会いと別れを..
  1. 2010/08/05(木) 21:50:47 |
  2. だらだら無気力ブログ

二ノ国

発売初日に購入し
  1. 2010/12/10(金) 14:37:57 |
  2. ゲーム攻略

FC2カウンター

プロフィール

かろうじてアメリゴ・ベスプッチ

Author:かろうじてアメリゴ・ベスプッチ
 映画のこととか長々と書くブログです。
 たまに映画以外のことも書くよ。
 コメントくれたら嬉しいです。
 更新あんまりできないけれど。
 あと現代人なのでtwitterを始めました。
 chikiuso2800って名前。
 ご意見、ご感想、取り上げてほしい映画のリクエストなどございましたら、コメント欄か上記twitterIDにてお知らせください。

 なお映画の感想コーナーの最後で、実に分かりやすく画期的な映画の評価方法として、その映画のレベルに見合ったアイドルの名前を書いております。

Twitter on FC2

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

映画ア行 (36)
映画カ行 (51)
映画サ行 (35)
映画タ行 (28)
映画ナ行 (8)
映画ハ行 (40)
映画マ行 (17)
映画ヤ行 (4)
映画ラ行 (14)
映画ワ行 (1)
2010年度映画ランキング (3)
少年ジャンプ (47)
特集 (3)
謝罪 (2)
未分類 (0)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。